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Academic year: 2024

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不燃破砕残渣の物理組成調査と埋立地における溶出特性

明星大学理工学部環境システム学科  資源・廃棄物研究室  05T7-009  出井嘉人

1.研究背景と目的

現在、最終処分場へ搬入される廃棄物は約60%が焼却残渣、20%が不燃破砕残渣となっている。施設ごとに最終 処分場に搬入される廃棄物の質に多少違いはあるが、過去と比較すると不燃ごみ・粗大ごみは多少減少し、焼却残 渣は大幅に減少してきている。その理由として、埋立地の残余容量不足の為、リサイクルが促進されていることが 挙げられる。焼却残渣は、溶融固化などを行い資源化が進んできている。そのため、今後の埋立地は焼却灰が無く なり不燃破砕残渣が主体の可能性があるが、プラスチック類のリサイクル技術(マテリアルリサイクル、ケミカル リサイクル、サーマルリサイクルなど)も進んできているため、今後の最終処分場の埋立物は不燃ごみ・粗大ごみ の中でもプラスチック類は再利用されプラスチック類を含まない埋立物になっていく可能性がある。また、日本の 埋立地は好気性となっているが、ガス抜き管が通っていない所や地表から遠い所の埋立物は嫌気性になっている部 分がある。

本研究は東京都西部地区で発生した不燃ごみ・粗大ごみの破砕残渣を採取し組成調査を行った。粒径別で組成の 差異を明らかにし、多量排出物の把握することを調査した。また、不燃破砕残渣で埋立模擬のカラム試験を実施し、

好気性や嫌気性、プラスチックの有無によって汚濁物質流出の差異についての研究を行った。

2.実験方法

2.1不燃破砕残渣の組成調査

風乾後の不燃破砕残渣を4.75mmのふるいにかけ、大粒径と小粒径に分類した。4.75mm以上に残った大粒径を十 分に攪拌後、約4kgを26.5mm以上、16.5〜26.5mm、9.5〜16mm、4.75〜9.5mmでふるい分けし、これらを組成調査 に使用した。組成項目は、硬質プラスチック、軟質プラスチック、石・陶磁器類、ガラス、金属、木、プリント基 板・電子基盤、その他(紙、ウレタンフォームなど)の9種類とした。

2.2不燃破砕残渣のカラム試験

風乾後の不燃破砕残渣をカラム(カラムの内径9cm、高さ50cm)に、プラスチック有とプラスチック無の条件で 充填した。埋立条件は埋立地で存在する好気性と嫌気性とした。充填する密度は予備実験にて求め、(プラスチック 類有…0.6kg/L、無…0.9kg/L、)最大容積を求め、(有…2.54L、無…1.42L)実際に充填する量を導いた。(有…

1.524kg/40cm、無…1.278kg/22.3cm)降雨量は、最終処分場が存在する青梅市の過去10年平均降雨量を使用した。

実験は促進試験として、カラムに流す流量は降雨量4倍量とした。4倍量とした理由は、5ヵ月後に液固比10とな り環境庁告示46号試験(L/S=10)と比較するためである。

測定項目は、pH、EC(電気伝導度)、ORP(酸化還元電位)、TOC(全有機炭素量)、T-N(全窒素)、浸出水量と し、浸出水は週2回採水を行った。

3.結果及び考察 3.1  組成調査結果

  図-1に全粒径(4.75mm以上)での組成結果を示した。不燃ごみ・粗大ごみ 破砕残渣では、ほとんどが硬質プラスチック、石・陶磁器類、ガラスで占めら れている。しかし、環境中に影響を与えると考えられる金属類、プリント基板・

電子基盤が合わせると約10%存在することがわかる。

3.1  カラム試験

図-2〜4にカラム試験で採水した試料のpH、EC、ORPを示し、図-5、7に TOCの経時変化を示し、図-6にTOCと同じ時期のEC経時変化を示した。

硬質プラ スチック 36%

軟質プラ スチック 2%

石・陶磁 26%

ガラス 23%

金属 7%

プリント基 板など

1%

1%

その他(紙 など)

3%

図-1  全粒径の組成結果

(2)

