• 検索結果がありません。

論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2025

シェア "論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

氏 名 福冨ふくとみもと 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 乙第 705号

学 位 授 与 年 月 日 平成 27年 8月 24日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第3項該当

学 位 論 文 名 日本人高血圧患者におけるARBと利尿薬の併用療法と高用量カルシウム 拮抗薬単剤療法の比較

論 文 審 査 委 員 (委員長) 教 授 百 村 伸 一

(委 員) 教 授 三 澤 吉 雄 准教授 南 孝 臣

論文内容の要旨

1 研究目的

我 が 国 の 高 血 圧 患 者 に お け る ア ン ジ オ テ ン シ ン Ⅱ 受 容 体 拮 抗 薬 (angiotensin Ⅱ receptor blocker: ARB) と利尿薬の併用療法の降圧効果、心・腎保護効果を、高用量カルシ ウム拮抗薬単剤療法と比較して検討すること。

またこれらの治療に対する降圧反応が、ベースラインの慢性炎症の程度によって規定され るかどうかを検討すること。

2 研究方法

未治療高血圧患者をロサルタン/ハイドロクロロサイアザイド (HCTZ) 群、もしくはアムロ ジピン群に割り付け、ロサルタン/HCTZ 群は 4 週間のロサルタン 50mg 単剤治療を行い、その 後ロサルタン 50mg/HCTZ12.5mg 併用療法に切り替えた。アムロジピン群は、アムロジピン 5mg を 4 週間投与し、その後 10mg に増量を行った。治療前および治療期間中の家庭血圧測定を行 い、治療前後での 24 時間自由行動下血圧測定、BNP および尿中微量アルブミンの測定を行っ た。

3 研究成果

診察室血圧、家庭血圧、24 時間血圧はいずれもロサルタン/HCTZ 群と高用量アムロジピン 群で同程度に降圧された。尿中微量アルブミンはロサルタン/HCTZ 群のみで有意に抑制され、

BNP は両治療群で同程度に低下した。

またベースラインの高感度 CRP が高値の群では、低値の群と比較して 24 時間血圧と昼間血 圧の降圧度が小さかった。この傾向はロサルタン/HCTZ 群でのみみられ、高用量アムロジピン 群では認めなかった。

4 考察

ARB と利尿薬の併用は 24 時間に渡る降圧に有効であったが、これは両薬剤の相補的な作用 によると考えられるが、日本人の食塩感受性が高いことも関係している可能性がある。BNP と

(2)

微量アルブミンの低下ももたらすため、心・腎保護の観点からも有効な治療であると考えら れた。一方でロサルタン/HCTZ 治療は、高感度 CRP が高値の症例では降圧不十分となるため注 意が必要と考えられた。

5 結論

日本人の高血圧患者において、ロサルタン/HCTZ 併用療法は高用量アムロジピン単剤療法と 同程度の降圧効果および心保護効果と、より優れた腎保護効果を示したが、高感度 CRP が高 値の群では降圧が不十分となることが明らかとなった。

論文審査の結果の要旨

本研究において福冨氏は未治療高血圧患者をロサルタン/ハイドロクロロザイアザイド (HCTZ)群もしくはアムロジピン群に無作為に割り付け、家庭血圧、24時間自由行動下血圧 測定を行い、脳性利尿ペプチド(BNP)や尿中微量アルブミンの変化、さらには高感度 CRP と各 群における降圧との関係などについて検討を行った。その結果、日本人高血圧患者における ARB/利尿薬の併用療法は、高用量 Ca 拮抗薬単剤療法と比較して、同等の降圧効果および心保 護効果と優れた腎保護効果を示したが、慢性炎症が高値の患者においては降圧効果が小さか ったという結論を導いている。

本論文の論旨は明快であり、結論を裏付ける研究結果が得られており、考察も十分に練ら れており、学位論文として必要なクオリティを十分に満たす研究であると考えられた。また 福冨氏は山口県において地域医療に従事する傍ら、この臨床試験を遂行しており、その点も 評価できる。以上より審査員全員一致で論文審査に合格と判定された。ただし以下の点につ いて指摘があり、これらに対して適正な対応がなされていることを審査委員長が後日確認し た。

