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稲の分蘗に関する研究 VIII 日照度が稲の分蘗に及ぼす影響に就いて-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

香川大学農学部学術報告 240 稲の分費に関する研究

Ⅶ日照度が稲の分費に及ぼす影響に就いて

深城 貞 義

The}inやestigatioh・OnthetilleringofI:iceplant(OYyZaSativa)・

ⅤⅠⅠⅠ・Up9ntheinfluen?苧・Ofthelight−int$nSityonthetillerin革Ofriceplant・

・SadayoshiFuKAKI

(LaboIatOry OfPlant PhysiologyandEcology)

(ReceivedJanuary8,1957)

Ⅰ 緒 口

稲の栽培においてその分薙を適当にさせるということ.が非常に重要問題であることは今更喋々を要しないく1)・著者は

分蕪研究の最初(192フ年)において一分葎を徒らに増大させても無駄が多くて却って肥料が不経済になる・そこで増収の 見地からほ分薬を大ならしめるような条件を考うることほ必ずしも有利でなく・分壁を適度に制限する必要を認めたが

分費を適度に制御する方法について攻究するに選らずして,止むを得ない事情のため,研究を一・時中断したのである・

最近(3)稲の分燕と環境との関係についての研究を行い,主神と・分菓子との環境不良化に対する敏感度の相違に由来する

両者の生長曲線の相違に着目することによって,該問題解決に少なからざる示唆を与えるものなることが認められたの

で,玄に之を報告すること.とする

尚,本研究遂行中種々助言な賜わった九大名誉教授槻碩理一郎博士に対し深甚の謝意を表わす・

Ⅱ 主稗と賃泰子の不良日光条件に由来する生長曲線の相違 第1区糎不良日光条件の影響に由来せる生長経過の表われであっ て,該曲線は水稲の環境と.分東と.の関係の実験から論議的軋誘導せる ものであるが(さ)今日光と分東予と.の関係の実験においてその真相が脚 か明白に.されたので,次にその実験概要を記す・ Ⅱ 実験材料及実験方法 (a)実験村料 水稲香川35号 (b)実験方法 分東制限を目的とする山つの不良外的条件と・し て日照度を採用した日照庶の制限ほ蚊帳布地を水根に優って次記の

主 搾 一日光灸件不良脛 第1図 水稲の主梓と分薬子の不良日 光条件の敏感度の相違に由来 する生長曲線の相違 6段階に日照度を保つようにした 日照度100%(標準区),82%,フ3%,65%,42%,25% 日照度処理の時期(i)分燕初期,(ii)分費途中処理,(iii)全分費期間中処乱 処理後分薬の上に及ぼす影響庖乾臥粉末比乱分燕数等につき主稗及び分蕪次位別に儲べた・ 尚1956年度に飼いて此種の実験と大体類似の実験を筒齢を異にせる蔑(蔑齢4段階)に就いて実験した(一一鉢4株宛 3組の実験)・ Ⅳ 実 験 結 果 (a)分薬初期処理結果 分葎初期(原基成生の株)処理の結果ほ第1・2表の通りで・日照度の減少に・従って明白に・2次分控数の出現は抑圧 されている。 (1)香川県立農科大学植物生理生態学研究室某紙欝1G号

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(2)

