地方行政官僚制における組織変革の社会学的研究
著者 田中 豊治
学位授与大学 東洋大学
取得学位 博士
学位の分野 社会学
報告番号 乙第72号
学位授与年月日 1993‑10‑18
URL http://id.nii.ac.jp/1060/00004035/
地方 行政官 僚制 におけ る組 織変革 の社 会学 的研究
( 主 論 文 )
目 次
第1 部 地 方 行 政組 織論 へ の基 本的 視 座… … … …… … …… … … …… … … …… … … …1 第1 章 新 し い 自治 体組 織 のデ ザ イン… … … …… … … … …… …… … … …… … … … !
第2 章 地 方 行政官 僚制 の 6
第1 節 官 僚制 化 をめ ぐ る 諸問 題 6 第2 章 脱官 僚制化 を めぐ る 諸問 題 9 第3 節 地 方 行政 官 僚制 組 織 へ の立 場 n
n )基 本 的視 点 (2 )「改 革 」「変 革 」 こ
変動」と ̄
変 革 主体. (3 )「国 家行 政官 僚制 」と ″
地方 行 政官 僚制」 (
社)理 論 的 根拠
第3 章 行政 組織 モ デ ル の流 れ…… … … …… … … … …… … … …… … …… … …… …26 第
工
節 官 僚制 組 織(合理 的 近 代官 僚制 モ デ ル) 29
第2 節 動態 的 組織(マ ド ヤ ソクス型 組 織モ デ ル
) 31
第3 節 開 放 型組 織(ネ ット ワ ーク型 組 織モ デル) 32
第 社章 行政 組 織 の環 境 適 応 …… … …… … …… …… …… … … …… … … …… … … …38 第
工
節 オ ーブ ン ・ シ ステ ム ・モ デ ル と統 合的 コ ンティンジ ェ ン シ ー理論 … …38
第2 節 ネ ット ワ ー ク型 行 政組 織 へ の動 向 43第5 章 行 政組 織 変革 のた め の戦 略 的 変革 論… … … … …… … … … …… … …… … … 銘 第 上節 問題 関 心 の 所 在 48
第2 節 基本 的 分 析枠 組 の 設定 49
第6 章 行 政組 織 の戦 略 的 活 性化 … … …… … … …… … …… … … …… … ……57 第 工節 組織 変革 の 現状 と 課 題 57
第2 節 意識 変革 の現 状 と 課題 59 に )動機 づ け (2 )能 力 開 発
第3 節 情報 変 革 の 現 状 と課 題 第 礼節 地 域 変革 の 現 状 と課題 第 マ章 住民 参 加型 行 政組 織 へ の
63
DO
第n 部 行政 組 織 変 革過 程 の 動態 的 分 析… … …… … … …… … … …… … … ……79 第 工章 行政 環境 の変 化 と地 方 行 政組 織 の変 革 … … …… … …… … …… …… …… …79
第 工節 基 本的 な 分 析枠組 79
第2 節 地 方 行政 組 織変 革 の 歴 史的 沿 革 QO
(L) 第1 段階( 昭和20 年 代)(2) 第2 段 階( 昭 和30 年 代) (3) 第3 段 階( 昭和40 年 代)(4) 第4 段 階( 昭 和50 年 代) (5) 第5 段 階( 昭和GO 年 代〜 現 代)
第3 節 自治 体を と り まく 地 域 環境 条 件 の変 化 95
(1) 地 域社 会構造 の変 動(2) 生 活環 境 の変 化(3) 住民 意識 の変 容 第4 節 住民 ニ ー ズの形 成 か ら 行 政 サ ービ ス の要 求 へ 107
(1) 行政 需 要 の増 大 (2) 職 員数 の 増 加 (3) 職務 能力 の高 度化 (4) 予 算配 分 の 公 平化
第5 節 自 治 体に お け る内 部 環 境 条件 の 変 化 118
(1) 財 政 の硬 直 化(2) セ ク ショ ナリ ズム の醸 成(3) モ ラ ー ル の停 滞 (4) コ ミュ ニ ケ ーショ ンの 不 徹底
第2 章 動態 的組 織 と 組織 変 革 … …… … … …… … … …… … … …… … … ……131 第 工節 動 態的 組 織 の 導 入 131
(1) 新し い 行政 組 織 の考 え 方(2) 流 動的 活 動 体 制 と主 管者 制 度 (3) 組織 動 態 化 の変 遷 過 程
第2 節 組織 変 革 の ダ イナミ ズム 一 事例 分 析一 150
け)三 鷹市(2) 甲 府 市(3) 唐津 市(4) 高 山 市(5) 旭川 市(6) 日立 市 (7) 岐 阜市(8) 山 形 市(9) 米沢 市(10) 名 古屋 市
第3 節 組 織 変革 の類型 化 179
(1) 変 革 の時 期(2) 政 治状 況(3) 変 革 の 動機(4) 変 革 の対 象 (5) 変革 の主 体 者(6) 変革 過程(7) 変 革 の 条件(8) 新 し い問 題点 第 礼節 流 動的 活 動 体 制 の現 状 200
第3 章 組織 変 革 過程 の現 実 分 析… … … … …… … … … …… … … …… … … ……205 一山形 市 役所 の事 例 を 中心 に ー
はじ めに 205
第 工節 機構 改 革 と 職 員意 識 206 ( い 機 構 改 革 過程( 企 画 調整 部を 中心 に) (2) 機 構 改 革に 対 す る 階層 別 職員 意識 の対 応
2
(3 )機 構改 革 に 伴う 混 乱 の要 約 第2 節 職制 改 革 と 職員 意識 221
に )階層 短 縮( 課長 補 佐制 の 廃止 )
(2 )職制 改 革 に対 す る 階 層別 職 員 意 識 の対応
(3 )職制 改 革 に 伴う 混乱 の要 約
第3 節 組織 変 革 の 困難 性 の 要 因 分 析 235
(1 )変 革主 体 者 間 の利 害 対 立 (2)仕 事 忌避 性 (3)地 位過 敏 性 (4)比較 妄 想性 (5 )長 期的 変 革 計画 の欠 如 (6)組 織 風 土
第4 章 官 僚制組 織 変 革 の実 態 分 析… … … …… … … … …… … …… … … …… … ……247 づ
はじ め に 247
第I 節 組織 変 革 の史 的 ダ イ ナミ ズ ム 247
(1 ) 第L 欠機 構改 革 (2 ) 第i 次機 構改 革 (3 )組 織 の 今 日的 状況 第2 節 組織 変 革 に 伴う 職 員 意識 の 対 応 と変 化 261
(I ) ア ンケ ート 調 査 の 目的 ・ 対 象 ・ 方法 (2 )組 織 運営 に 関 す る設 問 O ) コミ ニニ ケ ーシ ョ ンに 関 す る設 問 (4 ) モラ ールに 関 す る 設問 第3 節 組織 変 革 にお け る 問 題点 の考 察 282
(1 ) 職員 意 識 の3 つ の分 類 化 (2 ) 正 機能 の 顕 在化 と モ ラ ール の向 上
(3) 逆機 能 の 顕在 化 と組 織 運 営 の 混乱 (4 )潜 在的 正 機 能 とコ ミュ ニ ケー ショ ン の不変 化 (5 ) 潜 在的 逆 機能 と若 干 の考 察
お わ りに 303
第5 章 官 僚制 組織 と職 員 意識 と の相 関分 析…… … … …… … … …… … …… … … ……313 第 工節 作業 仮説 の設 定 313
第2 節 官 僚制 組 織 に おけ る 構 造 的 矛盾 315
(1)内 部 環境 に お ける 矛 盾 関 係 (2)外 部 環境 と の矛 盾関 係
第3 節 組織 変 革 の問 題点 − とく に 主管 者 制 度 の主 幹 職を 中 心 に − 323 に )職務上 の問 題 (2)処 遇 上 の問題 (3 職位 上 の問 題
第4 節 組織 と 人 間 の媒 介 項‐ 地 位志 向性 を めぐ っ て − 330 第5 節 官 僚制 組織 と官 僚的 性 格 335
(D 権威 ヒ エ ラ ルヒ ーの構 築 と ア イデ ンテ ィ ティ ーの探 求
(2 )組 織 の官 僚制化 の理 論 モ デル
第6 章 組織 変 革論 の試論 的 考 察 …… … … … …… … … … …… … … … …… … … …… …343 第 工節 組 織 変革 過程 の分 析モ デ ル 343
第2 節 変革 力 の 概念 構成 352
第3 節 変 革 過程 にお ける 推 進 力 と 抵抗 力 の 措抗 関 係 355 第 斗節 組織 変革 の問題 点 363
に )推 進力 要 因 と 成 否の 条 件 (2 )組 織 変 革 の 有効 性
(3 )抵 抗力 要 因 と 官 僚制 組織 の社 会性
第7 章 ま とめ と 今後 の 展望 〜 関係 性 の変 革 − 376
第m 部 住民 参加 と開 放型 行 政組 織 の 構 築に 向 け て …… … … …… … … … …… … … ……383 ばじ め に 383
第 工章 地 域社 会 の 変 化と 行政 組 織 の対 応 … … … …… … … … …… … … …… … ………384 第I 節 地 域社 会と組 織的 対 応 の考 え 方 384
