第2学年1組 国語科学習指導案
1 単元名 むかしのお話を読む
2 単元でつけたい力
いろいろな昔話に興味をもち,読み合う。
3 単元について (1)単元観
本単元は,学習指導要領[第1学年及び第2学年]の[C読むこと]の目標及び内容を受けて行 われる学習である。
本単元では,まず教材文『いなばのしろうさぎ』を読んで神話のおもしろさを味わい,その後地 域に伝わる昔話を探して紹介する活動を行う。
児童は第1学年の『天にのぼったおけやさん』の学習を通して,昔話に親しむ活動を行っている。
『天にのぼったおけやさん』は「むかしむかし」で始まる典型的な昔話で,音読によって独特の語 り口調や言い回しなどのおもしろさを味わった。また,「昔話とは昔から人々によって語り継がれ てきた話のことである」という昔話の概念にも触れている。
本教材『いなばのしろうさぎ』は,1300年以上前に成立した『古事記』を出典とし,「神話・
伝承」に該当する。本教材には,うさぎが嘘をついて「わに(鮫)」を隠岐の島から因幡の国まで 並ばせて,その背中を踏んで海を渡るという発想のおもしろさや,意地悪をする80人の神様の様 子,うさぎと80人の神様に対比される「おおくにぬし」の優しさなどが描かれている。本教材の 中で各自がおもしろいと感じたところを紹介し合いながら,神話のおもしろさに気付かせたい。
そして,自分たちが住んでいる地域に伝わる昔話を探し,紹介し合うことで,昔話への興味をさ らに高めるとともに,自分たちの地域に新たな目を向けられるようにしたい。
目標 (3)書かれている事柄の順序や場面の様子などに気付いたり,想像を広げたりしながら 読む能力を身に付けさせるとともに,楽しんで読書しようとする態度を育てる。
内容 ①指導事項
ア 語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読すること。
ウ 場面の様子について,登場人物の行動を中心に想像を広げながら読むこと。
カ 楽しんだり知識を得たりするために,本や文章を選んで読むこと。
②言語事項
ア 本や文章を楽しんだり,想像を広げたりしながら読むこと。
イ 物語の読み聞かせを聞いたり,物語を演じたりすること。
オ 読んだ本について,好きなところを紹介すること。
【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】
ア(ア)昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞いたり,発表し合ったり すること。
(2)児童の実態
本学級は,男子17名,女子13名,計30名で構成されている。本単元を指導するに当たり,
アンケート調査を行った。
1.1カ月に何冊くらい本を読みますか。
2.入学してから,昔話を何冊くらい読みましたか。
3.その中で,2年生になってから読んだのは何冊ですか。
4.知っている昔話をいくつでもいいので書きましょう。
<書いた昔話の数>
<回答例>
5.一番好きな昔話はどれですか。また,その昔話のどんなところが好きですか。
・好きな昔話と,その好きなところを書けた児童・・・24人
・好きな昔話は書けたが,好きなところは書けなかった児童・・・2人 ・無回答・・・4人
6.『やまたのおろち』(『決定版 心をそだてる 松谷みよ子の日本の神話』(講談社)より)の読 み聞かせを聞いて,お話の内容はどのくらい分かりましたか。
0~10 11~20 21~30 31~40 41~50 51以上
18人 7人 2人 1人 0人 2人
0 1~10 11~20 21~30 31~50 51以上
7人 16人 3人 3人 0人 1人
0 1~10 11~20 21~30 15人 12人 1人 2人
無回答 1~5 6~10 11~15 16~20 21以上
1人 16人 8人 2人 1人 2人
・ももたろう ・つるのおんがえし ・かさじぞう ・かぐやひめ ・3びきの子ぶた
・こぶとりじいさん ・いっすんぼうし ・うらしまたろう ・大きなかぶ ・一休さん