欝8巻 節2苧・(195フ) 241 殊牲ユ・号分薬の2次分薬のごときほ日照度に応じてその抑制ほ非常聡明白に表われて−いる・その原基及菓邸内に潜在 せる分薙も多少の日照度制限によって直ちに鋭敏にその伸長が抑圧されることほ明かに認められる. 第ユ.表 分燕初期(主稗及1号,2号分薬子出現の株紅ついて)に日照度制限梅 を覆覆せる結果 2週間覆竃 、/ J 2次分乗 2次分費 界2表 日照皮低下が高次分東数の上軋及ばす影響 b 分亜の途中麗蓋結果 前期覆菰結果 分産前期及後期覆蓋結果を対照して見ることほ一層有 意義である・一分薬琴の点については日照度制限に応じて 漸次減少している(罪2図)乾量の点について前期及び 後期の結果(罪3図)を対照して見るに.T/M(主稗に対 する分垂の乾鼠の比)の曲線は前期覆竃のものにおいて 著しい減少を示してこいることほ不良条件下に・てほ∵層分 東を抑圧することを意味している 尚前期覆叢(第2図参照)結果によれぼ分粟の乾畢は 第一次分燕よりも第2次分薬においてニ・−一・層著しい逓減を 示している. 二次分蕪乾鼻︵百分比︶ 嗣納環繚 比 嘉押の乾邑 Tノ叩分館のケ ・・・■・・・<て′Z一級朋麓りht 巨L ,0 00 90 錮 70 別 仰 の 百分 比 T ノノ 1−一 一′′ 期摺牒りM  ̄ ̄ 82 73 65 日 照 度(日光被除塵) 罪2図 日照度低下に.つれて分薬の乾塩の急 低下を示す(一次分乗出現後■褐始) 日 照 度 第3区Ⅰ日照度逓減が稲の分藁及び主 秤の乾鼠の上に及ぼす影響 粉末比重︵百分比︶ 勺− ■4 粉末比重 ︵百分比︶ ′ ′ 皮 照度 78%区) 釦 川 00 粉末比重 90 80 ︵百分比︶ 第5図 日照度が分薬の粉末比患 の上に及ぼす影響・2次 分産の低下に注意 82 73 65 42 25 100 日 照 度 第4図 日照度が分魂の粉末比重の上 に及ぼす影響(分費前期覆蓋) 第6図 日照皮低下による稲の分藁の 粉末比重の低下を示す (分薬後期覆蓋) 粉末比重について見ると(葦4,5図)主梓よりも分蛍の粉末比重,周一次分葉よりも二次分燕のそれは一層低下し ている・後期改悪実験結果(第6図)によれほ.一次及び二次分童よりも三次分薬か比卦ま著しく低ゃしているニ

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(3)

