第1学年 国語科学習指導案
指導者 1.単元名 本のせかいをたのしもう 『うみへのながいたび』
2.単元について
(1) 単元設定の理由
本単元は,学習指導要領第1学年及び第2学年の目標(3)「書かれている事柄の順序や場面の 様子などに気付いたり,想像を広げたりしながら読む能力を身に付けさせるとともに,楽しんで 読書しようとする態度を育てる。」(2)「経験したことや想像したことなどについて,順序がわか るように,語や文の続き方に注意して文や文章を書くことができるようにするとともに,楽しく 表現しようとする態度を育てる。」を受けて設定したものである。
本単元は,「おはなしどうぶつえん」「うみへのながいたび」の二教材からなり,「おはなしどう ぶつえん」で広く自由に読書を楽しみ,その経験から物語教材「うみへのながいたび」に対して
「読んでみたい」という意欲を高めることをねらいとして構成されている。
「『おはなしどうぶつえん』をつくろう」で,教師による動物が出てくる本の読み聞かせを行い,
動物が登場する物語を読むという活動を設定し,友達に紹介するという学習の見通しを持たせる。
そのために,「うみへのながいたび」を読んで,『紹介カードの書き方や発表の仕方を知ろう。』と いう目的意識を持たせ「うみへのながいたび」と進めていきたい。導入の読み聞かせでは,ノン フィクションの本(あざらしやペンギン)を読み,白くまへとつなげていきたい。また,普段の 読み聞かせでは,途中まで読み,その続きを自ら本を手に取り,進んで読書できるようにしてい きたい。
第一学習材「うみへのながいたび」は,白くまの親子の海までの長い旅をえがいた文章である。
白くまの兄弟の成長と,それを見守る母ぐまの様子がわかりやすく書かれている。動物に興味を 持つ一年生にとって,親しみやすいお話といえる。また,白くまの生き生きとした表情のある写 真が,子どもたちの興味をひくとともに,内容を読み取ったり,場面の様子や白くまの気持ちを 想像したりすることを助けてくれる。この教材で物語の楽しさを味わうことは,文字を読むこと に興味の出てきたこの時期の児童にとって,読書に親しむきっかけとなるだろう。
毎時間の学習の中で写真を効果的に用いて,写真と文を結びつけながら考えることで児童の確 かな読みの手助けとしていく。毎時間の学習活動の中では,様々な方法の音読を取り入れて正し い読みの力を育てる一助とする。さらに,白くまの話したことを想像してワークシートに書くこ とで,児童が白くまの気持ちに寄り添い,物語の中に入り込むことができると考える。個別支援 が必要な児童には,ヒントカードを用意し読み取りが苦にならないようにする。動作化をする際 は,白くまのお面をつけさせることで,白くまになりきることができると考える。
第二学習材『「おはなしどうぶつえん」をつくろう』は,さまざまな動物がでてくる本に触れ,
自分の読んだおすすめの本を紹介カードに書き,友達に紹介することを学習する。1年生にとっ ては動物の登場する本は,親しみやすい。また,自分の読んだ本を誰かに伝えることは,子ども たちにとって楽しい学習である。そして,伝えるために,「本を読もう」という意欲を高めるもの である。友達が紹介してくれた本に対しても興味を持ち,「自分も読んでみよう」という気持ちに なれるだろう。また,動物園の動物を増やすために進んで読書しようとする態度も培えると考え る。学級では,図書コーナーに動物や虫が主役の図書を充実させていきたい。
(2)児童の実態
本学級の児童は,明るく活発で何事にも意欲的取り組む児童が多い。ひらがなとカタカナの学習 を終え,漢字の学習も学年の半数以上を学んだ段階である。音読を楽しんで行う児童が多く,「お おきなかぶ」では,一文読みを学習し,進んで音読する姿が見られた。教師や図書ボランティアの 読み聞かせも楽しみにしている。日常生活においては,好きな本を見つけて嬉しそうに読書したり,
友達同士で読み合う姿が多く見られるようになってきた。また,「先生、この本楽しいよ。」と読ん だ本の感想を紹介してくれる児童もいる。普段の授業のなかで,積極的に自分の意見を述べること ができる児童もいる。登場人物や様子を想像豊かに読み取ることができる児童も多い。しかし,そ れを表現することに抵抗があったりする児童も見受けられる。また,集中力がなく関心意欲がない 児童もいる。
