以下のスライドの著作権等について
• 以下のスライドは 2012 年 3 月 29 日 -30 日に早稲田大学で 開催予定の日本英語教育学会第 41 回年次大会での発 表に使用したスライドの一部です。
• すべての無断複製を禁止します。
• 以下のスライドの著作権・使用許諾条件・掲示責任者・
連絡先などについては
http://www.f.waseda.jp/harada/copyright-j.html をご覧
ください。
謝辞
本発表で紹介する研究の実施にあたり、以下の研究助成の支援を得ています。
• 2009/4-2014/3:
科学研究費補助金基盤研究(B)
:課題番号21320109
『属性付 与英語学習者発話コーパスの拡充と分析:大学新入生英語発話能力の経年 変化調査』• 2006/7-2007/3:
早稲田大学特定課題研究助成費(研究奨励費)『学習者プロファイリングに基づく日本人英語学習者音声コーパスの構築と分析』
• 2006/4-2009/3:
科学研究費補助金基盤研究(B)
:課題番号18320093
『学習者 プロファイリングに基づく日本人英語学習者音声コーパスの構築と分析』• 2005/7-2006/3:
早稲田大学特定課題研究助成費(一般助成)課題番号2005B-
022
『英語教育高度化に向けた学習者プロファイリングとマルチモーダル学習 者コーパスの研究』• 2004/7-2005/3:
早稲田大学特定課題研究助成費(一般助成)課題番号2004A-
033
『大学英語教育高度化のための外部試験を活用した学習者プロファイリン グの研究』• 1999/11-2005/3:
早稲田大学メディアネットワークセンターとKDD
・KCOM
・KDD
研究所の共同研究「生涯学習サポートシステムにおけるネットワーク利用 環境技術に関する研究」2012-03-28 (wed) 早稲田大学 8 号館 303/304/305 会議室
日本英語教育学会第 42 回年次研究集会
会長講演:一般教育としての英語教育
日本英語教育学会 (JELES)
The English Language Education Society of Japan
原田 康也
早稲田大学情報教育研究所 所長
早稲田大学法学学術院教授(英語・言語情報副専攻担当)
日本英語教育学会 会長
本日の発表内容:(目次ではない)
英語教育と情報教育の共通性
• 英語とコンピュータの同時学習
• 情報教育の情報化
• 英語教育と情報教育の統合化
• 一般教育としての英語教育
現代日本の大学英語教育における課題
• 学生の英語力
– 学習到達度の多様性
– 語彙不足・読解力不足・表現訓練不足
• 学生の一般的学習能力
– 調べとまとめと発表・批判的受容・創造的思考・知識の統合 – レポート・文章のまとめ方(引用・出典など含め)
– 口頭発表・プレゼンテーション(引用・出典など含め)
– コンピュータ・ネットワーク・検索システム・図書館の利用
• 学生のコミュニケーション力 – 対人関係・無発言行動 *
– 論理的表現力(文書・口頭での説得力)
– 即時的応答力(時間に制約のある課題)
*
岡本能理子,
「第四章 ことばの力を育む」,
小宮山博仁・立田慶裕編,
『人生を 変える生涯学習の力』, p. 102,
評論社, 2004
年5
月15
日.