・COI の開示が必要と思われる。

・研究2では CRP を中央値で分けて解析しているが CRP の分布がわかったほうが良いので分布 図を追加されたい。

・本文中の図2は図3の、図3は図4の誤りである。なお図4のパネル ABC に相当する本文中 の箇所にこれらの ABC を記入する。

・図 4 の説明文:eFGFR を eGFR に訂正する。

・14 ページ “対応のあるT検定が”を“対応のあるT検定を”に訂正する。

・解析ソフトの名称を確認する。

・hsCRP について“中央値未満”、”中央値以上“あるいは“低値”、”高値“などの異なった表 現が併用されているので統一すること。

(3)

試問の結果の要旨

平成 27 年 6 月 10 日、教育研究棟 1 階会議室において、百村伸一総合医学第1教授(審査 委員長)、三澤吉雄心臓血管外科教授、南孝臣小児科准教授により諮問が行われた。すべての 質問に対して福冨氏より適切な回答がなされ、満場一致で試問に合格と判定された。

主な質疑応答内容は以下のとおりである。

・増量の方法について ARB/HCT 群では増量というのはロサルタン 50mgに HCT を追加すると いう意味か?

→ そうである。

・日本人は食塩摂取量が多い、食塩感受性が高いということでるが、本研究では食塩摂取量 の評価は行っているのか?

→ 本研究ではそのような検討は行っていないが、日本人の食塩感受性については過去の研 究によって明らかとなっている。

・患者教育、減塩指導については述べられていないがどのように行っているか?

→ 両群とも同様減塩食を含めた生活指導を行っている。

・倫理審査についてはどのように行われたのか?

→ 実際に臨床試験を行った施設には倫理委員会が設置されていないため、自治医科大学に おいて倫理審査が行われ、その結果をもって医療機関の了解を得ている。

・今回の結果ではロサルタン群の hs-CRP の高い群での24時間血圧の降圧の程度が少なかっ た。一方で ARB には抗炎症作用があることが知られているが、そのような ARB の作用との関 係はどのように考えるか?

→ ARB の抗炎症作用の発揮には少し時間がかかるのかもしれない。今回の研究は比較的短期 間であるので ARB の抗炎症採用が十分に発揮されていない可能性がある

・心血管イベントはあったか?

→ 短期間の研究でもありでイベントは起きていない。

・有害事象では腎機能、電解質などの変動に両群とも問題はなかったか?

→ 問題なかった。有害事象のところに一括して含めている。

参照

関連したドキュメント

3 研究成果 研究1 1.臓器病変分布 ・呼吸器系は性別・年齢によらずほぼ全ての患者で侵されていた。 ・男性では胃十二指腸病変、唾液腺病変、腎病変が女性より有意に多く、高Ca血症も多い傾向が あった。女性では眼病変が有意に多かった。 ・若年群では胸郭外リンパ節病変、唾液腺病変、肝病変が高齢群より有意に多

は先天性後部尿道閉塞性病変の診断方法および治療方法には多くの問題が残されており、これを 解決し標準化することを目的にこの研究を行った。 2 研究方法 6ヵ月以上の保存的治療抵抗性の昼間尿失禁あるいは夜尿症を主訴に2004年4月から2012年 12月までに当施設を受診した連続した94例の男児に対し秒間1-2枚の連続コマ撮り撮影VCUG

ル検査を行った患者を対象とした。対象患者を右心カテーテルで計測したパラメーターを使用し、 下記分類した: 1 単独の後毛細管性肺高血圧[isolated post-capillary pulmonary hypertension Ipc-PH]2 前・後毛細管混合性肺高血圧[combined pre- and post-capillary pulmonary

審査の結果の要旨 論文は、薬学系の雑誌として評価の高い「Clinical Pharmacology & Therapeutics」に2011年 発表した内容を中心に、さらに症例を増やして雑誌「医療薬」に発表した内容を加えて良くまと められていた。しかし、口頭試問における発表に比べ、研究の背景と方法についての説明が不十

比較して、生存時間に有意な差はなく、顆粒球コロニー刺激因子製剤の使用が少なかった。この 結果は、高齢者胃癌を治療する上でレジメン選択をする際に有用な情報となる。 論文審査の結果の要旨 申請者は、はじめに、臨床研究を志した理由について、2つの副論文を題材にして説明した。 学位論文においては、熊本県と栃木県のレセプトビッグデータを解析した。その結果、70歳以