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食事誘導性肥満ラットにおける栄養素刺激に対する

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2018年

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食事誘導性肥満ラットにおける栄養素刺激に対する GLP-1 応答の変化

応用生物科学専攻 食資源科学講座 食品健康科学 柳原 くるみ

1.背景・目的

GLP-1 (Glucagon-like peptide-1)は主に下部消化管に存在する L 細胞から分泌される消化管ホ ルモンである。インスリン分泌促進や食欲抑制,脂肪蓄積抑制,膵β細胞保護作用など肥満・耐糖 能異常防御に関わる多くの作用を有する。

糖尿病や耐糖能異常患者では GLP-1 分泌が低下しているという報告がある一方で,それを否定す る報告もあり,未だよく分かっていない。本研究では高脂肪食とスクロース水をラットに与えた食 事誘導性肥満モデルを用い,食事に対する GLP-1 応答の変化(実験 1)と,栄養素単体に対する GLP-1 応答の変化(実験 2)を経時的に観察した。肥満発症過程において, GLP-1 の産生・分泌がどのよ うに変化するのかを明らかにすることを目的とした。

2.方法

【実験 1】5 週齢 (若齢)と 10 週齢 (成熟)の SD 系雄性ラットを AIN-93G 標準食を与える Control 群と,高脂肪食とスクロース水を与える HFS 群に分け,5 週間自由摂食させた。2 週後と 4 週後に 食事負荷試験を行い,GLP-1 分泌応答を観察した。食事負荷試験では,一晩絶食下のラットに経腸 栄養剤(エンシュア

®

・ H)を 15 kcal/kg にて経口投与し,食前および食後 120 分まで経時的に採 血した。

【実験 2】 高脂肪食+スクロース水摂取ラットにおける , 栄養素に対する GLP-1 分泌応答を 調査するた め,上記と同様の高脂肪食+スクロース水にて 5 週齢のラットを飼育し, 2 週後と 4 週後に栄養素負 荷試験を行った。栄養素負荷試験では,糖質(デキストリン),もしくは脂質(イントラリポス)

を 15 kcal/kg にて経口投与し,上記と同様の方法で採血した。

3.結果と考察

【実験 1】 2 週後の食事負荷試験において,若齢ラットでは HFS 群で食事負荷に応答して GLP-1 が 分泌されたが, Control 群ではそれがみられなかった。4 週後の食事負荷試験では,若齢ラット,

成熟ラットとも,HFS 群で Control 群よりも GLP-1 が強く分泌される傾向にあった。以上より,高 脂肪食・スクロース水の摂取は,食事に対する GLP-1 分泌応答を高める可能性が示された。

【実験 2】デキストリンに対する GLP-1 応答について,2 週後の試験では Control 群と比べて HFS 群で低く, 4 週後では Control 群よりも HFS 群で高かった。イントラリポスに対する GLP-1 応答は,

2 週後, 4 週後ともに Control 群よりも HFS 群で高い傾向にあった。以上より,高脂肪食 +スクロー ス水の摂取によって,2 週間という早い段階で脂質に対する GLP-1 応答が高まり,4 週間では糖質 に対しても GLP-1 への応答が高まることが示された。

4.まとめ

肥満発症過程において,食事及びそれに含まれる糖質や脂質に対する GLP-1 分泌応答が高まるこ

とが示唆された。胃排泄速度は標準食摂取ラットと違いが見られなかったことから,肥満誘導食に

より GLP-1 産生量の増加や L 細胞の感受性の亢進が生じた可能性が示された。

参照

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