一般教育としての言語情報教育
• 教養教育:教養 7 科
• 3 科:文法と論理と修辞
デジタル時代の文法と論理と修辞
– 文法:素性構造 / (メタ)タグ / オントロジー – 論理:論理回路 / 素性論理 / データ構造 – 修辞:プレゼンテーション / データ可視化
• 4 科:算術と幾何と音楽と宇宙論 デジタル時代の 4 科
– 世界を数理的・統計的にどのように捉え、把握し、
理解し、表現し、伝達するか
学部教育における言語と情報
• 90 年代まで
– コンピュータ入門・情報処理入門
– 総合英語
• 90 年代以降
– ネットワーク環境下の大学生リテラシー
– 英語アカデミックライティング・プレゼンテーション – 国際情報社会に生きるアカデミック・リテラシー
• 言語教育と情報教育の共通性 – 言語と情報の同時学習
– 言語教育と情報教育の統合
同時学習の背景(論理的構成)
• 本来の専攻分野に関する研究 – 認知科学・計算言語学
•
文法理論・統語論・形式意味論・形式語用論•
言語資源の構築と活用・知的情報処理の言語学習への応用•
学習・認知発達研究• 職務上の研究開発 – 外国語学習
•
英語教育・英語学習の理論・方法・実践研究•
外国語学習環境整備・情報教育との統合化– 情報教育
•
情報教育環境整備・情報倫理教育方法•
情報基礎演習カリキュラム整備・授業方法開発– 一般教育
•
情報教育環境の活用– 言語学の学習における検索リテラシ
– 文法理論の学習における論理プログラミング環境の活用
•
情報基礎演習的アプローチ同時学習の必要性・意義
• プロジェクト学習の有効性
– 新学習指導要領における『総合的な学習の時間』
– 複合領域的課題・多分野横断的学習の重要性 – プロジェクト管理も同時に学習
• 方法論・ツール・内容の同時学習の必要性
– 微積分と力学・エクセルで学ぶ統計 – 論理プログラミングと計算言語学 – 『英語を学ぶ』 『英語で学ぶ』
• カリキュラムの肥大化を防ぐ
– 総合講座(『学際的』輪番講義)はもういらない?
– 早稲田大学 MNC の『情報基礎演習』
– 早稲田大学法学部英語カリキュラム
(情報処理学会山下記念研究賞受賞「『情報教育』の情報化」より)
従来の「情報処理入門」
• 科目の内容
– 電源の投入・切断・キーボード・マウスの操作 – ワープロ・電子メール・表計算・ブラウザ
– プレゼンテーション・メーリングリスト – HTML 文書の作成とファイル転送
• 授業の構成と進行
– 初心者を対象に項目ごとに習熟を目指す
– 細かい技に走りがち
(情報処理学会山下記念研究賞受賞「『情報教育』の情報化」より)
やってはいけない授業1 項目別展開
• 第一週:電源の投入と切断
• 第二週:キーボードとマウス
• 第三週: Windows
• 第四週:電子メール
• 第五週:ワープロ
• 第六週:表計算
• 第七週: WWW
(情報処理学会山下記念研究賞受賞「『情報教育』の情報化」より)
今求められている授業3
教養基礎演習的アプローチ
• 文書作成技法と人文社会科学の方法論
– 「知的生産の技術」・「整理術」・「発想法」
• 自己の主張と他者の発言の区別
– 紹介・要約・引用・出展・著作権
• 口頭発表の基礎訓練
– プレゼンテーションツールはワープロより簡単
(情報処理学会山下記念研究賞受賞「『情報教育』の情報化」より)
1 粒で 3 度おいしい「情報処理入門」
– 「情報倫理」的側面
• 自己責任原則と個人情報管理
• 情報発信にともなう法的・倫理的責任 – 教養基礎演習的側面
• 構造的文書作成とドキュメント管理
• ネットワークを前提とした情報収集と文書作成 – 内容主導の授業構成
• 口頭発表とディスカッション
• メディアを利用したグループ学習
1989 年:協調的共同行為としての英作文
• 英作文のための教育学習環境 – 自分が文章作成を行う環境
•
電子的入力・編集校正・出力mifes / emacs / LaTeX
•
協調的共同行為とコンピュータ支援mh / mailing list / ftp
•
研究資源の電子化・ネットワーク化anonymous ftp
– 学生が文章作成を行う環境
•
電子的入力・編集校正・出力•
協調的共同行為とコンピュータ支援•
学習資源の電子化・ネットワーク化• 1989 年の現実
– PC9801 コンパチ (DOS/V 以前)
•
一太郎– Junet 黎明期 / BITNET の圧倒的優位
•
計算機使用料(接続時間課金)の壁– LL 教室とコンピュータ教室
•
癒し系の英作文その後の発見・当時欠けていた視点
