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本仮訳は 2016 年 8 月に公表された米国食品安全強化法 ヒト向け食品の危害分析およびリスクに応じた予防管理 : 産業界向けガイダンス案 のうち 公表されている第 1~5 章と付属資料をジェトロが仮訳したものです ご利用にあたっては 原文もご確認ください

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米国食品安全強化法

ヒト向け食品の危害分析および

リスクに応じた予防管理:

産業界向けガイダンス案(仮訳)

2017年2月

日本貿易振興機構(ジェトロ)

農林水産・食品課

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本仮訳は、2016 年 8 月に公表された米国食品安全強化法「ヒト向け食品の危害分析および リスクに応じた予防管理:産業界向けガイダンス案」のうち、公表されている第1~5 章と 付属資料をジェトロが仮訳したものです。ご利用にあたっては、原文もご確認ください。 http://www.fda.gov/Food/GuidanceRegulation/GuidanceDocumentsRegulatoryInformati on/ucm517412.htm 【免責条項】本資料で提供している情報は、ご利用される方のご判断・責任においてご使 用ください。ジェトロでは、できるだけ正確な情報の提供を心掛けておりますが、本資料 で提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る事態が生じたとしても、ジ ェトロおよび執筆者は一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

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ジェトロでは、米国食品安全強化法(FSMA)への対応の参考とすることを目的に本仮訳を実施しまし た。ぜひお役立ち度アンケートにご協力をお願いいたします。 ◆本仮訳のお役立ち度 (必須) □役に立った □まあ役に立った □あまり役に立たなかった □役に立たなかった その理由をご記入ください。 ◆本仮訳をご覧になり、実際にビジネスにつながった例がありましたらご記入ください。(任意) ◆今後のジェトロの調査テーマについてご希望等がございましたら、ご記入願います。(任意) ◆貴社・団体名(任意) ◆お名前(任意) ◆メールアドレス(任意) ◆企業規模 (必須) □大企業 □中小企業 □その他

FAX 送信先:03-3582-7378 ジェトロ農林水産・食品課宛

本アンケートはインターネットでもご回答頂けます

https://www.jetro.go.jp/form5/pub/afa/fsma

※お客様の個人情報につきましては、ジェトロ個人情報保護方針に基づき、適正に管理運用させていた だきます。また、上記のアンケートにご記載いただいた内容については、ジェトロの事業活動の評価お よび業務改善、事業フォローアップ、今後の調査テーマ選定などの参考のために利用いたします。 【資料名:米国食品安全強化法「ヒト向け食品の危害分析およびリスクに応じた予防管理:産業界向けガイダンス案(仮 訳)】

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved.

目次

イントロダクションと目的 ... 1 Ⅰ.イントロダクション ... 1 Ⅱ.本ガイダンスの目的 ... 2 Ⅲ. 本ガイダンスで用いる用語の用語集 ... 3 Ⅳ. 本ガイダンスで使われている略語の略語表 ... 6 第 1 章:食品安全計画 ... 8 1.1 本章の目的 ... 8 1.2 食品安全計画とは何か? ... 8 1.3 誰が施設のために食品安全計画を策定するのか? ... 9 1.4 HACCP 計画と食品安全計画との違いは何か? ... 10 1.5 施設に既に HACCP 計画が存在する場合にはどうすればよいのか。 ... 12 1.6 食品安全計画の様式は決まっているのか? ... 12 1.7 食品安全計画はどのような場合に変更する必要があるのか? ... 12 1.8 参考資料 ... 12 第 2 章:危害分析の実施 ... 13 2.1 本章の目的 ... 13 2.2 危害分析の概要 ... 14 2.3 危害分析を行う前に推奨される活動 ... 14 2.4 危害分析の実施 ... 17 2.5 予防管理の特定 ... 25 2.6 参考資料 ... 27 第 3 章:ヒト向け食品の製造、加工、梱包、保管に関連する潜在的危害 ... 29 3.1 本章の目的 ... 31 3.2 潜在的危害 ... 31 3.3 生物学的危害 ... 32 3.4 化学的危害 ... 44 3.5 物理的危害 ... 55 3.6 参考資料 ... 56 第 4 章:予防管理 ... 64 4.1 本章の目的 ... 65 4.2 予防管理の概要 ... 65 4.3 プロセス管理 ... 66 4.4 衛生管理 ... 87 4.5 食品アレルゲン管理 ... 90 4.6 サプライチェーン管理 ... 91 4.7 リコール計画 ... 92 4.8 参考資料 ... 93 第 5 章:予防管理の適用および予防管理の管理要素 ... 97 5.1 本章の目的 ... 97 5.2 生物学的危害の予防管理の適用の概要 ... 98 5.3 化学的危害の予防管理の適用の概要 ... 102

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. 5.4 物理的危害の予防管理の適用の概要 ... 106 5.5 予防管理の管理要素 ... 106 5.6 参考資料 ... 109 付録 1:食品およびプロセスの潜在的危害 ... 112 付録 2:食品安全計画様式 ... 114 イントロダクション ... 115 様式 2-A:製品説明用 FSPCA 様式 ... 116 様式 2-B:危害分析用 FSPCA 様式 ... 118 様式 2-C:プロセス管理用 FSPCA 様式 ... 120 様式 2-D:衛生管理用 FSPCA 様式 ... 123 食品アレルゲン管理用 FSPCA 様式 ... 125 様式 2-E:食品アレルゲン材料分析用 FSPCA 様式 ... 126 様式 2-F:食品アレルゲン食品表示ラベル検証リスト用 FSPCA 様式 ... 128 様式 2-G:生産ライン食品アレルゲン評価用 FSPCA 様式 ... 129 様式 2-H:食品アレルゲン管理用 FSPCA 様式 ... 130 様式 2-I:サプライチェーンによる予防管理プログラム用 FSPCA 様式 ... 133 付録 3:細菌性病原体の増殖および不活性化 ... 135

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ヒト向け食品の危害分析および

リスクに応じた予防管理:産業界向けのガイダンス案

1 本ガイダンス案は、内容が確定した時点で、このテーマに関する食品医薬品局(以下「FDA」また は「我々」)の現在の考え方を示すものとなります。これは、何らかの者に何らかの権利を設定する ものではなく、FDA または公衆を拘束しません。適用法令および規則の要件を満たすような代替的 アプローチが存在する場合には、それを採用しても構いません。代替的アプローチに関する相談は、 http://www.fda.gov/Food/GuidanceRegulation/FSMA/ucm459719.htm から入手可能な様式を提 出して、FDA のテクニカル・アシスタンス・ネットワークに問い合わせください。