第2 節 地域 社 会 と組 織的 対 応 の 現 状と 課題 銘5 第 日節 地 域 社 会 と組 織的 対 応 の今 後 の 方向 387
(1) 公開 の原 則 (2) 地 域 会議 方 式 へ の 試 み (3) 職員 へ の 期 待 第4 節 地域 社 会 に開 か れ た 行政 組織 一 住民 参加 と組 織 開 放− 390
第2 章 住民 と 行政 と の新 し い接 点 … …… … … …… … … … …… … …… … … …397 第1 節 コミ ニ ニ テ ィ組織 づく り の展開 397
(1) コ ミュ ニ テ ィ 施策 の 動 向 (2) 将 来 の 組織 的 対応 第2 節 コ ミュ ニ ティ 組 織 モ デ ル の検 討 400
第3 節 に地域 会 議 」モ デ ル の 設立 404 第3 章 行 政 サ ービ ス と施 設 の ネ ッ
第 工節 施設 のネ ット ワ ー クの 考え 方 408 第2 節 地 域内 公 共 施設 のネ ット ワ ー ク化 409
(1 ) 施設 の 開 放化 (2 )施 設 の 複合 化 (3 )施 設 の体系 化 第3 節 地 域 内組 織 の ネ ット ワ ー ク化 413
第 礼節 コ ミュ ニ テ ィ 施設 のネ ット ワ ー ク化 415
第 心章 地 区 ネ ット ワ ー クセ ン タ ーと し て の支 所 ・出張 所 … … …… … … ……419
4
第1 節 本庁 一 支所 ・ 出張 所 の 現 状 と課 題 419
(I ) 職務 (2 )組 織機 構 (3 )住民 対 応 (4 )職 員意 識 (5 ) 位置づ け 第2 節 支所 ・ 出張 所 の 今後 の方 向 421
第3 節 出張 所 イ メ ージ の変 遷 422 第4 節 出張 所 を めぐ る 諸問 題 425 第5 節 出張 所 の新 し い 機能 的 自律性 427
第5 章 開 放型 行 政 組織 へ の 活性 化 … …… … … … …… … … …… … … …… … …… … …431 第 工節 ハイブ リ ッド 的 発 想 へ の転 換 431
第2 節 組織 レ ベ ル にお け る 組織 開 発 433
(1) 地域 担 当制 (2) コ ミュ ニ テ ィ ・ ワ ー クシ ョ ップ 型研 修 第3 節 集 団レ ベ ル にお け る 職 場開 発 436
第4 節 個人 レベ ル に おけ る 能 力開 発 438
第6 章 地域 社 会全 体の 活性 化 … …… … … …… … … …… … … …… … …… … ……443 第 工節 行政 施策 の 動 向 443
第2 節 将来 の組 織 的対 応 444
第3 節 まち づく リ シ ステ ム のC I 戦 略 446 第 礼節 まち づく リ セ ン タ ーの 構 想 450
第7 章 行政 のプ ロ フ ェ ッ ショ ン とし ての 専 門 職制 度 の 導 入… … …… … … …… … …455 はじ め に 455
第 工節 新し い 職 員像 の探 求 455 第2 節 資格 取得 の時 代 457
第3 節 行政 職 にお け る 新し い 職種 460
第4 節 行政 のプ ロ フ ェ ッ ショ ンを めぐ る 問 題点 462 に ) スペ シャ リ スト の存 在 と 役割 の 必 要性
(2 ) スペ シャ リ スト の位 置 づけ ( 地 位 関 係 ) の明 確化
(3 ) スペ シャ リ スト の処 遇
第5 節 まち づく り の専 門家 と組 織 づく り 467 第8 章 まち づく リ シ ステ ム と 行政 のプ ロ フ ェ ツシ ョ ン
は じ めに 470
第 工節 職 員 の自主 的 政 策 研究 の背 後 にあ る も の 470
470
∩ ) 現代 自 治 体 に期 待さ れ てい るも のの 変 容
(2 ) 外部 環境 から の 行 政ニ ーズ の変 容
(3 ) 内部 環境 のと り わけ 職員 意 識の 変 容 第2 節 管理 職志 向型 か ら 専 門 職志 向 型 へ 473 第3 節 職 員研 修 と 能力 開 発 476
第 斗節 まち づく り と ソフ ト なプ ロ フ ェ ッ ショ ン 478
第5 節 まち づ く リプ ロ フ ェ ッ ショ ン の サポ ート シ ステ ム 480
に )新 し い 人 事管理 シ ステ ム の検 討 (2 )新し い組織 管 理 シス テム の検 討 お わり に 483
第9 章 自 治 体行 政 組織 の新 展開 … … … …… … … … …… … …… … … … …… … … ……486 第I 節 国 際 社 会 と開 放 型 社 会 486
第2 節 開 放 型 社 会 と ネット ワ ー ク型組 織 489 第3 節 開 放 型 職 員と 行政 のプ ロ フェ ッ ショ ン 4 肘
第IV部 本研 究 の学 問 第1 章 研 究テ ーマ の現 代
第 社章 今後 の課 題 と
494
515 520
523 第2 章 研 究テ ーマ の理 論 的 意義 …… … … … …… … … …… … … …… … … ……505
第I 節 行政 官 僚制論 か ら 行 政組 織 論 へ 505 第2 節 官 僚制 組 織 から 脱 官 僚制 組織 へ 507 第3 章 研 究テ ーマ の 実践 的
引 用 ・ 参 考 文 献
‑6
第1 部 地 方 行 政 組 織 論 へ の 基 本 的 視 座
第1 部 地 方 行政 組織 論 へ の基 本 的 視 座
第1 章 新し い 自 治 体組織 のデ ザ イ ン
本章 で は まず 、 環境 変 動 と 自 治 体組織 と の対応 関 係 に お いて 、 一 体 何か ど のよ う に変 わ りつ つあ る のか と い う時 代的 状 況 認 識 から 考 察 し てい き た い。
最近 の わ が国 に おけ る 自 治 体 を とり まく 国 際 的 ・国 内 的 ・地 域 社 会的 な 環境 状 況 の変 化 は 、 極め て ダ イナ ミ ッ クか つド ラ ステ ィ ッ ク であ る 。 例え ば 、貿 易 摩擦 の 激 化、 労 働 市場 の開 放、 海 外 渡航 者 一千 万 人 時 代 、 食糧 ・ 人 口 ・ 自然 環境 問 題、 あ る い は自 由化 ・情 報化
・国 際 化・ 高 齢化 問 題 な ど。 極 め て多 種多 様 な問 題 群 が 発生 し て いる 。こ れら の 諸課 題 は 、 ワ ールド ワ イド ・ ボー ダーレ ス化時 代 社 会にあ っ て、 あら ゆる 自 治 体に共 通 し たテ ーマ に なっ て いる 。 小さ な まち の地 域 単 位 の行 政 課 題 が 、実 は国 際 的問 題 に まで連 環し てい る と いう 普通 妥 当性 をも つ 。 まち か ど のさ さ い な ゴミ 処 理 問題 が、 地 域環 境 の破 壊 か 自然 環 境 の保 護 か と いっ た国 際 会議 のテ ーマ に まで 発展し て いく と いう 拡 がり と深 まり と 高 まり と を 見せ て い る。 町 内 会 の一 員 とし て の言動 が 、「 地球 人 とし てど う考 え 、 ど う生 き てい < の かJ と い う 世 界性 の 次元 へ と連 結 さ れ て いる の であ る(1)。[ 図1 ‑1 ] の「 行政 に お け る位 相 の 拡が り 」 はこ の よ うな 展 開 図 を描 いたも ので あ る。
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・地 域 の 国 際 化
C図1‑lj 行 政 に お け る 位 相 の 拡 が り
1
二 つし た マ クロ な 観 点 か らも 、 自治 体 は否 応 な く 発想 転 換 の 不可 避 性 を 迫ら れて いる 。 端 的 に いえ ば 、 ロ ー カリ ズム ・ ア ーバニ ズム か ら グロ ーバリ ズム ・ ユ ニ バ ー サリ ズ ム ・ コ ス モ ポリ タリ ズ ムベ と 、 世 界・ 地球 ・ 人 類 ・ 宇宙 と いっ た あ り か た へ の対 応 、 方 向 転 換 であ る(2) 。 従っ て 、行 政 組 織も また 、 既 存 パラ ダ イム の一 大転 換期 を 迎 え 、 そ の 目的 や役 割 を 大 きく 自己 変 容し て い か ざる を え な い。 こ のよう な 変 化 の 流 れを 象 徴 的コ ン セプ ト で表 現 す る と 、 ドハ ード か ら ソフ ト へ 」 「 スト ッ ク型 から フ ロ ー型 へ 」 「同 質 から 異質 へj 「よ り 内 から よ り 外へ 」 にクロ ー ズド か ら オ ープ ン へ 」 と いっ た 新し い イ メー ジ
・ デ ザ イ ンに 集 約さ れる であ ろ う 。
