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半世 紀 を迎 えた 中 国国 際関係研 究 〜 中 国 国 際 関係 研 究 の 時 期 区分 か ら〜

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半世 紀 を迎 えた 中 国国 際関係研 究

〜 中 国 国 際 関係 研 究 の 時 期 区分 か ら〜

林 亮

は じめ に

中 華 人 民 共 和 国 で の 国 際 関 係 論 研 究 の歴 史 が50年 を越 え た 。 これ を機 に建 国 以 来 の 中 国 国 際 関 係 研 究 を総 括 す る論 文 が 幾 つ か 発 表 さ れ て い る。 本 論 で は これ らの 論 文 を詳 細 に検 討 す る こ とに よ っ て 中 国 に お け る 国際 関 係 研 究 の 歴 史 を中 国 自身 が どの よ うに 認 識 し評 価 して い るの か を明 らか に す るの が 目 的 で あ る。 そ れ に よ って 中 国 の 国 際 社 会 認 識 に お い て重 要 な役 割 を果 たす 国 際 社 会 観 、 国 際 関 係 観 を 明 らか に す る こ とが で き るの で は な いか と考 え て い

る。

中 国 人 の 国 際 関 係 あ る い は 国 際社 会 に対 す る認 識 枠 組 み は 、 国 際 情 勢 の変 化 に 中 国 が どの よ うに 反 応 し、 自国 が望 む 国 際 関 係 を形 成 す る た め に いか な る対 応 を選 択 す るの か に つ い て理 解 し予 測 す る た め に非 常 に 重 要 な要 素 の一 つ で あ る。(註1)

不 幸 に も私 の 在 外 研 究 中 にNATOに よ る 中 国大 使 館 爆 撃 事 件 が あ っ た。

米 国 大 使 館 に 投 石 した あ と寮 に 戻 っ てTOEFLの 受 験 を勉 強 す る 中 国 人 学 生 に違 和 感 を覚 え、 反 米 意 識 と米 国 留 学 熱 が 共 存 す る彼 らの 国 際 関 係 観 に深 い興 味 を覚 え たが 、 中 国 の 人 々 が描 く国際 社 会 の あ り方 、 あ る い は 自国 と国 際 社 会 の 関 係 を認 識 す る イ メー一ジの 形 成 に 中 国 の 国 民教 育 、 と くに 大 学 に お け る国 際 関 係 学 あ る い は 国 際 政 治 学 が 大 き な影 響 を与 え て い る は 間 違 い な い。

か つ て は 中 国 で は 政 治 指 導 者 の 国 際 関 係 に対 す る認 識 が最 大 の 関 心 事 で あ り、 公 式 の イ デ オ ロ ギー 的 解 釈 が す な わ ち 国 際 関 係 へ の 認 識 で もあ っ た 。 し か し昨今 の 中 国社 会 は 改 革 開放 政 策 の結 果 、 政 治 指 導 者 か ら官僚 、 研 究 者 、 学 生 さ らに一 般 市 民 まで 含 む 広 範 な 人 々 が 国際 関 係 を どの よ うに認 識 して い る か が 重 大 な テー マ とな っ た 。

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中 国 で は マ ル ク ス ・レー ニ ン主 義 、 毛 沢 東 思 想 、 郡 小 平 理 論 とい っ た よ う に主 義 、 思 想 と理 論 の 関係 が こ とさ ら重視 さ れ る。 な か で も 「理 論 」 は 現 実 の 政 策 決 定 を指 導 す る重 要 な役 割 を果 たす 。 国 際 関 係 理 論 は 、 マ ル クス ・レ ー ニ ン主 義 、 毛 沢 東 思 想 、 郡 小 平 理 論 の 指 導 の下 に研 究 され 、 国 際社 会 の 中 で 富 強 な 中 国 を 目指 す 中 国 の 国 家 戦 略 を策 定 ・実 行 す る役 割 を期 待 さ れ て き た。 政 治 指 導 者 や 高 級 官僚 達 の 政 策 決 定 を側 面 的 に支 援 す る事 務 的 な政 策 科 学 と して大 き な政 治 変 動 の 波 を受 け つ つ 国 際 関 係 研 究 は 続 け られ て きた 。

さ らに 改 革 開 放 政 策 以 来 、 積 極 的 に 欧 米 国 際 関 係 理 論 の 導 入 を は か る 中 国 は 、 「中国 的 特 色 あ る国 際 関 係 理 論 」 の 構 築 を 目指 して い る。 「富 強 な 中 国 」 の 実 現 に 直 接 貢 献 す る 「平 和 と発 展 の 時 代 」 を導 くに ふ さ わ しい 国 際 関 係 理 論 が 構 想 され て い る。 欧 米 か らの 導 入 学 問 の 域 を超 え て 、 中 国 は い か な る独 自の 国 際 社 会 に 対 す る認 識 枠 組 み=国 際 関 係 学 論 を もっ て 国 際社 会 を理 解 し て い くの で あ ろ うか 。

共 産 党 独 裁 体 制 の 下 に あ りな が ら中 国 政 治 は大 衆 に解 放 さ れ つ つ あ る。 対 外 政 策 で さ え共 産 党 は一 定 の社 会 の 支 持 を必 要 とす る よ うに な っ て い る。 広

範 な大 衆 の 国 際 社 会 へ の 認 識 と考 え方 が 重 要 性 を増 しつ つ あ る。

ま た この 問 題 は1999年4月 よ り2000年3月 まで 中 国 武 漢 大 学 で行 っ た私 の 在 外 研 究 の 主 要 な テ ー マ の 一 つ で もあ っ た 。 西 洋 近 代 へ の 対 抗 と して近 代 化 政 策 、 あ る い は 現 代 化 政 策 を推 進 して きた 中 国 に と っ て 、 西 欧 が 主 導 す る国 際 社 会 中 で正 確 に 自国 を位 置づ け 、 独 立 と繁 栄 を 目指 して い か な る政 策 を選 択 す るか は 最 も重 要 な課 題 で あ り続 け た。 こ れ は また 欧 米 主 導 の 国 際 秩 序 の 下 で の 抑 圧 に 対 抗 す るた め に 、 オ リエ ン タ リズ ム の裏 返 し と も言 え る国 際 社 会 の 中 で の 名 誉 あ る中 国 の 位 置 づ け をめ ぐっ て 闘 わ れ る階 級 闘 争 で もあ っ た 。

現 在 も続 く現 代 化 と地球0体 化 へ の 中 国 の 対 応 を、 中 国 国 際 関 係 学 研 究 全 体 の 中 で理 解 す る こ とが私 の最 終 的 な 目標 で あ る。 そ の 出 発 点 と して 中 国 自 身 が 国 際 関 係 研 究 の 歴 史 を どの よ うに 把 握 し、 今 後 い か な る展 望 を もっ て 国 際 関係 研 究 を行 うの か 。 また 中 国 の 国 際 化 ・現 代 化 プ ロ セ ス を指 導 す る役 割 を期 待 され て い る国 際 関係 理 論 研 究 の 方 向性 を明 らか に した い 。 本 論 で は 中 国 国 内 で発 表 さ れ た 国 際 関 係 研 究 時 期 区分 に 関 す る論 文 の 詳 細 な検 討 に よ っ て 、 これ らの課 題 を解 明 す る手 が か り と した い。

ま た今 回 の 中 国 で の在 外 研 究 の機 会 を与 え て くれ た 胡 徳 坤 先 生 を は じめ 武

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半世 紀 を迎 えた 中国 国際 関係研 究31

漢 大 学 歴 史 学 部 の 諸 先 生 方 の ご助 力 とご指 導 に、 この 場 を借 りて 感 謝 を表 し た い。

1、 従 来 の 国 際 関 係 研 究時 期 区 分 につ い て

まず 建 国50周 年 に 際 して 発 表 され た 国 際 関 係 研 究 時期 区分 を紹 介 す る ま え に、 従 来 の 時期 区分 を代 表 して90年 前 後 に 発 表 され た 時 期 区分 を確 認 して お きた い。1989年 は一 般 に単 な る西 欧 学 問 の 導 入 段 階 を越 え て 国 際 関 係 研 究 が 進 展 した と され る年 で あ り、89年 に 出 版 され た張 歴 歴 の 時 期 区分 を、 改 革 解 放 か ら89年 ま で の 見 解 の 代 表 と して 取 り上 げ る。 そ の上 で そ の 後 建 国50周 年 に 際 して 発 表 され た時 期 区分 を重 ね て 検 討 す る こ とに よ っ て 現 在 の 研 究 時期 区分 の全 体 像 が 明 らか に な っ て くる と思 わ れ る。

