長崎大学工学部研究報告第 1 3 号 昭 和 5 4
年7 月
方形ビーム波による光ファイパモードの励振
辻 裕 邦 * ・ 田 中 和 雅 ネ
E x c i t a t i o n o f O p t i c a l F i b e r Modes by a R e c t a n g u l a r Wave Beam
b y
H i r o k u n i TSUjI a n d Kazumasa TANAKA
( D e p a r t m e n t o f E l e c t r i c a l E n g i n e e r i n g )
The mode c o u p l i n g c o e f f i c i e n t s between fundamental modes o f r e c t a n g u l a r and c i r c u a l r wavebeams areused t o d i s c u s s t h e e x c i t a t i o n o f o p t i c a l f i b e r modes. The e f f e c t s o f t i l t o r o f f s e t ofaxes a r e i n v e s t i g a t e d through t h e c o e f f i c i e n t s . The f i b e r i s assumed t o be a graded index o p t i c a l f i b e r i n which t h e modes have t h e Laguerre‑
Gaussian f i e l d d i s t r i b u t i o n .
ト まえがき X
‑WIS
‑ ‑ ‑ ‑
‑旬
、 . ・
45
F i g . 1 . C o u p l i n g b e t w e e n a n o f f ‑ a x i s r e c t ‑ a n g u l a r beam a n d a c i r c u l a r b e a m .
Z
光通信システムの光源として利用される半導体レー ザの出力光は,その伝搬方向 (z 軸)に垂直な面上で 正規分布した振幅をもつが,その界の広がり方が x 方 向と
y方向とでは一般に異なった方形ビーム波であ る.このようなビーム波が軸対称な光学系,たとえば 光ファイパや円形開口に入射する場合の励振や回折の 問題を議論するのは,異なった座標系が用いられるた め一般に簡単ではない1)このような論議を行なうた めに,方形ピーム波を軸対称な任意の円形ビーム波の 重ね合わせとして表わし,この重ね合わせの係数〈モ ード結合係数〉を用いて解析する方法が提案されてい る
2)本論文ではこの解析法を発展させ,傾きや軸ず れのある方形ピーム波を円形ビーム波の重ね合わせと して表現し,光ファイパモードの励振問題を考察す る.入射ビーム波は基本モードとし,偏波は直線偏波 を仮定し議論はすべてスカラーで取り扱かう.
にそれぞれビームウェイスト
ZIS,
Z2S,そこでこの最 小のスポットサイズ
WlS,
W2Sを持つような方形ビ
2 . 軸ずれした方形ビーム波と円形ビーム波のモード 結合係数
F i g . 1 に示すように, z 正方向に伝搬し, x , y 方向
昭和5 4
年4
月2 6
日受理本電気工学科
ーム波が x 方向に dだけずれた伝搬軸をもっとき,そ の基本モードは次のように表わされる
3)ぽ f 〉 勺 ( 伐
x,
μ一 す す γ η 12 σ12( 匂 x 一d の ) 2 一 f を rη2 2 σ 内 2 2 匂 y2
十jすくt a n ‑
1~1 十 tan-1' 2 ) } ( 1 )
46 辻 裕邦・田中和雅
ここで
ξ、=2(・一…),
腎
η = @V、+ξ餐・( =1・2)
σi2=1+jξi,
…一Z J・
で,k。は自由空間中での波数を表わす.
晦姻εps!q!(P+q)!僻)
雨袴腔ρ魑繋
・砂{j(一・)÷一一器}{(・+2q)!
ρ確却(aoρo)+(一・)m(・+2q+m)!
好mL謡群m(aoρo)} (7)
n OQ Oo
ΣΣΣコ
(一1)s+q(2)
いまモード展開法を用いて(1)式で与えられる方形ビ ーム波の基本モードを,z軸を伝搬軸とする任意の円 形ビーム波の重ね合わせとして次のように表わす.
φεξ)(x,y,z)=.ΣB器nψmn(r,θ,z) (3)
皿,n=0
ここでψmn(r,θ,Z)は一般に次式で与えられる4).
ψ一。・θ・の一蕩,m論!蜘恥圓}
η(ηr)mL晋(η2r2)θ⑫{一側η2σ2r2
+j(2n+m+1)彦αη軸1ξ}co5(mθ)
ただし
・m一 o1舗,
ξ=2(z−Zcs)
η =:
ko Ws2
/7
, w・〆1+ξ2
(4)
(5)
:曙1(X)は:Laguerreの多項式である.(4)式はz軸
を伝記軸とし,Z=Z・・に最小のスポットサイズW・・
を持つ円形ビーム波を表わしている.
