平成28年度 学士学位論文梗概 高知工科大学 情報学群
学習指導案を用いたリアルタイム授業進捗管理システムの構築
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吉原 美奈子 【 教育情報工学研究室 】1
はじめに学校現場では,指導者は複数のクラスを担当し授業 を行っている.指導者は授業を行うために,事前に立て た年間指導計画と照らし合わせ学習指導案を作成する.
これらの文書は近年文書作成ソフトで作成するが,学習 指導案を使用する際には紙媒体で利用することが多い.
そのため授業の進捗を管理するうえで授業中にリアル タイムで文書を用いて進捗を管理されることはほとん どなく,様々な方法で管理している.
本研究では,年間指導計画と本時の授業の学習指導案 に授業の進捗管理の機能を付加することで,授業者の クラスの進捗や活動内容を管理できるシステムを構築 する.
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学習指導案を用いたリアルタイム授業進捗 管理を目的とした機能の提案2.1 現在の年間指導計画と学習指導案
年間指導計画とは「その年度の学習活動の見通しをも つために1年間の流れの中に単元を位置付けて示すも の」である[1].学習指導案とは「授業を構想する際の 設計図であり,授業を行う際の進行表となり,実施後に は授業や学習指導の記録,次への構想の準備となるも の」である[2].学習指導案は授業者が授業者以外の他 者にも分かるよう授業における意図や指導上の工夫,学 習者の活動などが示されてる.年間指導計画と学習指導 案は固定された様式はないが年間指導計画には単元名,
主な学習活動,活動時間,予定される時数について書か れる[1].学習指導案には,対象,日時,場所,単元名,
教材名,単元について,単元目標,単元の評価規準,単 元の指導計画,本時の目標,本時の展開が書かれる[2].
2.2 授業進捗管理を目的とした機能の提案
一般に指導者は複数のクラスを担当し授業を行って いる.また,同学年の複数クラスを担当することもあり 授業の回数や習熟具合はクラスごとに異なるため,そ れぞれのクラスの進捗を管理する必要がある.しかし,
年間指導計画や学習指導案を用いてリアルタイムに進 捗を管理されることはほとんどないため,管理の方法は 教科書に書き込んだり,ノートに書き込んだりして管理 している.このためクラスの進捗や活動内容の記録や記 憶が混在し,必要な発言を忘れるなどの弊害が起こる.
そこで年間指導計画と学習指導案の本時の指導計画を 用いて以下の機能を提案する.
• クラスごとに指導案を管理する機能
• 授業の進捗状況を経過時間で管理する機能
• 年間指導計画と各単元・授業の進捗を一括で管理 する機能
クラスごとに指導案を管理する機能により,指導者が 授業中に簡易的に時間管理が可能になり,時間の調整を しながら授業を行うことができる.次に授業の進捗状況 を経過時間で管理する機能により,授業全体の進捗管理 が可能になるため授業外での管理を簡単に行うことが できる.最後に,年間指導計画と各単元・授業の進捗を 一括で管理する機能により,授業を行う上で必要な学習 指導案と教科書を参照できるようになるため進捗状況 を容易に確認することができる.
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システムの実装学習指導案を用いたリアルタイム授業進捗管理機能 の構築には,HTML5,JavaScript,、jQueryを用いた.
授業中に教員が各項目の時間を測定できるよう,各項目 に時間を計測することができるボタンを設置している.
また計測された時間はボタンの下に表示されるように し,年間指導計画の一覧表にも対応付けて表示されるよ うにした.これにより授業中にリアルタイムで授業の進 捗管理を行うことができる.さらに学習指導案の横に指 導者が必要とする教科書の写真を表示することができ るようにした.これにより学習指導案とともに必要とす る教科書等を同時に画面で見ることが可能となる.
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まとめ本研究では,学習指導案を用いたリアルタイム授業進 捗管理を目的とした機能の構築を行った.またこのシス テムの有効性について評価を行う予定である.今後は授 業の時間管理機能だけでなく,指導者が授業を計画管理 する際に必要となる生徒の現在の情報等を管理する機 能を構築していく必要がある.
参考文献
[1] 文部科学省,“総合的な学習の時間学習指導要,”p.
76,2014.
[2] 京 都 府 教 育 委 員 会 ,“学 習 指 導 案 ハ ン ド ブック,”http://www.kyoto-be.ne.jp/ed-
center/gakko/pdf/sidoanhandbook.pdf,pp.
1-p17,2012/4.