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損害保険会社の海外事業展開

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Academic year: 2023

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(1)

損害保険会社の海外事業展開

2011年10月22日

平成23年度日本保険学会大会

シンポジウム「グローバリゼーションと保険会社の海外進出」

三井住友海上火災保険株式会社 野村 秀明

(2)

損害保険会社の海外事業展開

1. 損害保険会社の海外展開の状況

2.

3.

まとめと課題

三井住友海上のアジア事業

1

(3)

損保3社の海外事業推移

出所:2011712日付日本経済新聞

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000

2007/3 2008/3 2009/3 2010/3 2011/3 2012/3

2

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

14%

16%

2007/3 2008/3 2009/3 2010/3 2011/3 2012/3

3 社 収 入 保 険 料 の う ち

海 外 の 占 め る 割 合 海 外 で の 収 入 保 険 料

億円

(予想)

東京海上日動

三井住友海上 損保ジャパン

(予想)

(4)

アジア12%

中南米15% 北米5%

欧州・中東3%

再保険3社10%

生保10% シンガポール10%

アメリカ17%

南米41%

ヨーロッパ7%

トルコ8%

海外事業正味収入保険料の地域・事業別割合( 2011 年 3 月期)

フィラデルフィア 31%

再保険(キルン)14%

海外保険事業 正味収入保険料 5,265億円

海外保険事業 正味収入保険料 303億円

アジア計52%

米州16%

欧州25%

再保険7%

海外保険事業 正味収入保険料 2,643億円

北米計36%

中国12%

香港6%

マレーシア8%

台湾7%

タイ7%

シンガポール5%

中国5%

香港3%

インドネシア1%

フィリピン1%

その他アジア 14%

アジア 計27%

再保険 計24%

出所:各社のIR資料データに基づき作成

(5)

1980年代頃迄 日系企業の海外 進出サポート

4

2000年代頃〜 M&Aも本格的に 活用

 海外M&Aも本格的に活用し、現地企業向 け保険・個人向け保険分野に積極的に進出。

 1870年(明治12年)、東京海上が創業時 に釜山浦、上海、香港に代理店を設置。

 戦後になってからは1956年、東京海上は 米国、欧州で元受営業を再開、住友海上は 香港で元受営業を開始。

 以降、日本企業の海外進出に合わせて、

損保会社も海外に進出し、日系企業のリス クを引受け。

1990年代頃〜 現地企業及び個 人市場にも参入

 日本企業にとってアジア等新興国の位置 付けが「生産拠点」から「生産拠点+販売市 場」へと変化。

 損害保険会社も「日系企業の海外でのリ スク引受」に加え「現地企業及び個人のリス ク引受」事業に参入。

損害保険会社の海外進出の歴史

(6)

5

2011年 First Insurance Company of Hawaiiへの出資比率を約129億円で50%から100%に引上げ、完全子会社化

2008年 米損保「フィラデルフィア・コンソリデイティッド社」を約4,987億円で買収し、完全子会社化

2008年 英ロイズ「キルン社」を約950億円で買収し、完全子会社化

2007年 シンガポール、マレーシアで生損保事業を展開する「アジアジェネラルホールディングス社」を買収

2005年 ブラジル損保「レアルセグロス社」の100%株式、同生保「レアルヴィダ社」の50%株式を約451億円で買収。

2011年 マレーシアの「ベルジャヤ・ソンポ社」株式を約133億円で30%から70%まで買い増し、子会社化

2011年 インドネシアの「PT. Asuransi Permata Nipponkoa Indonesia」の株式を49%から80%まで買い増しし、子会社化

2010年 シンガポール損保「テネット社」の株式100%を約64億円で買収

2010年 トルコ損保「フィバ社」の99.07%の株式を約274億円で買収

2009年 ブラジル保険会社「マリチマ社」の普通株50%、無議決権優先株70%を約155億円で取得

2011年 インドネシアのシナールマス生命に672億円で50%出資

2010年 マレーシアのホンレオン・グループの損保事業を統合し、同グループがMSIGマレーシア社の30%株主に。

併せて、同グループの生保事業に三井住友海上が約254億円で30%出資

2010年 中国の信泰人寿社に約24億円で7%出資

2005年 台湾損保の明台社を約288億円で買収

2004年 英アヴィヴァ社のアジア損保事業を約500億円で買収

出所:各社ニュースリリース、ディスクロージャー誌

各社の主なM&A実績

(7)