(3)式の{B謝}すなわち方形ビーム波の基本モード を円形ビーム波の重ね合わせとして表現するさいの重 ね合わせの係数はこの式に(4)式の複素共役をかけ,任 意のZ=ZO面上で積分すればビームモードの直交性を 用いることによりただちに次のように表わすことが出
来る.
劇『∫四三ψ温仏轍dθ
(6)
ここで*は複素共役を示す.(6)式は前節で述べたよう
に座標系が異なる被積分関数を含んでいるため多少複 雑となるが,回折問題と異なりrに関して無限積分で あるので次のように解析的に表わすことが出来る.5)
ただし
α・一捻(η1・2σ・・2一…2σ・・2)
ρ・÷(…2σ・・2+…2…2+2・・2σ・2*)(8)
・・一÷…4σ1・・d2
とした.また各パラメータの添字電曜0 はz=・Zoでの値
を示している.⑦式は軸ずれがある場合の方形ビーム 波め基本モードを任意の円形ビーム波の重ね合わせと して表わしたときの係数すなわちモード結合係数を表
わす.
3.傾いた方形ビーム波と円形ビーム波のモード結合 係数
(Xノ,.y , Z )座標系においてZ 軸を伝搬軸とし,
X
Cy 方向にそれぞれzl, Z6に最小のスポットサイ
・ズW1・,W2・を持つ方形ビーム波を考える.このビ ーム波をFig.2に示すような,この座標系に対して θ0だけ回転した(X,y, Z)座標系からみた方形ビー
ム波は次式で表わされる.6)φ診・(・,・,かノ
η1η2B謝一2/総藍1!ゆ{焔・一・・)
一う「互%σ蜜od2+j( α7z−1ξ10+渉α7z−1ξ20)
一j(2n+m+1)彦απ閏ユξ。}
■
π2 +μμ団oo∫θo
Fig.2 Coupling between a tilted rectangular
beam and a circular beam.
〜
方形ビーム波による光ファイバ 一モードの励振 47
ここで
θ⑫{一jko sづπθo(x−XLS)
一jko OO∫θ0(Z−ZLS)一壱η12σ、2
(X−Z∫απθ0)2一一塗rη22σ22y2 十j(μ岩壁)渉απ一1ξ1十1(〃十壱)
オα7z−1ξ2}H:μ〔η1(x−zψαπθo)〕
g (η2y)
η1= ・η2=
w2・/1+ξ22
w、、〆1+ξ、2
ξ・一
ネ職・魏一2(Zr認co3妬・
ゾ!2co∫θo γ/7
,
(9)
(10)
とした.H〃(X)はH:ermiteの多項式である.
いま(9)式で与えられる傾いた方形ビーム波の基本モ
ードを任意の円形ビーム波の重ね合わせとして次のよ
うに表現する.
φ68)(x,y,z)=ΣC論nψmn(r,θ,z) (11)
皿,n鷺0
ここで{C器n}は傾いた方形ビーム波に対する円形ビ ーム波の重ね合わせの係数である.これを求める方法 はすでに前節で示したのでその結果だけを示す.5)
C譜一2/、ml鵠!嘱・ψ[jk・
{zo(1−co5θo)→一(zLs 605θo圃一zcs)
十XLS CO∫θ0}一う一η102σ102 ZO2渉αη2θ0 十5一査〈 αη一1ξ10十乱zπ鞠1ξ20)一j(2n
+m+・)・・ガ・島]二黒属
・,話言1〜詳q)1鱒)轡1
(争〉㌦膿1畢1ゆ{j(m一・)
号一一筈}{(・+2q)!ρ・m
Ll剛岳)+(一・)血(・+2q+m)!
bゴmL彗翻誓)} (・2)
ただしρo,αoは(8)式と同じ式で定義され,また
bo=一を(ko s∫πθo−jη102σ102 zo渉απθo)2 (13)
とした.
4.光ファイバの励振
これまで多くの文献によって報告されている光ファ イノミの励振問題はおもに円形ビーム波を入射波として
議論されている.7)・8)一方光通信に用いられる光源と
しての半導体レーザの出力光は方形ビーム波であり,
これを光ファイバに入射する際シリンドリカルレソズ を用いて円形ビーム波に変換する方法が一般に行なわ れているが,このときの調整が容易でなく,完全な円 形からずれたビーム波となる場合がある.これらの影 響を考慮するには一般に方形ビーム波による励振問題 を解析する必要がある.そこでいまFig.3のように グレイディッドイソデヅクス型ファイバに方形ビーム 波の基本モードが入射した場合を考えてみる.
