第4学年3組 国語科学習指導案
指導者 A
1 単元名 場面の様子を想像して読む『ごんぎつね』
2 単元について
(1)単元観
本単元は,学習指導要領第3学年及び第4学年「C読むこと」の目標「目的に応じ,内容の中心をとら えたり段落相互の関係を考えたりしながら読む能力を身に付けさせるとともに,幅広く読書しようとする 態度を育てる。」,指導内容ウ「場面の移り変わりに注意しながら,登場人物の性格や気持ちの変化,情 景などについて,变述を基に想像して読むこと。」オ「文章を読んで考えたことを発表し合い,一人一人 の感じ方について違いがあることに気付くこと。」を受けて設定した単元である。
『ごんぎつね』は,「ごん」や「兵十」の心情の変化が美しい情景描写を背景に描かれており,ドラマ チックな場面の展開によって読者である子どもたちを魅了する作品である。また,人物の気持ちや行動を 表す表現に目を向けながら,物語の世界にたっぷりとひたって感想を深めたり,場面の情感を高め,物語 の印象を鮮明にしている情景描写をイメージ豊かに読んだりすることで,物語を読み味わう楽しさを感じ ることができる作品である。そして,「ごん」を撃ったことによって初めて「兵十」が「ごん」の気持ち に気づくという切ない終末は,この物語において一番深く心に残る場面となる。この終末について深く考 えさせるために,前の場面から「ごん」の気持ちをしっかり追っていきたい。そして「ごん」と「兵十」
を客観的に見た自分の感想を持つことができるようになることが望ましい。
また,4年生という発達段階にふさわしく,变述をもとにして,登場人物の性格や気持ちの変化,情景 などの想像したことを他者と交流することによって,互いの感じ方の違いに気づかせる学習を展開するに は格好の教材である。本単元を通して,自分の感想をきちんと持ち,他者との感じ方の違いを理解しなが ら,自らの気持ちを明確に表現していくことができるような力を養いたい。
(2)児童の実態(男子19名,女子16名,計35名)
本学級は,男子19名,女子16名,計35名で構成されている。
話すこと・聞くことに関しては,自分の考えを積極的に話すことができる児童が尐なく,自信がなかっ たり,恥ずかしがったりして発表できない児童が多い。特に,物語文の初発の感想で自分の考えを発表で きる児童は数名である。学習に長い間集中しにくい児童も尐なくないので,聞く姿勢を確認しながら授業 を進めている。
書くことについては,ほとんどの児童が自分なりの考えを書こうとする意欲が見られる。しかし,中に は「わからない」と言って人物の気持ちを想像することのできない児童も数名いる。『一つの花』では,
ゆみ子を思うお父さんとお母さんの気持ちを,想像豊かに読み取って書くことがおおむねできた。
本単元を行うにあたって『ごんぎつね』の作者でもある新見南吉の『てぶくろを買いに』を使った調査 と,それとは別の2種類の調査を行った。
『てぶくろを買いに』を使った調査 ①あらすじがわかる
主題にせまることのできた記述があり,おおまかなあらすじがわかる 3名 おおまかなあらすじがわかる 13名 あらすじというには,足りない 14名 書けない・できない 4名
・物語を聞いて大体のあらすじをつかむことのできた児童は半分近くである。うまくあらすじを捉えるこ とのできない児童も半分いる。本単元は,長い文章が特徴でもある。長い物語を読むのは本単元が初めて であるので,長い物語を読んで大体の内容がわかるかどうかを調査した。
②景色や場面の様子がきれいに描かれている文章がわかる きれいな景色や場面の様子に線がひける 28名
違う場所・ひけない 6名
・多くの児童がきれいに景色や場面の様子が描かれている部分がわかるということが調査できた。
③一度の読み聞かせで主題を読み取る
きつねの人間への思いが入っている記述 1名 その他 33名
・長い物語を1度聞いただけで主題を読み取ることができる児童は,ほぼいないことがわかる。