• 外国語学習の統合性
– 知識の獲得と 4 技能の訓練だけでは足りない – TOEFL iBT
• 作文の前のウォームアップの必要性
– 学生はすぐには文章が書けない
– 自分は発表を 10 回ぐらいしてから文章化
• 対面コミュニケーションの重要性
– 北米的文化におけるリアルタイム応答の意義 – 学生のコミュニケーション能力欠如
• 学習資源としての学生
– 自律的相互学習・相互評価を通した学習
– ネットワーク時代における collocated learning の意義
これからの「英語教育」が目指すべきもの
• 「英語の科学的な理解」
– 言語・コミュニケーションに対するメタ認知 – 英語学習に対する科学的なアプローチ
• 「英語の運用能力」
– 4 技能+コミュニケーション能力の涵養 – 「 4 技能の訓練」を超える必要
• 「国際情報社会に参画する態度」
– 国際社会の理解
– 自らの言語・文化の相対化
可視化
現代日本の大学英語教育における課題
• 学生の英語力
– 学習到達度の多様性
– 語彙不足・読解力不足・表現訓練不足
• 学生の一般的学習能力
– 調べとまとめと発表・批判的受容・創造的思考・知識の統合 – レポート・文章のまとめ方(引用・出典など含め)
– 口頭発表・プレゼンテーション(引用・出典など含め)
– コンピュータ・ネットワーク・検索システム・図書館の利用
• 学生のコミュニケーション力 – 対人関係・無発言行動 *
– 論理的表現力(文書・口頭での説得力)
– 即時的応答力(時間に制約のある課題)
*
岡本能理子,
「第四章 ことばの力を育む」,
小宮山博仁・立田慶裕編,
『人生を 変える生涯学習の力』, p. 102,
評論社, 2004
年5
月15
日.
『英語が使える日本人』の育成のための 戦略構想(文部科学省 2002 年 7 月発表)・
同行動計画(文部科学省 2003 年 3 月発表)
• 戦略構想の達成目標
– 国民全体に求められる英語力 → 中学・高校での達成目標を設定。
•
中学校卒業段階:挨拶や応対等の平易な会話(同程度の読 む・書く・聞く)ができる(
卒業者の平均が英検3級程度。)。•
高等学校卒業段階:日常の話題に関する通常の会話(同程 度の読む・書く・聞く)ができる(
高校卒業者の平均が英検準 2級~2級程度。)。– 国際社会に活躍する人材等に求められる英語力 →
各大学が、仕事で英語が使える人材を育成する観点
から、達成目標を設定。
英語学習の目標(高等学校)
文部科学省
,
「高等学校学習指導要領(平成21
年3
月)」http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/kou/kou.pdf
第13
節 英語第1款
目標
英語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコ
ミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,情報や考 えなどを的確に理解したり適切に伝えたりするコミュニケー ション能力を養う。
文部科学省
,
「中学校学習指導要領(
平成20
年3
月・平成22
年11
月一部改正)
」,
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/__icsFiles/afieldfile/2010/12/16/121504.pdf
第
9
節 外国語 第1
目標外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的に
コミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くこと,
話すこと,読むこと,書くことなどのコミュニケーション能力の
基礎を養う。
日本学術会議「回答大学教育の分野別質保 証の在り方について」 ① コミュニケーションとは何か
• 現代にふさわしい「市民的教養」を考える上で、コミュニ ケーション能力は重要な要素である。
• 他者との協働の能力を向上させることこそがコミュニケ ーション教育の目的だからである。
• 公共的課題の発見とその解決においては、自らの価値 観や視点とは異なる他者と出会い、他者の価値観や視 点を理解し、協働する能力が求められる。
• 自らの意見を論理的に構成し、交渉を通じて合意を生み 出す能力も育成されねばならない。