① 張 歴 歴 等 著 『現 代 国 際 関 係 学 』 の 時期 区分

最 初 に1989年 に初 版 が 出版 さ れ た張 歴 歴 等 著 現 代 国 際 関 係 学 』 の 時期 区 分 を紹 介 す る。 本 書 は 中 国 国 際 関 係 理 論 研 究 の 歴 史 を、 中 国 成 立 以 前 と成 立 後 に 二 分 す る。 張 は 国 際 関 係 研 究 は1920年 代 に 国 際 関 係 史 ・外 交 史 ・中 国対 外 関 係 史 の3分 野 で 開 始 され 、 こ の期 間 に研 究 の 基 礎 が 形 成 さ れ た。 続 く30 年 代 は 国 民 党 統 治 地 区 と共 産 党 支 配 地 域 の 双 方 で対 外 政 策 と戦 争 と平 和 の研 究 が 進 め られ た 時 期 で あ る と して い る。

彼 の 時 期 区分 に よれ ば建 国 後 の期 間 は3つ に分 割 され る。 国 際 問題 研 究 員 や 外 交 幹 部 養 成 と外 国 研 究 が 始 ま っ た 第 一 段 階(1949〜65年)は 、 国務 院 が 国 際 問 題 研 究 と研 究 員 、 外 交 部 幹 部 の養 育 を重 視 、 と くに 中 ソ論 争 の 必 要 性 か ら国 際 関 係 理 論 研 究 が 政 治 指 導 者 の レベ ル で進 め られ た とす る。 第 二 段 階 は 、 「文 化 大 革 命 」 お よび そ の 後 の2年 間 の 俳 徊 期 で1966〜78年 の 期 間 で あ

る。 この 間 、 国 際 関 係 研 究 も他 の分 野 と同様 に全 面 的 に停 滞 して い た もの の、

毛 沢 東 を始 め とす る指 導 者 層 は0定 の 理 論 研 究 が 継 続 さ れ て い た とす るの が 特 徴 的 で あ る。 ち な み に80年 代 初 期 に発 表 され た テ キ ス トの 多 くは文 化 大 革 命 の 期 間 は 混 乱 期 で あ り、研 究 の成 果 は ほ とん ど な か っ た と され るの が 一 般 的 で あ っ た 。 第 三 段 階 は 改 革 開 放 に よ る研 究 の 発 展 期 で あ り、1979〜87年 期 間 を指 す 。 第11期3中 全 会 以 後 の 改 革 開 放 路 線 に よ る国 際 関係 研 究 の発 展 期 で あ り、 大 学 の 国 際 政 治 系 に 「国 際 関 係 論 」 講 座 が 開 設 さ れ 、 西 側 国 際 関

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係 学 の最 新 成果 の紹 介や 国外 との研 究交 流 の開始 を特徴 とす る。 さ らに87年 国際 関係 理論 全 国討 論会 の開催 を もって 中国国際 関係理 論研 究 は新 段 階 を迎 えた とされ る。

張 歴 歴 等 著 現 代 国 際 関 係 学 』 の 時期 区分 1、 中 国成 立 以 前 の 中 国 国 際 関 係 理 論 の 研 究

研 究 開 始 の 時 期(1920年 代)

対 外 政 策 と戦 争 と平 和 の 研 究 が 二 分 さ れ た 地 区 で 進 行 し た 時 期 (1930年 代)

2、 建 国後 の 中 国 国 際 関係 理 論 研 究

① 第 一 段 階 研 究 員 ・外 交 幹 部 養 成 お よ び外 国研 究 開 始 の 時 期1949〜

1965年

② 第 二 段 階 「文 化 大 革 命 」 お よ び2年 間 の 俳 徊 の 時期(1966〜1978年)

理 論 研 究 の 特 徴 に よ る時期 区分

第 一 の 時 期(1940〜1979年)理 論 が 国家 指 導 者 に集 中 され た時 期

第 二 の 時 期(1979〜 現 在)理 論 研 究 が 一 般 の 研 究 者 に 開 放 され 、順 調 に 発 展 した 時 期 。

ま た本 書 は 理 論 研 究 の 特 徴 か ら、 中国 革 命 の歴 史 に よ っ て1940年 か ら1979 年 の 時 期 と そ れ 以 降 の 二 つ の 時 期 に 区 分 で き る と も す る。 第 一 の 時 期

(1940〜79年)は 、 「理 論 が 国 家 指 導 者 で あ る毛 沢 東 と周 恩 来 に 集 中 され た時 期 」 で あ り、 国際 関 係 理 論 研 究 は 強 固 な指 針 性 を有 し、 党 と国 家 に 貢 献 す る

もの で あ っ た と され る。 単 純 化 され た左 傾 思 想 の 影 響 を受 け た理 論 を特 徴 と し、 マ ク ロ分 析 が 主 流 で あ り、 マ ル ク ス主 義 理 論 の指 導 下 に研 究 は 進 行 し、

マ ル クス 主 義 の 観 点 は文 字 通 り堅 持 され た 。 第二 の 時期(1979〜 現 在)は

「理 論 研 究 が 一 般 の研 究 者 に 開 放、 発 表 の 機 会 も与 え られ た発 展 の 時 期 」 で あ って 、 国 外 国 際 関 係 学 の最 新 の 成 果 を 吸収 ・学 習 し、 現 状 に適 合 しな い理 論 を修 正 す る こ とが 可 能 とな っ た とす る。(註2)

② 哀 明 『中 国 に お け る西 側 国 際 関係 研 究 〜 回顧 と思 考 〜』 の時 期 区分

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半世 紀 を迎 え た中国 国際関係研 究33

衰 明 の 時期 区分 は建 国 以 前 の 国 際 関 係 研 究 に つ い て 詳 細 に論 じて い る の で 検 討 した い 。 彼 は 中 国 で の 研 究 の 歴 史 を西 側 国 際 関 係 研 究 が 中 国 に 流 入 した 百 年 少 々 の期 間 と捉 え、 こ れ を5段 階 に分 け る。

第 一 段 階 、 「晩 清 時 期 」。 国 際 法 や 勢 力 均 衡 論 な どの 西 側 国 際 関 係 研 究 が 中 国 に流 入 し、 影 響 を与 え た時 期 。 第2段 階 、 「五 四 時期 」。 欧 米 に 留 学 し て い た 中 国 人 研 究 者 が 国 際 関 係 研 究 の専 門 書 を 出版 、 西 側 の 国 際 法 と国 際 関係 を 五 四運 動 時期 の 中 国 人 学 生 が 学 ん だ 時 期 。 中国 の 大 学 に西 側 国 際 関係 研 究 の 課 程 が 設 立 され 、 第 一 次 世 界 大 戦 終 結 後 の 欧 州 で の研 究 成 果 が精 華 大 や 北 京 大 の 図 書 館 で紹 介 され た 時期 で もあ る。 第 三 段 階 、 「抗 日戦 争 時 期 」。 中 国 の 研 究 者 や 評 論 家 は 香 港 や 南 洋 諸 島 で 活 動 し たが 、 戦 乱 の た め 西 側 国 際 関 係 研 究 の 系 統 的 紹 介 は 困 難iであ っ た。 第4段 階 、 「1949〜1978年 の期 間 」。 建 国 初 期 に は指 導 者達 は 国 際 問題 研 究 を重視 し、60年 代 始 め に は外 国 問 題 研 究 強 化 の ため 北 京 、 人 民 、 復 旦 の3大 学 に 国 際 政 治 系 が新 設 され た。 しか し文 化 大 革 命 に よっ て研 究 活 動 は 中断 した。 第5段 階 、 「改 革 開 放 の新 時 期 」。11期3 中全 会 以 降 、 中 国 思 想 界 、 学 術 界 は 空 前 の大 発 展 を遂 げ る。 西 側 国 際 関 係 研 究 の 訳 書 、 専 門 書 が 続 々 と出版 され 、 西側 研 究 者 も中 国 で 講 義 を行 っ た。 図 書 資料 の大 量 収 集 も は じま っ た 国 際 関 係 研 究 が 本 格 化 す る時 期 で あ っ た とす

る。(註3)

衰 明著 『中国 にお け る西側 国際関係研 究:回 顧 と思考』 の時期 区分

① 晩 清 時期:西 側 国際 関係研 究 流入 の時期

②五 四時期:西 側 国際 関係研 究本格 化 の時期

③ 抗 日戦 争時期:研 究 中断 の時期

④1949〜1978年 の期 間=研 究開始 と文 革 に よる挫折 の時期

⑤ 改革 開放 の新 時期:国 際 関係 研 究本格 発 農 の時期

2、 第2回 全 国 国 際 関 係 理 論 討 論 会 以 降 の 研 究 時 期 区 分

①1998年10月 上 海 で 開 催 され た 第2回 全 国 国 際 関係 理 論 討 論 会 に お け る時期 区分

1998年10月 上 海 で 開 催 され た 第2回 全 国 国 際 関 係 理 論 討 論 会 は、(1)改 革 開 放20年 の 国 際 関 係 理 論 研 究 の 成 果 、 現 状 、 課 題 。(2)郵 小 平 の 国 際 関 係 理

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論 体 系 。(3)冷 戦 後 国 際 関 係 の 重 大 な 理 論 的 課 題 な どに つ い て 多 くの 研 究 者 が は じめ て オー プ ン に 討 論 した と言 う。 こ の会 議 で 中 国 国 際 関 係 理 論 研 究 現 状 認 識 、 改 革 開放 政 策 以 降 の研 究 の 方 向 性 な どに つ い て 、 学 者 ・研 究 者 間 に 研 究 上 の ガ イ ドラ イ ン と もな る 了解 事 項 が 決 め られ 、 そ の 重 大 性 か ら11期3 中全 会 以 来 国 際 関 係 研 究 上 の 最 大 の転 換 点 に な っ た と言 わ れ て い る。