6

損害保険会社の海外進出の背景: 日本市場の状況

日本のG DP・対前年増減率

0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000

G D P 1 0

-4 0 4 8 12 16 20

G D P 率︵

GDP 242,83261,06274,08285,05302,97325,40340,55354,17380,74410,12442,78469,42480,78483,71488,45 495,16505,01515,64504,90497,62502,98497,71491,31490,29498,32501,73507,36515,80507,56

増減率 7.5 5 4 6.3 7.4 4.7 4 7.5 7.7 8 6 2.4 0.6 1 1.4 2 2.1 -2.1 -1.4 1.1 -1 -1.3 -0.2 1.6 0.7 1.1 1.7 -1.6

1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008

0 2,000,000 4,000,000 6,000,000 8,000,000 10,000,000 12,000,000

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009

1,000,000 2,000,000 3,000,000 4,000,000 5,000,000 6,000,000 7,000,000

自動車以外元受保険料 自動車保険元受保険料 新車販売台数

自動車販売台数(新車)の減少と損害保険元受保険料(全社ベース)の推移 出所:内閣府HP

出所:「インシュアランス」損害保険統計号、日本自動車販売協会連合会資料

(8)

台湾

日本

中国

インド

タイ

香港

フィリピン

韓国

シンガポール マレーシア

インドネシア ベトナム

ブラジル トルコ

-300 -100 100 300 500 700 900 1100 1300

-5,000 5,000 15,000 25,000 35,000 45,000

出所 : Swiss Re Sigma Report,のデータに基づき作成。

7

バルーン: 各国・地域の合計損害保険料(市場規模)

 新興国は成長余地が大きく、GDP成長とともに、国民一人当たり損害保険料の増加も期待される。

△ 6.0

△ 4.0

△ 2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

中国 インド インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン 台湾 タイ ブラジル トルコ 日本

実 質 G D P 実 績 及 び 予 測 一 人 当 り G D P と

一 人 当 り 損 害 保 険 料︵ 2 0 1 0 年 ︶

出所 : 国際金融情報センター及び内閣府のデータに基づき作成。2011年以降は国際金融情報センターの予測

%

米ドル 米ドル

1人当りGDP

損害保険会社の海外進出の背景: 新興国の高い経済成長

(9)

損害保険会社の海外事業展開

. 三井住友海上のアジア事業

3.

まとめと課題

.

損害保険会社の海外展開の状況

8

(10)

タイ シンガポール 香港

マレーシア

インドネシア フィリピン

明台買収

ベトナム

信泰人寿出資 台湾 中国(上海支店)

インド

Aviva買収

1999

2005 2004 2003 2001

2010 1977 1969 1958 1957

1997 1962 1934

2004年 英国AVIVAのアジア損保

事業を買収

2010 マレーシアの大手財閥ホンレ オングループとの資本提携

(生保・損保・タカフル)

2005年台湾の明台社を買収

アジア各国・地域への進出 アジア各国・地域への進出

1 1 2 2

損保事業の基盤拡大損保事業の基盤拡大

3 3

生保事業への進出生保事業への進出

2011 シナルマス提携

2011インドネシアの大手生保 シナルマス・グループへの 出資

経済発展が見込まれる国・地域に 早くから進出

※年号は営業免許を取得した年

シナジー効果等が期待できる 企業/事業をM&Aで取得

生保分野への進出による更なる 収益ベースの拡大

2006アセアン事業を統括する 会社をシンガポールに設立

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

0 500 1,000 1,500 従業員 正味保険料

億円

9

2010中国の信泰人寿社に出資

ホンレオン提携

三井住友海上のアジア事業の状況 (1)

(11)

三井住友海上( MSIG )の主要国・地域でのポジション

AB P&C Royal Sundaram

First Lloyd's

Cong ty AAA 10

Tianan HDFC ERGO

Chung Kuo Asia Insurance

Vien Dong 9

China Export IFFCO Tokio

South China MSIG

Bao Long 8

Sunshine Reliance

Taian QBE

UIC 7

China Life P&C Bajaj Allianz

Union Bupa

Toan Cau 6

China Continent ICICI Lombard

Tokio Marine Newa Chartis

PTI 5

China United National

MSIG Ming Tai BOC

PJICO 4

CPIC Oriental

Shikong Zurich

Bao Minh 3

Ping An United

Cathay Century AXA

PV Insurance 2

PICC New India

Fubon HSBC

Bao Viet 1

中国(2010)*

インド(2011/3期)