イントロダクションと目的

Ⅰ.イントロダクション

連邦規則集(「CFR」)第 21 巻パート 117(パート 117)において、我々は、「ヒト向け食品に関す る現行適正製造規範ならびに危害分析およびリスクに応じた予防管理」と題する規則を定めた。我々 は、パート117 を定める最終規則を 2015 年 9 月 17 日に連邦公報に公示した(80 FR 55908)。パー ト 117 では、ヒト向け食品の現行適正製造規範(CGMP)に関する要件、ヒト向け食品の危害分析 およびリスクに応じた予防管理(PCHF)に関する要件ならびにこれらに関連する要件を、表 1 に示 すとおりに定めている。 表1. CFR 第 21 巻パート 117 において定めているサブパート サブパート 名称 A 一般規定 B 現行適正製造規範 C 危害分析およびリスクに応じた予防管理 D 修正された要件 E 適格施設としての適用免除の撤回 F 作成、保管しなければならない記録への適用要件 G サプライチェーン・プログラム PCHF 要件は、食品医薬品化粧品(FD&C)法(21 USC 350g)の 第 418 条で定めている FDA の食品安全強化法(FSMA)の規定を実施するためのものである。パート 117 には、PCHF 要件に 由来する全面的または部分的な適用免除が含まれている。こうした適用免除のリストと説明につい ては、CFR 第 21 巻 117.5 を参照。 この文書では、パート117 の PCHF 要件の対象者(以下「皆さん」)を読者として想定している。 リスクに応じた予防管理を定めることで、自社の食品および消費者を生物学的、化学的(放射線学 的なものを含む)および物理学的な危害から保護することをねらいとする予防管理を確立し、それ を通して、自社の食品安全プログラムに積極的かつ体系的なアプローチを適用することが可能にな る。リスクに応じた予防管理は、食品を製造・加工、梱包、保管するための「ゼロリスク」システ ムを皆さんに提供するものではなく、むしろ、皆さんが生産する製品に存在した場合に疾患やケガ の原因となりかねない既知のまたは合理的に予見可能な食品安全危害のリスクを最小限化すること をねらいとしている。 本ガイダンスは、皆さんがパート117 のサブパート C および G で定めた以下の具体的な PCHF 要件に適合するのをサポートするためのものである。 1 本ガイダンスは、米国食品医薬品局の食品安全・応用栄養センター内にある食品安全局により作成された。

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. ・ 書面による食品安全計画(FSP) ・ 危害分析 ・ 予防管理 ・ モニタリング ・ 是正措置 ・ 検証 ・ 付随する記録 皆さんの施設で製品およびプロセスの危害分析を行った後に、予防管理が必要とされるような既 知の、または合理的に予見可能な生物学的、化学的または物理的危害が特定された場合にのみ、予 防管理を適用すればよい。(既知の、または合理的に予見可能な危害とは、予防管理が必要とされる かどうかを判断するためにその施設が評価すべき潜在的な危害である)。我々は、食品に関する既知 の、または合理的に予見可能な危害により、全ての施設において予防管理が必要とされるとは予期 していない。また、我々は、全ての可能な予防と検証手順が皆さんの施設で生産される全ての食品 に適用されるとも想定していない。例えば、我々は、一つの食品アレルゲンしか含まれない食品専 用の加工ラインのために、食品アレルゲンの交差接触を防止するための衛生管理が実施されるとは 期待していない。 皆さんの食品のプロセスおよび製品に付随し得る潜在的な危害について皆さんが意識することが 重要である。潜在的な危害を理解していた方が、皆さんが生産する製品に存在した場合に疾患やケ ガの原因となりかねない、特定された食品安全危害を管理することをねらいとするFSP を設計およ び実施するのが容易になる。 本ガイダンスは、CFR 第 21 巻 117.5 の下で適用免除を受けている人を対象としていない。しか しながら、そのような者でも、ヒト向け食品を製造・加工、梱包および保管する際に本ガイダンス の原則および提言のいくつかが役立つ場面があるかもしれない。 我々は、当初の予定に従い、本ガイダンス案に、目次において一覧にした14 の章を含めた。我々 は、ガイダンス案の全ての章が完成するまで個々の章の発表を待つ代わりに、それぞれの章が完成 するまでの意見募集のために公開する。目次において「近日公開」と表示されている章はまだ閲覧 できない。 本ガイダンスを含むFDA のガイダンス文書は、法的に強制可能な責任を定めるものではない。ガ イダンスは、その代わりに、そのテーマに関するFDA の現在の考え方について説明するものであり、 特定の規則および法的要件が引用されていない限り、あくまでも提言であるとみなすべきである。 FDA のガイダンスにおける「すべきである(should)」という用語は、何かを示唆または提言して いるものの、それが義務付けられているわけではないことを意味する。

Ⅱ.本ガイダンスの目的

本ガイダンスの目的は、PCHF に関する要件に従った FSP の策定を支援することである。この文 書では、特に、以下の点に関するガイダンスを示す。 ・ FDA 規制対象食品の製造、加工、梱包および保管において一般的に懸念されるある生物学的、(放 射線学的なものを含む)化学的、および物理的な危害について理解すること ・ FSP の構成要素と各構成要素の重要性について理解すること ・ 皆さんが加工する製品について危害分析を実施し、FSP を策定する方法について理解すること ・ 皆さんの危害分析により特定された危害に適用する目的で、多くの加工食品に共通して付随する 生物学的(特に細菌性病原体)、化学的および物理的な危害の管理措置を特定する方法について 理解すること ・ 予防管理の管理構成要素(すなわち、モニタリング、是正措置および修正ならびに検証)を特定 し、適用する方法について理解すること ・ FSP、そして FSP の実施に付随する記録管理要件について理解すること

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. 我々は、本ガイダンスが皆さんのそれぞれの業務にどのように関連しているかについて検討し、 皆さんが加工する食品特有の状況に合わせて各自の管理戦略を調整することを提言する。

Ⅲ. 本ガイダンスで用いる用語の用語集

A. CFR 第 21 巻 117.3 で定めている定義 酸性食品または酸性化食品:平衡状態でのpH が 4.6 以下の食品。 適切な:適正な公衆衛生規範を維持する上で意図された目的を実現するために必要であること。 アレルゲンの交差接触:食品アレルゲンの食品への非意図的な混入。 修正:是正措置に関連するその他の活動(問題再発の可能性を軽減する活動、影響を受けた全ての 食品の安全性評価、影響を受けた食品の市場販売の阻止等)を除く、食品の製造中に発生した問題 を特定し、それを修正する活動。 重要管理点(CCP):食品のプロセスにおいて管理の適用が可能な点、段階、または手順で、食品安 全危害を防ぐ、もしくは取り除く、または受容可能な水準まで減少させるために不可欠なもの。 環境病原体:製造・加工、梱包、または保管環境の中で生き延び、存在し続けることができ、当該 環境病原体を著しく最小限化するための処理をせずに消費された場合、食品媒介疾患になるような 病原体。環境病原体の例には、リステリア菌やサルモネラ属菌が含まれるが、病原性芽胞形成性バ クテリアの胞子は含まれない。 施設:FD&C 法第 415 条の下で CFR 第 21 巻パート 1、サブパート H の要件に従って登録する必 要のある国内施設または国外施設。 食品:これには、(1) ヒトまたは他の動物向けの食品または飲料に使われる物品、(2) チューインガ ム、および (3) そのような物品の構成要素に使われる原料および材料を含む物品、が含まれる。 食品アレルゲン:FD&C 法第 201 条(qq)に定義された主要食品アレルゲン(例えば、以下のいずれ か:(1) 牛乳、卵、魚類(例えば、バス、ヒラメまたはタラ)、甲殻類(例えば、カニ、ロブスター またはエビ)、木の実(例えば、アーモンド、ピーカンナッツまたはクルミ)、小麦、ピーナッツお よび大豆。(2) パラグラフ(1)に指定する食品に由来する高度精製油と、そのような高度精製油由来 の材料を除く、パラグラフ(1)に指定する食品由来のタンパク質を含む食品材料。 食品接触面:通常業務の過程においてヒト向け食品に接触する表面およびそこからの浸出液やその 他の移動物が食品または食品と接する表面に触れる表面。「食品接触面」には、用具および機器の食 品接触面も含まれる。 危害:疾病やケガの原因となる可能性のある生物学的、化学的(放射線学的なものを含む)または 物理的物質。 予防管理が必要とされる危害:食品の安全な製造、加工、梱包または保管に関する十分な知識を持 つ人間であれば、危害分析(危害が実現した場合の傷病の重大度評価および予防管理が存在しない 場合の危害発生可能性評価を含む)の結果に基づき、食品およびその構成要素における危害を著し く最小限化または防ぐべく(モニタリング、是正措置または修正、検証および記録といった)当該