・さるかにがっせん ・うさぎとかめ ・おむすびころりん ・きんたろう ・赤いくつ
・おやゆびひめ ・ゆき女 ・花さかじいさん ・したきりすずめ ・はだかの王さま
・かちかち山 ・くわずにょうぼう ・いなばのしろうさぎ ・やまたのおろち
・十二しのはじまり ・はつゆめちょうじゃ ・ぶんぶくちゃがま ・力たろう
・やまんばのにしき ・ねずみのすもう ・王さまの耳はロバの耳 ・三まいのおふだ
よく分かった まあまあ分かった あまり分からなかった 全然分からなかった 無回答
11人 7人 3人 7人 2人
<考察>
実態調査から,本学級の児童は普段,あまり昔話を読んでいないことが分かった。特に,2年 生になってからは半数の児童が,全くと言っていいほど昔話に触れていない。知っている昔話に ついては有名なものが多く,小学校入学以前から知っているものが多いと思われる。神話の中か らは『いなばのしろうさぎ』と『やまたのおろち』の2つが書かれていた。千葉県の昔話を書く 児童はいなかった。知っている昔話の中から好きなものを選んだり,好きな場面を書いたりする ことはほとんどの児童ができていた。神話『やまたのおろち』の読み聞かせについては,言葉の 注釈をほとんど行わずに読み通した結果,3分の1の児童が「よく分からなかった」と答えた。
以上の結果から,多くの児童は自分から進んで昔話を読もうとはしていないが,読んだ本の中 から好きなものを選んだり,好きな場面を見付けたりすることはできるので,昔話に触れ易い環 境を整え,おもしろいものを探す活動を意図的に行うことで,昔話への興味・関心を高めていき たい。また,神話・伝承や自分たちの住んでいる地域の昔話については触れる機会が少なかった と思われるので,そういったものを中心に読書環境を整えるようにしたい。その際,難しい言葉 に注釈を入れたり,地域が分かる様に地図を掲示したりするなどして,児童が話の内容を理解で きるようにしたい。
(3)指導観
本教材のような「神話・伝承」は,これまで児童が親しんできた昔話よりもやや難しく感じられ るかもしれない。それは,昔の地名や「わに」のように今とは意味の違う言葉が使われているため である。児童が話の概略を理解するために,難しい言葉には注釈する必要があるであろう。また,
本教材は劇中劇的な構成になっており,話の前後は普通の語りとなっているが,途中,うさぎが「お おくにぬし」に語る場面が挿入されている。このことにも気を付けながら音読を繰り返し行い,話 の大体をつかめるようにしたい。
そして,話の概略が分かったところで,おもしろかったところを各自に探させ,紹介カードを用 いて友達に紹介する活動を行う。この場合のおもしろかったところとは,印象に残ったところ,楽 しかったところ,不思議に思ったところ,愉快なところなど,児童の興味・関心をひきつけたとこ ろととらえさせるようにする。紹介カードには,その場面とともになぜおもしろかったのかという 理由も書かせることで,同じ場面を選んだ場合でも共通点や違いに気付くことができるようになり,
新しいおもしろさの発見にもつながると考える。
その後,地域の昔話や神話・伝承を探し,紹介カードを用いて紹介する活動を行う。地域と言っ ても,白井市や印旛郡だけでは数に限りがあるので,千葉県全体にまで範囲を広げたい。また,自 分で探すのは2年生児童にとって困難なことなので,予め学校の図書室だけではなく,市の図書館 やインターネットなどから資料を集め,教室に地域の昔話コーナーを設けておくことで,児童が 様々な昔話に触れ,自分のおもしろいと思うものを見つけることができるようにしたい。
【仮説とのかかわり】
◇児童の思いや考えを大切にするための工夫
・自分がおもしろいと思った場面とその理由を紹介し合うことで,お互いの感じ方の共通点や違 いに気付き,一人一人の感じ方を尊重することができるようにする。
◇言語活動の取り入れ方の工夫
・『いなばのしろうさぎ』のおもしろいと思うところを紹介カードに書き,紹介し合う。
・地域の昔話の中から,おもしろいと思うものを紹介カードに書き,紹介し合う。
