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骨格筋細胞内CA2+動員機構解析用分子プローブの創製

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Academic year: 2021

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Title

骨格筋細胞内CA2+動員機構解析用分子プローブの創製( 内

容の要旨(Summary) )

Author(s)

青山, 洋史

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第200号

Issue Date

2003-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1921

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位記号番号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題目 青 山 洋 史・(愛知県) 博 士(工学) 甲 第 200 号 平成15年 3月25日 物質工学専攻 骨格筋細胞内C㌔+動員機構解析用分子ブロープの創製 (DesipandSynthe8isofholecul肝Prdbe8tO EluciddetheXechani沌 OfC8苧+Releasein Skelet81恥部Ie C¢1l$) 学位論文審査委貝 (主査)教 授 鈴 木 正 昭 (副査)教 授 北 幸 夫 教 授 西 川 一 八 助教授 古 田 享 史

論文内容の要旨

筋の収縮・弛緩は筋細胞質中のCa2・濃度の変化によって巧みに制御・調節されている0

骨格筋では脳からの指令が神経終末に伝えられることにより細胞膜に脱分極が引き起こ される。脱分極によって生じた活動電位は細胞膜上を伝わり、細胞膜上の膜電位センサー

であるジヒドロビリジン受容体(D肝R)がそれを感知し、そこから細胞質中のCa2十貯蔵庫

である筋小胞体の膜上に存在するCa2・放出チャネルであるリアノジシ受容体(RyRl)へ情

報が伝えられる。その結果、チャネルが開口してCa2・が放出され、最終的には筋収縮が引 き起こされる。この神経の興奮から筋収縮までの一連のメカニズムは興奮収縮連関 (excitation-COntraCtion(E-C)coupling)と呼ばれているが、その情報伝達分子機構、 特にDWRからRyRlへの情報伝達機構については未だ不明である0一方、RyRlはE-C couplingの過程で生じる生理的なCa2+放出(physiologicalCa2+release:PCR)とは別に、 RyRl近傍のCa2・濃度の上昇によってCa2・放出が引き起こされるCa2+によるCa2+放出

(Ca2・-inducedCa2・release:CICR)の性質も合わせ持っていることが知られている0し

かしこのCICRについても、CICRが稼動する時のRyRl近傍のCa2+濃度や、骨格筋細胞内で のCICRの正確な役割は未解明である。 筋弛緩薬ダントロレンはRyRlに特異的に作用し、RyRlからのPCRとCICRの両Ca2+放出 様式を抑制する非選択的阻害剤であることが知られている。本論文では、ダントロレンを リード化合物として、その構造修飾によるRyRlの2つのCa2+放出様式を識別TCきる特異的 分子プローブの創製とその活用による恥RlからのCa2十放出の分子機構の解明研究を展開 するまでを述べている。

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第一章では、本研究の背景としてこれまでに行われてきた骨格筋細胞内へのCa2十動員分 子楔構の解明研究について概観し、その中の未解明課題に対する本研究の指針について述 べている。 第二章では、ダントロレン類縁体の効率的合成法の確立と本法の活用により合成した各 種類縁体のRyRlからのCa2・放出効果に関する構造活性相関研究について述べている。本法 の確立に至った理由は、従来の類縁体合成法では、鍵中間体である5一アリールー2-フルア ルデヒドの合成の際に、芳香環上に電子求引性基が必須であるなどの制約があったため、 幅広い構造活性相関を展開するには必ずしも適した方法とはいえなかったからである。こ の欠点を補うべく合成法の再検討を行なった結果、5-アリールー2-フルアルデヒドの2つ の芳香環同士を、Pd触媒を用いたクロスカップリング反応を活用して効率よく結合させる ことにより、フユニル基上の種類や位置に影響を受けない一般性の高い合成法の確立に成 功した。また、従来の合成法では合成が困難であった類縁体に関しても、本法の活用によ り合成が可能となり、一部の既知化合物も含めた各種類縁体のPCRおよびCICRに関する 構造活性相関を行なった。その結果、'pcR特異的阻害剤GIF-0185およびCICR特異的促進 剤GIF-0166、GIF-0248を見出すとともに、フユニル基上の置換基効果に対する有益な情 報を得ることが出来た。本成果は、PCRまたはCICRに対して特異的な作用を示す分子ブロ ープの開発につながることを示している。 第三章では、上記の結果を踏まえ、実際に骨格筋E-Ccouplingの分子機構解明のため の光親和性標識プローブの創製について述べている。本研究の主題であるRyRlからのCa2+ 放出の分子機構の解明には、それを調節・制御しているタンパク質を直接捕獲・同定し、 その機能の解析を行なうことが有効な手段である。そこで本研究では、光親和性標識法を 活用し、PCRを制御しているタンパク質を捕獲するための特異的光親和性標識プローブの 開発を目指した。第二章における構造活性相関を参考にして、まずフェニル基上に光反応 基を有するダントロレン類縁体の合成を行なったが、これらはRyRlからのCa2+放出に村す る特異性や効果が不十分であることが分かった。そこで発想を転換し、ダントロレンのヒ