入射ビーム波をFiとし,ファイバ内の界をFt,、
また反射波をF・とする,入射ビーム波は直線偏波し ているとして磁界方向にy軸をとり,TEM波近似を 使えば電界はx方向のみとなるから,境界条件とMax・
we11の方程式により境界面z=Zoにおいて次式が得
られる.
X
Fiber
、Fi 〜胎 、 、 、、 隔
} 隔 一 Fr、、、_ 鯛 一
= 二
鱒 脚 一 一 一
」一
vf
一W6 1 開
, 一 一 C
一一一一@ 一一一鵯鴨
@ ,
@ ZLS/
=
Zo
噂_一隔__ 』 一扁,__
(a) off−axis incidεnce
×
Z
Fr、 、
Fiber
、
、
! F†
m .一輯幽一
@一一一
ZLS /
Wf
輪s, 1 θo
1 {
Eレノ
@ , 一z禁、
一 麟 鱒 脚 一, .騨@一 一 剛
,託 XLS ZQ
Z
(b)tilted incidence
Fig.3 Excitation o f a graded−index optical fiber by a rectangu1母r wave beam.
Fi,Fr,and Ft are incident, reflected,
and transmitted waves, respectively.
48
辻・裕邦・由 中・和誤
断晶㌧券■御)
ここでnをグレイディッドイソデックスの屈折率とし これが次式で与えられるとする.
n2= no2− no n1(x2十y2) (15)
noはファイバの中心での屈折率であり,ゾn1/noは屈 折率の集中の程度を示している.入射ビーム波を方形
ビーム波の基本モードとし,反射波と透過波をモード 展開法を用いてそれぞれ
Fi=φoo(i)(x, y, Zo),
F・= B翻蹄(・…勾・ (、6)
Ft・=ΣTi鈷nψ畠盈(r,θ, Zo),
m,n=0
と表現することにより,反射ビーム波は入射ビーム波『
と逆方向に進む方形ビーム波の重ね合わせ,また透過 ビーム波はファイバの固有ビームモードの重ね合わせ として表わされる.この重ね合わせの係数{R{鈴,
{T論n}はそれぞれ入射波と反射波の(μ,のモード,
入射波とファイバの固有(m,n)モードの結合係数 を表わす.光ファイバの固有ビーム、モードは光ファイ ノミの屈折率分布によって決定され,それが⑮式で与え
られるとき次式のように表わされる.5)
ψ61)(・・…)一〆÷w,事/(諄お!!εp
(rWf)PL号(器)・⑫{一(÷)琴
一」βpq Z}co5(pθ) (17)
ここでWfは固有スポットサイズと呼ばれ,βpqはz 方向への伝搬定数を示し,それぞれ
w高取恥 /
煽一一2(P+2q+・W司(18)
である.⑯式を⑭式に代入し,ビームモード関数の直 交性を利用すれば次式を得る.
R耀一謡謡1∫∫》ωα…勾
φ躍*(・・y…)d・dy
T認斎鴇∫『∫:鞭國
ψ5ξ)*(r,θ,Zo)rdrdθ
(19)
(20)
⑲式において,反射波を表現するために用いたビーム
モード{φ鋤総意である・そこで・・ま・このビー ム波のパラメータを入射ビーム波φ68)と入射面に対 して鏡像の関係になるように選べば⑩式の積分は次式 となる.
R誰一1:器:;≡謡}編器、。1,。δ・・輪 (21)
ここでδmnはKroneckerのデルタ記号である.
つぎに⑳式は直接計算するには煩雑であり,得られ る結果も見通しのよい議論を行うには不適当である.