二 二に いう 行 政組 織 と は 、 パブ リ ッ ク・ サ ービ ス 組織 体 であ り、 中央 省庁 はも ち ろ ん で あ る が 、こ 二で は とり わけ 住民 と行 政 と の接 点 で 、 第一 線 に 立ぢ 先 端 行 政 の役 割 を 担 う 地 方 自治 体組織 のあ り か た にフ ォ ーカ シ ン グし て いき たい 。
総 括 的 に いえ ば 、 自 治 体の 組織 目的 ( 存立 基 盤 ) は 、国 の立 法 に よ る法 律や 施策 の下 位 的 ・ 下 請的 執 行 機 関( 実施 機能 優 先 ) と いう 位置 づけ から 、徐 々 に で はあ る が 、国 際 社 会 の動 向 に多 大な 関心 を 払 い つ つ、 自ら の 地域 社 会に おけ る 総 合的 ・ 主体 的 ・ 実践 的 な 「 政 策官 庁 」 「 政策 執 行 機関 」 へ と 転 移し つ つあ る よ う に 思 わ れる 。 各 地 域社 会にお け る まち づく りや 都市 づ く り の た めの 卜政策 集 団 」 「 頭脳 集 団 」 、あ る い は 「プ ロ デ ュ ー ス型 行 政 を展 開 す る 頭脳 セ ン タ ー型 自 治 体 」(3) へ と 変 わっ て い る。 二の動 向 はお そ らく 、 今 日の 世 界的 激 動期 に あ っ て国 レ ベ ル の対 応 力 に一 定 の限 界が あ り、 中央 省庁 か ら の 一 方的 ・ 画 一的 な 指示 ・通 達 を待 っ てい て は 、 自治 体 とし て 十全 な 機能 を 発揮 し 得な い と いう 経験 的 内省 に 依 拠し てい る た め では な かろ う か 。
とり わけ1970年 代 の 構造 不 況以 来 、 自治 体 の サ バ イ バル 戦略 は 新 し い 行政 組 織 づ く りを さ まざ ま に 試 行し て き た。 自前 で独 自 の政 策 づく り を 通 し て 、「 何 か でき る の か 、 何 をな す べき か 」 が 切実 に問 い 直さ れ た。 良 か れ悪し か れ、 困 難 な地 域 振 興 の問 題 を 自 己 解 決 す るこ とに よ っ てし か 、 地 域 は再 生 でき な い。 そ の た めに 、 地 域を 担 い う る新 し い 主 体 者 ・ 主 人 公と し て の 自治 体 ・ 職 員の 能力 や資 質 を 問 わざ る を 得 なく な っ た 。 こ 二に い う 能力 と は 、例 え ば 、 住民 二 − ズ ヘ の応 答 能 力 、 経営 管理 能 力 、 利 害 調整 能 力 、 政策 立 案 能 力 、あ る い は紛 争 解 決能 力 な ど であ る 。 こ うし た責 任 能力 をも つ 当事者 とし て の「 自治 体経 営論 」(4
) 「地 方政 府 論 」「 政 府 間関 係 論 」(5) な ど が さら に検 討さ れる よ う に なっ て き た の で あ る。
「 政 策主 体 と し て の まち づく リ 型 自治 体 」 と は、 各 地 域経 済の 経 営主 体 と し て の責 任 と
役割 を遂 行 する こ とで あ る。 地 域 の 経営主 体 とは 、 各地 域 資 源 の 有効 活 用に 対 し て全 責 任 を 負う と いう 二と てあ る 。そ の 結 果 とし て の組 織 有 効性 とは 、 人 口増 加 や 所 得水 準の 向 上 な どが 地 域活 力 の判 断 基 準 とな ろ う 。逆 に 、 人 口減 少 、 過疎 化 の 進 行、 赤字 団 体 へ の転 落 な ど は、 企 業体 で いう 倒産 に 相 当す る 。 企業 体 で いう 製 品 開 発 こ そ 、 自治 体で い う 政策立 案 と 同義 語であ る 。 つ まり 自 治 体 は、 商品 と し て の地 域 産 業振 興 のた め の 公共 投 資事 業 や 都市 計 画な どを ト ータル に かつ 長 期 的 視野 か ら 整 備拡 充し て いく 、 そう し た 感 覚と 能力 と行 動 とを 役割 期 待 さ れて い る の であ る 。 とこ ろ が 、 自治 体 で は一 般 に 、 市場 メカ ニ ズ ムや 競 争 原理 は 働き に く い。 し かも 現 実 に は 、 不均 衡 発展 に 伴 う 地域 間 格差 や 自 治体 間 競 争が 激化し て いる 。 一 律平 等 主 義 や 格差 是 正 論 は 結果 的 に 画一 化 や没 個性 化
( ミ ニ 東京 化 な ど )を 生 み出し てき たと 批判 さ れて いる 。 そ こ で最 近 のCI 戦 略論 で は 、 む し ろ地 域 の 個性 発揮 をこ そ 強 調 する 。 ユニ ー クで オリ ジナ ルな まち づく り や むら お こし の発 想こ そ、 官 治型 行 政 によ る 中央 依 存的 体 質 か ら 脱却 の契 機 を付 与 す るも の であ る と い う 。 つ まり 政 府 ・ 財 界( 大企 業 ) 主 導型 から 、 あ る い は上 か ら 外 から の 外圧 的 誘 致型 か ら 、 内 発 的 に
よ る 統 合再 編 成 の 可否 は 、 自分 だ も の手 で 、 ま た地 域 住民 の組織 化 によ っ て 、 ど 二まで 耐 え てや れ る かに 依存し て い る。 こ う し 左地 域 内資 源の 活 用に 意欲的 ・ 積極 的 に取 組 む 自治
体 が増 大し てき た の であ る。
大切 な こ と は、 「 地域 経 済 の活 性 化 」(6) や まち づ く り そ のも の が究 極 的 目的 で はな く 、 そ れ を媒 介( 刺激 剤 ) とし た 住民 自 身 の活 性 化( 再 生 ) な ので あ る 。 住ん で み たい魅 力 的 な ま ちで 、 生 き生 き とし た住民 の日 々 の生 活 活 動 を通 し て 、 自己 実 現 や 自己充 実感 を 体現 でき る よ う に 創造 し てい く こ とで あ る 。 自治 体 は 各地 域 に お い ては 独 占体 であ る が 、 住民 が 地 域間 比 較 にお いて 、あ る特 定 地 域 を 自由 に 選択 し 、 定 住 意思 を 決定 す る と いう 傾 向が で て きた ( そ の メ ル クマ ール は 、 例え ば 、 住民 税 の 高低 、c エイメ ージ 、 ア メニ テ ィ 環境 の 整 備状 況 な ど )。 そ れ ゆえ 、 移動 率 の 高 い地 域 は 住民 に よ っ て厳 しく 選 別 さ れ棄 避さ れ て い る と いう わけ であ る。
そ こ で、 自 治 体 は自 ら の生 き 残り を賭け 左 地 域 経 営的 ・ 自治 体経 営 的 シ ステ ム への 転換 を 余 儀な く さ れ てき た 。 そ れは 管理 ・統制 に よ る 編成 原 理 と し て の官 僚 機構 へ の 、市 場 ・ 競 争 に よる 編 成 原理 の導 入 とい うこ とであ っ た 。 こ こ に いた っ て改 めて 、 「 パブ リ ッ ク・
サ ービ ス とは 何 か 」 とい う 根本 的 意義 が 問 われ て いる。 従来 、自 治体 のも つ社 会性 ・公共 性 ・安 定性 と 、 企 業体 のも つ 企 業性 ・効 率性 ・合 理性 と いっ た 二 元的 論 争 が繰 返 さ れてき
3
たが 、 今日 でヽはこ れ ら の概 念 の混 合 化あ る い は 統 合 化が さ らに 進ん でき た と いえ よ う 。つ まり 企 業 の論 理 が 行 政 分野 に 参入 し 。あ る いは 相 互 乗 入れ し て 、 こ公共 サ ービ ス の 解 体 = 商品 化 ](7)や 「 情報 ・通 信 ・ 交通 サ ービ ス の商 品 経 済化 」(8) な ど が促 進 さ れ てき た。 同 様 に 、医 療 、 教育 、研 究 、文 化 、 安 全 、 防 災な ど の 公 共部 門 にも 、 民 間 資 本 が 大幅 に 導 入 さ れ て いる。 こ れら の 動向 を 総 括 し て い え ば、 「 サ ービ ス 業 務 の 直営 か ら 委託 化 ・民 営 化 へ 」 「相 互 扶助 の 精 神 から 自助 努 力 ・受 益 者 負 担 へ 」 「補 助 金 行政 か ら 独立 採 算 制 ・自 主 財 源の 確 保 へ 」 「平 等主 義 か ら 高福 祉 ・ 高 負担 へ 」 と 、 公共事 業 の大 幅 縮 小化 が 行 わ れ て き た と いえ る。 そ し て 、 公共 料 金 値上 げ 、 不採 算 部 門 の切 捨 て 、あ る い は 下 請化 ・外 注 化
・ 外部 委 託 化 ・ パ ート タ イマ ー の法 制化 な どが 次 々 に 実施 さ れ てき た 。
最近 の一 連 の行 政 改 革 の流 れも 、 総じ て いえ ば 、 個ヽさ な 政 府 」 「増 税 な き 財政 再 建 」