• 国内、国外を通して、異なる価値観や視点を持つ他者と 協働する機会が増大することが予想され、そこでのコミ ュニケーション能力の育成は、教養教育の重要な課題 で ある。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-k100-1.pdf
日本学術会議「回答大学教育の分野別質保証 の在り方について」 ③ 国際共通語としての英語教育
•
グローバル化に伴い、英語は、イギリス人やアメリカ人の母国語というあり方を 越えて、世界で最も広い範囲に流布する国際共通語となっている。このような 国際共通語としての英語は、現在のアメリカ合衆国の政治力、経済力、軍事力 の優位を背景にして生まれたものである。特にビジネスや情報のように物事の 構造よりも流通・交流が問題になる分野、科学研究とりわけ自然科学のように 標準化された手法と道具―
度量衡の標準化はその象徴である―
に基づく研究 活動を通じて世界規模の科学者共同体が成立している分野では、共通語使用 の利便性は高く、その習熟は不可避である。•
このような観点からすれば、教育・学習の対象になるのは、英米の言語として の英語ではなく、媒介言語としての英語である。•
こうした国際共通語としての英語の教育は、従来の外国語教育とは別のカテゴ リーに属するものと解するべきである。グローバルな局面で、文化と言語を異に する他者と協同し交流する能力を育成するために、アカデミック・リーディング、アカデミック・ライティング、プレゼンテーションを核とする「英語によるリテラシー 教育」を構想する必要がある。その際、異文化との接触において自らのあり方 と立場を説明し理解してもらうことの重要性を思えば、日本事情・日本文化は学 習内容の重要な要素となるはずである。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-k100-1.pdf
(C) Copyright 2000-2012, Yasunari HARADA et. al. All Rights Reserved. 21
経済産業省「社会人基礎力」
http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/kisoryoku_image.pdf
1.
前に踏み出す力(アクション):一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
1.
主体性:物事に進んで取り組む力2.
働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力3.
実行力:目的を設定し確実に行動する力2.
考え抜く力(シンキング):疑問を持ち、考え抜く力
1.
課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力2.
計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力3.
創造力:新しい価値を生み出す力3.
チームで働く力(チームワーク):多様な人々とともに、目標に向けて協力する力
1.
発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力2.
傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力3.
柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力4.
情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力5.
規律性:社会のルールや人との約束を守る力ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
現代日本の大学英語教育における課題
• 学生の英語力
– 学習到達度の多様性
– 語彙不足・読解力不足・表現訓練不足
• 学生の一般的学習能力
– 調べとまとめと発表・批判的受容・創造的思考・知識の統合 – レポート・文章のまとめ方(引用・出典など含め)
– 口頭発表・プレゼンテーション(引用・出典など含め)
– コンピュータ・ネットワーク・検索システム・図書館の利用
• 学生のコミュニケーション力 – 対人関係・無発言行動 *
– 論理的表現力(文書・口頭での説得力)
– 即時的応答力(時間に制約のある課題)
*
岡本能理子,
「第四章 ことばの力を育む」,
小宮山博仁・立田慶裕編,
『人生を 変える生涯学習の力』, p. 102,
評論社, 2004
年5
月15
日.