改 革 開放 以 降 の 国 際 関 係 研 究 に つ い て 「全 国 国際 関 係 理 論 討 論 会 紀 要 」 は 、 1979年 春 鄙 小 平 が 提 起 し た世 界 政 治 な どの 学 科 と研 究 が 基 本 的 に 完 成 す る 1978年 か ら89年 の 第 一 段 階 で あ る 「開 発 と導 入 の 段 階 」 と、89年 以 降 の 第2 段 階 「吸収 と創 造 の 段 階 」 に 二 分 した研 究 時 期 区 分 を提 起 す る。 後 半 の 「吸

収 と創 造 の 段 階 」 は 、1995年 を境 に さ らに 前 段 の 「吸 収 と批 判 の段 階 」 と95 年 以 降 現 在 まで に到 る後 段 の 「回 帰 と創 造 の 段 階 」 に 二 分 され て い る。(註4)

98年 第2回 上 海 全 国 国 際 関 係 理 論 討 論 会 に お け る時 期 区分 1、 開発 と導 入 の 段 階(1978〜1989年)

2、 吸 収 と創 造 の 段 階(1989年 以 後)

① 吸 収 と批 判 の 段 階(1989〜1995年)

② 回帰 と創 造 の 段 階(1995〜 現 在)

② 愈 正 梁 ・陳 玉 鋼 「中 国 国際 関 係 と国 際 関 係 理 論 の20年 」 に よ る時期 区分 愈 正 梁 と陳 玉 鋼 は 、 改 革 開放 後 の 中 国 国 際 関 係 と国 際 関 係 理 論 研 究 を総 括 し98年 第2回 上 海 全 国 国 際 関 係 理 論 討 論 会 で 発 表 され た 時期 区分 に つ い て さ らに 詳 細 な説 明 と検 討 を加 えて い る。

第 一 の 「開 放 と導 入 の段 階 」(1978〜89年)に つ い て 、 従 来 の 中 国 国 際 関 係 研 究 の歴 史 に お い て 現 実 の政 治 活 動 の 必 要 性 か ら 「史 」 と 「現 状 」研 究 は 継 続 され て き た が 、 「論 」 の 研 究 は系 統 性 に 欠 け 国 際 関 係 現 象 の 理 解 能 力 を 著 し く欠 い て い た とす る。(註5)

そ の ため に 改 革 開放 以 降 は、 現 実 の 国 際 政 治 へ の 対 応 の 必 要 性 に 基づ い て、

中 国 国 際 関 係 研 究 は 西 側 国 際 関 係 理 論 の 導 入 と系 統 的 研 究 を開 始 。 西 側 国 際 関 係 理 論 の論 文 ・著 作 の翻 訳 と紹 介 に よ っ て 基 本 的 な分 析 の 道 具 ・方 法 ・理 論 的 枠 組 み 、 さ らに 学 問 的体 系 を獲 得 で きた とす る。

同論 文 は、 第 二 の 「吸 収 と創 出 のi新段 階 」(1989年 か ら現 在)は 、1995年 を も って 「吸 収 と批 判 段 階 」 と 「回 帰 と創 出段 階 」 に 二分 され るが 、1989年

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半世 紀 を迎 え た中国 国際関係研 究35 を転 換 点 とす る理 由 につ い て 以 下 の 三 点 を上 げ て い る。

(1)西 側 の対 中 政 策 の 目標 や 戦 略 的 意 図 が 国 際 情 勢 の 変 化 に よ っ て 表 面 化 し、 国 際 関 係 理 論 の 背 景 に あ る国 家 的 立 脚 点 や 国 家 利 益 が 明 らか に な っ た。

単 な る翻 訳 や 紹 介 で は、 現 状 か らの 要 求 を満足 で きず 、 分 析 と批 判 的 研 究 に よ っ て 理 論 の 背 景 に あ る西 側 の 意 図 を探 る必 要 が で て きた 。(2)80年 代 以 前 は 中 国 国 際 関 係 研 究 は外 国 研 究 水 準 に達 して い な か っ た。 しか し89年 の 国 際 構 造 と局 面 の 大 転 換 が 起 こ っ た こ とで 、 外 国 と同 じ出 発 点 に 立 つ こ とが で き た 。(3)冷 戦 とそ の 後 の 過 渡 期 に 対 す る鄙 小 平 に よ る 国 際 関 係 の論 述 が 、 中 国 に お け る国 際 関 係 研 究 上 の 出 発 点 を提 供 して い る。(註6)

さ ら に こ の 時 期 の 研 究 の特 徴 と して 以 下 の5点 を上 げ る。(1)毛 沢 東 ・周 恩 来 の 思 想 ・行 動 の現 代 的 意 味 を探 る研 究 に加 え て 、 郡 小 平 国 際 戦 略 思 想研 究 に 多 くの 研 究 業 績 が 出現 した。(2)国 際 情 勢 の 新 旧 交代 局 面 に 際 して 各 国 か ら提 起 され た 歴 史 の 終 焉 、 民 主 主 義 国 平 和 論 、 覇 権 安 定 論 、 文 明 の衝 突 論 、 ポ ス ト覇 権 の 時 代 論 な ど新 しい理 論 の 紹 介 、 分 析 、 批 判 が 行 わ れ た。(3)国 際 関 係 理 論 課 程(西 側 国際 関 係 理 論 の 単 な る紹 介 や 世 界 政 治 経 済概 論 の よ う な課 程 で は な い)が 全 国 の 大 学 に 開 設 され 、 修 士 ・博 士 課 程 も設 置 さ れ る よ うに な っ た。(4)国 際 関 係 研 究 の 国 内 学 術 刊 行 物 が 多 数 出 版 され 、 研 究 の 公 開 ・自由 な論 争 が 可 能 とな り、研 究 が 大 き く進 展 した。(5)国 際 構 造 と局 面 、 国 際 的 主 要 矛 盾 、 国際 新 秩 序 、 国 際 安 全 保 障 、 国 際 組 織 、 多 国籍 企 業 、 国 家 利 益 、 総 合 的 国 力 、 民 族 主 義 、 発 展 問 題(現 代 化 、 南 北 問 題 な ど)、 紛争 と 危 機 管 理 、 人権 、 環 境 、 科 学 技術 情 報 と国 際 関 係 、 文 化(文 明)と 国 際 関係 、 相 互 依 存 と一 体 化 、 国 際 政 治 経 済 学 、 地 縁 政 治(地 勢 学 理 論)な ど理 論 的観 点 が 新 た な 学 問分 野 と して 形 成 さ れ た。(註7)

そ して1994年 の 国 際 情 勢 の 大 転 換 に よ っ て一 連 の 大 国 関 係 の調 整 が起 こ り 世 界 中 の 国 際 関 係 研 究 者 が 同 じ出発 点 に 立 つ こ とに な っ た。 そ の た め遅 れ て 研 究 を始 め た 中 国 研 究 者 に とっ て 国 際 水 準 に追 い つ き、 「中 国 的 特 色 あ る国 際 関 係 理 論 」構 築 の た め に最 大 の 好 機 を迎 え る こ とが 出 来 た とい う。 そ して

「中 国 的 特 色 あ る 国 際 関 係 理 論 」 研 究 が 検 討 す べ き テ ー マ と して 、 国 戦 略 研 究 、 大 国 関 係 研 究 、 冷 戦 後 世 界政 治 モ デ ル研 究 、 現 代 国 家 関係 に お け る 国 家 主 権 研 究 、 国 際 新 秩 序 研 究 、 国 際 体 系 変 遷 の 法 則 研 究 、 国 際 シ ス テ ム の特 性 、 構 造 、 運 動 法 則 の 研 究 、 さ らに冷 戦 後 の21世 紀 国 際 関 係 理 論 研 究 な ど を取 り

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上 げ て い る。

しか し中 国 の 国 家 利 益 、 中 国 の 世 界 に対 す る見 方 と主 張 を反 映 す る国 際 情 勢 全 体 に た いす る解 釈 理 論 と予 測 理 論 につ い て は 未 形 成 で あ る と して 、 今 後 研 究 の進 展 が 必 要 な分 野 で あ る と して い る。(註8)

③ 王 麗 捧 「中 国 国 際 政 治 研 究 の50年 を詳 細 に 見 る」 の 時 期 区分

王 麗 薄 は 、 国 際 関 係 理 論 と国 際 政 治 理 論 は 混 同 され て お り、 国 際 関係 理 論 は 国 際 政 治 研 究 の一 部 で あ る とす る。 そ して 国 際 関係 研 究 を国 際 関 係 理 論 、 国 際 戦 略 、 国 際 組 織 、 国 家 間 関 係 の4分 野 に分 け る。