国語科アンケート 1 本を読むことは好きですか
① とても好き 20名 ②好き 8名
③ あまり好きではない 6名 ④好きではない 1名
大半の児童は本を読むことを好んでいるが,数名は好んでいないようである。朝読書の時間や,待ってい る時間には多くの児童が集中して本を読んでいる。
2 物語を読むときに,登場人物の気持ちを考えて読みますか。
① よく考える 14名 ②時々考える 14名
② あまり考えない 4名 ④考えない 3名
多くの児童は登場人物になりきって本の世界にひたって読んでいるが,数名は気持ちを考えずに読んでい るようだ。音読の前には読み取るポイントを確認してから,読ませたい。
3 物語を読んでいて,心を動かされることがありますか。
① よくある 11名 ②時々ある 12名
② あまりない 7名 ④ない 5名
本を読むことが好きな児童の中にも,心を動かされることがあまりないと答えた児童もいた。本単元の切 ない結末に心を動かされるような工夫をしていかなければならない。
4 『一つの花』を読んだ時,登場人物の気持ちを想像することができましたか。
① よくできた 14名 ②尐しできた 17名
③ あまりできなかった 3名 ④できなかった 1名
ゆみ子を心配するお父さんとお母さんの気持ちが想像できた児童がほとんどである。
5 自分の知らない所で,誰かが自分のために何かをしてくれたら,あなたはどう思いますか。
・うれしい 22名 ・ありがたい 6名 ・やさしい人だと思う 4名 ・自分もその人のために何かしてあげたい 3名 ・あたたかい気持ちになる 1名
6 自分は相手のために一生懸命何かをしているのに,それに気づいてもらえなかったら,あなたはどう思 いますか。
・がっかり,悲しい 20名 ・ひどい 4名 ・気づかれなくても満足する 3名 ・気づいて欲しい 3名 ・もっと一生懸命がんばる 2名 ・それならそれでいい 2名 ・もうしたくない 1名 ・ふつう 1名
<考察>
以上のことから,本学級の児童は,大体の読み取りで流れをつかむことはできるが,心を動かされるよ うな読み取りをするには登場人物の気持ちを場面ごとにていねいに追っていく必要がある。本単元の特徴 でもあるきれいな景色や情景については大半の児童が感じることができると考えるが,難しい児童には挿 し絵で想像させる手立てを講じる必要があるだろう。
6の設問は「ごん」の気持ちになりきれるかを図った問題であるが,多くの児童が自分の行動に気づい てもらえないことを「かなしい,気づいて欲しい,もっとがんばる」というようにごんに同化して考える ことができる解答をした。従って,ごんの気持ちになりきってこの物語を読み進めることのできる児童は 多いと考える。
(3)指導観
多くの児童は,この物語で償いを続けるごんの気持ちを感じることができるであろう。しかし主題でも ある償っても償っても報われないごんの切ない気持ちまで深く読み取ることは簡単なことではないと考え る。
そこで,場面の様子を想像しながら,一人ひとりがごんになりきって読むことができるように,「ごん のほらあな日記」を学習活動の中心として取り組ませたい。場面ごとにごんの心情の変化を追っていくこ とによって,前の場面のごんの気持ちも含めて気持ちを想像していけるだろう。そして,ごんの気持ちを はさんでの音読も取り入れて活動にも変化をさせることで,飽きずに楽しく読み進めていけるだろうと考 えた。また,色による情景描写もきれいなので,挿し絵を有効に使いたい。
この物語はごんの気持ちが表れている言葉がたくさんある。直接は表れていないが,きれいな景色の表 現などからごんの気持ちが読み取れる言葉もいくつかある。そのような言葉から,ごんの思いを読み取る ことができる。また,色々な所にごんの人間への距離感が表れている言葉がある。そのような言葉からも ごんの人間に近づきたいという気持ちがわかるだろう。こういった言葉に着目させながら,ごんの兵十へ の思いの移り変わりを考えさせていきたい。
