第4学年
国語科学習指導案
1 単元名 読んで考えたことを話し合おう 「ごんぎつね」 2 指導観 ○ 本単元では、場面の移り変わりに注意しながら、登場人物の性格や気持ちの変化、情景などに ついて、叙述を基に想像して読む力の習得をねらいとしている。また、文章を読んで考えたこと を発表し合い、一人一人の感じ方について違いのあることに気付くこともねらいとしている。 「ごんぎつね」は、ひとりぼっちの小ぎつね「ごん」のひたむきな思いや行動に寄り添いなが ら読むことができる物語である。ごんのせめてもの償いをしたいという切ない思いや一方的な共 感、兵十に認められたい思いを読み取ることを通して、自我や心の弱さに共感させたい。そして、 気持ちの変化が行動の変化に関係していくことに気付くことができる。場面ごとの様子や気持ち を想像できる情景描写や行動描写がその手がかりになる。それらを基にして、ごんの気持ちの変 化を想像しながら読み取ることができる教材である。 また、想像力を働かせながらごんの気持ちを感じ取った感想を交流させることで、一人一人の 感じ方の違いに気付くことができる。多様な感じ方を理解し合うことを通して、自分の考えをよ り深めることができるという点においても、大変意義深い教材である。 ○ 本学級の児童は、登場人物の気持ちを読み取っていく学習に意欲的である。会話や行動描写か ら登場人物の気持ちの変化に気付く力も育ってきている。物語の設定やあらすじ、登場人物の関 係を把握することもできている。しかし、他者と多様な考えを交流するときに、自分の考えを話 すことだけで精一杯の児童が多い。他者が考えにどの程度自信をもっているのか推し測りながら 聞いたり、考えを比べたりする力が十分身に付いていない。また、情景描写から登場人物の気持 ちを読み取る力はまだ十分ではない。 そこで、既習の読みの力を生かして、会話や行動描写を基に登場人物の気持ちを想像させると ともに、情景描写にも着目させることで読みの力をさらに高めていく。また、ごんの気持ちの 変化に対する理由を交流させることで多様な考え方に気付かせ、理由を明確にして自分の考 えを深める力を育てることができる。 ○ 本単元の指導にあたっては、ごんの気持ちやその変化の要因を、会話や行動描写、情景描写を 基に丁寧に読み取らせる。その際、六つの場面における気持ちのつながりを捉えさせることで、 ごんの償いたい、認められたいという兵十への思いの高まりを読み取ることができるようにする。 まずつかむ段階では、初発の感想を基に、心に残った場面や行動などを交流させることで、ご んの気持ちを読み取っていく意欲を高める。 次に深める段階では、ごんの気持ちの変化を中心にして、場面ごとの様子を読み取っていく。 会話や行動描写、風景描写からごんの気持ちを読み取らせていくことで、最後の場面ではごんの 気持ちを想像できるようにする。その際、自分の考えに対する自信を可視化して、他者のことを 推し測りながら多様な考えを交流させることで、共感的に学び合うことができるようにする。単 元を通してごんの気持ちに着目させるが、それに終始するとごんへの同情的な感じ方に傾倒して しまいがちである。ごんのいたずらが兵十達の生活を脅かすものであり、兵十はごんの気持ちに 気付いていないことを押さえておく。最後に、兵十の視点からごんの気持ちを考えさせたり、「ご ん日記」として内容を要約させたりすることを通して、学びをより深めさせる。 最後に広げる段階では、学習後の感想を書かせ、初発の感想や他者の感想と比べることで、 自分の考えの深まりに気付かせる。そして、新見南吉の他の作品についても感想を書いて交 流させる。「ごんぎつね」との相違点に気付かせたり、文学作品への関心を高めさせたりす ることを通して、読むことに楽しさが見いだせるようにする。3 単元の目標 ○物語を読んで、感じたことを進んで話し合うとともに、作者の他作品にも興味をもって叙述 に着目して楽しんで読もうとすることができる。 (関心・意欲・態度) ○文章を読んで、考えたことを発表し合い、互いの考えの共通点と相違点を考えながら話し合 うとともに、一人一人の感じ方の違いに気付くことができる。 (読むこと) ○場面の移り変わりに注意しながら、登場人物の性格や気持ちの変化、情景などについて、叙 述をもとに想像して読むことができる。 (読むこと) ○考えたことが文章に表れているか見直すとともに、書いたものを発表し合い、書き手の考え の明確さなどについて意見を伝え合うことができる。 (書くこと) 4 評価規準 A 関心・ ① 叙述に着目して物語を読み、感じたことや考えたことを進んで話し合おうとし 意欲・態度 ている。 ② 作者の他作品に興味をもち、物語の叙述に着目して楽しんで読もうとしてる。 B 読むこと ① 場面の移り変わりに注意しながら、登場人物の性格や気持ちの変化を読み取っ ている。 ② 登場人物の性格や気持ちの変化、情景を表す文や語句に着目しながら読み、感 想をまとめている。 ③ 物語を読んで考えたことを発表し合い、一人一人の感じ方に違いがあることに 気付いている。 C 書くこと ① 書いたものを読み返し、よりよい表現になるよう、推敲している。 ② 書いたものを発表し合い、自分の考えと相手の考えを比べている。 5 単元指導計画(総時数 14時間) 段階 時数 主な学習活動 教師の支援 評価規準 つ 1 「ごんぎつね」を初めて読んだ感想を ○登場人物の行動や出来事、場 A① か 書いて発表しよう。 面の様子など、心に残ったこ 【記述】 む ○本文を通読して物語の設定を確認し、 とを具体的に書かせる。 初発の感想を書いて、交流する。 2 「ごんぎつね」のあらすじや登場人 ○登場人物・時・場所・出来事 A① 物を整理しよう。 などに線を引いたりさせるこ 【 発 表 ・ ○登場人物・時・場所・出来事などを場 とで、意識して読ませるよう 記述】 面ごとに整理して、登場人物の関係に にする。 ついて話し合う。 深 3 第1場面を読んで、ごんはどのような ○いたずらをするごんの行動や B① め 性格をしているのか考えよう。 気持ちを読み取らせる。 【 発 表 ・ る ○第1場面から、ごんの性格を話し合う。 記述】 4 第2場面を読んで兵十のおっかあの ○気持ちの変化に気付かせるた B① 死を知ったごんの気持ちを考えよう。 めに、情景描写に着目させる。【 発 表 ・ ○第2場面を読み、兵十のおっかあの ○前時の学習とつなげて、ごん 記述】 死を知ったごんの気持ちを話し合う。 の気持ちを考えさせる。
5 第3場面の様子から、ごんの兵十へ ○ごんの行動を時系列で表に整 B① の気持ちの変化を考えよう。 理させることで、兵十への思 【表】 ○つぐないを始めたごんの行動や気持 いの強まりに気付かせる。 B② ちの変化を読み取る。 【感想】 6 第4場面を読んで兵十と加助のあとを ○月夜の情景や「ぶらぶら」な B② ついて行くごんの気持ちを考えよう。 どの表現から、ごんの明るい 【 発 表 ・ ○第4場面の情景や文章表現から、ごん 気持ちに気付かせる。 記述】 の気持ちを考える。 7 第5場面の「つまらないな」と言っ ○前時までの学習と五場面の前 B② たときのごんの気持ちを考えよう。 半までのごんの気持ちを振り 【 発 表 ・ ○前時までのごんの気持ちを振り返り、 返らせることで、ごんのやる 記述】 ごんの気持ちの変化を考える。 せない気持ちを考えさせる。 8 第6場面の文章から、兵十の気持ち ○兵十の視線移動や言葉に着目 B② を考えよう。 させることで、兵十の気持ち 【 発 表 ・ ○兵十の言葉や行動描写から、兵十の を考えさせる。 記述】 気持ちの変化を考える。 ○気持ちの根拠となる文章に線 を引かせ、理由を記述させる。 9 第6場面の文章から、ごんの気持ち ○気持ちの根拠となる文章に線 B① 本 を考えよう。 を引かせ、理由を記述させる。【 記 述 ・ 時 ○第6場面の行動描写から、ごんの気 ○兵十の言動からも、ごんの気 交 流 ・ 感 持ちを考える。 持ちを推測させる。 想】 10 兵十は加助に、ごんについてどのよ ○本文にはない後日談を想像さ B③ うなことを話したのか考えよう。 せることで、兵十のごんへの 【 記 述 ・ ○兵十が加助に、ごんについて語った 気持ちの変化を考えさせる。 交 流 ・ 感 言葉を想像し、その理由を書く。 想】 11 「ごん日記」をつくろう。 ○ごんの行動や気持ちの変化を B② ○ごんの行動や気持ちの変化を絵日記 絵日記に整理させることで、 【 絵 日 記 にして書く。 学習の振り返りをさせる。 ・感想】 広 12 「ごんぎつね」を学習した感想を書 ○これまで学習してきたことを B③ げ いて発表しよう。 振り返らせながら感想を書か 【 記 述 ・ る ○詳しく読み取った後の感想を100字程 せ、初発の感想との違いを感 交 流 ・ 感 度で書いて、交流する。 じさせる。 想】 13 新美南吉の他の作品を読んで、感想を ○事前に新美南吉の他の作品を A② 書こう。 紹介し、興味をもたせておく。【読書】 ○新美南吉の他の作品を読み、100字程 ○「ごんぎつね」と比較して感 C① 度で感想を書く。 想を書かせる。 【記述】