時期 区分 に つ い て は80年 代 を境 に建 国 か ら80年 代 まで 前 期 と80年 代 以 降 の 後 期 に大 き く二 分 す る。80年 代 以 前 の 前 半 期 は マ ク ロ 的研 究 とイ デ オ ロ ギ ー 、 階 級 、 国 家 主 権 等 の 分 析 概 念 が 常 用 さ れ た 時 期 で あ り、 研 究 の 手 法 と して は 歴 史研 究(マ ク ロ的 実 証 研 究)と イ デ オ ロ ギー 研 究(イ デ オ ロ ギ ー よ り演 繹 的 に 推 理 す る研 究 方 法)が 主 流 で あ っ た。 前 期 は理 論 研 究 の初 歩 段 階 で あ る 建 国 か ら60年 代 まで の 時期 と、 国 際 法 研 究 が 重 視 され る一 方 で世 界 歴 史 の研

究 が 進 行 した60年 代 上 半期 の 時 期 、 最 高 指 導 者 層 に よ る政 策f戦 略 研 究 は 継 続 され た もの の研 究 が全 面 的 に停 滞 した1966年 の 文 革 開 始 か ら78年11期3中 全 会 まで の3つ の 時 期 に分 け る。

80年 代 以 降 の 後 半 期 は78年 か ら90年 代 の 改 革 開 放 政 策 に よ っ て外 国 の分 析 概 念 導 入 が 導 入 され た 「借 用 と模 倣 の 時 期 」 と、90年 代 以 降 の 「研 究 方 法 創 造 の 時期 」 に 二 分 され る。 「借 用 と模 倣 の 時 期 」 に お い て 「研 究 の 主 題 」 は

「平 和 と発 展 」 で あ り、 大 量 の 国 外 研 究 者 の 理 論 ・観 点 ・方 法 の紹 介 と吸 収 に よ っ て 多角 的 視 野 と多面 的 研 究 が 可 能 とな っ た 時期 で あ る とす る。 ま た こ の 時期 は.戦 略 研 究 が研 究 者 に 開 放 され 、 そ の た め80年 代 に は 米 ソ 国 際 戦 略 研 究 と勢 力 均 衡 概 念 が 研 究 者達 の 中心 的 研 究 テ ー マ とな っ た とす る。

「研 究 方 法 創 造 の 時 期 」 に お い て は、 哲 学 、 経 済 学 、 倫 理 学 な ど他 の 学 問 領 域 か ら知 識 や 研 究 方 法 が 導 入 され 新 た な理 論 的 方 法 論 が 創 造 され た 時 期 で あ り、 同 時 に 国 際 戦 略 研 究 の 範 囲 拡 大 と と もに 中 国 自身 の 戦 略 が 研 究 対 象 に な っ た と王 は 言 う。 また 、 この 時期 に は 国 際 関係 を主 題 とす るベ ス トセ ラー が 誕 生 し、 国 際 関係 研 究 の 非 学 術 化 あ るい は大 衆 化 が 始 ま っ た とす る。(註9)

王 麗 薄 「中 国 国 際 政 治 研 究 の50年 を詳 細 に 見 る」 の 時期 区分

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半世 紀 を迎 えた 中国国際 関係研 究37 1、 建 国 〜80年 代

① 建 国 か ら60年 代:理 論 研 究 の初 歩段 階

②60年 代 上 半 期:国 際 法 研 究 の 強 調 の 時期

③1966年 文 革 開 始 〜78年11期3中 全 会:研 究 の停 滞 期 II、80年 代 以 降

①78年 〜90年 代:借 用 と模 倣 の 時期

②90年 代:研 究 方 法 創 造 の 時期

3、 中 国 国 際 関 係 研 究時 期 区 分 に見 ら れ る特 徴

① 中 国 国 際 関 係 研 究 の 時期 区分

これ らの 中 国研 究 者 に よ る 国際 関 係 研 究 の 時期 区分 を整 理 の た め に便 宜 的 に ま とめ て み た い。 まず研 究 時 期 は 中 華 人 民 共 和 国 の建 国 を も って 中 国 成 立 以 前 と中 国 成 立 以 後 に二 分 され る。今 回取 り上 げ た 論 文 に よれ ば 前 半 の 中華 人 民 共 和 国建 国 以 前 の 国 際 関 係 研 究 は 、 晩 清 時 期 、 五 四運 動 時期 、 抗 日戦 争 時期 に分 け られ る。 古 代 か ら清 朝 ま で の 時 期 と、 日本 か らの 影 響 を ど う捉 え るか 、 ま た民 国側 と解 放 区側 に分 裂 して研 究 が進 行 した 日本 侵 略 と内戦 の 時 期 を ど う扱 うか が 時 期 区分 上 重 要 な問 題 と して残 っ た。 今 後 中国 独 自の 国 際 関 係 理 論 研 究 に あ た っ て 、 これ らの 問 題 点 が解 明 され な け れ ば な らな い だ ろ

う。 今 後 の研 究 の 進 展 に 注 目す る必 要 が あ る。

次 に建 国後 の 国 際 関 係 研 究 に つ い て 見 て み よ う。 まずZ国 か ら現 在 まで の 期 間 は 文 化 大 革 命 を挟 ん で78年11期3中 全 会 で 二 分 され る。 前 半 の 時 期 が

「国 際 関係 理 論 研 究 が 国 家 指 導 者 に集 中 され た 時 期 」 あ るい は 「研 究 の 開 始 と文 革 の 混 乱期 」 と な り、 建 国 か ち文 化 大 革 命 ま で の期 間 を 「研 究 開 始 の 時 期 」 あ る い は 「理 論 研 究 の 初 歩 段 階 」 と し、 「.国際 関 係 理 論 研 究 の 初 歩 段 階 」(i建国 よ り60年 代)と 「国際 法 研 究 強 調 の 時代 」(60年 代 上 半期)に 二分 す る考 え方 も提 起 され て い る。 この期 間 の 問題 点 は 旧 ソ連 か らの 国 際 関 係 史 導 入 と研 究 へ の 中 ソ論 争 の影 響 を ど う評 価 す るか で あ ろ う。

「文 革 に よ る停 滞 期 」 は、 単 に 「研 究 停 滞 期 」(66年 文 革 開 始 〜78年11期3 中全 会)と す るの か 、 あ る い は指 導 者 に よ って 理 論 研 究 が 独 占 され た 特 異 な 時 期 、 す な わ ち毛 沢 東 と周 恩 来 が 国 際 関 係 研 究 や 理 論 を代 表 した 時 期 とす る

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の か が 問題 点 とな る。 この 期 間 の外 交 や 国 際 関 係 上 の 経 験 を どの よ うに 中 国 国 際 関係 研 究 に 取 り入 れ て い くの か に よ って 評 価 が 決 定 され る だ ろ う。 最 近 で は こ の 時期 の 外 交 上 の 経 験 を 中 国 国 際 関係 理 論 研 究 に積 極 的 に取 り入 れ よ う と して い る よ うに 思 わ れ る。

3中 全 会 以 降 の 「改 革 開 放 の 時 期 」 あ る い は 「国 際 関 係 理 論 研 究 が研 究 者 に 開 放 さ れ 、 研 究 が 順 調 に 進 展 した 時 期 」 に 関 して は 、89年 を境 界 と し て

「開 発 と導 入 の 段 階 」(1978〜89年)と 「吸 収 と創 造 の 段 階 」(1989年 以 降) に分 け られ て い る。89年 の 世 界 的 な 国 際構 造 の大 変 動 に よ っ て 欧 米 や 日本 の 研 究 先 行 の 有 利 さ が 帳 消 しに な り、 中 国 国 際 関 係 研 究 が 諸 外 国 に追 いつ い た と され る。 全 国 国 際 関 係 討 論 会 の 時期 区分 に よ れ ば 「吸 収 と創 造 の段 階 」 は 95年 を も っ て さ ら に 「吸 収 と批 判 の 段 階 」(1989〜1995年)と 「回 帰 と創 造 の段 階 」(1995年 〜現 在)に 分 け られ て い る。

王 は そ れ に対 し78年 以 降 を他 の 学 問領 域 との相 互 浸 透 に よ る 「借 用 と模 倣 の 段 階 」(78〜90年 代)と 、 中 国 自身 が 研 究 の 対 象 とな り新 た な研 究 方 法 が 求 め られ る 「研 究 方 法 創 造 の 時期 」(90年 代 〜 現 在)と 二 分 し て お り、 国 家 利 益 へ の 直接 的奉 仕 と よ り学 問 的 立場 を重 視 す る意 見 の 相 違 が 存 在 す る こ と が 見 て取 れ る。 な お 張 は歴 史 と理 論 と現 状 の 三 つ の 分 野 に分 け て 時 期 区分 を 考 察 し、 王 は 国 際 関 係 理 論 、 国 際 戦 略 、 国際 組 織 、 国 家 間 関 係 な どの分 野 に 区分 して 時期 区分 を行 っ た と述 べ て い る。

