148 (57) 氏名(生年,月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位接与の要件学位論文題目
論文審査委員
オカ ダ タカ ハル岡田隆晴(昭和2
医学博士 乙第871号昭和63年1月22日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)
くも膜下出血および虚血性脳血管障害後の凝固線溶能の推移 一血漿中,髄液中の飾ri皿opeptide A,飾rinopeptide Bβ15-42の測定に よって一 (主査)教授 喜多村孝一 (副査)教授 丸山 勝一,教授 石津 澄子論 文 内 容 の 要 旨
目的 くも膜下出血および虚血性脳血管障害における,血 漿中および髄液中の凝固線溶能の変化を調べ,さらに くも膜下出血忌の遅発性脳血管攣縮との関連について も考察した. 方法と対象 凝固・線溶活性の指標として,それぞれ,丘brinope・ptide A(FPA), fibrinopeptide Bβ15-42(Bβ15-42)
を用い,血漿中および髄液中の値を測定した.対象は, くも膜下出血患者55例,虚血性脳血管障害患者32例で, 他に正常対照群として10例,非出血性疾患により開頭 手術を受けた5例の計102例である. 結果と考察 手術操作のみで血漿中のFPA, Bβ15-42の値は変 化を示した. くも膜下出血群においては,血漿中ではFPA, Bβ15-42ともに有意な変化を示さなかったが,髄液中 では,Bβ15-42は.,発症直後に有意に高値をとり以後 次第に減少した.従来,くも膜下出血発症後1,2週 目に線溶能が最も東進すると考えられてきたが,この 結果は,その時期が発症直後であることを示す. FPAも発症直後が最:も高値であり,その後急速に低下 した.これは,急性期での強い凝固能充進を意味する が,遅発性脳血管攣縮陽性群においてより顕著であっ た. 虚血性脳血管障害群においては,Bβ13-42は,血漿 中ではurokinase製剤の影響と思われる上昇を示し たが,髄液中では有意な変化はなかった.FPAは,血 漿中では有意な変化がなかったが,髄液中では発症3 日目以降有意に上昇した.これは,虚血性脳血管障害 発症後の,髄液中における線溶能充進を伴わない凝固 能充進の存在を示している. このことから,くも膜下出血における,遅発性脳血 管攣縮発生後の凝固能充進は,脳虚血の影響を強く受 けているものと考えられた.他方,発症後5日以内の 凝固能充進は,脳血管攣縮の発生に関与する可能性が 示唆された.
論 文 審 査 の 要 旨
本論文は,くも膜下出血においては,発症直後に髄液中の凝固能・線溶能がともに最も高く充進ず ること,虚血性脳血管障害においては,発症3日目以降,髄液中の凝固能が有意に上昇しこれは線溶 能の充進を伴わないこと,また,くも膜下出血後の遅発性脳血管攣縮の発生に髄液中の凝固能の充進 812149
が関与することを示唆した学問上価値の高いものである.
主論文公表誌
くも膜下出血および虚血性脳血管障害後の凝固線溶 能の推移
一血液中,髄液中丘brinopeptide A, fibrinope- ptide Bβ15-42の測定によって一
東京女子医科大学雑誌 第57巻 第11号 1338~1348頁(昭和62年11月25日発行) 副論文公表誌
1)Rathke’s cleft cystの見られた石灰化下垂体腺 腫の1例
脳神経外科 12(7)833~838(1984)
2)遅発性脳血管攣縮の免疫学的研究 蛍光抗体法 による頭蓋内動脈壁における免疫グロブリ ン,補体第3成分の検出一
Neurol Med Chir(Tokyo) 24(9) 647~654 (1984) 3)くも膜下出血における凝固・線溶能の動態一血 液中,髄液中のフィブリノペプタイドA, フィブリノペプタイドBβ15-42の測定に よって 医学のあゆみ 134(8)581~582(1985) 4)くも膜下出血患者における髄液中bradykinin (BK)の経時的測定 月菌とネ申経 38(6)551~556(1986) 5)虚血性脳血管障害における凝固・線溶動態一髄 液中および血漿中のFPA, FPBβ15-42の推