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細菌抗原に対する免疫担当細胞の機能解析

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Academic year: 2021

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研究科分 麻布大学雑誌 第17・18巻・2008年

細菌抗原に対する免疫担当細胞の機能解析

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池田輝雄

麻布大学獣医免疫学研究室

Teruo IKEDA

Laboratory of Veterinarian Immunology, Azabu University

(背景と目的)

 近年,自然免疫および適応免疫におけるマスト細 胞の機能が注目されている。我々はマスト細胞の免 疫担当細胞としての機能に注目し感染局所において は,マスト細胞の増殖因子として知られるIL−9がマ ウス骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)に対して LPS刺激によりIL−9 mRNAの発現を強く誘導するこ

とを見出した。また,IL−9はBMMCの細胞増殖を単 独では誘導しないが,IL−3およびSCFとの共培養で 相加的に促進させることを示し,LPS存在下でのIL−

9産生によるマスト細胞のオートクライン増殖の可 能性を示唆し,グラム陰性菌感染局所でのマスト細 胞の役割を考察した。そこで今年度は,LPS刺激に よるBMMCからのIL−9の産生をELISAを用いてタ ンパクレベルで検討し,IL−9産生によるオートクラ インの検証を試みた。

(材料と方法)

マスト細胞の培養

 マスト細胞はBALB/cマウスから調整した骨髄由 来培養マスト細胞bone marrow drived mast cells

(BMMCs)を用いた。

LPSでの刺激

 α・mediumにIL−3(2 ng/ml)とSCF(10 ng/ml)を

添加した培地にBMMCs lx106個月mlを100μ1プレー トにまき,E∫c11εrfc1加col∫B4:0H1由来のLPS

(Sigma)でそれぞれ実験により時間(12h24 h 48 h),

濃度(10ng/ml 100 ng/ml lOOO ng/ml)を変化させ刺 激した。

サイトカインの定量

 刺激したサンプルの上清をサンドイッチELISA法 を用いて測定した。本法は下記に示した。

リアルタイムPCR

 マスト細胞からのTotal RNAの調整は, ISOGEN

(ニッポンジーン)を使用した。cDNAの合成は

SUPERSCRIPT H RT(lnvitrogen)を用いた。

 サイトカインのmRNA発現レベルは, Applied

Biosystems 7300 real.time pCR systemを用いて,

TaqManアッセイおよびSYBR Greenアッセイで測定 した。サイトカインのRNA発現はGAPDHに対する RNA発現値として示した。

サンドイッチELISAによるIL−9の定量

 IL−9を測定するためにサンドイッチELISA法を用 いた。方法はU字マイクロプレート(greiner社製)

(2)

細菌抗原に対する免疫担当細胞の機能解析 113

にCapture抗体(PEPROTECH社の500−P5g)を

Coating Buffer pH95(BD社)で1mg/mlに調整し,

100ml/wellずつ入れ,4℃でovernightして固相化し た。PBS−tween−20で洗浄後,1%BSAのPBSで1時 間室温でブロッキングし,洗浄後,スタンダードあ るいはサンプルを100μ1/well入れ,3時間室温で反 応させる。洗浄後,Detection抗体(PEPROTECH社

の500−P59Bt)0,5 mg/mlを100μ1/well入れ,2時間室 温で反応させて,洗浄後,streptavidinで30分感作し,

洗浄後,アビジンービオチン液を加え,吸光度405nm で測定した。検量線からサンプルの濃度を検出した。

結 果

1.LPS刺激により誘導されるマスト細胞IL−9mRNA  およびIL−9レセプターmRNA

 マスト細胞でのIL−9mRNA発現はLPSでの刺激に よって増加した。この発現はLPS濃度依存的に増加 し,刺激後4時間でピークを示した。一方,IL−gレ セプターのmRNAの発現でのLPS濃度依存性は認め

られなかったが,恒常的に強い発現を示していた。

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3.LPS刺激による経時的なIL−9産生の変化

 LPS刺激によりBMMCからのIL−9産生が見られた ことから,次にLPS刺激によるIL−9産生の経時的変 化を調べた。その結果,少なくとも48時間までは時 間経過にしたがってIL−9の産生量が増加しているこ とが見られたことから,LPSによるBMMCからの IL−9産生は一過性のものではなく比較的長期にわた

って,継続することが示唆された。

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2.LPS濃度依存的に誘導されるマスト細胞IL−9  LPS刺激によりBMMCは1レ9 mRNAを強く発現 することから,次にタンパクレベルでの1レ9分泌定 量を検討した。すると,LPS刺激に対しBMMCが

IL−9の産生が見られ,それはLPS濃度100 ng/ml以上 で濃度依存的にIL−9産生量の増加が見られた。この ことからBMMCはmRNA発現を伴ってIL−9を産生 することから,オートクラインによる増殖が可能で あることが強く示唆された。

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4.LPSおよびサイトカイン共刺激によるIL−9産生  能への影響

 LPS刺激によりBMMCは濃度及び時間依存的に IL−9産生を増加することがわかったので,次にマス ト細胞の増殖に必須であるIL−3及びSCFがIL−9産生 に及ぼす影響を検討した。IL−3とLPSの共刺激によ りIL−9の産生量は増加した。 SCFとLPSの共刺激に よるIL−9産生への影響は認められなかった。この結 果から,LPS刺激でのBMMCから産生されるIL−9に よるオートクライン誘導マスト細胞増殖にはIL−3の 存在が必須であることが示唆された。

(3)

l14 麻布大学雑誌 第17・18巻 2008年

まとめ

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・BMMCにおいてLPS刺激で, mRNAレベルでの

IL−9が発現していることがわかった。

・BMMCにおいてLPS刺激で,タンパクレベルで の1レ9が発現していることがわかった。

.BMMCにおいてIL−9はmRNAレベルでもタンパ クレベルでもLPS濃度依存的に発現していることが

わかった。

・BMMCにおいてIL−9の産生にはIL−3が必須であ ることがわかった。

(考察)

 前回の成績から推察されたようにBMMCはグラム 陰性菌由来LPS刺激に対して, IL−gをmRNAレベル でもタンパクレベルでも産生することから,IL−gは マスト細胞のグラム陰性菌感染の免疫応答に強く関 与していると考えられる。現在,より詳細なIL−9産 生機序とin vivoでこの免疫応答を証明するための W/wvでの実験を検討中である。

参照

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