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学習履歴の有効活用をめざして ---携帯電話による英語語彙学習---

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Academic year: 2021

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(1)

学習履歴の有効活用をめざして

---

携帯電話による英語語彙学習

---

原田康也i, ii・楠元範明i, ii・前野譲二 i, ii

Gerrit van Wingerden

ii, iii・阪原淳ii, iii・伊藤篤ii, iv・福島秀顕ii, iv

i早稲田大学情報教育研究所・ii

MNC

iii

GBW

システムズ社・iv

KDDI

株式会社技術開発本部

われわれが構想する語彙学習の理想形は、(1) 学習者個々の到達レベルに応じた語彙を学ぶ (2)  授業や読書やテレビの視聴など、日常的に英語に触れる場で接した語彙とそれに関連する語彙を 学習する (3) いつでもどこでも学習する という 3 点を基本コンセプトとする。学習履歴の分析を通 じて学習者の到達度と語彙の難易度の推定を行うことにより、順次最適化した語彙の配信を可能と することを目指している。 

1.

学習履歴の蓄積

教 科 課 程 ならびに教 育 内 容 を開 発 する立 場 から見 る1と、電 子 的 環 境 における学 習・教 育 が 普 及 したときの最 大 の利 点 は、これまで大 規 模 な予 算と人 手をかけても十 分 な調 査 が難しかっ たデータを、学 習 ・教 育 の『副 産 物 』として追 加 的 なコスト(人 手 ・手 間 ・経 費 )なしで収 集 できる ことである。学 習 者 ・学 習 項 目 ごとの正 解 ・不 正 解の記録のほかに、比較的単純な 4 択課題に おいても、途 中 の選 択 肢 変 更 や応 答 時 間 など を記 録 することが考 えられる。キーボードから入 力 した文 字 列 (単 語 や文 )を(その過 程 と最 終 提 出 状 態 とにおいて)記 録 し、あるいはマイクに 向 か っ て 発 声 し た 音 声 を デ ジ タ ル 化 し て 記 録 することも、記 憶 容 量 ならびにネットワーク上 の データ伝 送 速 度 の制 約 も含 めて、実 現 可 能 な 状況になってきている。小型 CCD カメラで学習 者 の顔 を撮 像 し、表 情 を認 識 して記 録 すること も近い将来には現実的な可能性となろう。 

1 電 子 的環 境 での 授 業実 施が 教 員に とっ て 教 育方 法 を見 直す 契 機と なる 。『教 育 の情 報 化』 は さら に『 教 育課 程・ 教 育内 容の 見 直 し』 へ と進 むべ き であ る。4)

2.

学習履歴の分析

電 子 的 に 蓄 積 さ れた『プ ロファ イル』の活 用 法 としてすぐに思 いつくのは、『学 習 者 のプロフ ァイリング』である。しかし、個 々の学 習 項 目 や 学 習 項 目 郡 の 特 徴 を 『 学 習 項 目 の プ ロ フ ァ イ ル』として抽 出 できる点 がコンテンツ開 発 ならび に学習モデルの構築には重要である。 

ある学 習 者 (集 団 )に着 目 したとき、「易 しい 問 題 」より「難 しい問 題 」の正 答 率 が高 い場 合 、 学 習 者 のこれまでの学 習 方 法 に問 題 があった か、カンニングの可 能 性 なども考 えられる。逆 に、

学 習 項 目 に 着 目 し た 場 合 、 「 で き る 学 生 」 よ り

「できない学 生 」の正 解 率 が高 い場 合 は、問 題 の 作 成 が 不 適 切 な 場 合 や 、 問 題 漏 洩 の 可 能 性 などを検 討 する必 要 がある。2 このように、学 習 者 を何 ら かの手 段 で 分 類 し 、そ れぞれの 学 習 者 集 団 に対 する正 解 率 (反 応 時 間 )などの測 定 可 能 なデータを分 析 することで、その学 習 項 目の特徴を抽出できる。3 

2 既 存の

LMS

の 多く は ログ デ ータ の蓄 積 は 可能 だ が、 学習 履 歴の 分析 と 活用 のた め の機 能が 弱 い。6)

3 こ こで 、 学 習項 目 と学 習者 の 双対 性に 着 目

(2)

3.

携帯電話を活用した語彙学習

語 彙 の習 得 は外 国 語 学 習 の基 本 である。大 学 に入 学 した学 生 の大 部 分 は英 語 に関 してま だ不十分な語彙習得段階にある。2), 7) 

あら た め て 述 べ る ま で も な く 、 語 彙 の 習 得 も 含 めて英 語 学 習 の本 来 のあり方 としては、読 書 やテ レビ ・ビ デオ・ 映 画 など の 視 聴 も 含 め て 英 語 に接 し、英 語 を実 際 に使 用 する環 境 に自 ら を置 いて口 頭 または文 書 で英 語 を使 って表 現 することが中心となるべきである。語彙 の獲得 に extensive  reading(多 読 )が有 効 であることもさ まざまな研 究 が示 すところである。1) しかし、限 られた学習 時間で一定 の成果をあげることが動 機 付 け に つ な が る こ と か ら 、 CD-ROM 教 材 ・ WBT などの電 子 的 な学 習 手 段 や単 語 帳 や単 語 カードなどの紙 媒 体 の補 助 的 な暗 記 手 段 を 併 用 することの有 効 性 も再 度 検 討 して、その効 果を検証する必要がある。 