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. 食品、施設および予防管理の性格および当該施設の食品安全システムにおける役割を鑑み、適切な 単数または複数の予防管理を講ずるような既知のまたは合理的に予見可能な危害。 既知のまたは合理的に予見可能な危害:施設または食品に関連して既知のまたは予見可能な生物学 的、化学的(放射線学的なものを含む)または物理的な危害。 微生物:イースト、カビ、バクテリア、ウイルス、原虫および顕微鏡的寄生生物であり、病原体の 種も含む。「望ましくない微生物」という用語には、病原体、食品を腐敗させる微生物、食品が汚物 で汚染されているとみなされるような微生物、または食品を粗悪化させるような微生物が含まれる。 モニター:計画された一連の観察または測定を実施して手順・ポイント・手順が制御されているか どうかを評価し、検証に用いるために正確な記録を作成すること。 病原体:公衆衛生に大きな影響を与える微生物。 有害生物:鳥、げっ歯類、ハエ、幼虫等を含む好ましくない動物や虫。 予防管理:食品の安全な製造、加工、梱包または保管について知識のある人間であれば、分析の時 点で安全な食品の製造、加工、梱包、または保管に関する現状の科学的認識と一致する危害分析の 下で特定された危害を著しく最小限化するために講じるであろう、リスクに応じた、合理的に適切 な手順、慣行およびプロセス。 予防管理適格者(PCQI):FDA によって適切と認識されている標準化されたカリキュラムの下で講 じられるものと少なくとも同等な、リスクに応じた予防管理の開発と適用に関する研修を問題なく 完了している適格な個人または実務経験により食品安全システムの開発と適用を行う上で適格とさ れている個人。 適格者:当該個人に割り与えられた責務において適切に衛生的かつ安全な食品の製造、加工、梱包 または保管を行うために必要な教育、研修または経験(またはそうした組合わせ)を有する者。適 格者は、事業施設の従業員である場合もあるが、必ずそうでなければならないわけではない。 RTE(調理済み)食品:通常生の状態で食べられる食品、または加工食品を含む、生物学的危害を 最小限化するためのさらなる加工を伴わずに食べられることが合理的に予見される他の全ての食品。 消毒:病原体の栄養細胞を破壊し、その他望ましくない微生物を大量に除去するのに効果的な、し かしながら製品や消費者の安全に悪影響を与えることのないプロセスによって清潔な表面を適切に 処置すること。 著しく最小限化する:排除を含む、受容可能な水準まで低減させること。 妥当性確認:管理、管理措置の組合せ、または食品の安全計画全体が適切に実行される場合に特定 された危害を効果的に管理できることの科学的および技術的証明を入手および評価すること。 検証:管理または管理措置の組合せが意図されたとおりに機能しているか否かまたは機能してきて いるか否かを判断し、食品安全計画の妥当性確認を証明するための、モニタリングに追加される、 方法、手順、検査およびその他の評価。

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. B. FDA が本ガイダンスで用いるその他の用語 定置洗浄(CIP):加工配管、ビン、タンク、混合装置または比較的大きな設備を分解することなく 洗浄するシステムであって、内部の製品ゾーンを完全に露出させ、洗浄液の流れによって土壌を容 易に洗い流すことができるもの。 分解洗浄(COP):分解後に機器部品、配管等を洗浄するために使われるシステム(例えば洗浄槽)。 管理点(CP): 生物学的、物理的または化学的因子を管理することのできる段階。 洗浄:土壌、食品残渣、汚れ、グリースその他の好ましくない物質の除去。 管理、管理措置:予防管理を参照。 是正措置:是正措置に関連する活動(問題再発の可能性を軽減する活動、影響を受けた全ての食品 の安全性評価、影響を受けた食品の市場販売の阻止等)を含む、食品の製造中に発生した問題を特 定し、それを修正する活動。 許容限界(CL):食品安全危害の発生を防ぎ、排除または受容可能な水準まで低減させるために制 御しなければならない生物学的、化学的または物理的パラメーターの最大値およびまたは最小値。 逸脱:許容限界を超えた場合。 エンドポイント内部製品温度(EPIPT):加熱加工の終わりにおける製品の内部温度の尺度。 環境試料:微生物、通常は環境病原体の有無を確認するために表面または区域を試験する目的でプ ラントの表面または区域から採取した試料。 食品安全計画:食品安全の原則に基づき、危害分析、予防管理を含み、リコール計画を含めた従う べきモニタリング、是正措置および検証手順の輪郭を描く一群の書面による文書。 食品安全システム:食品安全計画の実施結果。 HACCP(危害分析および重要管理点):食品安全にとって重要な危害を特定、評価および管理する システム。 危害分析:危害と、危害の発生につながる条件に関する情報を収集、評価し、予防管理によってど の危害に対処すべきかを決定するプロセス。 動作限界:許容限界よりも厳しい基準であり、食品安全以外の理由により定められている。 必須プログラム:現行適正製造規範(CGMP)を含む、食品安全計画を支援するために必要な基本 環境および動作条件を定める手順。 重大度:危害による影響の重大さ。

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Ⅳ. 本ガイダンスで使われている略語の略語表

略語 意味 ABC カリフォルニア州アーモンド委員会 aw 水分活性 CCP 重要管理点 CDC 疾病予防管理センター CIP 定置洗浄 CFR 連邦規則集 CGMP 現行適正製造規範 CL 許容限界 Codex 国際食品規格委員会 COP 分解洗浄 CP 管理点 D 値 デシマル減衰時間 EPIPT エンドポイント内部製品温度 EPA 米国環境保護庁 FALCPA 食品アレルゲン表示および消費者保護法 FDA 米国食品医薬品局 FSIS 米国農務省食品安全検査局 FSMA 食品安全強化法 FSP 食品安全計画 略語 意味

FSPCA 食品安全予防管理同盟(Food Safety Preventive Controls Alliance) HACCP 危害分析および重要管理点(HACCP) HPP 高圧処理 LACF 低酸性缶詰食品 NRTE 食品 非調理済み食品 パート117 ヒト向け食品に関する現行適正製造規範ならびに危害分析およびリスク に応じた予防管理(CFR 第 21 巻パート 117) PCHF 「ヒト向け食品の予防管理」(FD&C 法の第 418 条に従ったヒト向け食品 に関する現行適正製造規範ならびに危害分析およびリスクに応じた予防 管理に関するCFR 第 21 巻パート 117 の要件)

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. PCQI 予防管理適格者 PPO 酸化プロピレン ROP 低酸素包装 RTE 食品 調理済み食品 TDT 熱死滅時間 USDA 米国農務省 WIP 未完成品 z 値 熱破壊曲線が一つの対数サイクルを超える(すなわち、D の値を 10 分 の1 だけ低減させる)ために必要な華氏温度