政 治 的 変 動 を 中心 に考 え て、 そ れ ぞ れ の論 者 の 中 国 国際 関 係 研 究 時期 区 分 を一 つ の 時期 区分 に ま とめ 図示 して み た 。 現 在 の 中 国 自身 に よ る時 期 区分 と して お お む ね 適 当 と思 わ れ る。

中国国際 関係 研 究 時期 区分 1.中 国成 立 以前 の 国際 関係研 究

古代 よ り清 朝 までの時期 伝統 的 国際 関係研 究 の時期 晩清 時期 西側 国際 関係研 究 流入 の時期

五 四運 動 時期 西側 国際 関係研 究本 格化 の時期 抗 日戦 争 時期 研 究 中断の 時期

II.建 国後 の国際 関係研 究

1、 国際関係理 論研 究 が 国家指 導者 に集 中 され た時期

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半世 紀 を迎 えた 中国国際 関係研 究39

① 理 論 研 究 の初 歩 段 階

a.理 論 研 究 初 歩 段 階(建 国 よ り60年 代) b.国 際 法 研 究 強 調 の 時 代(60年 代 上 半 期)

② 文 革 に よ る停 滞 期

2、 国際 関 係 研 究 改 革 開放 と発 展 の 時期

① 開 発 と導 入 の段 階(1978〜89年)

② 吸 収 と創 造 の段 階(1989年 以 降) a。吸 収 と批 判 の段 階(1989〜1995年) b.回 帰 と創 造 の段 階(1995年 〜現 在)

② 体 制 ・政 治 情 勢 の 変 化 と一 致 す る研 究 時 期 区分

これ らの 中 国 の研 究 時期 区分 の 大 きな特 徴 の一 つ は 、 体 制 や 政 治 情 勢 の変 化 と国 際 関 係 研 究 の 時 期 区 分 が 完 全 に一 致 す る こ とで あ る。 建 国 初 期 は 戦 後 の社 会 主 義 陣 営 の 一 翼 と して 旧 ソ連 の 国 際 関 係 研 究 を学 び 、50年 代 中期 に は

社 会 帝 国 主 義 」 ソ連 との 対 立 激 化 に よ る政 治 的 要 請 に よ っ て マ ル ク ス ・レ ー ニ ン主 義 の み を社 会 科 学 とす る 「ソ連 一 辺 倒 」 を停 止 した。 文 化 大 革 命 の 勃 発 と共 に 国 際 関 係 研 究 ど こ ろか 社 会 科 学 全 般 が 研 究 休 止状 態 に 陥 る。 郵 小 平 の 改 革 開放 政 策 以 後 は 、 毛 沢 東 な どの 政 治 指 導 者 に 「代 表 」 とい う言 葉 の 下 に 独 占 され て い た 国 際 関 係 研 究 が研 究 機 関 や 大 学 の研 究 者 に 開放 され る と 共 に 国 際 社 会 へ の参 入 を前 提 に して 西 側 国 際 関 係 学 あ るい は 国 際 政 治 学 を広 範 囲 に 導 入 す る。 中 国 で は体 制 の転 換 と研 究 史 の 時 期 区 分 が 一 致 す る の で あ

る。 中 国 に お い て は 国 際 関 係 研 究 は政 治 に よ っ て 強 く左 右 され て きた 。 しか し左 右 され て きた の は研 究 体 制 ば か りで は な か っ た。 研 究 の 対 象 と内 容 に 対 して も政 治 的 変 動 は 大 き な影aを 与 え て き た。 「時 代 の認 識 」 と彼 ら が 呼 ぶ 言 葉 で あ る。 す な わ ち 毛 沢 東 の 時 代 は 「戦 争 と革 命 の 時 代 」 で あ り

「帝 国 主 義 とブ ル ジ ョア 階 級 の 時 代 」 で あ り、 国 際 関 係 研 究 の 主 要 な テ ー マ は 「新 中 国 の 軍 事 的安 全 、 民 族 独 立 、 自力 更 正 」 で あ っ た。 す な わ ち研 究 結 果 は 演 繹 的 に す で に 決 め ちれ て い た の で あ る。(註ユo)とす れ ば 逆 に 現 在 、Y小 平 国 際戦 略 思 想 に よ っ て 研 究 主 題 が 「経 済建 設 、 人 民 の 富 強 と開放 、 国 際 社 会 へ の 参 加 」 へ と大 き く転 換 され 、 郡 小 平 路 線 の 下 に 「中 国 の発 展 の た め に

は、 今 は 平 和 な環 境 が 不 可 欠 で あ る。」(誼1)と 平 和 路 線 へ の 転 換 を 強 調 さ れ

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て も、 政 治 情 勢 に よ って 如 何 様 に も結 論 が 変 わ っ て しま う中 国 国 際 関 係 研 究 に 長 期 的 な 信 頼 を置 くこ とは 難 しい。 結 局 の とこ ろ 中 国 国 際 関係 研 究 の特 徴 の 一 つ で あ る国 家 利 益 へ の 直 接 的 貢 献 を 目的 とす る 強 い政 策 科 学 的 特 徴 と指 導 者 の 政 策 の解 釈 的 役 割 を負 う性 格 は何 ら変 わ っ て い な い の で は な いか と思

うの で あ る。

しか しそ うは言 っ て も開 放 の度 合 い は確 実 に進 ん で い る。 研 究 上 の 政 治 的 規 範 あ るい は ガ イ ドラ イ ンが 改 革 開放 以 降 と くに90年 代 に は い る と学会 等 で 公 開 に 討 論 され 、 学 会 誌 等 に 公 表 され る よ うに な っ た 。 例 え ば1987年 第一 回 上 海 国 際 関 係 理 論 討 論 会 で は 国 際 関 係 研 究 の 方 向 性 に 一一定 の ガ イ ドラ イ ンが 提 示 され た 。(1)マ ル ク ス 主 義 、 毛 沢 東 思 想 を使 っ て 国 際 関 係 の 重 大 問 題 を 分 析 す る こ と。(2)西 側 国 際 関 係 理 論 の 主 流 「現 実 主 義 理 論 」 の 把 握 に 勤 め

る こ と。 新 現 実 主 義 の 国 際体 系 観 、 非 国 家 行 為 主体 の勃 興 、 相 互依 存 と一 体 化 、 主 権 国 家 理 論 、 行 動 主 義 と 自由 主 義 に よ る現 実 主 義 に 対 す る挑 戦 等 の テ ー マ に も留 意 す るな どで あ る。(註12)

ま た1998年 全 国 国 際 関 係 理 論 全 国 討 論 会 で は 討 論 会 で の 了 解 事 項 と し て

「共 通 認 識 」 が 提 示 さ れ た 。魯 毅(中 国 国 際 関 係 史 研 究 会 会 長 、 外 交 学 院 教 授)は 、 「理 論 研 究 を深 め 、 学 科 建 設 を推 進 す る共 通 認 識 」 と して 以 下 の よ

うな 内容 が 取 り決 め られ た と して い る。

(1)マ ル クス ・レー ニ ン主 義 、 毛 沢 東 思 想 、 と くにy小 平 理 論 を学 科 建 設 の 指 導 思 想 とす る。(2)近 現 代 以 来 の 国 際 関 係 、 と くに今 世 紀 国 際 関 係 の 発 展 法 則 探 求 を 重 視 す る。(3)中 国 建 国 以 来 、 と くに こ の20年 間 の 対 外 関 係 と外 交 実 践 の 経 験 の 系 統 的 総 括 を重 視 す る。(4)冷 戦 後 国 際 関 係 の 重 要 な 変 化 と

そ こに 出 現 した 重 大 な理 論 的 課 題 の研 究 と突 破 を は か る。(5)西 側 国 際 関 係 学 各 学 派 の 有 効 な 学 術 的 成 果 を借 り、 また これ を 比較 研 究 す る。(註13)

マ ル クス ・レー ニ ン主 義 、 毛 沢 東 思 想 、 郡 小 平 理 論 を指 導 思 想 とす る との 大 原 則 の上 で の み 西 側 の 国 際 関 係 研 究 業 績 に対 す る研 究 は 許 さ れ る だ け で あ り、 大 学 に お け る国 際 関 係 研 究 で さ え国 家 の 政 策 決 定 に 貢 献 す る明確 な役 割 を担 っ て い る。 中 国 共 産 党 の 権 威 を失 墜 させ る よ うな毛 沢 東 や 周 恩 来 、 郵 小 平 とい っ た 国 家 の最 高指 導 者 の業 績 に 対 す る公 式 な 挑 戦 は 許 され な い。 しか し87年 段 階 で は西 側 国 際 関 係 研 究 が 主 要 な テー マ で あ った の が 、98年 に な る と中国 建 国 後 、 そ れ も最 近20年 間 の 国 際 関 係 全 体 を研 究 対 象 に 加 え る こ とが

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半世 紀 を迎 えた 中国国際 関係研 究41 提 起 さ れ て い る こ とは大 きな変 化 で あ る。