無発言行動 *
•
大学での教職員の経験– 「私語が多くて授業が成り立たない場合がある一方で、指名されても押し黙ったままで、話す 意欲を見せない。いかにして自分の考えを言わせるかに教師は苦労する」
– 「研究室や事務局窓口では、訪ねてきた理由を問わないと学生は説明を始めないし、答えも単 語を並べるだけで文章になっていない」
•
これを裏付けるデータ:大平浩哉(前早稲田大学)– 無発言行動
• 教師に問われても答えない
• 発言を促されてもなかなか話そうとしない – いつから発言しなくなったか(1998 年の調査)
• 小学校高学年 10% (累積無発言率 10%)
• 中学校 41% (累積無発言率 51%)
• 高校 22% (累積無発言率 73%)
• 大学入学以降 04% (累積無発言率 77%)
•
高校生たちの声:吉岡泰夫(国立国語研究所)2002
年– 授業中、生徒が自ら考えて発言しても、先生の考えに沿うものでなかったら先生は権威を振り かざして封じ込めるので、コミュニケーションが成り立たない。
– 先生に使って敬語を使って話せと指導されるのに、先生は生徒に対して「です・ます」さえも使 わない。とくに、生徒を注意する場面では敬称さえ使わず呼び捨てであり、生徒に対する敬意 が感じられない。先生は自分のことを「先生」という自称詞で言っていることからしても、子ども 扱いされているようでいやだ。
*
岡本能理子,
「第四章 ことばの力を育む」,
小宮山博仁・立田慶裕編,
『人 生を変える生涯学習の力』, p. 102,
評論社, 2004
年5
月15
日.
冷泉彰彦 , 「上から目線」の時代 , 講談社現代新 書 2141, 講談社 , 2012 年 1 月 2 日
• 「一対一の会話がうまくいかないコミュニケーショ ン不全が社会全体に蔓延している」( [21: p. 53]
• 「純粋に初対面の人と『特に用事もなく、話題も 決まっていない』会話がうまくいったという経験は 非常に尐なくなって」( [21: p. 54] )いるという。
• 「雑談が成立するための共通の価値観は見事に
消滅して」おり、「『当たり障りのない話題』が無
効に」なり、「話題に伴う『会話の形式』が無効に
なってしまったのだ」( [15: p. 62] )という。
冷泉彰彦 , 「上から目線」の時代 , 講談社現代新 書 2141, 講談社 , 2012 年 1 月 2 日
• 現代の社会において初対面の人と話ができなくなっ たのは、社会が悪くなったり自分の話術が下手にな ったからではない。また、以前の世の中で人々の話 術が巧みだったり、社会がいまより「まし」であった のでもない。要するに以前には「初対面同士の雑談
」にもテンプレートがあり、人々はそれに乗っかって
いけば自然とそこには「関係の空気」が生まれたの
で、その空気の中で会話をスムーズに進めていた
だけなのだ。現代の日本ではそのようなテンプレー
トが失われたことで、空気も生まれにくくなっている
のである。現代の日本や日本社会が「劣化」したと
いうような投げやりな解説をすべきではない。
大学デビュー:ぼっちがこわい
• クラスになじめない。出席が滞る。
• ノートが手に入らない。代返してもらえない。
• 試験対策情報が手に入らない。
• 単位が取れなくなる。
• 受講対策情報が手に入らない。
• 進級できなくなる。
• うつになる。ひきこもる。
• 卒業できなくなる。就職できなくなる。
日本学術会議「回答大学教育の分野別質保証の在り方 について」 社交性の獲得あるいは奥行きのある人間の育成
人は長じて、なぜ学生時代を懐かしむのか。そこには、講 義などの制度的な仕組み以外の大学での生活があるから である。名物教授の立ち居振る舞い、学生食堂の食事、ク ラブ活動や様々なイベント、多様な人々との出会いや友人 との交流、大学周辺の街の雰囲気など、大学という社交空 間で経験した生活の「匂い」とでも言うべきものは人の一生 を通じて残り続ける。仮にこのような社交空間としての大学 の「匂い」を隠れたカリキュラムと名付けるとすれば、これこ そが人間の成長の糧を提供しているのかもしれない。この ような隠れたカリキュラムによる成長が、人間の幅を広げ、
専門以外の事柄について知的に会話することや、全く文化
的背景の異なる人間と交流することを楽しめる人間を生み
出すのである。
