191 研究
プロジェクト名 自律学習を支える学習アドバイジングのコース開発 研究代表者名 木下直子(日本語教育研究センター)
研究メンバー トンプソン美恵子(日本語教育研究センター),松井一美(同),
毛利貴美(同),山本真理(同),尹智鉉(同)
設置主旨
本プロジェクトは,
GEC
新規科目「日本語学習アドバイジング」のコー スのあり方,課題を探るべく,コース修了者,わせだ日本語サポートスタッ フを対象に調査を行うものである。この科目は,自律学習を促すためのアド バイジングを学ぶと同時に,わせだ日本語サポートのスタッフを育成するね らいがある。わせだ日本語サポートのスタッフは,これまで大学院日本語教 育研究科の大学院生を対象としてきたが,今後,学部生(本コース修了者)に門戸を広げる予定であり,調査から得られた知見,課題をふまえ,コース の改善を検討する。
2016年度 活動計画
4月⊖7月 授業実施・インタビュー内容の検討 7月⊖8月 インタビュー調査
9月⊖1月 授業実施・アドバイジング模擬セッション内容の検討 1月⊖2月 アドバイジング模擬セッション実施及びインタビュー調査 3月 学会・研究会
発表
2016年度 活動実績
2016年度春学期および秋学期授業を実施し,授業終了後,7月と8月に9名,
2月に6名,コース修了者,わせだ日本語サポートスタッフを対象に,コース 内容およびアドバイジングの対応に関するインタビュー調査を計画通りに遂 行した。また,コース内容および改善案,インタビュー調査の分析結果につ いては,以下の学会,研究会で報告した。
2016年9月早稲田日本語教育学会実践エキスポ:コース内容の紹介 2017年3月日本語教育方法研究会:インタビュー調査結果の報告 2017年3月早稲田日本語教育学会実践エキスポ:コース改善案の提示
予算と決算
費 目 予 算 決 算
委託費 100
注)2016年度決算は2017 年3月末に確定する。
手数料・報酬 80
計 180千円 180千円
研究
プロジェクト名 日本語音声における自律的学習支援システムの開発 研究代表者名 木下直子(日本語教育研究センター)
研究メンバー 中川千恵子(日本語教育研究センター),中村則子(同),山中都(同)
設置主旨
発音学習のニーズは高く,発音クラスをはじめ,総合日本語のクラスでも 音声教育が扱われている。このように学習の機会はあるものの,発音のレベ ルは日本語のレベルと異なることも多く,適切な指導が受けられないことが ある。そこで,2014年4月よりセンターの研究プロジェクトとして自律的 に学習が可能な
Web
教材の開発を行っている。これは自分のレベルや到達 目標を明確にした上で,持続可能な学習方法が選択できるものである。2016年度 活動計画
2016年度は,以下の活動を計画している。
1.センター授業での活用 2.学会・研究会で発表 3.「①診断テスト」の微調整
4.「②学習方法」紹介の動画(3分程度)の作成
5.「③リソース」紹介のコンテンツ作成
2016年度 活動実績
Web
教材「つたえるはつおん」(http://www.japanese-pronunciation.com/
)に ついて,上記「2016年度活動計画」にある1から5の作業を進め,新たに 発音の学習方法を紹介する9つの動画コンテンツ「シャドーイング」「ナ行 音とラ行音」「リズムビート音を使った学習」「丁寧なイントネーション」「強 調のしかた」「Praat
で自分の発音を確認する」「身体の動きとリズム学習」「あ いづち」「動詞アクセントの学習」を作成した。この9つの動画は,3月末 にサイトで公開する予定である。また,本プロジェクトの成果については,『早稲田日本語教育実践研究』第5号にショートノートで報告するとともに,
3月末及び来年度の研究会で発表することになっている。
予算と決算
費 目 予 算 決 算
通信・運搬費 27
注)2016年度決算は2017 年3月末に確定する。
旅費交通費 150
手数料・報酬 543
計 720千円 720千円
193 研究
プロジェクト名
外国人の採用意欲が高い日本企業が求める外国人人材像とその採用方針・育 成の特徴
研究代表者名 鈴木伸子(日本語教育研究センター)
研究メンバー なし
設置主旨