◇読書活動の効果的な取り入れ方
・読書活動推進補助教員に図書室や市立図書館から千葉県の昔話の本を集めてもらったり,イン ターネットから資料を集めたりして,教室に地域の昔話コーナーを設けておくことで,児童が 様々な昔話に触れられるようにする。
・読書活動推進補助教員に,授業や読書タイムの中で地域の昔話の読み聞かせをしてもらうこと で,児童の興味・関心を高められるようにする。
◇効果的に伝え合うための工夫
・紹介カードを書くことで,自分のおもしろいと思ったところを伝えやすくする。
◇単元構成の工夫 <単元の姿>
<仮説> 児童の思いや考えを大切にしながら,単元(教材)構成を工夫し,様々な言語活動を 意図的に取り入れることで,伝え合う意識が高まり,豊かに表現する力が育つだろう。
むか し の お話 を 読 む
い な ばの し ろ うさ ぎ
○単 元 の めあ て
○単 元 計 画
☆
『 い なば の し ろう さ ぎ
』 のお も し ろさ を 味 わ おう
。
並行 読 書
・ 繰 り返 し 音 読し て
、 話 の内 容 を 理解 し よ う。
・ お もし ろ い と思 っ た こ とを
「 紹 介 カ ー ド」 に 書 いて
、 友 達と 紹 介 し 合 お う。
・ 地 域の お も しろ い 昔 話を 探 そ う
。
・ 見 つ けた 昔 話 を「 紹 介 カー ド
」 に書 い て 紹 介 し合 お う
。
いろ い ろ な昔 話 に 興味 を も ち、 お も し ろい とこ ろ を 紹介 し 合 おう
。 地域
の 昔 話の お も しろ さ を 味 わい
、 紹 介 し合 お う
。
4 単元の目標
(関心・意欲・態度) ○昔話や神話・伝承に興味をもち,おもしろいところを進んで探し,紹介し ようとする。
(読むこと) ○昔話や神話・伝承を楽しむために,本や文章を選んで読むことができる。
(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)
○昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞いたり,発表し合った りすることができる。
5 指導計画(7時間扱い)
過 程
時
間 主な学習活動 支援(○)と評価(◎)
見 出 す (1)
1 ・単元名から学習のねらいをつかむと ともに,学習の見通しをもつ。
○教材文の読み聞かせを行い,話の大体をつか めるようにする。
○地域の昔話を探し,紹介カードで友達と紹介 し合うという学習のゴールをとらえさせる。
○地域に伝わる昔話の読み聞かせを行い,紹介 カードを例示する。
○地域の昔話コーナーを教室に設置し,児童が いつでも手に取れるようにしておく。
◎学習の見通しをもつことができたか。(観察)
考 え る (3)
2
・『いなばのしろうさぎ』の全文を読 み,難しい言葉の意味を確認する。
・音読を繰り返し行いながら,自分が おもしろいと思うところを探す。
○旧国名や「わに」など注釈が必要なものを中 心に,難しい言葉の意味を確認する。
○自分のおもしろいと思うところを探しなが ら音読させる。
○付箋紙を用意し,教科書のおもしろいと思う ところに貼らせる。
◎音読を通して,話の大体をつかむことができ たか。 (観察)
◎おもしろいところを見つけることができた か。 (教科書の付箋紙)
3
本 時
・紹介カードに,自分のおもしろいと 思うところとその理由,その場面の 絵をかく。
○教師の書いたものを例示しながら,紹介カー ドの書き方を説明する。
○絵をかくのが難しい児童には,教科書の挿絵 のコピーを渡し,色を塗って紹介カードに貼 らせる。
◎自分がおもしろいと思うところを,理由や絵
とともに紹介カードに書くことができたか。
(紹介カード)
いろいろな昔話に興味をもち,おもしろいところを紹介し合おう。
『いなばのしろうさぎ』を音読し,
おもしろいところを見つけよう。
『いなばのしろうさぎ』のおもしろ いと思うところを紹介カードに書 こう。
4
・紹介カードを完成させ,おもしろい ところを友達と紹介し合う。