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ヒト向け食品の危害分析および

リスクに応じた予防管理:産業界向けのガイダンス案

1 本ガイダンス案は、内容が確定した時点で、このテーマに関する食品医薬品局(以下「FDA」また は「我々」)の現在の考え方を示すものとなります。これは、何らかの者に何らかの権利を設定する ものではなく、FDA または公衆を拘束しません。適用法令および規則の要件を満たすような代替的 アプローチが存在する場合には、それを採用しても構いません。代替的アプローチに関する相談は、 http://www.fda.gov/Food/GuidanceRegulation/FSMA/ucm459719.htm から入手可能な様式を提 出して、FDA のテクニカル・アシスタンス・ネットワークに問い合わせください。

1 章:食品安全計画

目次

1.1 本章の目的 1.2 食品安全計画とは何か? 1.3 誰が施設のために食品安全計画を策定するのか? 1.4 HACCP 計画と食品安全計画との違いは何か? 1.4.1 危害に対処するための危害分析と管理 1.4.2 モニタリング 1.4.3 是正措置と修正 1.4.4 検証 1.4.5 妥当性確認 1.4.6 リコール計画 1.5 施設に既に HACCP 計画が存在する場合にはどうすればよいのか? 1.6 食品安全計画の様式は決まっているのか? 1.7 食品安全計画はどのような場合に変更する必要があるのか? 1.8 参考資料

1.1 本章の目的

本章に示すガイダンスは、食品安全計画とはどのようなものなのか、また HACCP 計画とどう違 うのかを皆さんが理解し易くするためのものである。PCHF 規則の要求事項は、施設が文書化され た食品安全計画書をこれから作成するか、あるいは既に作成し、実施していなければならないと規定 している。CFR 第 21 巻 117.126 を参照。

1.2 食品安全計画とは何か?

食品安全計画(FSP)は、食品由来の疾病やケガを防止、またはその可能性を最小限に抑制するた めに管理されなければならない食品安全危害を特定する、予防管理食品安全システムの体系的なアプ ローチを示す主要文書により構成されている。これには、製造・加工、梱包および保管中の食品の安 全を確保するための活動について説明する一群の文書化された書類が含まれている。CFR 第 21 巻 117.126 を参照。 我々は、以下で、FSP を構成する文書化された書類について説明する(CFR 第 21 巻 117.126(b))。 1 本ガイダンスは、米国食品医薬品局の食品安全・応用栄養センター内にある食品安全局により作成された。

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. • 予防管理が必要とされるような危害が存在するかどうかを特定するための危害分析。予防管理が 必要となるどんな危害が特定されたかにかかわらず、この危害分析は書面にしなければならない。(一 部には、予防管理が必要となるどんな危害も特定されない施設も存在する)。 • 危害分析により予防管理が必要となる危害が特定されれば、FSP には文書化された次の文書も 含めること。 o 安全な食品が生産を確実にするために、施設および食品に適切な次のものを含む予 防管理(CFR 第 21 巻 117.135 を参照): ・ プロセス管理 ・ 食品アレルゲン管理 ・ 衛生管理 ・ サプライチェーン管理 ・ リコール計画 ・ その他の管理 o 予防管理の実施をモニタリングするための手順として、予防管理の本質的性格と施 設の食品安全システムにおける役割に相応しいもの。 o 危害の本質と予防管理の本質的性格に応じた是正手順 o 予防管理の本質的性格と施設の食品安全システムにおけるその役割に応じた検証 手順 この文書によるFSP は、管理しなければならない記録である。CFR 第 21 巻 170.126(c)および CFR 第21 巻パート 117、サブパート F、特に CFR 第 21 巻 117.310 を参照。さらに、FSP を実施してい ることを文書化した記録を管理しなければならない(CFR 第 21 巻 117.190 を参照)。 FSP は、あらゆる原材料および加工、または製造プロセスの危害分析から始まる(本ガイダンス の第2 章を参照)。「危害」は、疾病やケガの原因となる可能性のある生物学的、化学的(放射線学的 なものを含む)、または物理的物質である。食品安全目的では、「危害」という用語が人々の傷病の原 因となり得る食品の状況、または汚染物質のみを指すことを理解することが重要である。これらには、 天然に存在する危害、意図せずに添加された危害、または経済的利益のために食品に意図的に添加さ れた危害(すなわち、経済的食品不良事故)が含まれる。虫、毛髪、汚物および腐敗物、および食品 規制基準違反など、食品中にあっては多くの条件が極めて好ましくない。こうした欠陥は、いずれも 食品加工中に管理されるべきではあるものの、製品の安全には直接影響しない場合が多い。こうした 条件が食品安全に直接影響しない限り、こうした問題を扱っている文書をFSP に含めない。危害分 析により予防管理が必要とされるような危害が特定されなかった場合、FSP に含める文書は危害分 析のみでよい。

1.3 誰が施設のために食品安全計画を策定するのか?

「予防管理適格者」(PCQI)は、FSP を策定(またはその策定を監督)しなければならない。PCQI とは、食品安全システムを開発し、適用するための教育、研修、または経験(あるいはそれらの組合 わせ)を有する者である。PCQI は、実務経験を通して、または FDA によって適切と認められる標 準化されたカリキュラムに相当する研修(例えばFood Safety Preventive Controls Alliance(FSPCA) 研修)を修了することによって適格とされ得る。PCQI が施設の従業員である必要はない。CFR 第 21 巻 117.126(a)および CFR 第 21 巻 117.3 の PCQI の定義を参照。

FSP の記入を初めて終える際、また、計画が変更されるたびに、所有者、操業者、または施設の 担当代理業者がこれに署名し、日付を記入しなければならない(CFR 第 21 巻 117.310 を参照)。 HACCP 計画、前提プログラム、リコール計画および多様な手順など、複数の構成要素で構成される

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. FSP の署名に関する詳細は、この文書の第 1.6 節を参照。

1.4 HACCP 計画と食品安全計画との違いは何か?

危害分析および重要管理点(HACCP)とは、特定の食品、または食品の生産プロセスおよび慣行 に由来する危害によるリスクの特定、および評価ならびに合理的に発生する可能性のある危害管理へ の体系的なアプローチとなる予防食品安全戦略である。HACCP システムは、水産品およびジュース については食品医薬品局(FDA)、また、肉および家禽については食品安全検査局(FSI)によって 制定された米国連邦規則により既に義務付けられている。 FSP において危害を管理するために使われる予防管理アプローチには、FSP を策定する際にリス ク対応型の HACCP 原則を利用することが含まれる。(食品微生物基準全米諮問委員会の説明する HACCP 原則とその適用方法を参照)。FSP と HACCP 計画は似ているものの、完全に同じではない。 表1-1 は、それぞれの種類の計画に求められる要素を比較したものである。以下のパラグラフでは、 こうした要素のそれぞれについて簡潔に述べる。 表1-1 HACCP 計画と食品安全計画の各要素の比較 要素 HACCP 計画 食品安全計画の相違点 危害分析 生物学的、化学的、物理的危 害 化学的危害に放射線学的な危害を加え、 経済的動機による食品不良事故の考察を 含める (CFR 第 21 巻 1117.130(b)(1)(ii)) 予防管理 工程でのCCP 工程でのCCP + CCP ではない他の点に おける管理(CFR 第 21 巻 117.135(a)(2)) 限界と値 CCP の許容限界 最小/最大値の限界 (プロセス管理の許容限界に相当)(CFR 第21 巻 117.135(c)(1)) モニタリング CCP で行う必要がある 適切な予防管理として行う必要がある (CFR 第 21 巻 117.145) 是正措置と修正 是正措置 必要に応じた是正措置、あるいは修正を 行う(CFR 第 21 巻 117.150(a)) 検証(妥当性確認を含む) プロセス管理について行う 全ての予防管理について適切な検証を行 い;プロセス管理については妥当性確認 を行い;供給業者が危害管理をする場合 には供給業者検証を行う(CFR 第 21 巻 117.155、117.160) 記録 プロセス管理について行う 全 て の 予 防 管 理 に つ い て 適 切 に 行 う (CFR 第 21 巻 117.190) リコール計画 計画に含める必要はない 予防管理が必要となる危害が特定された 場合に必須となる(CFR 第 21 巻 117.139)