本プロジェクトでは,外国人社員の採用意欲が高い日本企業を対象に,そ の採用ニーズや自社の外国人社員の評価について調査する。外国人採用は,
留学生の他に海外大学からの直接採用も増えている。採用手法の多様化によ り,企業の配属・評価・育成も変化しつつあることが予想される。これらは,
外国人社員の採用方針・留学生誘致の手法・ビジネス日本語教育の開発等に 影響を与える要因であり,調査の必要性が高い。
2016年度 活動計画
申請者の過去の実績は主に留学生や外国人社員の側に立つものであり,企 業側の研究が手薄なため,本研究プロジェクトでは企業側の調査を中心に行 う。新規研究のため,今年度は外国人採用に意欲的な企業とのネットワーク 作りから始める。そこで,①2016年1月22日開催の『日経
HR
セミナー』(於:日経新聞本社)において,企業の人事を対象に講演を行う(題目:「日本企 業に入社した外国人社員が抱く違和感とキャリア形成上の課題」)。②上記主 催者および参加企業のうち,調査協力の得られた企業の人事部を訪問してヒ アリングを行う。
2016年度 活動実績
まず,活動計画①の講演を実施した。参加者は大手企業の人事担当者約 50名。その後,①の参加企業パナソニックがシンガポールの南洋理工大学 にて企業説明会を行う予定と聞き,同社の承諾を得て,説明会でデータ収集 をすべく出張日程を組んだ。説明会は,あいにく同社の都合により開催直前 に延期となったが,申請者自身は当初計画の日程で訪星し,同大学の学生向 けに講演を行った(
Sink or Swim in the Japanese Company Culture: Successful and Unsuccessful Cases of Asian Students
/2016年9月5日)。併せて,同大 学講師1名には,同大学へリクルーティングに訪れる日本企業の特徴や採用 動向についてヒアリングを行った。予算と決算
費 目 予 算 決 算
消耗品費 19
注)2016年度決算は2017 年3月末に確定する。
旅費交通費 66
手数料・報酬 85
計 170千円 170千円
研究
プロジェクト名 ティーチング・ポートフォリオを活用した日本語教師研修のデザイン 研究代表者名 トンプソン美恵子(日本語教育研究センター)
研究メンバー 舘岡洋子(日本語教育研究科),毛利貴美(日本語教育研究センター),
山本真理(同),伊藤奈津美(同),古屋憲章(同)
設置主旨
本プロジェクトは,ティーチング・ポートフォリオ(以下
TP
)を活用し た日本語教師研修を策定する。研修では,教師が教育活動をふり返り,他者 に提示可能な形にまとめたTP
をもとに,教師間で対話を行う。TP
作成と 教師との対話を通じ,自身の実践とその理念,実践の課題や意義に気づく力,今後の展望をエビデンスによって可視化・発信する力を育成することを目指 す。本プロジェクトの目標は,日本語教育研究センター(以下
CJL
)におけ る教師研修(以下FD
)の試案を示すことである。2016年度 活動計画
4⊖7月(月1⊖2回):メンバーによる勉強会・
TP
作成体験 8⊖9月:TP
改訂およびその作成活動プロセスの策定10⊖1月(1〜2回):
CJL
の常勤教員を対象としたワークショップ実施 2⊖3月:インタビュー調査,TP
およびその作成活動プロセスの見直し2016年度 活動実績
第一に,
TP
を活用したワークショップ(以下WS
)デザインのため,月1 回程度の勉強会を行った。また,佐賀大学主催TP
作成ワークショップへの 参加,タイのコンケン大学教育学部日本語教育課程におけるワークショップ の実施などを通じ,TP
の構造・内容と作成プロセス,作成を支援するファ シリテーターの役割について示唆を得た。これらの実績を通じ,効率的に教 育の内省を可視化するTP
チャートの精緻化を進めた。また,研究や運営に 関する内省を可視化するチャートも開発した。第二に,
CJL
におけるFD
を視野に入れ,メンバーを対象としたTP
ワー クショップを実施した。このWS
については,2017年3月早稲田日本語教 育学会にて報告予定である。なお,CJL
の常勤教員を対象としたWS
につい ては,2017年度実施に向け検討していく。予算と決算
費 目 予 算 決 算