「 規制 緩 和 」 「民 活 導 入 」 な ど 、 予算 と 定 員 と組 織 の 削減 、 す な わち 減 量 経 営主 義 の原 則 が 貫 徹さ れて きた 。 かく し て 、 地 方行 財 政 の 全 体的 「 守備 範 囲 の 見 直し 」の 結 果 、 公 共事 業 の 民 間委 託 = 公 共 部門 へ の 民 間資 金の 導 入 が積 極 的 に 企図 さ れ て き た ので あ る 。 そ の 結 果 、 「 行 政 の企 業化 」 と「 企 業 の行 政 化 」 に よる 混合 化 か ます ます 促 進さ れて き た 。
し か し 、 自治 体 が 経営 の 主 体性 や 当事 者 能力 を ど 二 まで 確立 し 、 「 公 共企 業 体 」と し て の機 能 を達 成 し て いる かに つ い て は、 疑 問 が な い わけ で はな いっ 二第三 セ ク タ ー 。( 公 団 、 公庫 、 事業 団 、 財 団 法人 な ど ) の 各 種事 業 団 体 が 、 依然 とし て能 率 的 な 経営 組 織 に 転 化 せ ず、 官 僚制 組 織 の形 態 を脱 し て い な い と いう 批 判 はな お 厳し く 根強 い 。 企 業 化 の メリ ッ ト とし て の 自 律性 づ単力性 ・独 立 性 を 生 かし た 「 公 私協 働 の 原 則 」 に基 づ く 行 政組 織 は な お 未 確立 の ま まで あ る 。し かし 少 な く とも 自治 体 は 、 こ非 採 算 の分 野 で、 共同 かつ 共 通 の公 益性 を 欠 か せな い 領 域 で 、選 択 の 自由 を生 か し つ つ 公 共 サ ービ ス の選 択 をひ ろげ 、ル ール を 公正 に 保 つ 役割 を も っ て いる 」(9) と い わざ る を え な い。 そ の 意昧 で 、 「 ノンプ ロ フ ィ ット ・セ クタ ー 」 の 「 ノンプ ロ フ ィッ ト ・ オ ーガ ニ ゼ ー ショ ン」 の モデ リ ン グは 、 今後 の 重 要な 研 究 課題 な ので あ る。
そこ で 、こ れか ら の パブ リ ッ ク ・ サ ービ ス 組織 の判 断 基準 を デ ザ インし て みる と 、 次 の よ うな 組 織 原 則が 必 要 で あ るう と思 わ れる 。 地 域内 資 源 を最 大限 に 有 効 活用 す る こ と 、
自治 体 ・ 企業 体 ・ 住民 ( 個 人 ) な ど から な る 複 合主 体 的 組織 づ く り を 進 める こ と 、 職 員は 地 域生 活 者 の一 人 、住 民 の 代理 ・代 表 と し て 自 覚し 考 え 行動 す る こ と 、 「全 体 性 」
「共 同性 」 「総 合 咤 」 「体 系性 」 「 広 域性 」 な ど を十 分に 考慮 す る こ と 、 さら に組 織 の 収益 は 個 人 に配 当 せ ず 、地 域 社 会 全 体 に サ ービ ス 還 元 する こ と 、な どで あ る。 こ のよ う な
原 則を 総 合的 に 体 現し た新し い行 政 組 織 モデ ル づく り が 検討 さ れ て いか ね ば なら なレ
注
「n 最 近 の 自治 体 は、 ゴ ミ 問題 、 公共工 事、 公 害対 策 な ど の事 業 推進 に当た り、 に地 球環 境対 策」とし て 、 でき る だ け 自然 環境 や生 態 系 へ の配 慮 を する よ うに な っ て き た。 例え ば 、地 球環 境 問 題 連絡 会 議 (東 京都 ) 、 地球 会議 問 題対 策 検 討 委 員 会( 神 奈川 県 )な ど を新 設 レ 推進 協 議 会や 連 絡 調整 会議 な ど を実 施 し てい る。 二う し た動 き の背景 に 、「
地 域環 境 を守 る こ と が地 球 環 境 を守 る こ と につ な がる」と いう 共 通 認識 が あ る と いえ る
( 日 本経 済新 聞 、1990 づ3‑8 )。
(2) 平松 守 彦 『 グロ ーバ ルに 考 え ロ ー カル に 行動 せ よ 』 東洋 経 済新 報 社 、1990, あ る い は
∩ヨ本21世 紀 へ の展 望 一国 土 空 間 の新 し い 未来 像 を 求 めて ー]宮 本 憲一 ・室 井 力『地 方 行革 の 底流 を よ む 』 自治 体研 究 社 、1985, pp. 218‑238、 な ど を 参照 さ れた い。
(3 )本 田弘『現代 地 方 自治 の機 能 と 役割 』 ぎ ょう せ い 、1990, p. 18L お よび 、『 自 治 体 変 革論 』 学文 社 、1985,pp.105‑6 .
(4 )「 自 治体 学 に関 する 研 究」神 奈川 自治総 合 セ ン タ ー、1985,pp.1ワー26.
(5)例 え ば 、 次の よ うな 文 献 を 参 照さ れた い。 大森 禰 『 自 治体 行 政 学 入門 』 良 書普 及 会、1987,pp.
7‑16. 西 尾勝 「 政府 間 関 係 概念 の 由来 ・ 構成 ・意 義コ『季 刊 自 治体 学 研 究』1983, 夏。 新 藤 宗幸 『ア メリ カ 財政 の パラ ダ イム ・政 府 間関 係』新曜 社 、1986. 片 岡 寛
光 編『 国 と地 方 一政府 間 関 係 の国 際 比較 − 』早 稲 田 大学 現代 政 治 経 済研 究 所 、1985. あ る いは 、 大島 太 郎 『官 僚国家 と地 方自 治 』 未来 社 、1981, p.288, な ど。
(6) 自 治省 編 『地 方 自 治の 動 向 一 個性 豊 か な地 域 づく り のた めにー』第一法 規 、1988, pp.11 ト130 .
(7) 池上 惇 「 情報 社 会 化 ど 行 政 改革 」 島 恭彦 ・ 池上 厚. 重森 暁 編 『情 報 化 社 会の 行 政 改革 』青 木 書店 、1986, p. 7、
(8) 前 掲書 、p. 16.
(9) 河 中二 講「行政 の 転換 と新 概 念」日本 行 政学 会編 『 アド ミニ スト レ ー ショ ン ーそ の学 際 的研 究 一』年 報 行 政 研究20 、 ぎ ょう せ い 、1986, p.128 .
5‑
第2 章 地 方 行政官 僚制 組 織 の概 念 構成
第 工節 官 僚制 化 を め ぐ る 諸問 題
現 代 社 会に おけ る 組織 の官 僚制 化 と いう 諸 状況 を どう 捉 え る か。 今 、 何故 、 改 め て官 僚 制 化 の問 題 に 取組 まざ る を 得な い の か。 あ る い は官 僚制 化 現 象 と人 間 の 関 係性 を どう 認 知 し 、 ど のよ う な 視点 から アプ ロ ー チ す れば よ い の だろ う か 。
組 織 の官 僚制 化 とは 、組 織 の 巨 大 化 ・系 列化 、 管理 運 営 機 構 の合 理化 ・ 能率 化 な ど を追 求 す るあ まり 、 本来 の 機能 を 逆 転 させ 官 僚主 義な ど の逆 機 能 現 象が 生じ たり 、成 員 の非 人 格化 と いっ た 病理 的 行 動様 式 が 進 行し たり し て 「官 僚制 に 潜 在 する 組織 悪 」( ∩ が 表 出 し てい る 組織 形 態 のこ と を いう 。 現 代官 僚制 を めぐ る 諸問 題 の 背景 に つ い て 、 アル プロ ー
(Albrow.Mい は 、 ① 第三 次 産 業就 業 者 の増 大 、② 社 会機能 の 分 化 、 ③労 働 か ら の 人間 の 疎 外 、 ④ 寡頭 制 の増 大 、 ⑤合 理 化 の一 般 的 過 程ご
る 組 織 集団 に 徹底 的 合 理主 義が 浸 透 、 貫徹 し て 、 一 段 と官 僚制 化 か進 み、 さら に 錯 綜 し て 官 僚主 義的 病 態 現 象が あら ゆる 場面 に 見ら れる よ う に なっ て き た 。 さら に重 要な こ と は 、 眼 に 見え な い 抑 圧 と管 理 、 調整 と 操 作 の権 限 を 一 部 少 数 の官 僚エ リ ート が掌 握 し 、 現 代 社
会 と人 間 を 支配 す るよ う に なっ てき た と いう こ と で あろ う 。
まさ に 現代 社会 は、 一 方 にお い て 個 人 の拡 散 化 ・ 原 子化 ・ 細 分 化 が進 みな がら 、 他方 に お い て 組織 化 ・ 統 合化 ・ 集 中化 が 同 時 並 行的 に 進 み つ つあ る 時 代 と いえ る 。 つ まり 二個人 の原 子 化 」 と「 組織 集団 の 巨 大 化」 と ぱ 、 い わ ゆる 大衆 社 会化 と 官 僚 社 会化 と いう 現 象 に 見合 っ て 進展 し て き てい る よう に 思 わ れ る。 「 デ モ クラ シ ーか ビ 二− ロ クラ シ ーか 」 とい っ た問 題も 、 いわ ゆる こ少 数 者支 配 の法 則 」(Weber,M. )や 「 寡 頭制 の鉄 則 」(Miche↓s,R.