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. 1.4.1 危害に対処するための危害分析と管理 HACCP 計画を策定する場合、危害分析は、重要管理点(CCP)の特定へと至り、その際、食品由 来の危害が傷病の原因となるのを防ぐためのプロセス管理が必要不可欠となる。CCP が特定されれ ば、許容限界を定められる。この許容限界は、その工程における作動条件であって、危害を管理する ための効果的な管理、モニタリングされなければならないものを定義する。許容限界を超えた場合に は、事前に定義された是正措置が講じられる。システムが意図されたとおりに機能するよう確実にす るためにHACCP 計画のあらゆる段階を記録し、検証する。 また、FSP は、放射線学的な危害を化学的危害として考慮することや、発色をよくするために鉛 を含んだ染料を香辛料に添加するなど、経済的な動機による不良事故を原因とする危害を含めた危害 分析から始まる。危害分析の成果は、施設は、予防な管理が必要となるような既知の、あるいは合理 的に予見可能な危害が存在するかどうかを決定できることである。FSP では、CCP だけではなく、 CCP 以外の点に対しても予防管理を適用してよい。HACCP によるアプローチによれば、前提プロ グラム、あるいはCGMP に含まれるべきものかも知れない管理手段を FSP に含めてもよい。HACCP の場合、例えば、供給業者管理と食品アレルゲン管理を前提プログラムで扱い、衛生管理を CGMP で扱う場合が多い。FSP ではプロセス管理の最小値、または最大値の限界を定め、これが HACCP のCCP における許容限界に相当する。工程には関連しないものの、危害管理にやはり重要である管 理を特定し、適用することにより、FSP における予防管理を CCP 以外にも適用すべき場合がある。 交差接触および交差汚染を防止するために衛生ゾーニング管理を用いる場合、あるいは供給業者が製 造者/加工業者に提供する食品中の危害の適切な管理を確実にする場合など、非工程関連の予防管理 には、許容限界(最小、あるいは最大値であれ)は実用的ではないか、あるいは必要がない場合もあ る。 1.4.2 モニタリング HACCP 計画では、CCP を常時モニタリングする。FSP においては、予防管理のモニタリングは、 その本質的な性格、およびこれが施設の食品安全システムに果たす役割に応じてのみ行い、CCP が 適用されない一部の予防管理にはモニタリングをしなくてもよい。 1.4.3 是正措置と修正 HACCP 計画においては、CCP における許容限界の逸脱について是正措置を講ずる。また、FSP でも、施設が講ずるべき是正措置について規定している。しかしながら、一部の予防管理では、製品 安全に関して製品のリスク評価を行った上で特別な是正措置を講ずるよりも、即時の修正(例えば、 洗浄後も食品残渣が残っていた場合に生産を開始する前にラインを再洗浄し、消毒するなど)が適し ている場合もある。FSP の要求事項は、このような柔軟性を備えている。 1.4.4 検証 HACCP 計画では、工程において危害が管理され、HACCP 計画の履行を確実にするためにプロセ ス管理の検証活動を行う。また、FSP では、検証活動を予防管理に含めるものの、予防管理はプロ セス管理にとどまらないため、食品、施設、および予防管理の性格、および食品安全システムにおけ るその役割に応じる検証活動を実施する柔軟性を備えている。 1.4.5 妥当性確認 (例えばジュース、肉および家禽製品用など)一部のHACCP システムでは、HACCP 計画全体の 妥当性確認が必要となる。FSP における、妥当性確認とは、管理、管理手段の組み合わせ、または 食品の安全計画の全体が適切に実行された場合に特定される危害を効果的に管理できることに対す る科学的、および技術的証明を入手、および評価を行うことを意味する。このため一部の予防管理で は、他の場合ほど妥当性確認活動が厳格に要求されない場合もあれば、まったく要求されない場合も ある(例えば衛生管理)。

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. 1.4.6 リコール計画 HACCP 計画には、リコール計画が含まれていない。FSP では、予防管理が必要とされるような 危害が特定された各製品には、リコール計画を作成しなければならない。

1.5 施設に既に HACCP 計画が存在する場合にはどうすればよいのか。

HACCP 計画を既に作成している場合、それがパート 117 の全ての PCHF 要件を満たしているか どうかを確認するべきである。既存のプログラム、手順、および記録を利用し、サプライチェーン・ プログラムなど、必要となる情報を追加することによりこれらを補完することでもよい。

1.6 食品安全計画の様式は決まっているのか?

FSP の標準様式、または必須の様式というものは存在しない。本ガイダンスは、皆さんが危害分 析により特定した多様な危害について、予防管理を特定し、確立する助けとなるような柔軟性のある アプローチを示している。必須情報が全てFSP に含まれていれば、それぞれの施設に最適な様式を 自由に利用することができる。本ガイダンスで提示した様式は、あくまでも説明を目的とするための ものであり、これで完結するものではない。FSPCA 研修用の資料には、FSP ワークシートと教育用 のモデルFSP が含まれており、皆さんの参考になる可能性がある。 FSP は、一つ以上の既存 HACCP 計画、一つ以上の前提プログラム(食品安全管理、リコール計 画、文書化されたサプライチェーン・プログラム、環境モニタリングなど文書化された検証手順を含 む)およびPCHF の要求事項として指定されている他の構成要素で構成される場合もある。こうし た書類をFSP としてまとめる方法にも柔軟性がある。FSP をまとめ、署名し、日付を記入する一つ の方法として、こうした文書を一カ所(例えばバインダーやフォルダ)にまとめ、表紙を添付し、所 有者、操業者、または施設の担当代理業者が表紙に署名し、署名した日付を記入してもよい。しかし ながら、FSP を、複数の文書の形で施設の複数の場所に保管してもよいため、もう一つの方法とし て、所有者、操業者、施設の担当代理業者が(例えば、目次のような)関連文書のリストに署名し、 日付を記入することでもよい。

1.7 食品安全計画はどのような場合に変更する必要があるのか?

FSP は、現在の危害分析、予防管理および該当する手順を反映した動的な文書である。少なくと も3 年ごとに FSP 全体を分析し直さなければならない。この再分析は、システムや設備を変更する 際、食品や施設に関連する潜在的な危害に関する新情報に気付いた際、不測の食品安全問題が発生し た際、または予防管理の組み合わせ、またはFSP それ自体が無効であることを発見した際に、その 都度、FSP の該当する部分に限定して行うことでもよい。CFR 第 21 巻 117.170 を参照。

1.8 参考資料

食品微生物基準全米諮問委員会(NACMCF)1998 年. 「危害分析および重要管理点原則およ び適用ガイドライン」。J Food Protect 61:1246-1259.

