第2学年1組 道徳学習指導案
1 主題名 内容項目名「かけがえのない自分」よりよい生き方を求める態度 誠実・明朗
( 内容項目番号1-(4) )
( 資料名「ぼくのせいじゃない」 出典 道徳教育映像教材 千葉県教育委員会)
2 主題設定の理由
(1)価値について
本主題は、学習指導要領低学年1-(4)誠実・明朗「うそをついたりごまかしたりしないで、
伸び伸びと生活する。」という価値を主にねらうものである。
低学年においては、自己中心的な発想と行動が目立つことがある。また、善悪の判断は、「お 母さんに怒られるから」や「先生に注意されるから」というように、自分の内側から起こること よりも、大人との関わりで照らし合わせることが多い。
2年生として生活している中で、自分を守るための嘘や言い訳を考えることができるようにな る。また、何らかのトラブルが起きた時、他人のせいにしたり、偶然重なった都合のよい出来事 などを理由にしたりして、自分のよくなかった部分を素直に認めないことが増えてくる。そのた め、周囲の人に真心を待って対応することを逃れてしまい、自分はこれでよかったのかと、もや もやとした感情を持って生活してしまうことが起こってしまうと考えられる。
以上のように考察すると、この学習では、自分が取った行動について自分の意志で善悪の判断 をし、自分の気持ちに素直になって行動することで、毎日を明るく清々しい気持ちで生活しよう とする心を育てることが大切であるだろうと考え、本主題を設定した。
(2)児童の実態について (男子 12名 女子 16名 計 28名)
<実態調査>
①悪いことをした気がしたけれど、でもそれはぼく・わたしのせいじゃないと思ったこと はありますか。
ある・・・7名 ない・・・21名 それは、どんなことでしたか。
・誰かを泣かせてしまったとき。 ・妹とイスの取り合いをした。
・妹と遊んでいて、ものを壊した。 ・友達と遊んでいて、友達が怒ってしまった。
・遊びのルールがわからず、レクレーション係の言うことを聞いたのに友達に怒られた。
・お父さんに押されて、妹の大事なお皿を割ってしまった。 等
②人におされて友達にぶつかってしまった時、あなたならどうしますか。
・あやまる・・・25名(理由を含んだ回答が2名、押した人に「やめて」と言ってからあや まると回答した児童2名。)
・後ろの人が押したと言う。 ・痛かったという。
・僕はぶつかってないよと言う。 等
③「あやまらなきゃ」と思っていながら、あやまれなかったことはありますか。
ある・・・13名 ない・・・15名 それは、どんな場面でしたか。
・シュートしたボールが友達に当たった。 ・友達やお姉ちゃんとけんかした。
・友達の筆箱を落とした。 ・弟の靴を足で踏んでしまった。
・人の材料をけってしまった。
・あやまろうと思ったけど、聞いてくれなくて言えなかった。(2名) 等
本学級の児童は、自分のことは自分ですることができ、どのようなことに対してもまじめに取 り組むことができる児童が多い。しかし、まじめであるが故に、間違いを恐れ、課題の解決方法 を自分で考えて選択することを苦手とする児童が多い。また、アンケートの結果から、「友達に 押されてぶつかってしまったら、どうするか」の質問事項では、あやまると回答している児童が 多いが、実生活の中では、あやまらずにトラブルとなることがよく見受けられる。さらに、「あ やまらなきゃ」と思っていてもなかなかあやまれないと回答する児童が半数いることから、その 時の気持ちに触れさせ、自分の素直な気持ちで行動できるようにし、よりよい学校生活を送られ るようにさせたい。
(3)資料について
本資料は、主人公正太の友達である良樹の自分勝手な行動により、2人の不注意で女の子の絵 に水がかかってしまう。正太は「わざとじゃない」という気持ちを持っていながらも、なかなか 謝れずにいる。正太は良樹に、女の子に謝ろうと説得をしてみるが、「ぶつかったのは自分では ない」と良樹に断られてしまう。家に返ってからも正太は悩む。しかし、家で同様なことが起こ った後に、すぐに謝った妹の姿や食事中での父親の言葉を聞き、正太は、翌日には謝ろうと決め る。そして、きちんと謝ることで気持ちが明るくなり、素直に謝ることの良さに気付くという話 である。