)(3 )に基 づ <官 僚エ リ ート が、 没 個性 的 歯 車 や 孤 独 地獄 の重 荷 に耐 え 切 れ ず そこ か ら の脱 出 を図 る う と する 大 衆 を 、管 理 統制 する 組 織 化 の問題 とし て 位 置づ け ら れ よう 。 つ まり 権力 をも つ 官 僚エ リ ート が多 数 の大 衆 を 集中 的 ・一 元的 に 支配 す る た めの官 僚制 組 織 の肥 大化 現 象 とし て浮上 し て き た の であ る 。 こ のよ うな 官 僚制 化 は世 界的 規模 で 洋 の 東西 、 体 制 の如 何 を問 わ ず 進展 し 、 「 ま さに 形 式 合理 性 と 実 質合 理性 と の矛 盾 を内 部 に はら みな が ら 、 近代 市民 社 会を つら ぬ <普 遍的 合 理 化 過 程 の必 然的 所 産 とし て う ま れ たも の だ 」(4
)と 言 わざ るを え な い。 ソビ エ ト 社 会主 義 国 家 の崩 壊 原 因 の ひ とつ に 、 国家 と党 が一 体 化 し て 党官 僚機 構に 牛 耳ら れて い た と いう 批 判 は 強 い 。こ のよ う に いわ ゆ る 「計 画 と 管理
の優 位 の時 代 」へ と推 移し てき た 。 そ れ故 に こそ 、 全面 的 ・抑 圧 的な 管 理 優先主 義や 官 僚 主義 の問 題 が 改 めて クロ ー ズア ップ さ れて き た のであ る 。
一 般に 「 企 業の 規模 が 大き く な れ ばな る ほ ど 、官 僚制 化 の度合 は 高く な る 」(5 ) と 言 わ れて いる 。プ ラ ウ(Blau,P.M. )も 、 官 僚制 組 織 の一 般 的特 色と し て 、①専 門 分 化 、② 権 限 のヒ エラ ル ヒ ー、 ③規 則 の体 系 、 ④ イ ンパ ー ソ ナリ テ ーな ど を考 察 し て いる (6 ) 。 と り わけ ウェ ーバ ー の官 僚制論 は合 理 的官 僚制 化 の 「歴 史的 必 然 」 とし て 「時 代 の 宿命 」と みな さ れ てい た。 二の よう な 視点 は 多 か れ少 な か れ、 今 日 多く の 者 が肯 定 せざ る を得 な い と いう 状況 に あ る。 し かし こ の よう な官 僚制 化 は や がて 、 殆 ど不 可避 的 な 組織 病 理 とし て のさ まざ まな 官 僚主 義的 弊 害 を産 出 す る よう に な る。 官 僚主 義と はつ まり 、 「 目標 と 諸要 求 と を実 現す る た めの媒 介 構造 た る官 僚制 が、 諸 機 能 の悪 循 環に よ っ て、 恒常 化し た 自 己 維 持的 な 行動 形 態に 転 化 レ ひ る がえ っ て は 目標 達成 と諸 要 求充 足 と を とも に 低下 さ せ る か、 な いし は いず れ か一 方 の実 現 が 他 方の 否 定 とな る よう な 状態 」 ( フ)の こ と であ る。
二の 結果 、官 僚制 組 織 は常 に グー ルド ナー(Gou↓dner, A. W.)の 「構 造的 緊 張モ デ ル 」で い われ る構造 内 在 的に 対 立 す る諸 矛 盾 に遭 遇 し て いる 。 例え ば 、 目標 達成 と要 求充 足 、 規 律的 拘 束 と機能 的 自 律性 、 集 権的 計 画 と 個 人的 創 意、 職 位 規則 に基 づ く 権威 と 専門 技 能 に
基 づ く 権威 な ど 、 アンチ ノミ ー(antinomie ) の究 極的 解 決 はあ り え ず 、そ 二に マ ー ト ン(Merton,R.K.
)の いう 社 会学 的 ア ンビ ヴァ レ ント (sociological ambivaieance )な 状 態 が 現 存し て いる 。 事実 、官 僚 制 は 価値 ・ 実 質合 理 性 より も 目的 ・形 式 合理 性 の 方を あく まで も追 求 し て いる。
従っ て 、 われ わ れとし て は 組織 の 理 念型 や 理 想 像 の 「最 大 化」 「最 適 化 」「 極 大 化 」 を 探 求す る こと を断 念 し 、マ ーチ = サ イモ ン(March, よG. &Simon. H. A. ) のいう
「合 理 的 選
択 の行 動 モデ ル 」 とし て の 「満 足原 理 な いし 基 準 」を 求め て い かざ る をえ な い。 叫固人 の 場 合 でも 組織 の 場 合で も、 た いて い の 人間 が 意思 決 定 する 際 に 満足 しう る 代 替的 選択 肢 の 発 見 と選 択 とに か かお る の は例 外 であ る 」 (8 ) と いえ る 。 こう し て 、 むしろ 組 織 に対 す る 人間 の 「 満足 度 」 の方 が問 わ れ 定式 化さ れ るよ う に な る( こ れは 第n 部第6 章 第4 節 (2) 「組 織変 革 の 有効 性 」 の とこ ろ で 、「 社 会的 有効性 」( 組織 変 革 に対 す る成 員 の 期待 充 足度 )の問 題 と し て考察 する 予 定 )。 同 時 に 、 ウェ ー バ ーの合 理 的 モデ ル のあ り よ うも また 批判 の 的、 克 服 さる べ き対 象 と なっ てき た。 官 僚制 の多 <の逆 機 能現 象 や 悪循 環 構造 の 実態 が指摘 さ れる に従 い 、官 僚制 の功 罪 そ のも の が切 実に 検 討 分析 さ れる よう に な っ て き た の であ る。 例 え ば、 次 の よう な 諸 矛 盾が 析 出さ れよう (9 )。
7
∩ )機 能的 矛 盾 − − パ ーソ ン ズ が定 式 化し たAG I L の機 能的 要 件が 充 足 さ れな い場 合 、官 僚主 義 と呼 ば れ る とこ ろ の 、A の 機 能 障害 たる こ形 式 主 義 」 (文 書 のハ ン コ数 の増 加 、厳 し い 規則 と命 令 、上 長 へ の コ ンフ ォー ミ ズム な ど ) 、G の 機 能障 害 た る 「 権威 主 義 」
( 独 善的 態 度 、住 民 不 在な ど ) 、I の 機 能 障害 た る 「セ クショ ナリ ズム 」
( 縄張 り 争 い 、群 雄 割 拠主 義 な ど ) 、L の 機 能障 害 た る 「 無関 心正 義 」( 事 な か れ主 義 、 動 機づ け の 低下 、三 ズ 主義 な ど )、 など が 発 生 する 。 また業 績 主 義 と 所 属主 義 、 普 遍主 義 と 個 別主 義 と いっ た 価 値 の葛 藤 。 環境 適 応 と 規 律 維持 、 ある いは 手 段的 行動 と消費 的 行 動 の ジレ ンマ な ども 表 面 化し てい る 。
(2 ) 構造的 矛 盾 − −ブ ルジ ョ ア ジ ー とプ ロ レ タリ ア ート ( 雇 用者対 従業 員) と の 階級 関 係 、エ リ ート とマ ス(管 理 者 対 被 管理 者 )と の 権力 関 係 、 イ ン サ イ ダー と ア ウト サ イダ ー( 本工 対 臨 時工 、ラ イン対 ス タッ フ ) と の連 携 関 係 、精 神 労働 と 肉体 労 働( 事 務 職対 現 業 職 、 ホ ワ イト カラ ー対ブ ル ー カラ ー) と の威 信 関 係な ど、 [ 能力 や 品 位 の 優劣 に か か わ ら ず、身 分、 地 位 、年 功 の 上下 が優 先し ](10 )、 細 分化 さ れ た 上 下関 係 へ と 分裂 し て い る 。 さら に、 階級 と 階級 ( 体 制対 反 体 制 ) 、組 織 体 と 組織 体 ( 経 営対 組 合 、 圧力 団 体 対 圧 力 団 体 ) 、組 織 体 内 部 の地 位 間( 上 司対 部 下 、上 ・ 中 ・ 下 の階 層 、 特 権層 対 非特 権層 )と 役割 間( 企 画部 門対 生 産 部門 、 キャ リ ア組 対 ノン キャ リ ア組 )、 組 織体 全 体と 内 部 の職 場 集団 ( 職制 対 第一 次巣 団 )、 職 場集 団 内 部 ( 権限 と インフ ォーマ ル な 人 間関 係) 、あ る い は 課せ ら れ た 役割 と 個 人 の パ ーソ ナ リテ ィ な ど 、 さ まざ ま な矛 盾 も 顕 在 化し てい る。
O ) 組織 と 個人 と の矛 盾 一 一こ れ は、 組 織 規則 に よ る フ ォ ーマ ル な 行動 と集 団 規範 に よ る イン フ ォーマ ル な 行動 と 自由 裁 量 によ る 個 人的 行 動 と の対 立 、組 織 内 の個 人的地 位 の 差 異 によ る 葛 藤 、組 織 体 と ア ージ リ ス(Argyris,C. ) のい う 町
(11 ) と の根 本的 対 立 、マ ート ン のいう [ 官 僚制 的 パ ー ソナ リテ ィ ]、 ホ ワ イト (White,W.