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ヒト向け食品の危害分析および

リスクに応じた予防管理:産業界向けのガイダンス案

1 本ガイダンス案は、内容が確定した時点で、このテーマに関する食品医薬品局(以下「FDA」また は「我々」)の現在の考え方を示すものとなります。これは、何らかの者に何らかの権利を設定する ものではなく、FDA または公衆を拘束しません。適用法令および規則の要件を満たすような代替的 アプローチが存在する場合には、それを採用しても構いません。代替的アプローチに関する相談は、 http://www.fda.gov/Food/GuidanceRegulation/FSMA/ucm459719.htm から入手可能な様式を提 出して、FDA のテクニカル・アシスタンス・ネットワークに問い合わせください。

2 章:危害分析の実施

目次

2.1 本章の目的 2.2 危害分析の概要 2.3 危害分析を行う前に推奨される活動 2.3.1 準備作業の実施 2.3.2 危害分析ワークシートの作成 2.4 危害分析の実施 2.4.1 潜在的な危害(材料関連の危害、プロセス関連の危害および環境から導入される可能性の ある危害)を特定する(危害の特定) 2.4.2 危害に予防管理が必要とされるかどうかを判断するために潜在的な危害を評価する(危害 評価) 2.4.2.1 重大度の評価 2.4.2.2 発生可能性の推定 2.4.2.2.1 アウトブレークから得たデータ 2.4.2.2.2 リコールから得たデータ 2.4.2.2.3 科学的文献に存在する情報 2.4.2.2.4 事業全体の過去情報 2.4.2.3. 調理済み食品が環境にさらされた場合に環境病原体を必ず評価する 2.4.2.4. 評価する要因 2.5 予防管理措置の特定 2.6 参考資料

2.1 本章の目的

本章が示すガイダンスは、皆さんがPCHF 要件に従って危害分析を行いやすくするためのもので ある。危害分析の結果にかかわらず、危害分析は書面にし、次の二つの要素を含めなければならない: (1) 危害の特定および(2)危害評価。皆さんは、経験、疾病データ、科学的報告書その他の情報に基 づき、皆さんの施設で製造・加工、梱包または保管されるそれぞれの種類の食品ごとに既知のまたは 合理的に予見可能な危害を特定し、評価するための危害分析を行い、予防管理が必要とされる危害が 1 本ガイダンスは、米国食品医薬品局の食品安全・応用栄養センター内にある食品安全局により作成された。

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存在するかどうかを判断する。CFR 第 21 巻 117.130 を参照。

2.2 危害分析の概要

パート117 は、「危害分析」という用語を定義していない。Food Safety Preventive Controls Alliance(FSPCA)によって開発された「危害分析」の定義については、囲み 2-1 を参照。 囲み2-1. 「危害分析」の定義 危害分析 危害と、危害の発生につながる状況に関する情報を収集、評価し、食品安全上どの危害が重要 であるかを決定するプロセスであり、したがってHACCP 計画または食品安全計画(FSP)で 扱うべきである。

Food Safety Preventive Controls Alliance(食品安全予防管理同盟)

本節では、危害分析にかかわる各段階について案内する。PCHF 要件では、危害分析を行う際に 「危害分析ワークシート」を使うよう指定していはいない。しかしながら、こうしたワークシートを 使った方が便利な場合もある。本ガイダンスの付録2 の様式 2-B および本章の囲み 2-3 を参照。 PCHF 要件では、危害分析を行う際に特定の様式を使うよう指定していない。皆さんの危害分析 に危害特定と危害評価の要素が含まれてさえいれば、我々が本ガイダンスにおいて提示する(書面を 用いることを含む)危害分析ワークシート以外の様式を使ってもよい。 適切な予防管理を決定するために危害分析を利用する。危害分析の結果が、意思決定の根拠となる はずである。食品安全危害と管理が本質的に同じであるような製品をグループ化し、一つの危害分析 ワークシートで扱ってもよいものの、製品やプロセスの違いを明記すべきである。FSP を再分析ま たは変更する際に書面による危害分析を参照する必要がある点、また、皆さんが特定の危害を FSP に含めまたは含めていない理由について検査官や監査人に質問された場合に貴重な資料になり得る 点に注意したい。 危害分析は、安全な食品を提供するために適用される最も重要な管理に資源を集中させるために役 に立つ。危害分析を正しく行わず、食品安全計画中において、予防管理が必要とされるような危害の 全てを特定していない場合、皆さんの施設がその計画をどれほど順守しようとも、その食品安全計画 には消費者を十分に防護する効果がない。食品材料、完成品および使われているプロセスに関連する 生物学的、化学的(放射線学的なものを含む)および物理的危害を適切に分析するためには、良好な 判断力、原料/他の材料と製造工程の特性に関する詳細な知識および適切な科学的専門知識を利用で きる環境が必要になる。

2.3 危害分析を行う前に推奨される活動

PCHF 要件により強制されるものではないものの、危害分析をまとめ、文書化するための有用な 枠組みとして、皆さんが一定の準備作業を行い、危害分析ワークシートを作成すること望ましい。

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. 2.3.1 準備作業の実施 囲み2-2. 準備作業 1. 食品安全チームを編成する。 2. 製品、その流通、想定している用途および製品の消費者またはエンドユーザーについて説明す る 。 3. プロセスフロー図を作成し、それを現場で検証する 。 4. そのプロセスについて説明する 。 皆さんの書面による危害分析は、食品安全計画の一部であり、1 人または複数の予防管理適格者が これを作成またはその作成を監督しなければならない(CFR 第 21 巻 117.126(a)(2))。PCHF 要件に より強制されるものではないものの、皆さんの施設の日常業務に関する専門知識を有する個人で構成 される食品安全チームにより、予防管理適格者の監督下で危害分析を行うことが望ましい。これらの 個人には、生産、衛生、品質管理、試験所および保守管理部門の人員を含めてもよい。施設の多様な 部門の人々を用いることは、問題が生じかねないプロセスや事物について完全に理解する助けになる。 皆さんは、(該当する場合には)研究開発(R&D)、技術的応用グループおよび品質管理部門などの 社内の他の非現場部門から、また、大学、大学のエクステンションサービス部門、産業団体、民間コ ンサルティング会社または他の組織から有能な技術専門家を登用することで食品安全チームの専門 性を補完することもできる。 食品安全チームが効果的に機能するかどうかは、皆さんが評価し、チームに提供する施設および食 品の情報の質および完全性に影響される。そのため、皆さんの食品安全チームが危害分析を行うため には、皆さんの施設に関する次の事項を詳細に定義し、文書化することが望ましい: • 製品の説明(その流通、想定している用途および消費者またはエンドユーザーの特定を含む)、 • プロセスフロー図、および • プロセスフロー図を補足するためのプロセスの詳細な説明。 製品の説明と、製品をどのように流通させるかを説明することは、流通する間に温度管理が必要と されるかなど、製品の、食品安全に影響を及ぼす可能性のある要素についてチームメンバーが理解す る役に立つ。こうした説明には、調理済み(RTE)か、冷凍かなどの記述を含む最終製品の完全な 名称、包装の種類と材質、ならびに保管および流通に関する詳細な情報を含めるべきである。消費者 による製品の使用方法(例えば、消費する前にさらに加工(調理)する必要性など)を理解し、製品 について想定している消費者(例えば、その食品が一般公衆を対象とするものなのか、それとも乳幼 児(例えば乳児用粉ミルクの場合)、高齢者(例えば老人介護施設向けに製造される食品の場合)ま たは免疫不全の人々(例えば病院向けに製造される食品)など、危害への感受性が高い(危害による 悪影響を受けやすい)特別な層を想定しているのかなど)を知ることは、特に懸念される危害を特定 し、管理および検証活動をさらに厳格にする必要性を特定する役に立つ。 プロセスフロー図の目的は、受領する段階から流通する段階に「流れる」過程で食品と食品に関連 する材料の加工の各段階について明瞭かつ簡潔に説明するためである。プロセスフロー図は、製品の それぞれの原料その他の材料の受領および貯蔵段階、製品の調製、加工、包装、保管および流通を含 め、その施設が実施する加工のあらゆる段階をカバーするものでなければならない。さらに、プロセ スフロー図は、操業中に使われる機器(例えば、ポンプ、サージタンク、ホッパー、フィラーなど) を特定できるようなものとすべきである。正確なプロセスフロー図は、危害分析において評価しなけ ればならない各段階について特定する役に立つため、そうした図は、その組織の食品安全計画の重要 な要素を示す効果的な様式となる。見過ごされている段階がないか確認するために、プロセスフロー 図を現場で検証するべきである。