○紹介カードを使った発表の仕方を例示する。
◎友達に自分がおもしろいと思うところを紹 介することができたか。 (観察,発表)
◎友達の紹介をしっかりと聞くことができた か。 (観察,感想カード)
深 め る (2)
5
・地域に伝わる昔話を読みながら,お もしろいものを探す。
○紹介カードに書くことを踏まえながら読む ようにさせる。
◎地域に伝わる昔話の中から,おもしろいもの を進んで探そうとしているか。 (観察)
6
・探し出した昔話のおもしろいところ を紹介カードに書く。
○おもしろいところを言葉と絵で紹介できる ように,紹介カードに書かせる。
◎地域に伝わる昔話のおもしろいところを紹 介カードに書くことができたか。
(紹介カード)
ま と め あ げ る (1)
7
・紹介カードを使って,自分が探し出 した地域の昔話を友達に紹介する。
○グループで紹介し合った後,数名に全体の前 でも紹介させる。
○授業の最後に,紹介カードは学級内に掲示す ること,地域の昔話コーナーはしばらくその ままにしておくことを伝え,授業後も児童が 昔話に親しめるようにする。
◎地域の昔話を友達に紹介するとともに,友達 の紹介をしっかりと聞くことができたか。
(観察,感想カード)
『いなばのしろうさぎ』のおもしろ いと思うところを,紹介カードを使 って紹介し合おう。
地域に伝わるおもしろい昔話を見 付けよう。
地域に伝わるおもしろい昔話を紹 介カードに書こう。
地域に伝わるおもしろい昔話を紹 介し合おう。
6 本時の指導(3/7)
(1)目標
(関心・意欲・態度) ○『いなばのしろうさぎ』の中から,自分がおもしろいと思うところを探 し,進んで紹介カードに書こうとする。
(読むこと) ○『いなばのしろうさぎ』を読み,おもしろい場面を選ぶことができる。
(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)
○『いなばのしろうさぎ』のおもしろいところを友達に紹介するために,
紹介カードを書くことができる。
(2)展開
時配 学習活動と内容 支援(○)と評価(◎)
2
5
35
3
1 本時のめあてを確認する。
2 紹介カードの書き方を確認する。
・おもしろいと思うところ
・その理由
・その場面の絵
以上の3つを書くことを知る。
3 紹介カードに,自分がおもしろいと 思うところと,その理由,その場面の 絵をかく。
・前時に付箋紙を貼ったところを読み返 しながら,自分が一番おもしろいと思 うところを選ぶ。
・おもしろいと思うところとそのわけを 紹介カードに書く。
・それを書き終えたら,絵をかいて色を 塗り,紹介カードを完成させる。
4 次時の予告をする。
○教師が書いた紹介カードを例示しながら,書 き方を説明する。
○手が止まっている児童に声を掛け,おもしろ いと思うところを確認し,どのように書けば よいか助言する。
○おもしろいところとその理由を書き終わっ た児童には,その場面の絵をかくよう指示す る。
○絵をかくのが難しい児童には,教科書の挿絵 のコピーを渡して色塗りをさせ,紹介カード に貼らせる。
○紹介カードを書き終えた児童には,紹介カー ドを読む練習をするよう指示する。
◎紹介カードを進んで書いているか。(観察)
◎自分がおもしろいと思うところを,理由や絵
とともに紹介カードに書くことができたか。
(紹介カード)
○紹介カードを使って,おもしろいと思うとこ ろを友達と紹介し合う活動を行うことを伝 える。
『いなばのしろうさぎ』のおもしろいと思うところを,
しょうかいカードに書こう。
(3)板書計画
い な ば のし ろ う さぎ
『 いな ば の しろ う さ ぎ』 の お もし ろ い と思 う と ころ を
、 しょ う か いカ ー ド に書 こ う
。
〈 し ょ う かい カ ー ドを 書 く
〉
① お もし ろ い と思 っ た とこ ろ を 書く
。
② そ のわ け を 書く
。
③ そ の場 め ん の絵 を か く。
( 表
)
紹介 カ ー ドの 見 本
( 裏
)