消耗品費 30
注)2016年度決算は2017 年3月末に確定する。
委託費 70
手数料・報酬 20
計 120千円 120千円
195 研究
プロジェクト名 オンデマンド講義・ウェブ会議システムを用いた日本語科目の開発 研究代表者名 松井一美(日本語教育研究センター)
研究メンバー 齊藤眞美(日本語教育研究センター),徳間晴美(同),
鄭京姫(同),鄭在喜(同),高橋雅子(同)
設置主旨
本研究プロジェクトは早稲田大学の全てのキャンパスに在籍する留学生が 十分な日本語教育の機会を得られるようにすべく,オンデマンド講義と遠隔 チュートリアルを併用した日本語科目の開発を行ってきた。2015年度にコー ス開講に至ったが,今後益々留学生の増加が見込まれる中,現在開講してい る科目のみでは十分に対応でき得るとは言い難い。また今後は日本語未習の 留学生が急増すると思われる。そこで,引き続きオンデマンド講義と遠隔 チュートリアルを併用した文字学習から始める「(仮称)オンライン・ジャ パニーズ入門」の開発を進める。
2016年度 活動計画
1.「オンライン・ジャパニーズ入門」開発のための教材・資料収集 2.教材作成ツールの検討
3.教材作成
4.教材・試験等の整備 5.パイロットコースの実施
6.パイロットコースに関する調査の実施 7.学内外に向けた研究成果の発信及び報告
2016年度 活動実績
2016年度「オンライン・ジャパニーズ1(1),(2)」の履修者に対し,オン ラインでの文字学習に関するアンケート調査を実施した。アンケートの結果 をもとに,「入門」コースの文字学習に関する方針を決定し,サバイバル日 本語とひらがな・カタカナ学習を中心とした「入門」コースのシラバスを作 成した。コースはオリジナルのスキット動画とひらがな・カタカナ学習動画 で構成されている。2016年度は,コースの内容の決定と動画教材制作を行っ た。パイロットコースの実施は2017年度に行う予定である。
予算と決算
費 目 予 算 決 算
旅費交通費 70
注)2016年度決算は2017 年3月末に確定する。
手数料・報酬 1
,
080計 1
,
150千円 1,
150千円研究
プロジェクト名
Can-do-statements
を利用した言語運用能力の把握と活用 研究代表者名 毛利貴美(日本語教育研究センター)研究メンバー 伊藤奈津美(日本語教育研究センター),岩下智彦(同),沖本与子(同),
高橋雅子(同)
設置主旨
本センターでは,学期前に学習者が自己の日本語能力レベルや授業を自 己選択する際の指標の一つとして,日本語能力を判定する客観テスト
J-CAT
を利用している。しかし,実際には,学習者は教科書や学習者間の情報を手 がかりにレベルを選択している現状があり,J-CAT
だけでは学習者間の言語 能力を測るには十分でない可能性がある。そこで,本プロジェクトでは各 レベルの学習者に言語運用能力の自己評価,Can-do-statements
(以下,CDS
) を行い,学習者の自己評価レベルとJ-CAT
との相関を見る。同時にアンケー ト調査やインタビュー調査等の意識調査も行い,CDS
の効果的な活用の可 能性について探る。2016年度 活動計画
2016年4月上旬:
Can-do
リストの完成2016年4月,7月,9月〜10月初旬,2017年1月末:
CDS
調査(4回)2016年7月,2017年1月:アンケート調査(2回)
2016年7月〜8月,2017年1月中〜2月初旬:インタビュー調査(2回)
2016年度 活動実績
CJL
総合日本語4⊖6の履修者の中から調査協力者を募り,Surveymonkey
上でCDS
調査を学期開始時と終了時に行った。春学期開始時151名,終了 時103名,秋学期開始時176名,終了時113名から回答を得た。各学期終了 時にはアンケート調査を行い,春学期10名,秋学期は8名にインタビュー 調査を行った。CDS
調査,アンケート調査で収集したデータの分析を行い,以下の研究報告を行った。
【口頭発表】早稲田日本語教育学会2016年度秋季大会(2016
.
9.
18)【口頭発表】2016年度第9回日本語教育学会研究集会(2017
.
3.
11予定)【論文】『早稲田日本語教育実践研究』第5号(2017
.
