Primary endpoint である OS の主たる解析において TC 療法の TP 療法に対する非劣性は検証されたが、 プラチナ(ほとんどがシスプラチンによる CCRT)投与既往のない患者のサブグループ解析では TP 療法が TC 療法に優っていた。同様の報告として、GOG169 試験(シスプラチン単剤 vs. TP 療法)、および JCOG0505 開始直前に公表された GOG179 試験(シスプラチン単剤 vs. トポテカン/シスプラチン)におい て CCRT 投与既往が、それまでの標準治療として設定されていたシスプラチン単剤療法の有効性を明らか に減弱させることが示されていた 1),5) 。さらに、JCOG0505 にて初めて carboplatin-based chemotherapy の 臨床的有用性を検証し、シスプラチン既投与例への有用性が明確となったことから、プラチナ製剤の未投 与例にはやはりシスプラチンは有用であるものの、CCRT などで投与既往を有すればシスプラチンへの耐 性が獲得され得る、という生物学的にもっともらしい解釈の可能性がさらに支持された 6),7) 。そのため、上 記のサブグループ解析結果は無視できず、腎機能良好である初発 IVB 期などシスプラチン投与既往のな い患者に対しては TP 療法が依然として標準レジメンであると思われた。また、「4.背景因子」で記載したと おり、プラチナ製剤投与既往のない患者は TP 療法群に若干多く、全対象の OS 解析においても若干 TP 療法群に有利に働いた可能性がある。それにも拘わらず、主たる解析で非劣性を証明できた。
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