児童は,これまでに物語教材「けむりのきしゃ」「おおきなかぶ」「けんかした山」を扱って音読 を中心に登場人物や様子を想像豊かに読み取っている。「けむりのきしゃ」では,ワークシートを 用いて,おじいさんと流れ星の気持ちを読み取る活動を行っている。「おおきなかぶ」では,学級 全体で動作を伴った音読を繰り返し,登場人物になりきって体全体で音読を楽しんできた。登場人 物のセリフや気持ちなども考え,劇を行った。「けんかした山」では,ワークシートを使い,挿絵 をもとに山や動物たちの気持ちを吹き出しを用いて,読みを深める活動をしてきた。
本単元では,文章はもちろんのこと,写真を効果的に活用し,動作化や発問の工夫で,どの子 も「わかった」「できた」と読む楽しさを実感し,読めるようになったという自信を持たせる学習 にしていきたい。
意識調査 (調査人数 26名 平成22年10月8日実施)
<教材に関する実態>
1.読書は,好きですか。
とても好き17名 好き8名 (理由)
・本は,おもしろいから。5名 ・いろんな本が読めるから。3名
・頭が良くなるから。3名 ・楽しい。2名
・いろいろなことがわかるから。 ・絵をみるのも楽しいし,読むと本の意味がわかるから。
あまり好きではない1名
(理由)
・書くのは好きだけど,自分で読むのはあまり好きではない。読み聞かせは好き。
2.どんな本が好きですか。(複数回答) ( )は、それのみ回答
おはなしの本14名(4名) 図鑑12名 自然などの本9名(1名)
めいろやみっけなどの本17名(4名) 全て4名 3.うみへのながいたびをよんで,思ったことを書きましょう。
・母ぐまが,水しか飲んでいないのがすごい。 ・白くまの生き方がわかった。
・親子がたくましく,強そうだった。 ・たくさん歩いて可哀想だと思った。
・長い旅を続けて,海へついてよかった。2名 ・母ぐまが,力強かった。
・そんなに早く自分で,えさを取るなんてすごい。
・母ぐまは,強い。アザラシを食べるのを知って,驚いた。
・母ぐまが,子ぐまを大事に育てているのがわかった。
・えさ取りを覚えて,海で泳げるようになってよかった。
・海への長い旅は,すごく大変だし,赤ちゃんを産んでいる間,水しかの飲んでいないし,えさ も食べてないなんて,人間にはできないから白くまは強いし,すごいな。
・白くまは,メスもいたことを初めて知った。
4.白くまについて知っていることを書きましょう。(見たことがある。8名)
・北極に住んでいる。7名
・北極に住んでいて,地球温暖化で氷が割れて,住むところが無くなってしまう。
(3)支援・指導
このような児童の実態から, 読書をすることが好きということがわかった。しかしながら、読 書の幅が狭く,物語などの自分で読む本ではなく,友達と楽しくできるゲーム的な本を好む児童 が多い。全て好きと答えたのは,4名だけだったので,本単元を通して,好きな本が一つでも多 く増えるように支援していきた。ゲーム的な本,図鑑のみを好んでいる児童には,他の本(読み 物)にも興味が持てるように支援していきたい。
白くまについては,ほとんどの児童が見たことがなく,自然の様子や白くまを取り巻く厳しい 環境については,知らないことが多い。本単元を通して,動物への関心を持てるようにしていく。
また,動物などの自然とのかかわりに関心を持つことで,動物が生命を持っていることや,成長 していることに気づくとともに,生き物への親しみをもてるようにしていきたい。そして,動物 が出てくるいろいろな本を読むことによって読書の楽しさを広げていきたい。
この単元では,毎時間の学習の中で写真を効果的に用いて,写真と文を結びつけながら考えるこ とで児童の確かな読みの手助けとしていく。毎時間の学習活動の中では,様々な方法の音読を取 り入れて正しい読みの力を育てる一助とする。さらに,白くまの話したことを想像してワークシ ートに書くことで,児童が白くまの気持ちに寄り添い,物語の中に入り込むことができると考え る。個別支援が必要な児童には,ヒントカードを用意し読み取りが苦にならないようにする。動 作化をする際は,白くまのお面をつけさせることで,白くまになりきることができると考える。
白くま以外の動物(ペンギンやあざらしなど)のノンフィクションの本などにも興味を持たせ,
読書の幅が広げていきたい。
〈つけたい力〉
○登場人物や場面の様子を想像を広げながら読む力
母ぐまの思い,兄弟ぐまの気持ち,成長の様子,時や場所,様子や気持ちを表す言葉に着目し,
想像を膨らませながら読みとる力を育てていきたい。
3.仮説との関連 〈仮説①〉
本単元では,まず,文章全体の姿をとらえ,読みの課題(『じぶんのすきなばめんを、ともだちに しょうかいしよう』)を持たせる。さらに、そこから『おはなしどうぶつえん』で自分の好きな本を 紹介するということも意識させていきたい。