王 は研 究 方 法 の 変 化 の 過 程 を、 「イ デ オ ロ ギー 中 心 」 → 「西 欧理 論 の 導 入 と模 範 」 → 「中 国 的 特 色 あ る 国際 関 係 理 論 」 と描 き、 「主 観 」(イ デ オ ロ ギー 的 研 究 の視 点)か ら 「客 観 」(西 欧 社 会 科 学)へ の 進 化 の 過 程 と捉 え た が 、 確 か に 中 国 国際 関 係 研 究 は 西 側 の研 究 体 制 に 近 づ きつ つ あ る。(註14)

国 際 関 係 理 論 に 中 国 が 政 策 指 導 の 役 割 を求 め 、 同 時 に研 究 自体 が 強 い 政 策 指 向 性 と体 制 へ の 貢 献 を求 め られ て きた 。 しか し 自国 の 国 際 関 係 と近 代 化 プ ロセ ス 自体 を研 究 対 象 と して 捉 え る よ うに な っ た 国 際 関 係 研 究 が 、 逆 に 共 産 党 の 基 本 政 策 自体 を客 観 的 に評 価 ・検 討 で き る よ うに な っ た こ とは今 後 の 大

き な変 化 を予 測 させ る。

③ 欧 米 申心 の 国 際 関 係 学 研 究

ほ とん どの 中 国 国 際 関 係 研 究 時 期 区 分 は 欧 米 の 国 際 関 係 論 、 国 際 政 治 学 の 導 入 か ら中 国 国際 関 係 研 究 は始 ま っ た と して い る。 これ は 中 国 に お け る国 際 関 係 研 究 と くに 国 際 関係 理 論 の研 究 が 西 欧 近 代 へ の 対 抗 と して 開 始 され た と 考 え て い るた め で あ る。 清 朝 末 期 に近 代 西 欧 の 理 解 を 目指 して 他 の科 学 と同 様 に 国 際 関 係 研 究 を 中 国 は 開 始 した 。 同様 に ア ジア の遅 れ た 封x国 家 か ら西 欧 近 代 化 を 目指 す 日本 か ら、 中 華 人 民 共 和 国建 国後 は ソ連 国 際 関係 研 究 か ら、

さ ら に文 化 大 革 命 に よ る中 断 を経 て 、 現 在 は 欧 米 国 際 関係 研 究 の全 面 的 な影 響 下 に 中国 独 自の 国 際 関 係 研 究 を 目指 して い る。 こ れ らの研 究 時期 区分 は 中 国 が ー 度 か の 中断 を経 な が ら も一 貫 して 欧 米 国 際 関 係 研 究 に傾 倒 して きた こ

とを示 して い る。

そ して こ の 姿 勢 は、 中 国 国 際 関 係 史 研 究 会 会 長 で あ る魯 毅 が 、98年 の 全 国 国 際 関 係 理 論 全 国討 論 会 で 、 今 後 は 国 際 情 勢 は 国 際 格 局 の 多極 化 と世 界 経 済 の 全 地 球 化 が さ らに 進 み 科 学 技 術 の 発 展 は世 界 を変 え て し ま うだ ろ う と述 べ た現 在 で も変 化 して い な い。 全 地球 化(グ ロー バ リゼ イ シ ョン)の 時 代 に お い て も、 中 国 は 自国 の近 代 化 を推 進 し欧 米 の先 進 国 に追 いつ こ う とす る 目標 は不 変 で あ る。

こ こ で 彼 らが考 え る国 際 社 会 は 米 国 主 導 の 国 際 社 会 で あ り、 国 際 関 係 研 究 の 重 点 は 自然 と米 国 の 国 際 関 係 研 究 に 集 中 す る。 次 々 と公 刊 さ れ る 国 際 関係 学 、 国 際 政 治 学 テ キ ス トの 内容 は米 国 国 際 関 係 学 、 国 際 政 治 学 の 紹 介 が 中 心 で あ る こ とが それ を物 語 っ て い る。(註15)また そ れ は 米 国 戦 略 へ の 大 き な 関 心

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を産 み 、 米 国 戦 略 研 究 に対 す る大 きな 関 心 を生 み 出 す の で あ る。 ハ ンチ ン ト ン の 「文 明 の 衝 突 」、 ボー ゲ ル の 「中 国 との 共 存 と21世 紀 の 米 中 関 係 」 と い っ た米 国 で発 表 され た対 中 戦 略 に 関 す る レポ ー トは 次 々 に翻 訳 ・刊 行 さ れ 、 中 国研 究 者 の 米 国 の 対 中戦 略 へ の 関 心 の 大 き さ を証 明 して い る。(註16)

4、 研 究 時 期 区 分 に 見 られ る中 国 国 際 関 係 学 の 展 望

中 国 独 自の 国 際 関 係 理 論

時 期 区 分 研 究 に見 られ る改 革 開 放 以 降 の 中 国 国 際 関 係 研 究 は何 を 目指 して い るの だ ろ うかP西 側 国 際 関係 学 、 国 際 政 治 学 の 導 入 と吸 収 の段 階 は 終 わ り、2000年 に は す で に 「研 究 方 法 創 造 の 時 期 」 あ る い は 「回 帰 と創 造 の 段 階 」 に 入 って い る。 この 新 た な研 究 段 階 が 目指 す 目標 は 「中 国 的 特 色 あ る国 際 関 係 理 論 」 構 築 で あ る。 王 と愈 は 、 各 国 の 国 際 関 係 理 論 は 共 通 性 を持 つ が 、 各 国 そ れ ぞ れ の 国 際 関 係 理 論 が 存 在 し、 そ れ は そ れ ぞ れ の 国 家 の 国 家 利益 へ

の 服 務 で あ る の で、 完 全 に 一 致 す るの は 不 可 能 で あ る と して 、 中 国 独 自の 国 際 関 係 理 論 の 構 築 を提 起 し、 しか も独 自性 を規 定 す るの は各 国 の 国家 利 益 で あ る とす る。(註17)

こ こで は 彼 らが 中 国独 自の 国 際 関 係 理 論 研 究 の 主 要 項 目 と し た(1)マ ル ク ス主 義 、 毛 沢 東 思 想 、 郵 小 平 理 論 の 指 導 的役 割(2)外 国研 究 成 果 の 借 用(3) 新 世 紀 の 国 際 関 係 の 経 験 を総 括 して理 論 局 面 に昇 華 の3点 を 中心 に そ の 内容

に つ い て 論 じて み た い 。 本 来 は 中 国 の 優 秀 な伝 統 文 化 の 発 掘 が 主 張 され るの で あ るが 、 時 期 区 分 を取 り上 げ た論 文 で は この 問題 を深 く扱 っ て い な い た め 検 討 を別 の機 会 に 譲 りた い 。

② マ ル クス 主 義 、 毛 沢 東 思 想 、 郡 小 平 理 論 の指 導 的 役 割

一 つ に は マ ル クス ・レー ニ ン主 義 、 毛 沢 東 思 想 、 郵 小 平 理 論 の な どの 党 の 指 導 原理 を今 後 も逸 脱 し な い こ と を意 味 して い る。 しか し時期 区分 の側 面 か ら捉 え る と同 時 に 毛 沢 東 ・周 恩 来 、 郡 小 平 な どの 指 導 者 の外 交 上 の 経 験 を 中 国独 自の 国 際 関 係 理 論 構 築 の た め に積 極 的 に 取 り入 れ る こ とを示 して い る。

と くに 「文 化 大 革 命 時 の停 滞 期 」 に対 す る評 価 は、 お そ ら く一 時 の 「完 全 な 停 滞 」 とす る従 来 の 位 置 づ け は変 わ る で あ ろ う。 毛 沢 東 ・周 恩 来 時代 の外 交 を 中 国独 自の 国 際 関 係 理 論 形 成 に 有 益 な 「経 験 」 と して 評価 しよ う と考 え れ ば 、 「理 論 が 国 家 指 導 者 に 集 中 され た 時期 」(張 歴 歴)と して建 国期 か ら3中

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半世紀 を迎 えた 中国 国際 関係研 究43

全 会 を0つ の 段 階 と して 捉 え た 方 が 理 解 しや す い 。 文 革 時代 も一 定 の 研 究 成 果 は 存 在 した と して 、 単 な る 「停 滞 期 」 とす る否 定 的 な評 価 は 改 め られ る傾 向 に あ る と思 わ れ る。

こ れ ら政 治 指 導 者 達 の外 交 政 策 の 歴 史 を国 際 関 係 理 論 形 成 へ の 資産 と考 え る発 想 は これ まで も主 張 され て き た。 毛 沢 東 の3つ の世 界論 、 周 恩 来 の 平 和 五 原 則 外 交 な ど を改 め て研 究 、 中 国独 自の 国 際 関 係 理 論 の 中 に積 極 的 に 取 り 入 れ て い こ う とす る努 力 は今 後 も続 く と思 わ れ る。 しか し改 革 開 放 政 策 以 来

の現 代 化 を進 め る 中 で と くに 強 調 され るの は 都 小 平 の 「国 際 関係 理 論 と外 交 戦 略 」 で あ る。

98年 の 国 際 関 係 理 論 全 国 討 論 会 は 、 郡 小 平 理 論 が 中 国 国 際 関 係 理 論 研 究 に 独 特 の指 導 思 想 を提 供 し、 °1'小平 の外 交 思 想 と郡 小 平 国 際 関 係 理 論 の研 究 に 大 きな現 実 的 指 導 意 義 を強化 す る もの と して 、 中 国 独 自の 国 際 関 係 理 論 構 築