図-2にpHの経時変化を示した。好気性カラムと嫌気性カラムとではpHに明確な差が生じており、好気性では pHが8〜8.4付近、嫌気性ではpHが7.2〜7.6付近を推移していることがわかる。

pHの差異が生じた理由として、ORPが酸化するとpHが上昇し、還元されるとpHが下降傾向を示すといわれ るが、図-2と比べても合致するヵ所が無く、明確な理由については分かっていない。

  図-3にECの経時変化を示した。プラスチック類の有無、好気性、嫌気性に関わらず、浸出水初期値が高く、7 日目までに急激に減少し、その後は日数が経過するにつれて緩やかに低下したことがわかる。

  好気・プラ無の値が他と比べ高い理由として、充填する際に溶解性物質の混入に差異が生じた為と考えられる。

  図-4にORPの経時変化を示した。好気性のプラスチック類有、無ではどちらも似た値を示した。嫌気性のプラ スチック類有、無では、初期から65日目までは似た値にはならず、全体的にプラスチック類無のORP側が高めの 値を示した。

    嫌気・プラ有の7日目にマイナスまで下降した理由として、嫌気条件にした為と考えられるが、日数が経過す るにつれて全ての条件下は200前後で安定傾向を示した。

図-5、7にTOCの経時変化を示し、図-6にEC初期の経時変化を示した。図-5、7の中抜きがろ過した試料だが、

ろ過した試料と原液とを比べた結果、ろ過試料が低い値となった。原液とろ過後の値では、粒子態と溶存態の差が 好気性で約4%〜23%生じ、嫌気性では、4%〜19%差が生じた。ろ過を行う理由は、試料中に含まれる粒子態を取 り除くためである。このことより、環境中に影響を与える汚濁物質の殆どが溶存態に含まれていることが分かった。

また、図-5を図-6と比較すると、全有機炭素よりも可溶性電解質の方が急に減少する試料もあるが、殆どがTOC と同じ曲線を示していることが分かる。

4.まとめ

  今回組成調査した結果、すべての粒径にて硬質プラスチックが30%以上、多いところで40%近く含まれており一 番多く排出されていることがわかった。次いで、石・陶磁器類、ガラスが多く含まれていたが、粒径26.5mm以上 でのガラスは確認されなかった。

  浸出水の経時変化では、ECの経時変化を見ると、初期値が高く日にちが経過しても上昇することが無い。その 理由として、可溶性の電解質が初期に洗い流された為と考えられる。

図-2  pHの経時変化 図-3  ECの経時変化 図-4  ORPの経時変化

図-5  TOC(好気性)経時変化

7 7.2 7.4 7.6 7.8 8 8.2 8.4 8.6 8.8 9

0 7 14 21 28 35 42 49 56 63 70 77 84 91 98

pH

経過日数

好気・プラ有 好気・プラ無 嫌気・プラ有 嫌気・プラ無

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

0 7 14 21 28 35 42 49 56 63 70 77 84 91 98

EC(ms/m)

経過日数

好気・プラ有 好気・プラ無 嫌気・プラ有 嫌気・プラ無

-100 -50 0 50 100 150 200 250 300 350

0 7 14 21 28 35 42 49 56 63 70 77 84 91 98

ORP(mV)

経過日数

好気・プラ有 好気・プラ無 嫌気・プラ有 嫌気・プラ無

図-6  EC初期経時変化

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600

0 3 6 9 12 15

TOC(mg/L) 嫌気

経過日数(日)

嫌気・プラ有 嫌気・プラ有・ろ過 嫌気・プラ無 嫌気・プラ無・ろ過

0 500 1000 1500 2000 2500 3000

0 3 6 9 12 15

TOC(mg/L) 好気

経過日数(日)

好気・プラ有 好気・プラ有・ろ過 好気・プラ無 好気・プラ無・ろ過

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

0 3 6 9 12 15

ECmg/L)好

経過日数(日)

好気・プラ有・EC 好気・プラ無・EC 嫌気・プラ有・EC 嫌気・プラ無・EC

図-7  TOC(嫌気性)経時変化

参照

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