ごんの気持ちをはさんで音読するはさみ読みを所々に取り入れることによって,ごんの気持ちになりき って表現豊かに読むことができるであろう。また,最後の「青いけむり」について考えさせることで,自 分の考えを豊かに表すことができると考えた。学習後には,動物と人間の関わりを主題とした本や,新美 南吉の描くきれいな情景を感じさせるように新美南吉の作品を読む場を設定したい。
3 目標
関心・意欲・態度 ・「ごん」や「兵十」の気持ちを進んで読み取ろうとする。
読む ・場面の移り変わりや情景を,变述を基に想像して読むことができる。
・登場人物の気持ちや,場面の様子がわかるように音読することができる。
伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項
・表現したり,理解したりするために必要な語句を増やすことができる。
4 指導計画(14時間扱い)
過程 学習活動 指導・支援(○) 評価(◎)
見
通
す
(2)
・単元全体の内容を確かめる。
・「ごんぎつね」を読み,初発の感想を書 く。
・初発の感想を交流し,場面毎にめあて を考える。
・ごんの日記帳を作るという課題を知り 学習の見通しを持つ。
○「場面の様子を想像して読む」という単元から「ご ん」と「兵十」の気持ちを想像して読むことがねら いであることをおさえる。
◎1番心に残った所を端的に書くことができたか。
○初発の感想を生かしながら,登場人物の心の変化や 情景などについて想像したことを交流させ,学習の めあてや方向を持たせる。
○日記帳の見本を提示してイメージをつかませる。
『ごんのほらあな日記』を作ろう
深
め
る
(6)
・1の場面(P28~32)を読み,ご んの性格や兵十の様子を読み取る。
・いたずらをするごんの気持ちを考え,
話し合う。(本時1/6)
・ごんのほらあな日記を書く。
・2の場面(P32~34)を読み,ご んの様子と後悔の気持ちを読み取る。
・3の場面(P34~37)を読み,ご んがつぐないをする様子とその気持ち を読み取る。
・4・5の場面(P37~P40)を読 み,ごんのやるせない気持ちを読みと る。
・6の場面(P40~41)を読み,撃 たれてしまったごんと,撃ってしまっ た兵十の気持ちを読み取る。
○「ごん」はどんなきつねかわかるところに線を引か せ,ワークシートにまとめさせる。
◎「ごん」の境遇や性格がわかる变述を本文から見つ けることができたか。
○「ごん」はひとりぼっちの小ぎつねであるという境 遇や,性格を読み取らせ,いたずらをするごんの気 持ちを想像させる。
◎ごんの気持ちを变述から想像して,書くことができ たか。
○ごんの気持ちがわかる变述に線を引かせる。
○ごんの行動が兵十のおっかあの死を知ったことで変 わったことをおさえる。
○「~にちがいない」,「~しまった」,「ちょっ~しなけ りゃよかった」などの文末表現に着目させる。
○ごんの後悔の気持ちが表れている会話文(P34L 5)をごんの気持ちを想像しながら音読させる。
◎ごんの後悔の気持ちを想像して工夫して音読できた か。
◎ごんの後悔の気持ちを变述から想像して,書くこと ができたか。
○ごんの償いの行為をおさえる。
○「おれと同じ,ひとりぼっちの兵十か」「次の日もそ の次の日も」,「くりばかりでなくまつたけも」などに 着目させ,償いを続けるごんの気持ちを想像させる。
◎ごんの様子や気持ちの移り変わりについて,变述を もとに読み取ることができたか。
◎ごんの後悔の気持ちを变述から想像して,書くこと ができたか。
○ ごんの目と耳がとらえた情景や会話を音読しながら
,ごんの行動を劇化することで,ごんの気持ちを想像 させる。
○兵十とごんの気持ちが分かる变述にサイドラインを 引かせる。
○ごんは前の場面からずっと償いを続けてきたことを 確認する。
○兵十の言動の節々に気持ちが表れていることから,気 持ちを想像させる。
◎兵十の言動から,撃ってしまった後の兵十の気持ちを
想像して書くことができたか。