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. プロセスを詳細に記述する目的は、プロセスの各段階で何が起こるかを説明するためである。危害 分析を正確に行う上で、加工中に食品が周囲温度にさらされてよい時間の限度、食品を手で触れてい るかおよび再生品が製品に組み込まれているかなどに関する情報が重要になる可能性がある。 2.3.2 危害分析ワークシートの作成 食品安全チームを編成し、皆さんが危害分析に使う情報を収集する段階に入れば、危害分析をまと めるための文書を用意することが望ましい。本ガイダンスでは、HACCP システムで使われる「危害 分析ワークシート」を危害分析に応用する方法について説明する。本章の本節では、このワークシー トを作成する方法について説明する(FSPCA で使われている様式を応用した様式を示す囲み 2-3 を 参照)。本章の次節では、皆さんがワークシートを効果的に利用し、分析を進める上で役に立つ詳細 情報を示す。 • 第1 列:ここでは、(1)材料に関連する危害を特定する手段として、プロセスで使われる材料の受 領(一部の材料を、例えば「香辛料」としてまとめてもよい)と(2)各加工段階、を一覧にする。 準備作業で作成することを推奨するプロセスフロー図(囲み2-2 を参照)は、危害分析に含める べき加工段階を特定する役に立つ。 • 第2 列:ここでは、危害特定の結果、すなわち、この段階で導入され、管理されまたは悪化する 可能性のある食品安全危害(既知のまたは合理的に予見可能な危害)を一覧にする。材料に関連 する危害、プロセス関連の危害および環境から導入される可能性のある危害の一切が含まれる。 • 第3 列:ここでは、危害評価の結論、すなわち、一覧にした食品安全危害が予防管理を必要とす るものであるかどうかの判断(はい、またはいいえ)を記録する。 • 第4 列:ここでは、危害評価の結論(すなわち第 3 列で一覧になっている、はい/いいえ の選 択)に至った理由を記録する。「いいえ」を選択した場合でも、「はい」を選択した場合と同様、 その理由について説明することが重要である。危害分析に関する設問に詳細かつ手際よく回答す るには、(施設にとっての潜在的な危害であると実際にみなすべきであるかどうかをめぐって意 見の大きな対立が存在する要因はもとより)予防管理が必要ではないことが明瞭なものをも含む 一部の潜在的な危害を第2 列に列挙し、「いいえ」を選択した理由について説明するという慎重 なアプローチを取ることが有益な場合がある。これは、皆さんが食品安全計画を独自に見直す際 にも、例えば、特定の危害を考慮したかどうかについて検査官または監査人から質問を受けた場 合など、他者が食品安全計画をチェックする際にも役に立つ。 • 第5 列:ここでは、予防管理が必要とされる旨特定された(第 3 列で「はい」を選択した)危害 について、食品安全危害(例えば、プロセス、アレルゲン、衛生、サプライチェーンなど)を著 しく最小限化または防止するような予防管理を示す。 • 第6 列:ワークシートにより生産工程を複数の段階に分解され、また、予防管理は、プロセス中 の危害を列挙した以外の段階にも適用してよいため、それぞれの特定の段階について予防管理を 適用するかどうか(はい/いいえ)を選択する。ある加工段階について、予防管理が必要とされ るような危害が特定されても、必ずしもその加工段階においてその危害を管理しなければならな いわけではない点に注意することが重要である。

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. 囲み2-3. 危害分析ワークシートの例(付録 2 の様式 2-B も参照)2 (1) 材 料 / 加工 段階 (2) この段階で導入さ れ、管理されまたは 悪化するような 潜 在的食品安全危害を 特定する B = 生物学的 C = 化学的(放射線学 的なものを含む) P = 物理的 (3) 予防管理が必要と されるような潜在 的な食品安全危害 は存在するか? (はい/いいえ) (4) 第3 列にお ける選択の 根拠 (5) 食品安全危害を著しく 最小限化または防ぐた めに適用できる予防管 理措置(複数可) プロセスには CCP、アレルゲン、 衛生、供給業者、 その他の予防管理が含 まれる (6) こ の 段 階 に 予 防 管 理を適用するか? (はい/いいえ)

2.4 危害分析の実施

2.4.1 潜在的な危害(原材料関連の危害、プロセス関連の危害および環境から導入される可能性のあ る危害)を特定する(危害の特定) CFR 第 21 巻 117.130(b)を参照。 食品またはプロセスに関連する可能性のある危害(「既知のまたは合理的に予見可能な危害」)を特 定する作業は、生物学的、化学的および物理的危害のリストを作成するためのブレーンストーミング から始めることが望ましい。このプロセスを進める中で次の点について検討する: ・ 製品の説明、想定している用途および流通に関する情報。 ・ 最終製品に関連して危害が発生する可能性を判定する材料となる工場内での経験。これには、製 品の試験結果、消費者の苦情または汚染に関連する可能性のある施設の状況、機能および設計に 関する施設職員の知識から得られた情報を含めてもよい。

2 FSPCA から入手した「ヒト向け食品の FSPCA 予防管理研修カリキュラム、初版 - 2016 年」の様式をもとに作成した。FSPCA の 2016

年の様式には、「はい」と「いいえ」を選択するため専用の列を設け、また、各段階において生物学的、化学的および物理的危害(そ れぞれ B、C および P で表示)に独立した行を設けるなど、本ガイダンスのリストにはないいくつかの特徴がある。(様式が変更され た場合にはそれ以降のバージョンを含む)FSPCA の様式は、FSPCA のウェブサイト