ダントイン部分を光応答基と放射核で賦活した光親和性標識ユニウトを導入したいくつ

かのプローブ化合物を設計した。まず、その非放射標識化合物の合成を行なった結果、ア ジド基含有のGIF-0082およびジアジリニル基含有のGIF-0276がPCRを特異的に抑制する

ことが分かった。続いて相当する放射標識体を合成し、実際に骨格筋膜タンパク喪を多く

含む分画(TC分画)を用いて光親和性標識実験を行なった結果、[125Ⅰ]GIF-0082によって

分子量23kDaのタンパク質が特異的に標識されることが分かった。また、GIF-0082自■身 がPCR選択的な作用を有していることから、本タンパク質のE-C couplingへの関与の可 能性が示された。 第四章では、以上の結果について総括するとともに、本研究の展望と今後の方向性につ いて述べている。 以上のように、本研究ではRyRlが有する2つのCa2+放出機構のうち、PCRまたはCICR に特異的な作用を示すいくつかのダントロレン類縁体の創成に成功した。今後、これら類 縁体の活用によるRyRlからのCa2+放出分子機構の全容解明に向けた研究の進展が期待さ れる。

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論文審査結果の要旨

本研究は、細胞内のカルシウムイオン(Ca2+)動員の分子機構解明、特に骨格筋

の興奮収縮連関:(E-C coupling)の分子機構を解明するために化学合成による特異

的分子プローブの開発を目指したものであり、本論文では、そめようなプローブの

分子設計および合成と、その結果開発に成功した特異的作用を示す光親和性標識プ

ローブの活用に享る鍵タンパク質の捕獲に至る経緯について述べたものである。

第一章では、本研究の背景について述べている。特に、骨格筋のE-C couplingの過程 で重要な役割を担っているジヒドロビリジン受容体とリアノジン受容体(RyRl)に関して、 それらタンパクj引;対する研究の歴史について触れている。中でもRyRlに作用を示す化 合物について言及しており、そのような化合物の中で、本研究が目指す特異的プローブ開 発のリード化合物として筋弛緩薬ダントロレンを取り上げた理由について述べている。 第二章では、ダントロレンに関して、プローブ化を視野に入れた類縁体の汎用性の高い 一般的合成法の確立と、本法の活用により合成した各種類縁体のRyRlからのCa2+放出効果 に関する構造活性相関研究について述べている。本法では、従来の類縁体合成における鍵 中間体である5-アリールー2-フルアルデヒドの合成の際に生じていた問題点を克服するた め、Pd触媒を用いたクロスカップリング反応を適用している。その結果、これまでは合成 が困難であった電子供与性基含有の5-アリールー2-フルアルデヒドまでもが、温和な条件

下、高い収率で得られるようになった。また、本法を用いて合成した類縁体のRyRlから

のCa2◆放出に村する影響を調べた構造活性相関研究によって、いくつかの類縁体が2つの Ca2+放出様式の一方に選択的な作用を示すことも明らかとしている。 第三章では、上記の結果を踏まえ、RyRlの2つのCa2+放出様式のうち、骨格筋E-C couplingの分子機構解明のための光親和性標識ブロープの創製について述べている。本研 究の主題であるRyRlからのCa2+放出の分子機構の解明には、それを調節・制御しているタ

ンパク質を直接捕獲・同定し、その機能の解析を行なうことが有効な手段であるとの考え

のもと、種々のタンパク質同定法の中で、本研究では光親和性標識法を活用し、生理的Ca2+

放出(PCR)を制御しているタンパク質を直接捕獲・同定するための高機能プロープの開

発を目指している。第二章で得られた知見を参考にして、まずフユニル基上に光反応基を 有するダントロレン類縁体の合成を行なっているが、これらはRyRlからのCa2+放出に対す る特異性や効果が不十分であることが判明したため発想を転換し、ダントロレンのヒダン

トイン部分に光反応基と放射核を導入した光親和性標識ユニットを有するいくつかのプ

ロープ化合物を設計し、まずその非放射標識化合物の合成を行なっている。その結果、テ

ジド基含有のGIF-0082およびジアジリニル基含有のGIF-0276がPCRを特異的に抑制する ことが分かり、リアノジン受容体が有する2つのCa2+放出様式の一方に選択的な作用を示

す化合物の開発に成功している。続いて相当する放射標識体[125Ⅰ]GIF-0082を合成し、実

際に光親和性標識実験を行なった結果、骨格筋膜タンパク質を多く含む分画(TC分画)に

おいて、分子量23kDaのタンパク質の特異的標識に成功している。GIF-0082がPCR選択 的な作用を有していることから、本タンパク質の骨格筋E-C couplingへの関与の可能性

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が強く示唆された。 ▼第四章では、以上の結果についての総括を述べている。 以上、申請者により捷出された上記内容の学位論文を慎重に審査した結果、本研究成果

は、今後の筋収縮メカニズム解明をはじめとする関連研究の発展に村し、多大な影響およ

び貢献を果すものと判断された。以上により本論文は、申請者の有意義な価値のある研究 成果を述べており、学位論文とし、審査員一同の審査結果は合格である。

最終試験結果の要旨

論文提出者、青山洋史は、博士(工学)として充分な専門知識と学力を有しており、審 査貞一同の最終試験結果は合格である。

参照

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