の た め に 次 の5つ の 側 面 か ら研 究 を進 め る と して い る。

(1)国 際 理 論 体 系 形 成:『 郡 小 平 文 選 』た 大 量 に 存 在 す る外 交 と国 際 問 題 に 関 す る論 述 を、 時代 観 ・大 局 観 ・主 権 観 ・外 交 観 か ら科 学 的 理 論 体 系 と して 研 究 しな け れ ば な らな い。(2)外 交 思 想 に現 れ る時 代 的 精 神:戦 争 へ の 判 断 、 時 代 の 特 徴 に 対 す る総 括 、 対 外 開 放 、 国 際 戦 略 な どの外 交 思 想 に 現 れ る 時代 観 を研 究 す る。(平 和 外 交 、 覇権 反 対 、 合 理 的 な新 国 際 秩 序 の 追 求 を 目標 に 、 強 い 国 際 的 責 任 感 を もっ て世 界 経 済 や 各 国 の社 会 発 展 に 関 わ っ て い くこ とを 特 徴 とす る。)(3)国 家 利 益 と国 家 安 全 保 障 思 想:郵 小 平 の 国 家 主 権 ・政 治 的 安 定 を重 視 す る国 家 利 益 観 と、 経 済 を重 視 す る安 全 保 障 観 を研 究 す る。(4) 世 界 の 多極 化 に 関 す る思 想:世 界 の 多極 化 は平 和 と発 展 の 時代 に 必 然 の 結 果

で あ り、 同 時 に 中 国 は世 界 平 和 と安 定 を維 持 す る極 で あ る。(5)外 交 上 の 品 格:全 局 の 通 観 と思 想 の解 放 、 全 面 的 な 交 流 を特 徴 とす る。(註18)

これ らの 「郡 小 平 国 際 関 係 理 論 」 が 「毛 沢 東 国 際 関 係 思 想 」 同様 に今 後 の 中 国独 自の 国 際 関係 理 論 研 究 に お い て 大 きな 比 重 を持 ち続 け る こ とは 間 違 い な い だ ろ う。 しか し 「一 つ に は 国 家 の 政 治 的 生 活 に 存 在 す る 『左 』 の偏 り と 影 響 に よ っ て 、 学 術 界 は 完 全 に事 実 を探 求 す る科 学 的 態 度 に よ っ て研 究 を進 め る こ とは不 可 能 で あ り、〜客 観 的 に事 実 を求 め る理 論 的 探 究 は不 可 能 で あ

っ た。」(註19)など、 中 国 国 際 関 係 ・国 際 政 治 研 究 が 、 政 策 の 解 釈 に偏 向 し て きた過 去 に対 す る反 省 は 大 き く、 と くに 中 国 自身 の 戦 略 や 政 策 に 関 して 言 え

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ば 現 実 追 認 に過 ぎな か っ た従 来 の 演 繹 的 な研 究 方 法 は 力 を失 い政 治 指 導 者達 の 政 策 を よ り客 観 的 に研 究 す る方 向 に 向 か って い くの は 間違 い な い と思 わ れ る。

③ 外 国 研 究 成 果 の借 用

愈 と陳 は 国外 研 究 成 果 の 借 用 に つ い て 、 外 国 国 際 関 係 理 論 の研 究 成 果 を 引 き続 き系 統 的 に総 括 し、 評 論 し、 批 判 しな け れ ば な ら な い が 、 翻 訳 活 動 の 重 点 が 米 国 に 置 か れ 、 英 国 の 国 際 社 会 理 論 、 ドイ ツ の 社 会 批 判 理 論 、 フ ラ ン ス の 歴 史社 会 党 派 、 旧 ソ連 や 発 展 途 上 国 の 国 際 関 係 理 論 な どの 紹 介 が 不 完 全 で あ る とす る。(註20)

「全 国 国 際 関 係 理 論 討 論 会 紀 要 」 で も、 外 国 の 国 際 関 係 理 論 研 究 業 績 の 系 統 的 な総 括 、 評 価 、 批 判 、 参 照 が 必 要 だ と した上 で、 定 量 分 析 法 、 ゲ ー ム 理 論 な ど新 た な方 法 に よ る研 究 を試 して み る こ とが 必 要 で あ る と して い る。 引 き続 き欧 米 の 国 際 関 係 研 究 成 果 の紹 介 ・導 入 を は か る と同 時 に、 米 国 以 外 の 英 国 や フ ラ ン ス 、 あ るい は 旧 ソ連 な どの理 論 研 究 に つ い て も研 究 を拡 大 す る 意 思 を示 して い る。(註21)さらに 国 外 研 究 成 果 の 導 入 に 関 して、 王 逸 舟 「中 国 国 際 政 治 理 論 研 究 の幾 つ か の 間 題 」 が さ らに具 体 的 な課 題 を明 らか に して い る。 彼 は、 マ キ ャベ リ、 ホ ッブ ス か らア ミン、 レー ニ ン、 さ らに 厳 復 、 康 有 為 、 孫 中 山 、 毛 沢 東 、 都 小 平 に到 る系 統 的 な 国 際 政 治 思 想 史 あ る い は 国 際 関 係 理 論 史 が 中 国 人 研 究 者 に よ っ て書 か れ る こ とで 欧 米 国 際 関 係 学 あ る い は 国 際 政 治 学 を 中 国 自身 の もの とす る こ とが 可 能 とな る と言 う。(註22)

さ らに 現 代 国 際 政 治 学 の 古 典 と言 え る モ ー ゲ ン ソー 、 カ プ ラ ン、 ジ ョセ ブ ・ナ イ、 キ ッ シ ン ジ ャー 等 の 著 作 の 翻 訳 、 新 自由 主 義 、 構 造 学 派 、 ポ ス ト 実 証 主 義 な どの新 た な学 派 や 思 潮 を導 入 し、 ま た 国 際 政 治 学 とそ の他 の 社 会 科 学 や 自然 科 学 との相 互 浸透 を は か る こ とで 中 国独 自の 学 派 ・論 説 を う ち立

て る こ とが 可 能 に な る と主 張 して い る。(註23)

④ 新 世 紀 の 国 際 関 係 を総 括 して理 論 局 面 に 昇 華

中 国 国 際 政 治 理 論 研 究 の新 た な課 題 と して い か な る問題 を重 点 的 に研 究 し よ う と して い る だ ろ うか 。21世 紀 の 中 国 国 際 関 係 研 究 を展 望 す る上 で 中 国 が

と くに 関 心 を有 す る研 究 課 題 を取 り上 げ て お きた い 。

「全 国 国 際 関 係 理 論 討 論 会 紀 要 」 は今 後 の 研 究 発 展 の 方 向性 と し て、 西 側 か らの 導 入 学 問 の 総 括 、 新 た な分 野 の 開 拓 、 中 国 国 際 関 係 理 論 構 築 な ど共 に 、

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半 世紀 を迎 えた 中国国際 関係研 究45 (1)国 際 シ ス テ ム の構 造 、 性 質 、 法 則 、 お よ び変 遷 の 法 則 と発 展 の研 究 。(2) 新 時 期 の 国 際 政 治 と国 内 政 治 の 関 係 、 相 互 作 用 の研 究 。(3)全 地 球 化 、 地 域 化 、 極 地 化(分 散 化 、 断 片 化 、 非 求 心 化)の3大 傾 向 の 研 究 。(4)核 拡 散 、 核 軍縮 の 物 理 研 究 、 世 界 食糧 危 機 に対 す る物 理 学 、農 業 な ど関 連 学 問 か らの 研 究 導 入 。(5)包 括 的 安 全 保 障 機 構 建 設 を含 む 全 地 球 、 地 域 安 全 保 障 問 題 研 究(6)中 国 の 国 際 的 地 位 、 対 中 国 戦 略 、 中外 関 係 研 究 な どの 問 題 を提 起 して

い る。(註24)

冷 戦 終 結 に よ る国 際 構 造 の 大 変 動 、 こ れ に続 く経 済 を 中心 と した全 地 球 化 の進 行 、 そ して 新 た な 国 際 秩 序 の 誕 生 に 中 国外 交 は 重 大 な転 換 を迫 られ て お り、 国 際秩 序 へ の参 入 の 方 法 をめ ぐっ て理 論 側 か ら政 治 へ の 回答 が 求 め られ て い る。 中 国 は 国 際 関 係 に従 来 以 上 に 深 く関 わ る よ うに な り、体 制 側 は 国 際 関 係 理 論 研 究 に単 な る政 策 正 当化 の解 釈 で は な く、 国 際 関 係 全 般 に対 す る解 釈 と戦 略 へ の 回答 を求 め る よ うに な っ た と思 わ れ る。 これ が 中 国独 自の 国 際 関 係 理 論 体 系 構築 が 要 請 され る原 因 で あ ろ う。