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. ・ 製品に使われる原料および材料。特定の種類の食品に関連することがわかっている食品アレルゲ ン危害または病原体などの危害が製品の配合中に導入される場合がある。例えば、マヨネーズに は、食品アレルゲンである卵が配合されるため、食品表示に「卵」を含めなければならず、マヨ ネーズが、施設におけるアレルゲン交差接触の源になる場合がある。 ・ 製造工程のそれぞれの段階で実施する活動。一部のプロセスでは危害が導入される場合がある (例えば、切断刃の破損により金属片が混入される場合、ガラス容器の破損によりガラスの破片 が混入される場合、冷却が不十分なために少数であった微生物病原体が増えた場合)。 ・ 製品の製造に使われる機器。例えば、他の機器よりも清掃するのが困難であるまたは損傷しやす い機器が存在するため、(例えば生物学的または物理的)危害が食品に導入されるリスクを高め る場合がある。 ・ 包装および包装資材の種類。例えば、保存期間を伸ばすために使われる低酸素包装(ポテトサラ ダにスナップ蓋付きのプラスチック容器を利用する場合など)が、ボツリヌス菌(C. botulinum) の増殖に有利な環境をもたらす場合もある。 ・ 衛生慣行。危害を特定する際に加工施設内の衛生状態(例えば機器や加工環境の清潔度)や従業 員の衛生状態を考慮するべきである。機器の清掃が困難な場合、現場に病原体が生息する結果に なりかねない。食品アレルゲンが異なる食品を同一ラインで生産した場合、アレルゲンの交差接 触を引き起こしかねない。 ・ 外部情報。情報源には、科学論文、疫学研究(例えば、製品に関連する材料またはプロセスに関 連する過去のアウトブレークから得られたデータ)、政府または産業界の該当する食品安全ガイ ダンス文書から得られた情報および類似製品(があれば、そ)の過去データが含まれる可能性が ある。 食品安全チームは、全ての関連情報を確認した後に、フロー図で説明した各段階で導入され、(例 えば病原体の増殖により)増大しまたは管理される生物学的、化学的および物理的危害のリストを作 成すればよい。それを危害分析ワークシートの第2 列に入力する。 潜在的な危害を特定する際には、本ガイダンスの第3 章と付録 1 を参考にすることが望ましい。 本ガイダンスの第3 章では生物学的、化学的および物理的危害の確認について、また、本ガイダンス の付録 1 では材料に関連する潜在的危害およびプロセス関連の潜在的危害について説明する表を示 している。第3 章と付録 1 で示した危害のリストは、食品施設または食品に関連する潜在的危害を 網羅したものではない。皆さんには、自社のプロセスまたは製品に関連する可能性のある危害が第3 章に列挙されていないものであっても、それを特定する責任がある。 次の質問リストが、危害特定手順中に役立つ可能性がある。我々は、食品微生物基準全米諮問委員 会の発行する危害分析および重要管理点原則および適用ガイダンスをもとにこのリストを作成した。 潜在的な危害を特定しようとする際に質問することを考慮すべき事項の例 1. 材料 a. 微生物学的危害、化学的危害または物理的危害となり得る材料が食品に含まれている か? b. 製造工程のいずれかの時点で使われている水は全て適切な品質基準のものか? c. 原材料の供給源はどこか(地域、個々の供給業者の詳細情報)? 2. 内因子 - 加工中および加工後の製品の物理的特性および組成 a. 食品の組成が管理されなかった場合にどのような危害が生ずるか? b. その食品は、製造工程または流通/保管のその後の段階において病原体の生存または 増殖およびまたは毒素の形成を許しまたは促進するような種類のものか? c. 類似の製品が既に市場に存在するか?また、存在した場合、そうした製品と関連する 危害はどれか?そうした製品の食品安全記録はどれか? 3. 加工手順

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Copyrights (C) 2017 JETRO. All rights researved. a. そのプロセスには、病原体を破壊するような管理可能な加工段階が含まれているか? 含まれている場合、どの病原体を対象とするものか?栄養細胞だけでなく、胞子も考 慮する(胞子は、一般に対応する栄養細胞よりも不活性化処理への耐性がある)。 b. その製品は、加工から包装されるまでの間に再汚染に遭いやすいか?再汚染に遭いや すいとすれば、そのプロセスの環境に付随する可能性のあるものとして、どのような 生物学的、化学的(放射線学的なものを含む)または物理的危害が存在するか? 4. 食品の微生物含有量 a. 食品の基準微生物含有量はどの程度か? b. 消費されるまでの食品の通常の保管期間中に微生物群が変化するか? c. 微生物群の変化が、食品の安全に影響するか? d. 上記の質問への回答に基づき、生物学的危害の発生可能性は著しいか? 5. 施設の設計 a. 食品安全上、RTE 食品から原料を適切に分離する必要がある場合、施設の配置はそ れに適したものになっているか?適していない場合、RTE 製品を汚染しかねない危 害とは何か? b. 製品包装エリアの空気圧は正圧になっているか?それは製品安全上必要なものか? c. 人と移動機器の移動パターンは重大な汚染源とはなっていないか? 6. 機器の設計および使用方法 a. 機器は、安全な製品を確保するために必要な時間・温度管理を実行しているか? b. 性能の違いは、安全な製品を生産するのに必要な許容範囲内に収まるよう機器を十分 に制御することが可能か? c. 機器に信頼性があり、適切に修理され、良好な状態に維持されているか? d. その機器は清掃しやすく、殺菌されているか? e. 機器の部品が、製品を汚染し、それによって物理的危害が導入されるおそれはない か? f. 物理的な危害が製品を汚染する可能性を管理するためにどのような製品安全装置が 使われているか?安全装置の例として、次のものが考えられる: 金属探知機、磁石、 シフター、フィルター、スクリーン、温度計、骨除去装置、屑探知器 g. 異なる製品の同じ機器を利用するために、アレルゲン手順書が必要か? 7. 包装 a. 包装方法は、微生物病原体の増殖速度およびまたは毒素の形成速度に影響していない か? b. 安全上必要な場合、例えば「要冷蔵」など、適切に保管するための注意点を包装に明 示しているか? c. エンドユーザーが食品を安全に取扱い、調理するための説明を包装に表示している か? d. 包装材料には損傷への耐性があり、包装後の微生物汚染を防ぐのに効果的か? e. 不正開封防止包装が使われているか? f. 包装と容器にコードが正確に、また読みやすい形で割り当てられているか? g. それぞれの包装の食品表示は適切か? h. 食品表示の材料の一覧にアレルゲンとなる材料が記載されているか? 8. 従業員の健康、衛生および教育 a. 従業員の健康または個人衛生習慣が、加工されている食品の安全に影響するか、また、 どのような形(複数可)で影響するのか? b. そのプロセスと、安全な食品が調製されるよう確保するために管理しなければならな い要因について従業員は理解しているか? c. 食品安全に影響しかねない問題があった場合、従業員が経営陣に報告しているか?

表 3-A  病原体が増殖する条件の制限    病原体  a w 最小値  (塩を使用) 最小  pH  最大 pH  水相塩 最大値 (%)  最低温度  最高温度  酸素必要量  セレウス菌 0.92  4.3  9.3  10  39.2  ° F  4  ° C  131  ° F  155 °C  通性  嫌気性細菌 4 カンピロバクタ ー-ジェジュニ  0.987  4.9  9.5  1.7  86  ° F  30  ° C  113  ° F 45 °C  微好気性細菌 2 ボツリヌス菌
表 3-B 食品中の病原体の増殖および毒素形成を管理するための時間および温度に関するガ イダンス    潜在的に有害な状態  製品温度  最大累積露出時間  セレウス菌 の増殖および毒素形成    39.2-43  ° F(4-6  ° C)  44-59  ° F(7-15  ° C)  60-70  ° F(16-21  ° C)    70  ° F ( 21  ° C )超     5 日間   1日   6時間 3時間    カンピロバクター・ジェジュニ  の増殖    86-93  ° F(30
表 3-C は、表 3-B に由来するクイックレファレンスガイドである:    表 3-C  食品中の病原体の増殖および毒素形成を管理するための時間および温度に関するガ イダンスのクイックレファレンスガイド(50゚F (10゚C)超 135 ゚ F (57.2 ゚ C)未満の内部温 度用)    食品の種類  食品を保管する  内部温度 露出時間の限度  または、  懸念される病原体が黄色ブドウ球菌 (S
表 3-D  リステリア菌の不活化    製品内部温度(゚F)  製品内部温度(゚C)  致死率  6D 工程の時間(分)  145    63    0.117    17.0    147    64    0.158    12.7    149    65    0.215    9.3    151  66    66  0.293  6.8  153    67    0.398    5.0    154    68    0.541    3.7    156  69  0.736  2.7
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