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不燃破砕残渣の物理組成と有害物質溶出特性

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Academic year: 2024

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不燃破砕残渣の物理組成と有害物質溶出特性(無機物の溶出挙動)

明星大学理工学部環境システム学科  06T7-052 柳沢  洋司

1. 研究背景

  廃棄物問題は 20 世紀型社会の大量生産・大量消費・大量廃棄が原因で地球の環境容量をはるかに超 えた廃棄物が発生し、種類も多様化している。そして廃棄物の増加に伴い最終処分場の残余年数・容量 もあとわずかしかなく、埋立地用地も不足しているのが現状である。このような問題を改善するために 様々な取り組みが行われている。残余容量不足を改善するためのリサイクル促進、焼却残渣の資源化と してエコセメント原料化、ごみの溶融等の対策、またマテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・サ ーマルリサイクルなどのプラスチック類のリサイクル技術も進歩しつつある。その結果、最終処分場へ 搬入される廃棄物は焼却残渣が約60%、不燃破砕残渣が約20%となっている。今後、最終処分場に搬入 される廃棄物中の不燃破砕残渣の割合が増加する可能性が考えられる。しかし不燃破砕残渣についての 研究事例は少ないのが現状である。

2. 研究目的

本研究では、まず昭島市環境センターから持ってきた不燃破砕残渣を使用し組成調査を行い、粒径別 で組成の調査をし、どのような廃棄物が多く排出されているかを調べた。その後、不燃破砕残渣を使用 し、埋立状況を模擬したカラム試験を行った。実験では不燃破砕残渣の浸出水から無機物がどの程度溶 出し、どのような影響・変化を把握するものである。

3. 研究方法

試料は風乾後、十分に混合した不燃破砕残渣を使用した。この試料を充填重量 1.43 ㎏を基準とし、

直径9cm、高さ50cmのカラムへ30cmまで充填した。充填する際に、2回に分け充填を行い、カラ

ム内に隙間が開かないよう目視で粒径26.5cm以上のものは取り除いた。降雨量は、東京都で最終処分 場が設置されている青梅市の過去10年

間の降雨量を平均し、4.29mm/日とな るように純水を流した。

カラムの条件は図1に示す。基本A、

基本B、基本 C の条件は同じなので基 本(平均)とする。他の条件は、純水を流 入する試験、カラムに充填する試料の 高さを30cm、60cm、90cmに分け試験、

降雨量を1倍(4mm/日)、5倍(20mm/日)、10倍(40mm/日)で行う試験、試料を詰めたカラムの上に覆土 を5cm入れて行う試験(覆土↑)、覆度を5cm入れてから試料を詰めて行う試験(覆土↓)に分けた。

11月24日にカラムに水を通し、これらのカラムから週2回採水を行い、EC(電気伝導度)を測定 した。その後、前処理で溶存態、全量に分け、原子吸光光度計を使用しCa、Mg、Na、Kを測定した。

今回使用する結果は実験を開始してから17日間の浸出水を測定したものである。

4. 結果及び考察

今回の報告では全量の結果を示した。図1にEC(電気伝導度)を示す。60cm、90cm の条件の浸出水

カラム名 条件 充填重量 流量

基本A(純水) 純水で行う 1.43kg 1.14mL/h

基本B(30cm) カラム内の高さを30cmで行う 1.43kg 1.14mL/h 基本C(4mm/L ) 降雨量を4mm/日で行う 1.43kg 1.14mL/h 20mm 降雨量を20mm/日で行う 1.43kg 5.70mL/h 40mm 降雨量を40mm/日で行う 1.43kg 11.4mL/h 60cm カラム内の高さを60cmで行う 2.86kg 1.14mL/h 90cm カラム内の高さを90cmで行う 4.29kg 1.14mL/h 覆土↑ 覆土を上に5cm入れ実験を行う 1.43kg 1.14mL/h 覆土↓ 覆土を下に5cm入れ実験を行う 1.43kg 1.14mL/h

表1.カラム条件

(2)

Ca(全量)

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

0 5 10 15 20

経過日数

Ca(mg/L)

基本(平均) 20mm 40mm 60cm 90cm 覆土↑

覆土↓

初期値が高かった。これは、他の条件より不燃破砕残渣が多く詰めていたためと考えられる。また全体 的に日数が経過するにつれて低下しているのがわかった。これは初期に溶解性物質が溶け出したと考え られる。

図2にCa濃度変化を示す。全体的に日数が経過するごとに濃度が低下していった。7日目に基本(平 均)の濃度が多少上昇したが、10日目以降は低下する傾向が見られた。覆土↑は17日目に濃度が上昇す る傾向が見られた。

図3にMg濃度変化を示す。図2と同じように全体的に日数が経過するごとに濃度が低下していった。

10日目〜17日目にかけて20mm/Lと40mm/Lの濃度が近い値を示した。

図4にNa濃度変化を示す。いくつかの条件で、日数が経過するにつれて濃度が一時的に上昇する傾 向が見られた。基本(平均)は7 日目に濃度が低下したが、10 日目で上昇し、14 日目以降は低下する傾 向が見られた。20mm/Lは7日目から14日目にかけて濃度が上昇したが17日目で低下する傾向が見ら れた。

図5.にK濃度変化を示す。10日目〜17日目にかけて20mm/Lと40mm/Lの濃度が近い値を示した。

90cmは17日目に濃度が上昇する傾向が見られた。

図2.Ca濃度変化      図3.Mg濃度変化

図4.Na濃度変化 図5.K濃度変化 5. まとめ

今回の実験では全体的に初期値が高く、日数が経過するにつれて濃度が低下していく傾向が見られた。

各測定元素で60cm、90cmの濃度が高く、20mm/L、40mm/Lの濃度は低いことがわかった。その理由

として、60cm、90cmは他の条件のものより多く試料を詰めているためと考えられる。20mm/L、40mm/L

は他の条件のものより流量が高いためと考えられる。また各測定元素で、一時的に濃度が上昇したもの が見られた。これは再分析をする必要があると考えられる。現段階では全体的に日数がまだ短いため、

今後実験を継続し、長期的溶出挙動を明らかにする。

Mg(全量)

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

0 5 10 15 20

経過日数

Mg(mg/L)

基本(平均) 20mm 40mm 60cm 90cm 覆土↑

覆土↓

Na(全量)

0 500 1000 1500 2000 2500

0 5 10 15 20

経過日数

Na(mg/L)

基本(平均) 20mm 40mm 60cm 90cm 覆土↑

覆土↓

K(全量)

0 100 200 300 400 500 600

0 5 10 15 20

経過日数

K(mg/L)

基本(平均) 20mm 40mm 60cm 90cm 覆土↑

覆土↓

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