H.) の「 オ ーガニ ゼ ーショ ン ・マ ン」 な ど 、巨 大組 織 に お け る個 人 の疎 外 論、 物 象化 論 、 逸 脱論 な ど とし て 大き な 主題 とな っ ている 。 また パ ー ソ ン ズの 、 無 限定 性 一限定 性 、 感 情 性 一感情 中 立性 、 属性 主 義 一業績 主 義 、 個 別主 義 〜普 遍主 義 、 集 合 体志 向 一自 己志 向 と い っ た5 つ の パ ター ン変 数 (pattern variables) も 、 行為 者 と 組織 集 団 のも つ価 値 と の対 立 関係 を示 唆 し てい る と いっ て よ い 。
(4 ) 組織 と環 境 と の矛 盾 一 一サ イモン の 「 企業 者 」 「 従業 員 」 「 顧 客 」 とい う3 グル ープ の区 別、 企業 体 と 社 会的 責 任 、 行政 体 と 議 会や 住 民 と の 関 係、 組 織 の管 理 運 営 者 と利 用 者 、 サ ービ ス の送 り 手( 供 給 者 ) と受 け 手 ( 受益 者、 クラ イ エ ント ) と の関 係 。 な どが そ う であ る 。 ま た国 際 情勢 の変 化 、 景 気変 動 、 労 働 力、 技 術 革新 、新 市 場 の 開拓 な ど も 、
組織 の構 造 ・機 能 に 大きな 影 響 を与 える 。 さ らに は 人口動 態 、 公害 発 生 、 教育 ・ 文化 ・生 活水準 の 向上 、 高学歴 ・ 高年 齢化 な ども し か りで あ る。
二のよ う に官 僚制 組 織 は、 そ れ 自体 の内 部 構造 の 中 にさ まざ まな 自己 矛盾 ・ 緊張 ・ 葛藤 を内 在さ せ 、 そ の構造 的 緊張 関 係そ のも のが さら に 組織 変 化の 契 機を 創 出し ている と いえ る 。 そし て 組織 は そ の 自己 解決 に向 け て のな んら か の 対 処行 動 を 取ら ざ る をえ な い のであ る 。
第2 節 脱官 僚制 化 を めぐ る諸問 題
現代 の 高度 な管 理 社 会に おけ る 最も 緊 要 な 課題 は 、 二う し た 不断 の官 僚制 化 傾向 に ど う 対処 する か 、 い かに 排 除、 抑制 し て いく か 、あ る い は既 に 浸 透し 左官 僚主 義 を い かに 克 服 して いく か 、 そ の新 し い組 織 モデ ル とそ こ に いた る 諸 条件 とを 検 討し 現 前化 し て いく こ と であ る 。 そう で なけ れ ば 、病理 的 に 異常 な まで の「 世 界の官 僚制 化 」と い う噴 流 は、 あ た かも カ タ スト ロフ ィのご と く に 現代 社 会を 被 服し て し まう であ ろう 。
し かし な が ら( そ れにも 拘ら ず )、 わ れ われ は ウェ ー バ ーや ミヘ ル スの よう に官 僚制 化 を 殆 ど絶望 的 で 不毛 、 不可 避 的 で歴 史的 宿 命と いう 立 場 に 立つ と いう こ と を 、ど うし て も 躊 躇せ ざる を え な いっ 官 僚制 と 人間 の 構造 的 欠陥 七十 分 に検 討 、 批 判し 尽く さ れて い ると は いえ ず、 まだ 本質 論的 解明も 残 さ れて おり 、 ある べき 組織 モ デ ル の 原型や 理 想 化 の イ メー ジ でさ えも 今 の 所 未発 見で あ る。 組 織 はそ れが 如 何な るも ので あ れ 、究極 的 に は 人為的 ・ 計 画的 に 作ら れ、 戦 略 的意 思 決定 を 下 す のも 組織 人 自身 であ る 。 科 学的管 理 論 で 仮説さ れ たマ ン・ マ シン ・モ デ ル は既 に 否定 さ れ 、 人間 関 係論 で は 人間 の 感情 主 体と し て の存 在と 有 用性 が 強調 さ れ た。 つ まり官 僚制 を 作 り かつ 制 度を 支 え て いるも のは 、 何よ り も 人間 自身 であ る 。 そし て そ の人 間か 組織 主 体 であ る とい うこ と は 、同 調 ・ 適応 主体 で も あ る が同 時 に 変革 主体 でも あ る と いう こ と であ る 。 従っ て 、組 織 と 人間 の 矛 盾相 剋や 逆 機 能 や官 僚主 義な どの組 織病 理 現 象あ また 、 必 ず人 間 自身 の手 で作 り変 え 得る はず だ と いう 確信 に立 ち 帰ら な け れば なら な いっ そこ に[ 組 織 変革 ](organizational innovation ) と いう 課題 が問 われ てく る の であ る。
官 僚制 組織 変革 の基 本原 理 と方 向性 はや は り、 ウェ ー バ ーの「 合 理的 近 代官 僚制 モ デル
」 との対 決 、 批判 、 超 克で あろ う ( 次章 で 詳 述す る ) 。彼 の理 念 的官 僚制 構 造 をい か に 打 破し て いく か 、 二れを 「超 」 える 「 反 」「 非 」 「脱 」組 織 モ デル が 模索 さ れなけ れば なら
E
な い。 二九 ま で世 界で 何人 も の 社 会 学者 た ち が 、 二の テ ーマ に取 り 組 み 、 克服 の 可 能 院 を 見い 出さ ん と 格闘 し て き た。 以 下 予 め、 何 人 か の研 究 者 だも の理 論的 要 点 だ けを 抽 出し て おこ う。
∩ ) プ ラ ウ(Biau,P.M. ) は、 官 僚制 のフ ォ ーマル 組 織 に対 抗 し て 、 ノ ンフ ォ ーマ ル 組 織 集 団の 官 僚制 構 造 に おけ る 役 割 に 注 目し た ( 個 人と 集 団 の再 発 見 )。 そ し て組 織成 員 の 一 人 とし て 行 動 規範 や 慣行 や 人間 関 係に 従 お う と する ア イ デ ンテ ィ テ ィが 、官 僚制 の 動 態 化 を も たら すも の と考 え た。 また 非官 僚的 文 化 とし ての 「 平等 主 義 」 の存 在 を提 示 し 平 等主 義的 規 範 と いう 民 主的 価値 に 基 づ いて 「 自発的 仲 間 集 団 」を形 成 する こ と 、こ のこ と が官 僚制 に 対 抗 す るも の であ る と みなし た (12) 。
(2 )マ ート ン(Merton, R.K.) は、 官 僚制 の形 式 合 理性 に 基づ く 人間性 お よ び 人 間 関 係 の限 界を指 摘 し 、 そ の顕 在的 機 能 だけ で なく 、潜 在的 逆 機 能 に まで 組織 分 析の 矛先 を進 め た( 例え ば 、 官 僚主 義 的 パ ーソナ リテ ィ 、同 調過剰 、 目標 の 転 移、 予 期し な い 結 果 、手 段 の 目的化 な ど )。 また 溝成 的要 素 そ のも の は 、 条件 次 第 で機 能的 に も 逆 機能 的 に も 社 会 シ ステ ムに 作 用す る と いう 両 義性 を 強調 し た(13 )。
O ) ブ ール ド ナ ー(Gouldner,A.W. ) は、 官 僚制 構造 とテ クノロ ジ ー と の間 に 、 「決 定 へ の参 加 」 と いう 意思 決定 構造 を媒 介変 数 と し て導 入し た。 合 理的 モデ ル に対 し て自 然体 系 モデ ル 」( イ ンフ ォー マル 組織 ) を想 定 し 、 そ れら が 同時 に 存 在し かつ 両 者 の対 立 ・緊 張 ・ 葛藤 の 内 在性 を 認 め着 目し て 、 こ のコ ン フ リ クト か ら 各種 の 組 織過 程 が 発生 し 、 構造 的 変動 が 必 然化 さ れて く る とい う [ 構造 的 緊 張 モデ ル ]を 提案 し た 。こ のよ うな 組 織 に お け る ア ンビ ヴァレ ン スの 存 在 とそ 二から 生 じ る 緊張 関 係 と いう 発想 は 、 そ の他 さ まざ まな 問 題 にも 十 分 適応 可 能 で あ る(14 )。
(4 ) クロ ジ エ(Crozier, M.) は 、官 僚制 は 技 術的 合 理 性 に基 づ く 行 政管 理 を 行う と い う のに対 し 、 「 戦略 モ デ ル 」 と い わ れる 分 析枠 組 を 設定 、政 治的 意思 決 定 領域 の 問題 に焦 点 を 当て た。 そ し て 、 権力 を めぐ る 各階 層 、 各利 害 集 団 、 各職業 的 集 団 間 の交 渉 過 程 、 権 力 関係 、コ ンフ リ クト 、 自由 裁量 、あ る い は組 織 活 動 と 市民 的 個 人主 義 と の伝 統 的対 立 と い っ た問題 を 明ら か にし た。 こ の戦 略モ デ ル で は 、 メン バ ーや 集 団 は そ れぞ れ の戦 略 をも っ て組 織 に 参 加し て お り 、 自己 の 要 求を 充 足 す る た めに 組 織( 管理 集 団 )と バ ー ゲニ ン グ を 行 い、 そ れ を通 し て 目標 達 成 に か かお る う と し て いる と いう 。 ま た 彼 は、 官 僚主 義 的 現 象 は 個 人レ ベ ル で の行 動 の問 題 で はなく 、階 級 間 レ ベ ルで の 権力 を め ぐ る戦 略 から 生 じ る 現 象 とし て 捉 え て いる に5 )。
