⑸ , by Hans Chrition Andersen as told by Marianna Mayer, illustrations by Thomas Locker. New York: Macmillan Publishing Company, 1987.
アンデルセンの「醜いアヒルの子」をマリアンナ・メイヤー(Marianna Mayer)が再話した ものをテキストとし、ロッカーが絵を担当している。この「アヒルの子」は、納屋の中でも、 また外の世界でも、他の鳥たちから仲間はずれにされる。納屋の描写が中心となる前半から、 後半は自然のなかでの鳥たちの営みへと世界が広がっていく。この絵本の特徴を端的に表わし ているのが、表紙の絵である。冷たい冬空の下、凍りつつある湖面にこうこうと輝く月が映っ ている。その月の反射から離れた影の部分に一羽の鳥が浮かんでいる。この絵を見るものの注 意を引くのは、自然の風景であり、そこから伝わるのはその中にいる鳥の孤独である。ここに、 他の絵本作家たちによる『醜いアヒルの子』との違いを見ることができる。他の作家たちが、 子どもたちの理解への配慮からであろうか、「醜いアヒルの子」に焦点をあて、他の鳥たちとの
単著 昭和 60 年 Lotus(日本フェノロサ学会)第 5 号 pp. 4-9.
“The Artists Stretch Their Legs: the “Sketch-tour” books and Other Developments in Japanese Graphic-Arts of the Early Twentieth Century”
単著 昭和 61 年 3 月 関西大学東西学術研究所紀要 第 19 輯 pp. 21-39. “Kanao Tanejiro and the development of Meiji-Taisho “sketch-tour” books”