コミュニケーション訓練への方策
• 英語教育におけるプロジェクト学習
– グループ活動:作業分担・作業日程等の調整 – 発表:スライドを使ったプレゼンテーション
– 文書作成:発表内容の文書化
• 大学を卒業して得るもの
– 卒業資格・学歴(入学の経歴が重要 ? ) – 学士力・資格試験合格・英語外部試験
• 大学教育の質的保証 – 人脈
• ゼミ(文系)・研究室(理系)・語学クラス
• 語学固定クラスと到達度別クラス
応答練習の概略( extended response を引き出すた めの質問で、 intearction の練習ではない )
• 教員があらかじめ質問を用意する。
–
ひとつのテーマで関連する10の質問–
エーワンのマルチカードに印刷して配布–
ひとつのカードにひとつの質問• 3 人の学生が 1 グループを構成する。
–
質問者:カードの英文を読み上げる。–
回答者:質問に回答する。–
タイムキーパー:撮影担当• ひとつの質問が終わると
–
相互評価用紙に記入–
役割を交代• 応答練習が終わると
–
そのテーマについて300
語から400
語の文章作成–
宿題として完成・次週に相互チェック英語担当教員としての問題意識
口頭発表と文章化
– 自己表現:『自分』についての発表 – 文章化の前に口頭練習
– プレゼンテーションのあとに文章化
• 尐人数グループ学習の有効性
– クラスの人間関係が劇的に改善 – グループ内の発表に抵抗が尐ない – 出席率の向上・クラスコンパ
• ぼっちにならない。
学生の自律的相互学習を促す教室活動の ための座席配置の有効性
• 学生の自律的学習を促す教室活動
– ペア・ 3 人一組・ 6 人 1 グループ・自主的グループ構 成
• コミュニティ(形成)支援の必要性
– 初対面のクラスメートと話ができない – 相手の顔を見て話をすることができない – グループ活動が成立しない
• 入学時の英語力の多様化・二極化
– 固定したグループ活動では動機付けが低下 – 自分たちでグループを構成することが困難
• 座席配置の有効性
– You are where you are.
座席配置
• 自由着席
– 仲間が集まり騒がしい・教室後方に固まる
– 提出物の回収・集計・返却にかなりの手間がかかる – 出欠遅刻早退の確認に時間がかかる
– 学生の顔と名前を一致させにくい
• 出席番号に基づく固定座席
– 学生の顔と名前を一致させやすい
– 提出物の回収・集計・返却を省力化できる – 出欠遅刻早退の確認が容易
• 出席番号に基づくローテーション着席
– 毎回のグループ構成を変えることができる – 学生の顔と名前を一致させにくい
– 提出物の回収・集計・返却に若干の手間がかかる
座席配置表の作り方:手作業で作る理由
• クラスの人数は事務的に決まる
• 学習活動は 1 / 2 / 3 / 4 / 6 をベースとする
• コンピュータ教室の座席配列は 6 × 6
• 途中で脱落する学生がいる
現代日本の大学英語教育における課題
• 学生の英語力
– 学習到達度の多様性
– 語彙不足・読解力不足・表現訓練不足
• 学生の一般的学習能力
– 調べとまとめと発表・批判的受容・創造的思考・知識の統合 – レポート・文章のまとめ方(引用・出典など含め)
– 口頭発表・プレゼンテーション(引用・出典など含め)
– コンピュータ・ネットワーク・検索システム・図書館の利用
• 学生のコミュニケーション力 – 対人関係・無発言行動 *
– 論理的表現力(文書・口頭での説得力)
– 即時的応答力(時間に制約のある課題)
*
岡本能理子,
「第四章 ことばの力を育む」,
小宮山博仁・立田慶裕編,
『人生を 変える生涯学習の力』, p. 102,
評論社, 2004
年5
月15
日.
香港理工大學英語学習センター Good Point!
• Do you want to see if your students are critically thinking about a topic?
• Would you like to get well organized essays and thoughtful presentations?
• Are you interested in enhancing your students’
critical thinking skills?