(o ) マ ー チ = サ イ モ ン (March, J.G. &Simon, H. A. ) は 、 ネ オ ・ ウX ― バ ー ・ モ デ ル と い わ れ る に意 思 決 定 モ デ ル 」 を 提 起 し た 。 彼 ら は 、 人 間 をT 意 思 決 定 者 」 [ 問 題 解 決 者 ] と み な し 、 メ ン バ ー は 自 ら の 意 思 に よ っ て 決 定 を 下 し 、 そ れ に 基 づ い て 行 動 を 行 う 主 体 的 存 在で ある と 考 え た 。 こ の 命 題 は 、 官 僚 制 が 権 威 と 権 力 に よ る 支 配 を 前 提 に し 、 命 令 服 従 の関 係 が各 ヒエ ラルヒー・レ ベ ル で決定 さ れ て い る と い う こ と を 否 定 す る 。 む し ろ 服 従 者 こそが意 思決 定者 であり 、 そ の 命令受 容 者 の 知識、 経験 、状 況 、 理 解 、 解 釈 な ど に 規 定 さ れ ていると 主張す る 。 こ 二では、人間 は「 合 理 的 意 思 決 定 主 体 者 」 と し て 存 在 し 、 集 団 に おける自 己 表 出を通 して 決定過 程 に 参加 し て い る と みな さ れ て い る 。 組織変 革 論 に お い て 、 組織 における選択がF 常に一 定の 組 織 的 社 会 的 環境の下 で 」 「 主観 的な 状 況 定 義 に よ っ て 」
に満 足原 理 に 基 づ いて」 行わ れ る とい う指 摘 は 極 めて 重 要 で あ る 。
(6 ) パーソ ン ズ (Parsons, T.)は 、単 一 支配的 な 官僚 制 概念 に 対 し 、 複 合 的組 織を 強 調、プ ロ フェッ ショ ナリズム と いう職 業 的 専 門 性に 基 づ く権 限と 専 門 的 技術的優 越 性に 基 づ <権 限と を 区別レ メ ン バ ーは 特定 の プロ フェ ッ シ ェナル な 専 門 的知 識や価 値に 基 づ い
て権 限 を行 使 し て い ると分 析する 。 そ し て 専門 職 の平 等 主義 的な 「 合 議 団体(collegia↓association) i が 、 官僚 制 原 理と は 異な っ た対 抗的 原 理 を 構 成し て い る と 考 え た 。
彼ら は い ず れ も 、 官僚 制 の 世 界的現在を問 い 、 官僚主 義の蔓延し た 恐 る べ き 退 廃 と 停 滞 か ら の脱 却 の ありか たに つ いて、 さまざまに試 論 試行 し て き た 。 そ し て な お 、 わ れ わ れ が 直 面 し て い る 状況 も 、 戸ど のよう に して、 ウェ ーバ ー の い う 『 偉 大 な る 指 導 者 』 に 頼 ら ず に 官僚 制 をうまく つきく ず す こ と がで きるか、 どのよ う に 『官僚支 配 を 否 定 す る 新 し い シ ス テム 』を 、も う 一 つの官僚制 を導 入す る 二と な し に創 造で き る か 」 (16 ) と い う 課 題 な ので ある 。
第3 節 地 方行 政官 僚制 組織 へ の 立場
に組織 の官 僚制 化 」 に随 伴 す る さ まざ まな逆 機 能現 象 の増 大 な どに 関し ては 、こ れ まで にも 一 般 によ く 観察 ・分 析さ れて いる 。 し かし 今 日的 状 況 にお いて は 、 さら に 進ん で 、 そ の「 脱官 僚制 化 」 のた め の 実証 的 ・ 実践 的 ・理 論 的考 察 や新 し い組 織 モ デ ルづ く りこ そ が 積 極的 に 推進 さ れ ねば なら な いで あろ う 。 そし て 組織 環境 の 不確 実性 や そ の多 様化 ・複 雑 化に対 応 し た 、柔 軟 かつ 条 件 適合 的 な一 時 的 シ ステ ム、 あ る いは 有機 的 適応 構 造 化 へ の組 織変 革 のあ りか た が 模索 さ れ 、 確立 さ れて い か ねば なら な い。 本 研究 の最 大 の問題 関 心 も
皿
こ こ にあ る。
本論 の ねら いは 、 自治 体 の行 政 組織 が 、 現 代 のド ラ ステ ィ ッ クな 内 外 環境 条 件 の変 化 を 、 ど のよう にし て組織 の動 的均 衡 の 維 持や 安 定 化 に 結びっ け て いる か 、 そ の 斤状況 へ の 適合 過程 と し て の組 織 変革 の ダ イ ナミ ズ ム 」を 構 造 的 に 解明 す るこ とを 企 図し てい る。 つ ま 以 官 僚制 の 組織 動 態 化 に取 り 組む 自治 体 の実 態 分 析 を進 め、 そ の 比較 考 察 を通 し て 、変 革 過 程 総 体 の 内的 メカ ニ ズム を 析 出し 、 かつ そ の 類型 化 を 図 る こ とを 目的 とし てい る。
そ のた めに は まず 、「 地 方 行政 官 僚制 組 織 論 」 に アプ ロ ーチ する わ れ わ れ 自身 の基 本 的 視 座や 概念 構 成 を より 明 確 にし て お く 必要 が あ る。 そ れが よ か れあ し か れ、 こ れ から の 論 考 の前 提 条件 とな り 、 また 限 界 とも な るか ら で あ る。
( ∩ 基 本的 視点
既述 し てき たよ う に 、現 代 社 会が 権力 の集 中 的一 元化 ・ 肥 大 化、 組 織 の官 僚制 化 ・寡 頭 化 な どに より 。 ます ま す中 央 集 権的 な 高 度管 理 社 会化 を 出現 さ せつ つ あ るこ とは 今 更 言 を まつ までも な い 。「 近 代 化= 合理 化 ・ 効 率化 = 官 僚制 化 」 とい う 近代 産 業 社 会論 の 延 長線 上 に 、 今や 巨 大な 行政官 僚制 国 家が 構築 さ れつ つ あ る 。 そ れは ま さ に グ ールド ナ ーの 「現 代 は 世 界の 官 僚制 化 の時 代だ 」(17 )と い う叫 び に も符 合 し て い る。 二 の官 僚制 化 の 過程 は 、 「 まさ し く 社 会の す みず みに ま で 、 未組織 部分 を 組織 化 し 、 組織 相互 の系 列 を 制 度 化 し 社会全 体 を巨 大な 支 配構 造 とし て完 成 さ せる 過程 であ る 」(18 ) とも い える 。 か くし て、 行 政国 家 と し て の官 僚制 化 か 、ひ とたび 完 全 に貫 徹さ れ るな ら ば 、 支配 関 係 は事 実上 不壊 に 近 い形 態 と なる であ ろ う と 言 わ れて い る(19 )。
し かし 逆 に そ れ 故に こ そ 、 「社 会構造 の官 僚制化 」(20 ) に対 じ し き っ抗 し う る 脱官 僚 制化 や 動態 化 の 方 途あ また 探求 さ れるこ とに な る 。 な かん ず く 社 会学 に お い ては 、 「官 僚 制化 それ 自 体に 内 在 する 矛 盾や 緊張 を 源 泉と し た 」(21) 官 僚制 の逆 機 能 とし て 、 「非 能 率的 性 格 、非 民 主 的性 格、 非人 間 的 性 格 」(22 ) な ど が問 題 視 さ れ てき た( 前述 し た マ ー ト ン の「 同 調過 剰 性 」(23 ) な ど )。 われ わ れは こ うし た 官 僚主 義 の病 理 と主 体 的 人 間と の間 に 、不 可避 的 か つ不 断 に 再生 さ れて く る 「歪 み」 や 「 ズレ 」 を常 に 修正 ・変 革 レ 外 的環 境 へ の 適応 を 達成 し て いく 必要 か おる 。
行 政組 織 が対 処 す べ き課 題 は 、多 種 多 様 な 行政 需 要 であ り 、そ の 変化 や増 大 に伴 っ て 組 織 の 役割 や 活動 も 変容し 、 組 織 体 の改 廃と 新 たな 創出 と が 必要 とな る。 「行 政が こ れら の 必 要 な 修正 を おこ な う のに お く れ を と れば と る ほ ど 、 それ だ け逆 機 能 は 増 大レ 改 革 の 要
求 は ます ます 危 険な も の にな る。 適 応 へ の圧 力 の 激し さ は、 逆 機能 の深 刻さ と 結び つ い て い る。 そし て行 政 が適 切な 時 機 に 自 己改革 し な け れば 、 増 大す る非 効率 性 によ っ てひ き お
二さ れる 不 満 の結 果、 い ず れに しろ 変 革゛ 危機 によ る 変 化 − クロ ジ ェ゛ が 不 可避 とな る 。 。
(24 )だ が 、 二う し た官 僚制 化 に対 する こ れ まで の アプ ロ ーチ は主 とし て、理 論 的 ・理 念 的 検 討、 イデ オロ ギー的 論 争、プ ラ クテ ィカル な 管理 技 術 論 、 法制 度論 的 ・ 形態 論的 分 析、
あ る い は歴 史的 考 察な ど に 傾斜 し て い たよ う に思 わ れ る。 つ ま り、 「 官 僚制 の逆 機 能 分 析 から 脱官 僚制組 織 モ デル の探 求 へ」 と いっ た変 革 の現 実態 や ス タ イル 、ある い は そ の対 立 、 紛争 、 抵抗 な ど の具 体的 展 開 過程 な ど につ い て 、 比較 的 か つ体 系的 視 座 から 現 実 分 析が な さ れた 文献 や資 料 は極 めて 少な い。 あ のマ ート ン でさ えも 、 「非 能率 を 打 開す る た め の具 体的 な 処 方 端が 書け な いで い る 」(25 ) と批 判 さ れ て いる 。 二れが わ れ われ が現 代 的課 題 とし て 官 僚制 の 組織 変 革モ デ ル に取 組 まざ る を え な い 所以 であ る 。
組織 社 会 学の 視点 か ら 、 塩原 勉 は既 存 の官 僚制 論 の 流 れを 次 のよ う に 概括し てい る 。 「 も とも と 社 会学 で は 、組織 は 有効的 な 合理性 と応 答 的 な適 応 性 と いう 二 重 の要請 を 課 せら れた 存 在とし て理 解し て き た のであ る。 過 去30 年 間 の研 究 を 回顧 す る なら ば 、 当初 の 合 理 的機 械 モ デ ルか ら 、適 応 シ ステ ム ・ モデ ル へ と 移り 、つ いで 組織 の 構造 分析 の成 果 を踏 まえ て 、 自己組 成 システ ム の 複合 モ デ ル と いう べき 考 え 方に 至 っ た とい えよ う 。 そし て 二 レ デ ィ ン グ エン シ ー理論 は 二の 高次 複合 モデ ル に 属す る 近年 の 成 果 だと 評 価 でき る。 コ ン テ ィ ンジ ェ ンシ ー 理論 の基 本 的な 考 え 方 は 、『 組織 は特 定 の特 徴 をも つ 環境 要 因 に対 応 し なが ら 、 基本 要件 を充 足し う る よう に 、 組織 構造 を形 成 ・維 持 ・革新 す るJ とい う 定式 で 要約 し う る であ ろ う。 ](26 )つ まり 今 日 、 「自 己組 成 シ ステ ム の 複合 モ デ ル 」や に組 織 構造 の 形 成 ・維 持 ・革 新 」 のあ り か たが 、理 論 的 ・ 実 証的 か つ実 践的 な 統 合的 見 地 よ り検 討し てい <こ とを 求 めら れ て いる と 読 み込 めよ う 。 換 言 する と 、社 会変 化 と組 織 適応 と の 相関性 に お い て、 組織 の内的 価 値 基準 を 外 的 価値 基 準 に柔 軟 に対 処 でき る 「 自己 変 革的 な 組織 行動 」のあ り か たが 要請 さ れて いる のであ る (27 )。 われ わ れの 中心 的テ ーマ も ま た こ の辺 に 措 定さ れて いる 。