台湾(2010)

香港(2010)

ベトナム(2010)

順位 順位

Federal Phoenix Wahana Tata

Tokio Marine P&O

NKSJ 10

UCPB AIU

Tanachart MAA

ACE 9

Philippine Charter Adira Dinamika

LMG AMAssurance

Tokio Marine 8

Mapfre Insular MSIG

Safety AXA Affin

QBE 7

Chartis Allianz Utama

Muang Thai Lonpac

Liberty 6

Pioneer Central Asia

MSIG Tokio Marine

First Capital 5

Standard Tugu Pratama

Synmunkong Kurina

AXA 4

BPI/MS Astra Buana

Bangkok ETIQA

MSIG 3

Pru Guarantee Jasa

Dhipaya MSIG

NTUC income 2

Malayan Sinarmas

Viriyah Allianz

American Home 1

フィリピン(2009) インドネシア(2009)

タイ(2010) マレーシア(2010)

シンガポール(2009)

順位 順位

10

出所:各国当局データ を参考に作成

MSIG 19位)

MSIG 19位) Chora MS 12位)

三井住友海上のアジア事業の状況 (2)

MSIG 34位)

(12)

買収の狙い

- ポートフォリオの相互補完とシナジー効果

(AVIVAのポートフォリオ(ローカル案件、中小企業物件主体)と、三井住友海上(日系顧客主体)の統合)

- AVIVAの持つ営業拠点やITシステムの活用

買収の効果(無形)

- 強固なプレゼンス確保

- ブランドの浸透 (AVIVAブランド展開のノウハウを活用し、「MSIG」ブランドを域内で展開)

- 地域事業の経営・運営ノウハウ

11

Asia

英国AVIVA社のアジア損保事業包括買収 (2004年)

買収の狙い

- ポートフォリオの相互補完とシナジー効果

(明台のポートフォリオ(ローカル案件、中小企業物件主体)と、当社(日系顧客主体)の統合)

- 台湾全土の17支店・50営業所の拠点獲得

買収の効果(無形)

- アジアネットワークを活用し、台湾企業海外物件の捕捉が可能となり差別化が実現

(2010年度、台湾企業の海外物件で合計1億円以上の新規を獲得)

- MSIGブランドの浸透(親日的であり、日系ブランドへの信頼性が高く、新たな顧客層を獲得)

台湾・明台産物社の買収 (2005年)

三井住友海上のM&A等の実績: 損保事業

シンガポールにアセアン事業を統括するアジア持株会社を設立(2006年)

Asia

地域持株会社に権限と責任を委譲し、迅速な意思決定と事業執行を実現

(13)

アジア生保事業進出の背景

アジアにおいては、生保市場も大きな成長が見込める為、新たな収益ベースを獲得できる

日本のMS&AD傘下生保のノウハウを活かすことで、更なる成長も期待できる

シナジー効果が見込める(現地損保事業とのシナジー、アジア生保事業の地域間のシナジー)

進出の際のポイント

生保事業はリテール市場が中心となるため、当該国の市場に精通した、信頼できる現地有力パートナーとの JV形態で進出。経営にも積極的に関与。

銀行チャネルの成長性が高いことから、現地パートナー傘下に銀行がある場合、同銀行経由の販売も拡大 インドネシア (

2011

7

月)

 大手コングロマリット「シナールマス・グループ」

と資本提携

同グループの生保会社「シナールマス生命」

に三井住友海上が50%出資 (第三者割当増 資の引受け、約672億円)

同社の商号をシナールマスMSIG生命に変更

 信泰人寿に三井住友海上が7%出資(累計 31億円)

中国 (20104月)

12

 大手コングロマリット「ホンレオン・グループ」と資本 提携

マレーシア (

2010

10

月)

同グループの損保事業と統合し、同グループは、

MSIGマレーシア社の

30%

株主に

同グループの生保事業に三井住友海上が30%出 資(約254億円)

同グループのタカフル事業に三井住友海上が35%

出資(約9億円, 2011年4月)

三井住友海上のM&A実績: 生保事業

(14)

ブランドの浸透

13

MSIGブランドの展開

(15)