日常にありそうな内容で、「ぼくのせいじゃない」と言い訳をして逃れようとしてしまう気持 ちや、女の子に対して申し訳ないと思う気持ちの両方があることを考えやすい資料である。児童 には、父親の言葉を聞いた時の表情や、素直に謝った後の3人の表情を目にすることで、自分の 気持ちに素直になって行動し、明るく伸び伸びと生活できる喜びを感じ取らせることができる。
以上の分析から、ねらいを設定すれば、自分の行動に対する善悪の判断を行い、悪いと思った ことには、自分の気持ちに素直になって行動しようという態度を育てることができるであろう。
(4)指導観
授業中、発表を好む児童もいる一方で、発表を苦手としている児童もおり、発言する児童が偏 っている。近くの児童とは、自分の考えを発表し合うことができるため、その方法を取り入れ、
全員が表現できる場を与えたい。また、役割演技を通して、声に出して表現することで自分のこ ととして本教材を受け止め、価値が高まるようにしたい。
展開の中では、なぜ正太がすぐにあやまることができず、悶々としていたのかを考えさせたい。
そして、そのままの気持ちで生活していくのではなく、自分の心に素直になって行動しようとす る気持ちを育てていきたい。
さらに、活動の中では、自分の考えを色で分けた画用紙を机の上に示し、みんなの前で発言す ることが苦手な児童もしっかりと学習に参加し、意思表示ができる1つの方法として取り入れ、
自分の考えを表現できる場を持っているということを感じさせたい。
また、事前に映像資料を視聴しておくことにより、話し合いの時間を確保したい。
3 仮説との関連
道徳の時間の学習活動は主に、他者の価値観に触れることであり、自分の価値観を表出するこ とである。この活動は、言語を通して成立するものであり、言語活動そのものであると考える。
そこで、本主題では、これを具現化するべく、次の手立てを講じる。
一人ひとりの感じ方や考え方を表現する機会を充実させれば、自分を見つめ、自分の考えを表 し、自分のよさを伸ばそうとする児童が育つであろう。
○机の形態をコの字型にする。
通常、黒板の方向を向き学習しているが、コの字型にすることで、児童の発言を聞く姿勢を取 りやすくする。また、児童間の意見の交流が多く図れるようにする。友達の意見を多く聞くこと で、自分とは異なる考え方があると知ることができると考える。
○役割演技を活用した話し合い活動をする。
自宅へ帰った後の家族との会話を役割演技することで、自分の中の思いを具体的に表出できる ようにする。そして、演技後に友達と意見を話し合うことで「僕は悪くない。」と思いながら、
父親の言葉に心が動いてはいるが決心が付かない様子をつかませたい。
4 本時の指導
(1)ねらい
自分の心に嘘や言い訳をせずに、素直な心で誠実な生き方を大切にする態度を育てる。
(2)展開
過程 時配 学習活動と主たる発問・ 支援の手だて及び指導上のと留意点 資 料 予想される児童生徒の反応
2 1 自分のとった行動に嘘や言い訳を ・自分にもある身近な出来事を想起させ、
導 したことがあるかを想起させ、本時 本時の学習意欲を高める。
の価値の方向付けをする。
入 ○ 自分の心に嘘や言い訳をして、こ れでいいのかな?と思ったことはあ りますか。
・わるいと思いながらも、順番を守 らないで並んじゃって、誰も気付 いてないけどもやもやした気持ち になった。
3 2 資料「ぼくのせいじゃない」のあ ・後からあらすじをつかみやすくするた 主 要 場 らすじをつかむ。 めに、写真を貼っていく。 面 の 写
真 展 10 3 泣きながら絵を拭いているみゆき ・「あやまりなさいよ」と友達に言われた
さんを見て、『ぼくのせいじゃない。』 ことを押さえた上で発問する。 役 割 名 と言ってしまった正太の気持ちを役 ・近くの児童と意見交換をした後、役割 の名札 割演技をして考える。 演技をしてみる。その際、初めに担任
開 ○ お友達から「あやまりなさいよ」 が友達役になり、「あやまりなさいよ」
と言われた時に、正太はどう思った と強く正太に攻め寄る姿を演じること のでしょう。 で、実際にそれができなかった正太の
・なんで僕だけ言われなきゃいけな 気持ちの弱さに気づけるようにする。
いんだよ。 ・役割演技を通して、「ぼくのせいじゃな
・ぼくのせいじゃないよ。だってよ い」の後に続く言葉を引き出すことで、
しきくんがひっぱったから。 正太が、言い訳をしているが、同時に
