GDP per capita 0.8024 0.8659 † 0.8259 † 0.0434 0.7135 1 EGR - 0.5878 - 0.7920 - 0.6184 0.0040 - 0.4827 -0.9228* 1
**: p<0.01, *: p<0.05, †: p<0.1
総獲得ポイントと有意な相関を示したのはメダル総数(p<0.01)と GDP ( p<0.05)である。金メダル数は総メダル数及び一人当たりの GDP と有意傾向 ( p<0.1)を示した。またメダル総数は GDP とは有意な相関(p<0.05)があり、 一人当たりの GDP とは有意傾向を示し、一人当たりの GDP は経済成長率とマ イナスの有意な相関( p<0.05)を示した。このなかで競技力を示す項目間で有 意な相関を示すのは当然であるが、競技力を示す項目と GDP 及び一人当たりの GDP との間で有意な相関を示し、Bernard ら(2004)および Moosa ら(2004) の研究を支持するものであった。すなわち、エリア別にみると、オリンピック ばかりではなく、アジア大会における陸上競技の競技力も経済的なバックグラ ンドに支えられていることが統計的に明らかにされた。今回の統計処理では経 済成長率と一人当たりの GDP 間で有意なマイナスの相関を示し、経済成長率の 高いエリアでは一人当たりの GDP が低いことも示唆しているが、現在世界の国 々は国策としてスポーツ振興や競技力の向上を目指すようになっていることか ら、経済成長率の高い中央アジアやインドを中心とした南アジアに今後の躍進 の可能性も示唆される。これらの国々は欧州人の体型を示し、中央アジアの諸 国は旧ソ連からの独立国であり、ソ連方式と呼ばれるスポーツ制度やトレーニ ング理論と実践力が蓄積され継承されているとみることができる(井上ら , 1989)。古豪インドの復活が近い可能性もある。
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