• If so, try the Good Point! Website, which is a site for students and teachers to share ideas, respond to them critically, and use those ideas in essays and presentations.
http://goodpoint.elc.polyu.edu.hk
2009 年度の授業の構成( 2 年学期はじめ)
• 応答練習(自己紹介・授業テーマ)
• 文章作成・文章相互チェック(隔週)
• TED の記事紹介 / EnglishCentral http://englishcentral.com
http://TED.com
• 宿題
– 英語リスニング・スピーキング自動試験
– 作文の完成・修正
2009 年度の授業の構成( 2 年学期半ば)
• 発表テーマの提案
• 仲間探し・グループ分け
• グループ対抗での発表
• クラス全体での発表と相互評価
• 活動報告(グループ内相互評価)の提出
• 発表要旨の提出と相互チェック
• 発表要旨の修正版提出
2009 年度の授業の構成( 2 年学期半ば)
発表の予行演習
• 32 人の受講生 = 4 人 × 8 グループ
• 2 グループずつ対抗戦
– 1 回目: AB / CF / DE / GH – 1 回目: GA / BC / EF / EH
• 聞き手は発表の途中でできるだけ多くの質 問をする、ことになっている。
• 発表と質疑応答は SONY Handycam で録
音している。
2009 年度の授業の構成( 2 年学期半ば)
発表概要の相互チェック
• 32 人の受講生 = 4 人 × 8 グループ
• 各グループ 2000 語以上の発表概要提出
• 各受講生は 3 つの発表概要をチェック
– グループにより 2 つを指定 – 各自が自由に一つ選択
• 各文をマーカーで色分け(不明な場合にコメント)
– 事実は立体 / 意見は斜体
– 著者による(地の文) / 他者の紹介・要約 / 他者の引用
2009 年度の授業の構成( 2 年学期終わり)
• 宿題
– 英語リスニング・スピーキング自動試験 – 自己評価の提出
– 最終発表(今学期の成果と自己評価)の準備
• 最終発表と相互評価(クラス内相対評価)
• 最終レポートの提出と相互チェック
• 最終レポート最終版の提出
自己評価項目
2009 年度の授業の構成( 1 年春学期)
• 宿題の提出・読書記録・作文記録
• 応答練習
• 文章作成・文章相互チェック(隔週)
• CNN の記事紹介 / EnglishCentral
• 宿題
– 作文の完成・修正
– graded readers / chapter books / picture
books などの多読
2009 年度の授業の構成( 1 年秋学期)
• 宿題の提出・読書記録・作文記録
• 応答練習
• 応答練習に基づく小グループでの発表
• 文章作成・文章相互チェック(隔週)
• CNN の記事紹介 / EnglishCentral
• Student Times Online のディクテーション
• 宿題
– 作文の完成・修正
– graded readers / chapter books など多読
自己評価項目
読書 -
一週間に一冊picture book を読める。
一週間に一冊chapter book を読める。
一週間に一冊graded reader level 1 or 2 を読める。
一週間に一冊graded reader level 3 or 4 を読める。
一週間に一冊graded reader level 5 or 6 を読める。
一週間に一冊paper back を読める。
作文 -
30分で200語かける 30分で300語かける 30分で400語かける ワンパラグラフの文章が書ける 複数パラグラフの文章が書ける 論理的なつながりを表現できる 理由や例を挙げて説明できる
応答 -
10秒間ですぐにとりあえず答えられる 45秒間応答を続けることができる
質問にきちんと答えられる 理由や例を挙げて説明できる
聞き取り -
応答練習の質問を聞いて理解できる 応答練習の回答を聞いて理解できる STOのニュースを聞いて内容がおよそわかる STOのニュースを聞いてだいたい英文で書き起こせ
英語の学び方 -
単語の勉強の仕方がわかっている リスニングの練習の仕方がわかっている
発音の練習の仕方がわかっている 作文の練習の仕方がわかっている
本の読み方がわかっている 自分の弱点がわかっている