14 感想を発表しよう。 ○友達の感想を、自分の感想と C② ○前時に書いた感想を、友達と交流して、 比べながら聞くようにさせる。【 発 表 ・ 学習のまとめをする。 感想】 6 本時の学習 (1) 主 眼 ○ 第6場面の叙述に着目して、ごんの気持ちとその根拠となる文章を考えて交流することで、 兵十にやっと伝わったごんの気持ちに気付くことができる。 (2) 準 備 学習ワークシート、自信のワークシート(自信を5段階で可視化する)、赤マジック、付箋、 第6場面の本文を写した模造紙、掲示物(ごんの挿絵、前時学習までの流れ図) (3) 展 開 学 習 学習活動と内容 学習 教師の具体的な支援 評価規準 段階 形態 〔*自信の可視化の活用〕 導 1.前時までの学習を振り返り、 全体 ◎前時学習での、兵十の気持 入 本時の課題を話し合う。 ちを読み取ったことを振り ○第6場面のごんの気持ち 返らせることで、ごんの気 つ を考えるという課題を理 持ちも読み取るという意欲 か 解すること。 をもたせる。 む 第6場面の文章から、ごんの気持ちを考えよう。 展 2.第6場面で、ごんの気持ち 個人 ◎最初に自分で考えた文章に 開 が分かる文章に線を引く。 は、直線を引かせる。 ○ごんの気持ちの根拠となる ◎ごんの行動描写だけでなく、 深 文章を見つけること。 兵十の言葉や行動描写から め も考えさせる。 る 個人 ◎線を引いた文章から、どの ような気持ちが考えられる のか記述させる。 *自信のワークシートに、自 分の考えに対する自信を青 色で表現させる。 3.ごんの気持ちを考え、話し 班 *他者がどの程度考えに自信 合う。 をもっているか推し測りな (1)選んだ文章からごんの気 がら交流できるように、他 持ちをシートに記述する。 者の自信を確認させる。 ○選んだ文章を根拠として、 ◎友達の選んだ文章に波線を 自分の考えをもつこと。 引かせ、自分の選んだ文章 (2)グループで交流する。 と比較させる。 ○ごんの気持ちとその理由と ◎友達の考えを聞いて、「な なる文章が一人一人違い、 るほど」と思ったことを、 多様な感じ方があることを 付箋に書かせる。 理解すること。 *自信が高い児童から発表さ せる。
め
(3)自分の考えを見直してシー 個人 *自信の高低によって、聞き トに記述する。 方や話し方を変えられるよ ・第6場面の叙述を ○ごんの気持ちについての うに意識させる。 基に、ごんの気持ち 考えを整理すること。 ◎交流後の付箋を見直させ、 について読み取るこ 自分の考えを深めさせる。 とができている。 ◎自分が最終的に選んだ文章 B①(読むこと) に赤線を引かせる。 【記述内容・交流の *自信の高まりを自信のワー 様子】 クシートに赤色で表現させ る。 終 4.ごんの気持ちについて全体 全体 ◎全体交流を通して、さらに 末 で交流する。 多様な考えにふれさせる。 (1)考えたことを発表し合う。 ◎同じ気持ちを考えていても 広 ○班交流していない友達の考 理由や選んだ文章が違って げ えを知り、ごんの気持ちに いることに気付かせる。 る ついて考えを広げること。 (その逆も同様) (2)第6場面でのごんの気持 ◎最後のごんの気持ちについ ちを話し合う。 てより深めさせるために、 ○ごんの気持ちが、兵十に 兵十にやっと気付いてもら やっと伝わったことに気 えたことに着目させる。 付くこと。 ごんは、(児童それぞれの言葉でまとめを書かせる) 気持ちだっただろう。 5.学習を振り返り、感想を 個人 ◎他者との交流を振り返ら 書く。 せ、多様な考えを交流して ○ごんの気持ちについて多様 感じたことを記述させる。 な考え方や感じ方があると 理解すること。 ※板書計画及び資料は、次ページに掲載しています。
ま
7 板書計画
8 資料