3月末刊行予定)予算と決算
費 目 予 算 決 算
消耗品費 58
注)2016年度決算は2017 年3月末に確定する。
旅費交通費 32
手数料・報酬 110
雑費 50
計 250千円 250千円
197 研究
プロジェクト名
漢字習熟度に応じた強化が必要な要素の解明
―漢字診断テストを用いて―
研究代表者名 山本真理(日本語教育研究センター)
研究メンバー 岩下智彦(日本語教育研究センター)
設置主旨
漢字の習得には形・音・意味の知識に加え,運用の仕方など様々な要素が 関わっている。そのため,教師にはこうした要素別の習熟度の的確な把握と それに応じた指導が求められる。しかし,本センターの漢字科目群クラスは,
同一クラスに異なる漢字習熟度の学生が混在し,教師は何を中心に指導すべ きか悩んでいる。この問題を解決するため,本研究では初回授業で実施して いる漢字プレースメントテスト(以下,漢字テスト)の結果を分析し,レベ ル別・母語別に強化が必要な要素を抽出し,教師の指導法や熟達度テスト改 良に向けた提案を行う。更に,熟達度テストの将来的な代替案として漢字
SPOT
運用の可能性を探る。2016年度 活動計画
研究1:漢字テストの改良を目指す。
IRT
(項目応答理論)を用いた分析を 行うため初級テスト,中級テスト各100〜200名分程度のデータ収 集を行い,2015年度に収集したデータと統合する。これにより受験 者集団の特性に依存しないより汎用性の高い分析を行う。研究2:漢字
SPOT
利用の可能性を検討する。実験環境によるデータ収集に 同意した学生を対象に,漢字SPOT
の受験を依頼する。2016年度 活動実績
本センター設置科目「漢字」の履修者から調査への同意が得られた初級 121名,中級62名の解答を収集し,昨年度の解答と合わせ,
IRT
を用いた 分析を行った。結果の一部は以下の学会において報告し,教材作成にも本研 究の知見を活用した。また,研究成果報告会(10月28日(金))を開催し,調査協力者である漢字科目担当教員と研究成果を共有した。研究2について は,十分な調査協力者が得られず,継続して検討することとした。
・2016年度日本語教育学会秋季大会(2016年10月9日)
・2016年度第9回日本語教育学会研究集会(2017年3月11日)
・
The
2017conference of the American Association for Applied Linguistics
(2017 年3月19日予定)予算と決算
費 目 予 算 決 算
消耗品費 7
注)2016年度決算は2017 年3月末に確定する。
図書資料費 14
旅費交通費 50
手数料・報酬 59
計 130千円 130千円
研究
プロジェクト名 日本語教師の
ICT
利活用に関する意識調査に基づく教師研修モデルの開発 研究代表者名 尹智鉉(日本語教育研究センター)研究メンバー 岩崎浩与司(日本語教育研究センター)
設置主旨
ICT
(情報通信技術)の進歩および普及を背景に,高等教育政策としてICT
の利活用が積極的に推奨されている。これらの現状において,本研究プ ロジェクトでは教育現場の当事者としての日本語教師が,実際にどのような 意識をもって教育を実践しているのかを明らかにする。さらに,この基礎研 究の結果を踏まえ,ICT
化に関連するFD
(Faculty Development
)モデルを開 発する。このFD
モデルでは,今後の日本語教育の現場で求められる知識や スキルにおける支援と共有,それらを支える意識の面での働きかけの場作り を目指す。2016年度 活動計画
まず,パイロット調査の分析結果に基づき,日本語教師を対象とした
ICT
利活用意識に関する半構造化インタビューの本調査を実施する(質的研究)。その結果を踏まえ,より多くの日本語教師に対する意識調査を行えるよう,
質問紙調査を実施する(量的研究)。これらの調査結果を日本語教育学会等 で発表し,学内外の関係者からフィードバックを得る。さらに,研究会や講 演会等を企画・実施し,教育当事者間の知識共有およびネットワーク形成の 機会を設け,このプロセスを実践研究としてまとめる。
2016年度 活動実績
現在日本の高等教育機関での日本語教育に関わっている,3年以上の日本 語教師経験者20名(母語話者教師17名,非母語話者教師3名)を対象に半 構造化インタビューの形式でインタビュー調査を実施した。インタビュー内 容は全て文字化し,
M-GTA
を使って質的分析を行った。一方,量的研究と しては,質問紙調査からインタビューの文字化データをテキストマイニング の手法で分析することに研究方法を変えて実施した。本研究プロジェクトの 研究成果は,第15回e-learning
教育学会大会(2017.
3.
18)およびCASTEL/
J
(2017.
8.
4⊖6)で報告を行い,学内外の関係者からフィードバックを得る とともに知識共有とネットワーク形成を試みる(採択済み)。予算と決算
費 目 予 算 決 算
旅費交通費 50
注)2016年度決算は2017 年3月末に確定する。
委託費 100
手数料・報酬 130
計 280千円 280千円