香川大学農学部学術報告 TL分染わ乾丘 M主将の 〃 242 (C)仝分鍵期間覆玉穂果 この種の実験ほ多数あるがその中で一例を挙げると第フ図の通りで 主稗及び分薬の乾恩共に日照皮制限に伴って乾鼠は逓減しているJ就 中分薬の低下は著しい而してそのT/Mの比の曲線においても急傾 斜を示してこいることは分垂に対する抑圧が甚しいこと・を明白に・示して 乾 いる・要するにa,b,Cの3種実験結果について考察すると不良日 川0 80 60 40 ・/と′童命  ̄ヽ1 \ ス \、  ̄を、1、 象 \\ 鵜 \ 光条件を与えれば常に・生長の抑圧ほ主符よりも一層分薬に対して著し 盈 20 いことが証せられた訳である 100 4g 88 80 26 ほ 日 照J斐 貿フ図 日照度が稲の生長(乾星)ノの 上に及ぼす影響 不良日光条件下における主梓と分薬との間の敏感皮の相違 上記諸実験結果に.ついて,(1)分垂数,(2)乾 鼠,(3)粉末比重の諸点に.分けで見るに概して主将よりも分東 のそれらが著しく抑圧されている・分薬間にてほ1次よりも2次,2次よりも3次分薬ほ.一層著しく抑圧される▲・・・・一般 的に.高次分東岸著しく抑圧されている詳言すれほ,分薬の抑圧される〃掛事ほり(i)これから出現せんとしつつある分 薬子,(ii)現に出現せんとしつつある分薬子,(i)及(ii)をまとめると高次分東なまず抑える…(iii)既発分墳若くほ低 次イ立分染に彩響. 斯様に不良日光条件に対して主梓並に分真に対して敏感度の相遵があることは既記の主稗と.分薬子の不良日光条件に 由来する生長曲線の相違曲線(啓一周)を袈書きし一層支持するものなることが言忍められる 尚著者の麦類紅て粉末比重と分頻の出現との関係の実験(2・4)において分費にほ大体走った程度の組織内物質充実度を 必要とし,所要の充実度龍.到達した時に始めて分薬を出現することを証した〈2)い つまり分燕を出現させるにはまず物質 の充実を伴うことを要するのであるが,今不良日光条件下では前夫験のごとくまず炭素同化作用に影響し,それが粉末 比重の低下の原因をなし,今迄伸びつつあった分薬の仲良が抑圧されると考え.られる・ 換言すると不良日光条件下でほ,まず全般的に.物質充実度の低下を来し,その結果分東の出現並に仲良が抑圧される もののようである 摘 要 (1)水稲の環境と分薬との関係の実験から論談的に誘導される主梓と分薬子と.の生長の相違曲線を検討するため紅日 光と分埴との関係の実験をした・ (2)水稲の分藁期中に日光の被陰皮を異監する実験をしその分乗放,乾鼠及び粉末比重り測定をし次のどと.き結果が 得られた. 分基数,乾認及び粉末比盈の測定に.おいていずれも主稗よりも分泰子に.対して著しく影響する. 分垂間にての抑圧される順位は,a.これから出現せんとしつつある分薬子,b.現に出現しつつある分東子,つま り高次分蕉はまず抑圧され,次いで既発分薬若くは低次他分兼が影響を受ける (3)不.良日光条件下では々の抑圧される穣要一せ主悍よりも分腰子濫・おいて著しいつまりその敏感斐に著しい相違が あるい これほ主悍及び分薬子乾生昆曲線の相違の原因をなすことが認められた (4)不慮日光条件下でほ特に分魂の粉末比重の低下,つまり物質充実斐を低下し分兼を抑圧することが認められる 文 献 1い 深城貞義:稲の分染虹関する研究,Ⅰい濯漑水及び日 光供給渡その他一・,ニ廣件の分薬度に・及ぼす影響, 九大農学芸雑誌,2(5),(1927)‖ 2.㌦:麦類の幼苗における分亜と粉末比重との

関係,香川農大学術報告,412),(1952)…

3.− こ稲の分薬に関する研究,Ⅳ1・日長度及び 日照皮その他一,ニ条件の稲及麦簸の分垂に及ぼす 影響,同上誌,5(3),(1954)・ 4.∴:Ⅴ。粉末比重より見たる稲の分亜紀つい て−,同上誌,8(1),(1954)・

5‖ +

:Ⅵ植物生長ホルモンの稲酉の生長及び 分彙に及ぼ・す影響㌦ 同上誌,7(1),(1955) 6..−− ,近藤勝:Ⅶ・粉末比重より見たる物質の 転移問題,同上誌,8(1),(1956)・

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(4)

罪8巻 第2号(1957) 243

Rるs11m畠

l)Foz the studyofthe di#erencein both curves derived from the di鮎rence ofgrowthofmain−Culm andits tillers,the author has studied thein&uence oflight−intensity on the tillering of rice plant・

2)Therice seedlingswer・eCulturedunder坤evariouslight・rintensity and some seedlings that have

already staIted tillering,Werealso cultuIedin the same ways.The number of tillers,dIy Weight and sp powder gzof the main・Culm andits ti11ers weze measuIed亭eparately according to their order・

3)Under better environment,the growth of tilleIingi$higher than that of main;Culm・On the

contrary,under worse enviIOnment,the gIOWth of tilleringislower than that of main・Culm.The repres− sion forthegrowth ofthelately emerged ti11ez’Sis stronger than thatofthe old tjllers・

The order of repression foIthe gIOWthis as fo1lows:

1.For the tillers that willemergein future

2.For the tillers that are emerglng nOW.

3..For that of main−Culm.

4)It seems thatthe cause ofthe di#erenceof both curvesis due tothe di鮎rence of the sensibility

Of each culm ofrice plant for thelight.

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