そこでさきに述べた方形ビーム波を円形ビーム波の重 ね合わせで表わす方法を利用することにより同じ座標 系の議論に帰着させることが出来る.これを用いれば
次式を得る.T認一・∫『∫1胤1脚ψ一瞬
ψ6{)*(r,θ,Zo)rdrdθ (22)
ここで
・一
[鴇 (23)
であり,また瑞nは軸ずれ入射の場合(7)式のB81n,傾 め入射の場合⑫式のC31nを示し,軸上垂直入射の場 合は文献2)の⑭式によって与えられる.㈱式のψm。
(r,θ,Zo),ψ1{)(r,θ,Zo)はそれぞれ(4)式と⑰式で示さ
れるが,θに関する積分を行うことによりp≒mのと きこの積分は0となることがわかる.rに関しては展 開に用いた円形ビーム波のパラメータの任意性を利用 し,Z=ZO, Ws・=Wf とおくことによりビームモー ドの直交性が利用出来る.すなわち光ファイノミの入射 面は伝搬軸に垂直な平面となっているが,展開に用い たビーム波のビームウェイストの位置をこの入射面上 におき,そこでのスポットサイズを光ファイバの固有 スポットサイズと一致させる.この条件の下で㈲式は
次のように表わされる.T88=tI瀦nθ彫}{」βpqzo}δmPδnq (24)
5.数値計算
前節の議論からも明らかなように方形ビーム波によ
る光ファイバモードの励振問題は方形ビーム波と円形
ビーム波の結合係数を利用することにより解析が容易
になる.実験では多くの場合パワーが測定されるがそ
の値は(24)式の絶対値に比例する.また(23)式のtは
光ファイバの屈折率分布で決まるので(24)式より透過
方形ピー1ム波による光ラァイバ㌫モードの励振 49 波のモード結合係数は単に方形ビーム波と円形ビーム
波のモード結合係数:に比例することになり,lI瀦nl の解析に帰着する.しかしながらこの解析は(7)式お よび(12)式からわかるように二重無限級数と含んでお り,パラメータの値によっては計算機を用いてもかな りの演算時間を必要とする.しかし反射波および光フ ァイ・ミ中のモードを軸対称なもの,すなわちm=0に 限れば無限級数が消え,結合係数を次のような有限級 数として表わすごとが出来る.すなわち,
軸ずれした場合
B83−2加411識御{焔・一・?・》.
+寺(伽『1ξ・・伽一1ξ・・)一j(2・+・)
・・ガ1ξ・一青η1・2σ・・2d2(1_η10臼σ 10 ρ02)}
嵩≒1)s(2(n−sI1一S))歩(舞)s
(審r呪鷹雛](25)
傾きのある場合
C88−2・・聯1。翫・⑫[jk・{・・(・一…θ・}
+(ZLS OO3θ。一ZGS)+XLS 5ゴπθ。}
+÷伽一1ξ・・+ ・ガ1ξ・・)
一j(2n+m+1)如π一1ξ。一青η1。2σ1。2z。2
酬(j下賜一 テ鯉回
気(量}〉(2〜握s))歩幅(缶)心
ψ(η102σ102ZO απθ0−jko∫ゴπθ0 (ρ1。α、1)査 )]
(26)
となる.ここで 、
lll=霧之欝}(i一・・2)(27)
とした.これらの式の絶対値を計算したのがFig・4ッ6 である.Fig.4は軸ずれした方形ビ「ム波と円形ビー
ム波の結合係数を示している.(a)はw1、=w2,のときで)これは方形ビーム波が円形ビーム波となってしま
うので,軸ずれのない場合には基本モーF㊧みで表わ される.軸ずれが生じると重ね合わせに必要な高次モ ードの数が増加するが,軸ずれ量がスポットサイズの 50%以下であればほとんど基本モードのみで表わされ
る.(b)はwエ,/w2、=0.5のときである.軸ずれのなlB::1
Lo
O.5
n乙Q
2 3
覇麓:;1:8
d/w、、
3,0 4.o
w16/w2、=1.0
1B::1 1.o
O.5
。ρδ.o
1,0 20
(a)w、/w2、=1.0,
n=o
2
1B:謎
[ρ
n=o
添地:占:1,
O,5
2 3
㍑1鞄:占:ε
oρQO I.0 2.0 30 40 d/W」s
(c) ws/w2s=1.0, wls/w2s=・0.25
iB謝 しO
O.5 nゴO
2 3
W巴!W璽520,707 W5!Wa830.5
αo・。 1.・ 2。 … 。d/w・・ 。%.・ 1。 ,。 旦。 。。d/鴨
(b) ws/w2s=1.0, wls/w2s=0.5 (d) ws/w2s= 0.707, wls/w2s=・0.5 Fig.4 CoupIing coefficients between an off−axis rectangular fundamental beam mode TEMoo and circular beam modes.{TEMon}.宙1s and w2s are the spot sizes of the rectangular wave beam in x and y direc−
tions, respectively, and ws is the spot size of the circular wave beam.