そこ で われ わ れは 、旧 来 の 固定 的 ・恒 常 的 な 組織 体 の捉 え 方 を転 換し 、 「常 に 生 成 変化 するも の 」「 人間 の 創造 に よ る変 革 可 能 なも の 」(28 ) とし て官 僚制 組織 に アプ ロ ーチし た い。 すな わ ち 、官 僚制 化 か も たら す秩 序 や 管理 、 統 合 や安 定 と いっ た 静態 的 概念 で は な く 、そ の 動態 化や 流 動化 と いっ た動 態 的 概念 を主 眼に し て組 織 体 を 見て い <。 全体 と し て い えば、 統合 や 融合 のイ メ ージ で はな く 、 変化 や 変革 の イ メ ージ を基 点 に据 え て取 組 む 。
13
一定 の社 会関 係 や 集団 生 活の 実 相を 、 「 結 合も し く は 分離 のあ る 不 安 定 な状 態 」(29 )と し て捉 え 、あ ら ゆる秩 序 や 安 定 は「 一時 的 動 的 均 衡 」に 過 ぎ ず、 そ れ は常 に 戸不 安定 な 状 態 」あ る いは 「 構 造的 緊 張 過 程 」に あ るも のと 考 え る。 ゛ 今 、こ こ にあ る 自己 組 織゛ も 、 無限 の 移り 変 わり の 中で は「 不断 の変 革 」 を迫 ら れ てお り 、 そ の「 永続 する 変 革 を どう 制 度 化す る か 」 とい う 課題 が 切 実に 問 われ て いる 。 こ のよ う な 視座 か ら す ると 、 変 革 過程 の 単な る 結果 説明 や 叙述 だ け で なく 、む しろ 「そ の 結果 に い た るプ ロ セ ス そ のも の 」 の 解明 をこ そ正 視し て いか なけ れば な らな いと考 える 。 また こ のよう な「 過 程 分 析 」を 通し て の み、 や が で 変革 化 ゛ の理 論 構 築へ の足 場も 可 能 とな る で あろ う。
(2 )「 改革 」 「変 革 」 「変 動 」 と 「変 革 主体 」
対 象 とし て の 官 僚制 組織 を どう 見 る か とい う 課題 は 同 時 に 、一 体 誰 が(:主体 ・ 客体 )、
㈲故 り 可の た めに ( 理 由 ・動 機 ) 、 ど のよう に し て ( 方法 ・条 件 ) 、 ど のよう な 方向( 目 的 ) に変 え て いこ う と し て いる の か とい う 疑問 に 結び つ い てい る 。こ れ まで の記 述 か らも 分 かる よ う に 、こ こ で は 「組 織 改革 」 に組織 変 革J 「 組織 変 動 」 と いう 概念 を でき る だけ 区 別し て 使 用 し た い。
「改 革 」(reform )と は 、改 善 、 改正 、改心 、 矯正 であ り 、 見直 す 、 再び形 成 する 、 作 り 替 える 、 編 成し な お す 、 と いう ニ ュ ア ンス が 強く 、 よ り 一般 的 に 使 わ れ ている 。 例え ば 。
「 法 制度 を改 正 する 」「 権 限を 移管 する 」「 仕組 みを 設け る 」と い う よ うに 、 現 行 法制 度 の 枠 内で 積 極 的 ・弾 力 的 ・柔 軟 に 運 用し て いく と いう 意味 であ る 。 そ れ は一 定 の シ ステ ム 内 で の機 能 的 変 化 を 目指 し て いる 。 従っ て 、そ の改 革 内 容 に は 自ず か ら 限 界か お り 、 どち ら か と いえ ば 、 短期 的 ・部 分的 ・形 式的 ・結 果重 視的 で あ る と いえ よ う 。
[ 変革 ](innovation) と は 、革 新 、 新工 夫 、 新制 度 の こ と であ り 、 新生 面 を 切り 開く 、 刷 新 す る、 と い う 意昧 が 込 めら れて い る。 変 革 の 対 象 は、 構造 的 変 化 と と も に成 員 の 意識
・態 度 ・ 行動 な ど の変 化 も 含 ま れる 。 ここ で は主 体者 の 自発 的な 努力 や 意 欲や 能 力 が問 わ れ、 自ら の発 意と 自主 性 と が 求 めら れる 。 ア ク タ ーとし て のイ ニ シ アチ ブ を 発揮 し て 意思 決定 に 直接 参加 し 、 過程 を 重 視し 、結 果 に対 し て も 自 己責 任 を 負う 。 ど ち ら か とい え ば 、 前者 や 現 行を 全 面 否 定し つ つ 自 己否 定 を も含 めて 、新し い思 考 様式 や 行 動 様式 を 導 入 し て いこ う と する 立 場 で ある 。
「 変動 」(change ) と は 、交 替 、 転換 と いう 意味 で 、 改革 や 変 革 を含 むト ー タル な 変 化 のこ とで ある 。 普通 は 制度 的 ・体制 的 な 構 造変 動 のこ と を い い、 よ リマ クロ 次 元 で の解体
と 創造 と が同 時 進 行す る 過程 を いう 。 変動 を引 き 起こ す諸 要 因 は非 意 図的 なも のも 含 ま れ る。 例 え ば、 自然的 ・生態 学 的環 境 、 人 口 ・技 術 ・ 資源 な ど の変 化 、 国際 化 ・ 情報 化 から の イン パ クト 、 生 活 ・文 化水 準や ラ イフ ス タイル の 変 化な ど。 どち ら か と いえ ば、 長 期的
・ 歴史 的 変化 という 側面 が 強調さ れよう 。
こ れら3 者間 に お いて 、 目的 、理 由 、対 象 、 方法 、 結果 な ど を 比較 検 討 し た場 合 、そ れ ほ ど大 き な 差 異を 見 い出 す こ とは でき な い。 し かし 敢 え て 「 主体 」 と いう 一点 に お い ては 、 明ら かに 決定 的 相 違点 を 指摘 で き る。 主 体 とは 、 つ まり 「 誰に よ っ て 、誰 の た めに 行 われ る の か 」と いう 主 導的 担 い手 のこ と であ る。 改 革 は、 「行 政改 革 」 に 象徴 さ れ、 Γ命によ り 通知 す るJ とい う よう に 上 意下 達 ・指 示 命 令に よっ て実 施 可能 であ る。 し かし 変 革 は 、 そ 二に 生活 し 労働 し 生き る 人ご とに とっ で の社 会的 意味 づ け が求 めら れ てお り 、 より 直接 的 ・よ り切 実 な変 化 であ る 。 また 改 革 は[ 上 位 ]や 「 中央 」 に 責 任転 化 でき 、常 に 他人 指 向 ・他罰 型 で ある が、 変革 は 成功 も 失 敗も 、あ る い は 限 界も 矛 盾も す べ て が 自己 白身 に 帰 着し 、 自罰 型 とな ら ざ るを え な い。 従 っ て、 変革 の行 為者 と い う 視点 か ら いえ ば 、改 革 で は客 体とし ての 当事 者 ・担 当者 に はな り えて も、 変革 のよ う に 自 発的 参 加や 自主的 判 断 が 認 めら れ る変 革 主 体 者・ 主導 者 と はな り えな い。
本論 で 使 用 する 「 組織 変 革主 体 」 とい う 概念 は 、中 央 省庁 に 対 す る地 方自 治体 自身 に よ る 、 また 外 部 ・外 発的 環境 に対 す る内 部 ・ 内 発的 動機 づけ によ る 、 さら に はト ソプ ダ ウ ン に対 す る ミ ドル ・ロ ア層 の 中心 的 役割 に よ る( 第H 部第2 章 第3 節 を 参照 さ れた い ) 、と いう判 断 基 準 に基 づ い て、 対 象事 例を 選 択し て い る 。も ち ろ ん その変 革 の形 態や 程 度 に 違 いがあ る こ と は 当然 であ る が 、い ず れに し ても 、 前述 し た よう な 意 味合 いで 「変 革 」 と い う キー ワ ード にこ だ わっ た と 思 われる 自治 体 組織 を ここ で は 分 析対 象 にし て いる 。 従 っ て 、
そう でな いと 思 わ れた 事例 は考 察 から 除 外 さ れて い る が、 し かし こ れ は 決し て重 要 で はな いと いう こ と で はな い 。む し ろ圧 倒 的多 数 の 自治 体 にお け る 静態 的 行 政組織 の 方が は るか に 大 切かも し れな い。 筆者 の フ ィ ールド ワ ー クも せ い ぜ い300 ケ ース に 過ぎな いっ こ れ はた だ現 在 の関心 が 組 織変 革 にあ る と いう だ け で、 い ず れ今 後 の課 題 と し て取組 ん で いき た い。
O )「 国家 行 政官 僚制 」 と「 地 方行 政官 僚制 」
こ れは い わ ゆる 日太 行 政官 僚制 にお け る国 家( 中 央 官庁 ) 一地 方( 都 道府 県 一市 町 村 ) という レ ベ ル の対 比 にお い て、 行 政組織 変 革上 の共 通 性 と 相違 性 と を明 確 にし てお く とい
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