毎時間,様々な方法で音読を行い,学習材を正しく理解させる。そして,ワークシートに母ぐま・
兄弟ぐま・おすぐまの気持ちを書かせ,書いたことをもとに二人組で動作化させる。動作化する際 子どもたちが目的をはっきりもって読んでいけば,自分の考えをもつことができるだろう。
は,白くまのお面をつけ白くまになりきれるようにしていきたい。
〈仮説②〉
友達に自分の好きな場面を紹介するという目的を持って,場面の読み取りを行っていく。ワーク シートをもとに,ペアによる話し合い活動を取り入れ,表現させる。さらに全体で発表を行うこと によって,自分の考えや思いを広げ,「豊かな読みの力」へつなげていきたい。
紹介カードは,発表したあとに友達が読むことができるように,教室の掲示フォルダに掲示し,
いつでも見ることができるようにする。ここでの活動を通して,読書の幅を広げ,さらに読書への 興味・関心を持てるようにしていきたい。
4.単元の目標
○写真と文章を結びつけて,進んで読もうとしたり,読み取ったことを発表したりしようとしてい る。 (国語への関心・意欲・態度)
○場面の様子や,白くまの親子の様子や気持ちについて,想像を広げ,楽しみながら読むことがで きる。 (読む能力)
○言葉の意味を理解し,新出漢字の読み書きできる。
(言語についての知識・理解・技能)
5.指導計画(18時間扱い)
過程 時配 学 習 活 動 ○支援 ◇評価
つ か む
6
○教師による読み聞かせや「学習のとび ら」を読み,動物が登場するいろいろな 本を読んでいこうとする見通しを持つ。
○「おはなしどうぶつえん」をつくるため に,動物の本を読み,読書記録カードに 書く。(第15時まで続ける。)
○新出漢字の練習をする。
○「うみへのながいたび」の写真を見なが ら,話し全体の流れや登場人物をつかむ。
○「うみへのながいたび」を通読して,初 発の感想を伝え合う。
○文章全体の構成をつかみ,学習計画を立 てる。
○動物が登場するいろいろなお話を読 んでいこうとする見通しをもたせ,友 達に紹介しようという意欲を高める。
○見本の本の紹介カードを読んで,学習 の見通しをもたせる。
○おはなしどうぶつえんをつくるため に,読書を始めさせる。
◇「おはなしどうぶつえん」をつくると いう学習の見通しをもとうとしてい る。
◇感想をもち,学習の見通しをもとうと している。
○写真を話の順に並ばせて,あらすじを 簡単に押さえ,お話し全体のおおまか な流れをつかませる。
○自分の好きな場面を紹介するという 目的を持たせ,読みへの意欲を高め る。
表現活動の場を工夫すれば,進んで表現することができるだろう。
1ねん3くみのおはなしどうぶつえん をつくろう。
じぶんのすきなばめんを,ともだちに しょうかいしよう。
○白くまのお面作りをする。(図画工作) ○3匹の熊の大きさを挿絵を見ながら 考え,友達と協力して作らせる。
表 す
・ 深 め る
5
本時
○1,2,3の場面を読み,白くまの兄弟の 成長ぶりや母ぐまの考えを読み取った ことを吹き出しにかいたり,想像したこ とを動作化する。
○4の場面を読み,白くまの兄弟に対する 母ぐまの気持ちを読み取ったことを吹 き出しにかいたり,想像したことを動作 化する。
○5の場面を読み,白くまの兄弟に対する 母ぐまの気持ちを読み取ったことを吹 き出しにかいたり,想像したことを動作 化する。
○6の場面を読み,海に着いたときの母ぐ まと兄弟ぐまの気持ちを読み取ったこ とを吹き出しにかいたり,想像したこと を動作化する。
○7の場面を読み,成長した白くまの気持 ちを読み取ったことを吹き出しにかい たり,想像したことを動作化する。
○挿絵を活用し,写真と本文を結びつけ て内容を捉えられるようにする。
○写真と本文を対応させながら読ませ る。
○発音や句読点に気をつけて音読させ る。
○白くまたちの思いや気持ちを自分の 言葉で吹き出しに書くことを確認さ せる。
◇登場人物の気持ちを読み取り,想像し たことをワークシートに書いている。
ま と め る 広 げ る
7
○紹介カードの書き方を知り,「うみへの ながいたび」の本の紹介カードを書く。
○友達に好きな場面を紹介し合う。
○第2時からの動物の出てくる本の読書 をさらに続ける。読書カードに書きいれ る。
○動物が登場する,自分の好きな本を選 び,紹介カードに書く。
おはなしどうぶつえんをつくる。
○本を紹介し合う。