TOEIC 対 策 などの語 彙 学 習 参 考 書 は世 の 中 にあふれているが、その内 容 を検 討 してみる と、語 彙 の選 択と提 示 、例 文や訳 文 の質 などの 点 で学 習 書 として玉 石 混 淆 である 。良 質 の 著 者 と編集 者 に恵まれた学 習 書であっても、学 習 者 のレベルと齟 齬 があれば有 効 な学 習 につな が ら な い 。 学 習 者 の レ ベ ル に あ っ た 比 較 的 良 質 の語 彙 学 習 参 考 書 があったとしても、書 籍 と いう固 定 的 な媒 体 の制 約 から、学 習 者 が日 常 的 に受 講 する授 業 の内 容 や進 行 、あるいは学 習 者 が読 んでいる本 や見 た映 画 と無 関 係 に語 彙の学習を進めなければならない。 

われわれが構想する語彙学習の理想形は、 

(1)  学 習 者 一 人 ひとりの到 達 レベルに応 じた 語彙を学ぶ 

(2) 授 業 ・読 書 ・ テレビ・ビデオ・映 画 の視 聴 など、日 常 的 に英 語 に触 れる場 で接 した 語彙とそれに関連する語彙を学習する  (3) いつでもどこでも学習できる 

という 3 点を基本コンセプトとする。4 

する こ とが 重要 で ある 。5) 言 語 テ スト に つい

ては 項 目応 答理 論 など によ る 分析 が定 着 して いる 。3)

4 語 彙 学習 の 補助 的 手段 とし て は、 いつ で も どこ で も手 軽に ド リル 練習 で きる こと が 必須 であ る 。移 動端 末 とし ては 各 種の 機器 が 存在 する が 、現 状で は 、学 生に 普 及し 身近 な 存在

4.

今年度の計画

携 帯 電 話 を利 用 した学 習 用 プラットフォーム として、GBW システムズ社 が開 発 し た電 子 暗 記 カードシステム「アプリラーニング」を採 用 した。

教 材 コンテンツについては、株 式 会 社 国 際 コミ ュニケーションズより提 供 を受けた例 文と語 彙を 元に選択肢を独自に作成して開発した。 

学 習 履 歴 の分 析 を通 じて順 次 語 彙 レベルの 推 定 を行 うことをめざして、学 習 者 がシステムに 登録する際 に各自の TOEIC スコアを申告し、

システム上の学習 履 歴を分析することにより、そ れぞれの語 彙 と設 問 についての難 易 度 推 定 が 可 能であるかどうか検 証 することを目 指 している。

5.

参考文献

(1)

阪井 邦 秀, 「 快読

100

万 語! ペー パ ー バッ ク への 道」, 筑摩 書房

, 2002

年.

(2)

中 條 清 美

,

「 英 語 初 級 者 向 け 『

TOEIC

語 彙

1, 2

』 の選 定 とそ の効 果 」

,

日本 大 学生 産 工 学 部 研 究 報 告

B( 文 系 ) , vol. 36, pp.

27-42, 2003

.

(3)

中 村 洋 一

,

『 テ ス ト で 言 語 能 力 は 測 れ るか 』, 桐 原書 店, 2002年.

(4)

原 田 康 也 ・ 辰 己 丈 夫 ・ 楠 元 範 明

,

「『 情 報 教 育 』 の 情 報 化 」

,

情 報 処 理 学 会 ンピ ュ ータ と教 育 研究 会

55

回 研究 会, 報処 理 学会 会議 室, 2000

2

18

.

(5)

原 田 康 也 ・ 前 野 譲 二 ・ 楠 元 範 明 ・ 辰 己 丈 夫, 「 学 習 履 歴 の 双 対 性 : 学 習 履 歴 を 活 用

し た

e-learning

高 度 化 の 数 理 的 基 礎 を 目 指

し て 」

,

情 報 処 理 学 会 研 究 報 告

CE-70-1 pp.1-8,

情 報処 理 学会

, 2003

.

(6)

原 田 康 也 ・ 中 條 清 美 ・ 井 佐 原 均 ・ 内 山 将夫 ・ 中村 隆宏 ・ 宮田 高志 ・ 渡辺 隆行 ・ 宮崎 佳 典

,

「 知 的 情 報 処 理 を 活 用 し た 外 国 語 学 習 」, 日 本 認 知 科 学 会 第

20

回 大 会 発 表 論 文 集, pp.396-401, 2003

6

6

.

(7)

風 斗 博 之,

WEB

上 の 英 語 語 彙 力 テ ス ト の 開 発 :TOEIC ス コ ア な ど と の 相 関 で テ ス ト 結 果 を 表 示 す る 」,

11

回 全 国 大 学 情報 教 育方 法研 究 発表 会資 料 集, pp. 48−

49,

私立 大 学情 報教 育 協会

, 2003

7

5

.

とな っ てい ると い う意 味で は 携帯 電話 に 勝る もの は ない 。

参照

関連したドキュメント

のように nonchalantlyなどの語彙が即座に頭に浮かぶ、

れる。同様のメタ認知的学習行動は, ⽛検索⽜機能を利用しても可能である。

haben の単語ネットの例 5.1.4 ゲームによる語彙の復習

1) 単語を記憶する際の方法として古くから行われているものである。キーワー ド法の語彙学習は二つのステージで構成される。第

2-1 .英語による文章題の先行研究 • Kester-Phillips, Bardsley, Bach, & Gibb–Brown 2009 は、学習者は英語理解と同時に数学用語の情報 処理が必要で、通常よりも負荷がかかる状況を指摘し ている。 • Martiniello ( 2008 )は数学文章題を解く際の、生徒の

へはどう行けばよいですか」)その使い分けが必 要である。しかし、道を尋ねる場合は徒歩と乗り

② 1文の長さ 同上の分析ツールの統計結果の一つとして表示されるもので,1文に何語の単語を含むかの平均値

従来、語彙は経験的に学ばれるもので、学習者の「気づき」や「慣れ」が語義をつかむ鍵と考