◎ぐったりとしたままうなづいたごんの気持ちを想像 することができたか。
ま と め る
(2)
・青いけむりの暗示する意味について考 える。
・撃ってしまった兵十と撃たれたごんに ついてどう思うかを客観的に考える。
○最後の「青いけむりがつつ口から~」という情景描写 がどんなことを表しているのかを考えさせる。
◎自分なりの表現で,青いけむりの意味について書くこ とができたか。
○最後の結末について自分なりの意見を書くよう声を かける。
○周りの友達の意見と自分の意見の相違点を考えなが ら聞くように助言する。
◎自分なりの感想を持つことができたか。
広 げ る
(4)
・新見南吉の作品や,きつねをテーマに した作品を読み,紹介し合う。
○新美南吉の作品の情景の美しさはどんなところに表 れているのかを考えて読むように声をかける。
◎自分の気に入った本を友達にわかりやすく紹介する ことができたか
5 本時の学習(3/14)
(1)目標
関心・意欲・態度 ・ごんの気持ちを,進んで書いたり発表したりしようとする。
読む ・いたずらをするごんの気持ちを読み取ることができる。
・穴から出られないでいるごんの気持ちを読み取ることができる。
伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項
・ごんの気持ちが表れている情景を見つけることができる。
(2)展開
時配 学習活動と内容 指導・支援(○) 評価(◎)
2
1
2
13
1 前時の学習を振り返る。
・文章の姿を見て,本時の位置を確認する。
2 本時の学習のめあてを確認する。
○掲示物を見て前時の学習を想起させる。
◎前時で学習したことを想起することができ たか。
ごんはどんなきつねだろう。
3 1の場面を音読する。
・自由読み
4 ごんの性格や境遇をつかむ。
・黙読しながら,ごんの性格や境遇がわかる 所に線を引く。
・線を引いたところを発表して板書しながら
○ごんの性格や境遇がわかる所はどこかを考 えながら音読させる。
○ごんの気持ちを考えながら線を引かせる。
◎ごんの性格や境遇がわかる所に線を引くこ とができたか。
10
10
5
2
確認する。
・ごんがするいたずらの内容を確認する。
・ごんがいたずらする理由は何なのかを話し あう。
・寂しいから。 ・友達になりたかったから。
・一緒に遊びたかったから。
5 穴から出られない時のごんの気持ちを考え てほら穴日記に書く。
・ひとりぼっち
・ほっとして穴からはい出た。
6 ごんの気持ちを発表する。
・2,3日雤がふり続いたその間,ごんは外へも出 られなくて,( と思いながら)穴の中にし ゃがんでいました。
7 次時の内容につながる,その後のごんの行動 を確認する。
・兵十の捕ったうなぎを逃がした。
8 次時の予告をする。
○ごんのいたずらの内容から,人間へ近づき たいという気持ちが表れていることを確認 する。
○ごんがいたずらする理由が性格や境遇と関 わっていることを考えさせるように助言す る。
○ごんの性格や境遇を踏まえて,どんな気持 ちでいるのかを考えさせる。
◎ごんの性格や境遇を踏まえて,ごんの気持 ちを考えることができたか。
○様子を想像できるように,文章にはさんで 読むようにさせる。
○ごんの気持ちになりきって音読するよう助 言する。
◎ごんの気持ちになりきって読むことができ たか。
○その寂しさから,兵十にしてしまったいた ずらの内容を確認する。
ご ん ぎ つね
新 見 南 吉
ご んは ど ん なき つ ね だろ う
。 ごん
兵十
・ ひと り ぼ っち の 小 ぎつ ね
貧 し い
・ いた ず ら ばか り
・ ぼ ろぼ ろ の 黒い 着 物 夢 中 で
・丸 い はぎ の 葉 が一 枚
、大 き な ほ く ろ み た い に へ ば り つく 川
( ち ょい と
)い た ず ら
な ぜ
・ さみ し かっ た
・ 友達 に なり た か った
・ いっ し ょに 遊 び たか っ た