○友達が紹介した本を読む。
読んだところに,「おきゃくさまカード」
を貼る。
○紹介カードの書き方を知り,紹介がで きるようにする。
◇うみへのながいたびの紹介カードに 書いている。
○前時までの学習を生かして,動物の出 てくる本を楽しんで読めるようにす る。
◇動物が出てくる本を探し,興味を持っ て読んでいる。
◇好きな本を選んで紹介カードに書い ている。
○読んだ本の感想を,紹介者に伝えられ るようにする。(お客さまカード)
(4-5)
6.本時の指導 (10/18)
(1)目標
○海に着いたときの母ぐまと兄弟ぐまの気持ちを想像しながら物語を読み,そこから読み取っ たことを進んで発表しようとする。 (関心・意欲・態度)
○写真と文を結びつけて読み取り,母ぐまと兄弟ぐまの会話を想像することができる。
(読むこと)
○言葉の意味や,使い方に関心を持ってその意味を考えることができる。
(言語についての知識・理解・技能)
(2)展開
過程 時配 学 習 活 動 と 内 容 ○指導上の留意点 ◇評価 つ
か む
あ ら わ す
・ 深 め る
5
10
10
1.前時までの学習を振りかえる。
2.本時の場面を確認し,学習問題を確認 する。
・やっと海に着いた。
3.学習範囲を音読する。
・範読 ・後追い読み ・一人読み ・指名読み
4.言葉の意味を考える。
かあさんぐまの思いは,まちがって いなかった。なつかしいなみの音。し おかぜのにおい。
うみだ。うみにもどってきたのだ。
5.海に戻ってきたときの母ぐまの気持ち を発表し,交流する。
◎海に戻ってきたときの母さんぐまは,ど んなことを思ったのだろう。
○学習掲示を見せながら,前時までの学 習を振り返らせる。
○写真を提示し,発表させる。
◇進んで発表しようとしている。
○姿勢,口形,句読点に気をつけて音読 させる。
○読むことが苦手な児童へは,机間指導 の中で一緒に読みの確認をしながら 個別に支援を行う。
◇言葉の意味や,使い方に関心を持って その意味を考えることができる。
○母ぐまの成長するまでの苦労をとら えさせ,兄弟ぐまの気持ちを膨らませ るために,言葉の意味をしっかりおさ える。
◇写真と文を結びつけて,母ぐまの気持 ちを読み取ろうとしている。
うみについたときの ははぐまと きょうだいぐまのきもちを そうぞうしよう。
・やっと海に着いくことができたわ。子ど もたちを海に連れてくることができて よかった。
・久しぶりの海。とってもなつかしいわ。
今度は,子どもたちに泳ぎやえさ取りを 教えないと。
ま と め る
20
5
8.言葉の意味を考える。
・目をみはった。
9.海に着いたときの兄弟ぐまの気持ちを ワークシートに吹き出しの形で書く。
◎海に着いた兄弟ぐまは,どんなことを思 ったのだろう。
10.3人組になり,母ぐまと兄弟ぐま様 子を動作化し,兄弟ぐまの気持ちを想 像する。
11.兄弟ぐまの気持ちを発表して,お互 いの良さを交流する。
12.本時を振り返りながら音読する。
・ペア読み
13.次時の学習を知る。
○ヒントカード(あらかじめ予想される カード)を用意し,支援を行う。
◇写真と文を結びつけて,兄弟ぐまの気 持ちを読み取ろうとしている。
○3人組で動作化をし,登場人物の気持 ちを考え表現させる。兄弟ぐまと母親の 役を交代させる。
○動作化したことを3人組で発表させ,
クラス全体で交流できるようにする。
◇進んで発表しようとしている。
○はっきり音読して,本時の学習をそれ ぞれの児童が振り返ることができる ようにする。
・子どもたちは,よくここまで頑張 れたわ。
・海には,危険な生き物がたくさん いるから,子どもたちが一人前に なるまで私が守らないと。
「ここがうみだよ。おまえたちがく らすところ。しっかりおよぎをおぼ えるんだ。それからえさとりもね。」
・海ってこんなに大きいんだ。早く,泳 ぎやえさとりをおぼえたいな。
・疲れたね。頑張って覚えるね。今度お す熊にあったら,かあさんをまもって あげるよ。
・海がすごく大きくてびっくりしたよ。
今日からここで暮すんだね。
・ぼく,立派なおす熊になるよ。母さん よりも強くなるよ。
(3)指導計画
うみへのながいたび
いまえよしとも
・うみについた。
・はじめてうみをみた。
うみ につ いた と き の はは ぐま と きょうだ
い
ぐまのきもちをそうぞうしよう。
写真
写真
ここがうみだよ。おまえたちが
これからくらすところ。しっかり
およぎをおぼえるんだ。
それから、えさとりもね。 兄弟ぐまの気持ち 母ぐまの気持ち