・すごく褒められてた絵を僕が汚し もやもやした気持ちであることをつか ちゃった。どうしよう。 ませる。
・ぼくはわざとぶつかったわけじゃ ・2色の画用紙を用意し、意思表示とし
ないのに。でも、あやまらなきゃ て使用させる。正太の心の様子が「僕 意 思 表
いけない気もするな。 のせいじゃない」と思っているのか、「僕 明 を す にも悪いところがあった」のどちらだ る 2 色 と考えるか、考えを発表することが苦 の 画 用 手な児童も自分の意見を示せるように 紙 する。
・自分に置き換えて考えることで、すぐ にあやまってしまう児童がいたら、そ の意見を認めつつも、「なぜ、正太はす ぐにあやまれなかったのか」と問いか け、考えを深める。
15 4 お父さんから『あやまることは大 ・妹との出来事や図工の時間の回想を押 切じゃないかな』と言われた時の正 さえてから発問する。
太の気持ちを話し合う。 ・謝った方がいいとわかっていながらも
◎ 『あやまることは大切じゃないか なかなか素直になれない正太と、父親 な』と言われた時、正太はどんなこ の言葉に励まされ、自分の心に素直に とを考えたでしょうか。 行動しようとする正太の両方を取り上
・良樹くんが引っ張ったからぶつか げることで、児童の心の葛藤が起こる
ったんだよ。 ようにする。
・僕はわざとやってないよ。 ・先ほどの2色の画用紙を使って、この 意 思 表
・みゆきさんに悪いことをしたな。 ときの正太の気持ちを色で示させるよ 明 を す
・ぶつかったのは、僕だから謝ろう うにする。 る 2 色 かな。 ・近くの友達と発表し合い、その後全体 の 画 用
・お父さんもあぁやって言っている 発表をさせることで、自信をもって発 紙 しあやまろうかな。 表できるようにする。
・意見が出ないときは、本当に「僕は悪 くない。」と言えるだろうか。と問いか ける。
・なかなか決心がつかない様子ではあっ たが、父親の言葉で素直にあやまろう とする気持ちが大きくなっていること をつかませる。
3 5 みゆきさんに謝った後の正太の気 ・自分の心で善悪の判断をして、素直に 持ちを写真を見ながら考える。 謝った結果、晴れ晴れとした気持ちに
○ みゆきさんに謝った正太とみゆき なれたことに気づけるようにする。
さんの笑顔を見て、正太はどんなこ ・みゆきさんのセリフを教師が言うこと とを思ったのでしょう。 で、正太の気持ちのイメージをつかみ
・迷ったけど、素直に謝って良かっ やすくする。
たな。
・なんだかすっきりしたな。
・明日からまたみゆきちゃんと、仲 良く遊べそう。
10 6 これまでの自分の生活を振り返る。・迷いながらも自分の気持ちに正直にな
○ これまでの生活の中で、素直に行 り行動することで、気持ちよく生活で 動してみて、よかったと思うことは きたことに気づかせるようにする。
ありますか。 ・最初に近くの児童に発表させ、次に全
・妹のおもちゃを勝手に借りて、壊 体の発表につなげるようにすることで してしまった。悪い気がしたけど、 自信をもって発表できるようにする。
おうちの人に怒られるのがいやで、・意見が出ないときには、失敗談にも触 妹には言えずにいたけど、やっぱ れさせることで、考えやすくするよう りこれじゃいけないと思ってきち にする。
んと妹とお母さんに謝ったらすっ きりした。
・自分の心に素直になって行動したこと 2 7 教師の話を聞く。 で、気持ちがすっきりしたことについ
終 て話す。
末
(3)板書計画
5 他の教育活動との関連
学校生活の中で、嘘や言い訳をして、もやもやとした気持ちで生活するよりも、自分の心に素直 になって行動することで良い気分で生活できることの重要性を実感できるようにする。
ぼくのせいじゃない
ぼくのせいじゃない
・なんでぼくだけ。
・ひっぱたのはよしきくんだ。
どうしよう
・大事な絵を汚しちゃった
わるいと思うなら、あやまることは
大切じゃないかな。
・わざとじゃない。
・みゆきさんに悪い
ことをした。
。よし!
明日、あやまろうかな。
あやまってよかったな。
すっきりしたな。 正太の
写真
みゆ き
の写真
良樹の
写真
泣 い て い る み ゆ き を 見 て い る 正 太
の写真
父 親 の
写真
父 親 に 言 われ て考 え 込む 正太の
写真
笑 顔 で 話 す 三 人 の
写真
ぶつかった
ひっぱった ないてしまった