50・ tf ws' su・M *・ iFP me
IC:n.I l.O
O.8
O.6
OA
O.2
o,o
n=o
l
2
3
/
W,,ISAE,=O.5 1:lt¥!ir,s#t.o '
IC:zl O.3
O.2
o.t
5 10
e
7 (deg}
Zo= Zs
o・Oo
(c)
5
IO 2
l
n=Q
WtslSAEs=O.5 va/Nftts=1,O zoto,o Zs=O.5mm
l2 Wls/W2s =O o
(a) Wls/W2,==O.5 456 , Ws/W2s==1,O,
34
,5, ws/w2s =1・
5 o,
6 7(deg}
lzo‑zs] =o.smm.
e
ICg",I 1.0
O.8
O.6
O.4
O.2
o.o
ntO
s
3 5
thn,1ve,!o.2s va!VVtss= 1 .0 Ze= Zs
IC::l
‑i .o
O.8
O.6
O.4
O,2
IO
Ol (b)
O,5nm
t.Omrn
5.0 rnm
zs ‑‑ O.Omm
WTs!YNEs=b.5 thig1vvas= 1 .o
k=O.Orm
2 3 4 5 6 7cdeg) (E)' O l 2 3 4 5
'
wis/w2s==O.25, ws/w2s=1.0, zo==zs (d) wis/w2s==O.5, ws/w2s=:1.0,
Fig. 5 Coupling coefficients between a tilted rectangular fundamental mode TEMoo and circular beqm modes {TEMen}.
o.o
6
zo =O.O,
e
7{deg)'
方形ビーム波による光ファイバモードの励振
51いときでもビーム波が方形であるための効果が出てい るが,重ね合わせに必要なモード数はわずかである.
軸ずれが生じると高次モードに対してはその結合係数 に変動が見られる.これらのことからファイバを方形 ビーム波で励振する場合,伝搬軸をその固有スポット サイズの40〜50%程度ファイバの軸からずらしてもか なりの基本モードが励振されることがわかる.(c)は w1、/w2,=0.25のときで,方形ビーム波のスポット サイズが長方形になるにつれて重ね合わせに必要な項 が増す.また軸ずれに対しても敏感になる.以上のこ とから,それほど円形からずれていない方形ビーム波 は軸ずれの影響はあまり大きくないと考えられる.
(d)はw1、/w2、=0.5のとき,円形ビーム波のスポ ットサイズが基本モード間の最大の結合係数を与える
W、=}/Wエ、W2,の場合の曲線である.図からWB/W2、=1.0からずれるにしたがって高次モードの変動は小 さくなり,反面多くのモードが必要となることがわか る.これらのことから,軸ずれ量がその方向のスポッ トサイズの50%以下であれば方形ビーム波のx,y方向 のスポットサイズの比が1.0から多少ずれてもw・=
〆W1,W2,に円形ビーム波のスポットサイズを選ぶこと でほとんど基本モードのみで表現できることがわかっ
た.
つぎに傾きに対する影響を解析したのがFig.5で ある・(a),(b)は両ビームウエイストの位置が一致
した場合で,n=10まで示している.w1,/w2,=0.5の場合,θ=0のときでも多くのモードの重ね合わせを 必要としている.傾きが生じると変換される基本モー
ドは急速に減少しθ=4.5。になると(0,1)モードの方が大きくなり方形ビーム波の基本モードを円形ビーム 波の基本モードのみで表わすにはwユs/w23=0.5で せいぜいθ=1.0。程度までにすぎない.w1、/w2、=
0.25と方形ビーム波が長方形になるにつれて,傾きが 小さくとも非常に多くの重ね合わせが必要となり,ま た角度に対しては鈍感となる.(c)は両ビーム波のビ ームウエイストの位置がずれた場合のもので,角度に 対して非常に複雑な変化を示す.また変換された円形 ビーム波のモードは同程度の大きさで,ずれない場合 の数倍の重ね合わせを必要とする.(d)はビームウエ イストの位置がずれた場合の基本モードの変化を示し ている.図よりずれが0.5mmでも基本モードの大き
さは1/3以下となることがわかる.6.むすび
光通信に用いられる半導体レーザは方形のスポット サイズを持っており,これをシリソドリカルレンズを
用いて円形ビーム波に変換してファイバに入射させる が,この調整が一般に容易でない.本論文では完全な 円形でない場合に軸ずれや傾きが生じたときの解析の 方法を示した.入射方形ビーム波のx,y方向のスポッ トサイズの比が1.0よりずれるにしたがって,これを 円形ビーム波の重ね合わせで表わすには多くの高次モ ードを必要とするが,軸ずれや傾きに対しては次第に 鈍くなる.またファイバの基本モードを多く励振する には軸ずれはせいぜいスポットサイズの40〜50%,ま た傾きに対しては1。程度までである.さらに入射面と ビーム波の等位相面の曲率を一致させることが重要で
あることがわかった.本論文の解析方法は重ね合わせに用いる円形ビーム 波の任意パラメータを適当に選択することによって議 論を非常に簡単にするという利点を持ち,ここで示し た例以外にも多くの応用が出来ると考えられる.
おわり に日頃御指導いただく九州大学福光教授に感 謝する.
参考文献
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