三井住友海上のアジア損保事業: 収入保険料の内訳

■ さまざまな属性の顧客層へのアクセス

アジアの多様な顧客(人種・民族、宗教、性別、年齢、家 族構成、職業、所得水準など)のニーズに応える商品・

サービスの提供

■ 良質な契約者層の囲い込み

商品・サービスの提供を通じて、契約者の特性を把握し、

良質な契約者層を囲い込み

■ 収益性の高い種目に強み

火災保険・貨物保険など収益性の高い種目の 割合が高い。

その他 16%

火災 24%

貨物 10%

船舶 2%

自動車 40%

傷害

その他 8%

6% 代理店

19%

直扱い 18%

銀行窓販 11%

ディーラー 25%

ブローカー 21%

14

販売チャネル 種 目

顧 客

※いずれもアジア地域合計の元受収入保険料(2010年度)

ローカル 72%

■ 種目分散による損害率の安定

種目ごとに異なる損害率の変動サイクルを 安定させる効果

日系 28%

(16)

海外事業ベース:損保会社の海外連結子会社に、海外支店、海外の非連結子会社の業績を合算したベース

増収率は現地通貨ベース 増収率、コンバインドレシオ、ROEは三井住友海上の各拠点における数値、正味収入保険料はMS&AD合算

2,861 3,192 8,190 13,575 14,101 14,370 19,024 19,527 21,334

正味収入保険料

(百万円

12.9 90.1

8.1 13.1

83.9 -0.8

6.1 97.0

3.6

香港

17.7 75.3

20.9 14.8

70.5 8.6

14.2 132.8

1.8

フィリピン

4.2 99.9

15.2 4.7

95.0 3.2

-0.7 87.8

台湾 -2.1

15.1 78.4

13.3 13.7

82.9 11.7

4.6 78.9

13.2

シンガポール

中国 インド タイ

インドネシア

15.7 87.1

20.0 22.7

80.9 16.3

83.7

ROE コンバインド

レシオ 増収率

ROE コンバインド

レシオ 増収率

ROE コンバインド

レシオ 増収率

25.1 60.0

15.6 17.4

83.5 -3.6

28.0 59.4

2.9

2.3 103.6

46.5 5.6

102.7 21.9

4.0 100.3

18,520.6

-8.6 107.3

41.2 1.1

106.8 18.5

4.8 107.9

60.3

1.8 5.9

19.4 85.2

24.6 25.4

79.8 3.0

19.0 78.8

マレーシア 11.2

2010年度 2009年度

2008年度

アジア主要拠点の増収率、コンバインド・レシオ、ROE

単位:%

アジアでのコンバインドレシオ

14.5%

11.5%

11.3%

10.8%

12.1%

手数料率

54.6%

61.0%

52.3%

56.0%

49.6%

損害率

20.4%

24.5%

26.4%

26.3%

28.0%

経費率

97.0%

2010 年度

89.5%

2011 度計画 2007

年度

2008 年度

2009 年度 コンバインドレシオ 89.7% 93.1% 90.0%

バランスのよい販売チャネル

(良質契約者層の囲い込み)

バランスのよい種目構成

(収益の安定化に寄与)

多様化が安定的に低損害率を実現

アジア事業の高い収益性

15

三井住友海上のアジア損保事業: 収益性

(17)

損害保険会社の海外事業展開

. まとめと課題

.

MS&ADホールディングスのアジア事業

.

損害保険会社の海外展開の状況

16

(18)

17

損害保険会社の海外事業展開: まとめと課題

課題

 現地の規制、慣習、文化に合わせた商品開発、マーケティング

 リスク管理、ガバナンス態勢の強化

 国内外の人材の有効活用

 日系企業の海外進出に合わせ、損保会社も海外に進出し、日系 企業のリスクを引受けることが従来の海外事業の中心。

 近年、日本国内市場の成長が見込みにくくなってきたことから、

より成長の見込める海外市場へ積極的に進出。

⇒市場拡大期待の大きいアジア等新興国の保険会社や、

収益性の高い欧米保険会社に対するM&Aも積極的に実施。

まとめ

 引受けリスクがグローバルに分散

 海外顧客層も、日系企業中心から、日系企業+ローカル企業・

ローカル個人に拡大

 事業ポートフォリオも、海外損保分野に加え、海外生保分野に も拡大

 収入保険料及び利 益の成長

 収益性の向上

 分散化によるポート フォリオの安定化

海外事業展開及びその背景

海外事業展開によるポートフォリオ分散化

(19)

18

ありがとうございました

参照

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