中 国 的 特 色 あ る国 際 関 係 理 論 に 関 して 「各 国 の 国 際 関係 理 論 は共 通 性 を持 つ が 、 各 国 そ れ ぞ れ の 国 際 関係 理 論 が 存 在 し、 そ れ は そ れ ぞ れ の 国 家 の 国 家 利 益 へ の 服 務 で あ る の で 、 完 全 に0致 す るの は 不 可 能 で あ る。」(註25)と同 様 に 多 くの研 究 者 が 、 中 国 的 特 色=中 国 の 独 自性 の 中核 に 「国 家 利 益 」 を想 定 して い る こ とで あ る。

現 在 の 米 国 を 中 心 とす る国 際 社 会 の 中 に積 極 的 に参 入 し よ う と して い る。

そ の 際 に 中 国独 自の 国 際 関 係 理 論構 築 に よ っ て 中 国 の 独 自性 を 強 調 す る こ と で 自国 の 主 体 性 を守 ろ う と して い るの だ ろ うか 。 中 国 的特 色 は 国益 に集 約 さ れ て し ま うの で あ ろ うかP昨 今 中 国 が 中 華 民族 あ る い は 中 華 ナ シ ョナ リズ ム と も言 え る思 想 に 国 家 の求 心 力 を依 存 し よ う とす る性 向性 の 増 大 と相 侯 っ て 懸 念 され る傾 向 で あ る。

お わ り に か え て

張 歴 歴 は、 理 論 研 究 の 側 面 か ら中 国 国 際 関 係 研 究 は1940年 か ら1979年 の 時 期 とそ れ 以 後 に二 分 で き る と して 、 前 半 の 時 期 に お い て理 論 は 国 家 の最 高 指 導 者 で あ る毛 沢 東 と周 恩 来 に代 表 され 集 中 さ れ た とす る。 そ れ に対 し後 半 の

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時期 で は理 論 研 究 が 一 般 の研 究 者 に 開 放 さ れ、 発 表 の 機 会 も与 え られ順 調 な 発 展 を遂 げ た時 期 で あ る と して い る。(註26)また 王 麗 葬 は 国 際 関 係 研 究 の 開 放

につ い て、90年 代 に 入 る と国 際 関 係 研 究 の 非 学 術 化 あ る い は ベ ス トセ ラ0化 ま た は大 衆 化 が 始 ま っ た とす る。(註27)一部 の 指 導 者 層 に独 占 さ れ て い た 国 際 関 係 研 究 の 主 体 者 が 、 まず は 官僚 や 研 究 者 に 、 そ して さ らに 一 般 大 衆 に ま で 開放 され た とす る の で あ る。 国 際 関係 研 究 は か つ て の 国 家 指 導 者 の 独 占物 か

ら、 研 究 者 ・官 僚 の 、 そ して さ らに 一 般 民 衆 の もの に な っ た の で あ る。

広 く国 際 問 題 を扱 い 国 外 の 最 新 情 報 を伝 え る新 聞 「参 考 消 息 」 な どの 一 般 書 店 や キ ヨ ス ク で の販 売 、 各 種 雑 誌 に よ る海 外 情 報 の 氾 濫 、 衛 星 放 送 の 普 及 に よ る 国外 テ レ ビ放 映 の拡 大 、 イ ン ター ネ ッ トの 急 速 な普 及 に よ る国 際 社 会 の知 識 の 急 速 な拡 大 ・深 化 な ど、 情 報 の 国 際 化 は 、 い わ ゆ る知 識 人 の レベ ル を超 え て 中 国 の 人 々 に 国外 情 報 を広 範 囲 に 伝 え て い る。 張 は い わ ゆ る 『ノー と言 え る 中 国 人 』 出 版 を もっ て 国 際 関 係 研 究 の 大 衆 化 あ るい は通 俗 化 の 始 ま りで あ る と国 際 研 究 の 大 衆 化 を 否 定 的 に 捉 え る。 『次 の 目標 は 誰 かP』 、 『誰 が 中 国 の 安 全 の 脅 威 な の かP』 、 『NATO一 冷 戦 か ら熱 戦 ま で一 』(註28)など ユ ー ゴ大 使 館 爆 撃 事 件 以 後 の 通 俗 的 な軍 事 解 説 書 を見 る と、 経 済 成 長 に よ っ て 軍 事 的 に も台頭 す る 中 国 を米 国 が新 兵 器 を もっ て 明 日に で も予 防戦 争 を開 始 しか ね な い とい う危 機 感 を煽 っ て い る。 確 か に 無 用 に ナ シ ョナ リス テ ィ ッ ク な 国 際 関 係 に 関 す るベ ス トセ ラー 登 場 に 対 す る彼 のJ{念 は 理 解 で き る。 ・

しか し国 際 関係 研 究 大 衆 化 の 問 題 は本 来 国 際 関 係 研 究 の 民 主 化 あ る い は 大 衆 の知 識 人 化 と捉 え るべ きだ 。 中 国大 衆 が 自国 を広 く国 際 社 会 との 対 比 で捉 え始 め た と き、 中 国社 会 は 共 産 党 に よ る一 党 独 裁 の 枠 を遙 か に越 え て 大 き く 変 化 す る だ ろ う。 豊 か な生 活 水 準 と同 時 に 豊 富 な外 部 世 界 へ の 情 報 を兼備 し た い わ ば 「知 識 人 化 した大 衆 」 の 登 場 が 予 測 され る。 彼 らは 最 早 党 の 政 治 的 大 衆 運 動 に容 易 に動 員 され る受 け 身 の 大 衆 で は な い だ ろ う。

中国 国 際 関 係 研 究 は 大 き く進 展 して い る。 豊 富 な 欧 米 国 際 政 治 学 ・国 際 関 係 研 究 の翻 訳 と大 量 の 留 学 生 、 政 府 の 改 革 開 放 政 策 が 追 い風 とな っ て す で に 日本 と並 ぶ 水 準 に達 した の で は な い か と も思 わ れ る。 そ の よ うな 情 勢 の 中 、 中 国 は独 自の 国際 関 係 理 論 構 築 に 向 か って い る。 しか し彼 らは 中 国 の独 自性 の 中核 を 「国 益 」 に 求 め よ う と して い るか に 見 え る。 そ れ は 逆 に 欧 米 、 な か で も米 国 の 古 典 的 現 実 主 義 的 国 際 政 治 学 に 巻 き込 まれ て い る よ うに 見 え る。

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半世 紀 を迎 え た中国国際 関係研 究47

核 戦 争 に よ る破 滅 の淵 をの ぞ き込 ん だ冷 戦 の 時 代 は0段 落 した もの の 過 酷 な 経 済 一 体 化 進 行 と共 に地 球 規 模 の 環 境 破 壊 の 危 機 か ら は未 だ に 人 類 は逃 れ ら れ な い で い る。 激 し さ を増 す 国 際 的 な利 害 対 立 の 中 で 、 中 国 も 日本 も米 国 も 運 命 共 同体 とな っ て い る。 全 地 球 一 体 化 の 時代 に あ っ て私 は 国 際 関 係 理 論 研 究 の 日中 間 の相 互 交 流 の さ ら な る進 展 を希 望 す る。 さ ちに 米 国、 韓 国 、 ロ シ ア と可 能 な 限 り多数 の 国や 地 域 と国 際 関係 学 研 究 を共 同 で進 め る こ とに よ っ て 、 各 国 が 国 益 を追 求 す れ ば 必 然 的 に衝 突 を招 く現 在 の 国 際 政 治 の枠 を越 え て 国 際 社 会 に 等 し く平 和 と繁 栄 を もた らす 方 途 を発 見 で き る もの と確 信 して い る。

【註 】

註1:ア レ ン ・ホ ワ イ テ ィ ン グ は 「国 民 、 国 家 、 民 族 の あ ら か じ め 規 定 さ れ た ス テ レ オ タ イ プ で 、 歴 史 、 経 験 、 自 己 イ メ ー ジ の 選 択 的 解 釈 か ら 生 ま れ る も の 」 と し て い る 。

ア レ ン ・S・ ホ ワ イ テ ィ ン グ 著 、 岡 部 達 味 訳 、 『中 国 人 の 日 本 人 観 』 岩 波 書 店 、2000年3月 、p.12。

註2:張 坊 坊 等 著 「現 代 国 阪 美 系 学 」重 庚 出 版 社,1989年,pp.275‑303

註3:衰 明 「西 方 国 阪 美 系 研 究 在 中 国:回 願 与 思 考 」梁 守 徳 主/ii6国 阪 政 治 槍 集 』北 京 出 版 社1992年6月pp.・ 研 究 時 期 名 は 林 に よ る 。

註4=曹 泳?「 全 国 国 隊 美 系 理 沿 村 槍 会 妃 要 」r祁 小 平 理 槍 研 究 』1998年 第6期 r夏 印 資 料 』D7国 隊 政 治1999年 第1期,p57

註5:愈 正 梁 、 隊 玉 鋼 著r中 国 国 阪 美 系 与 国 隊 美 系 理 沿20年 」魯 毅,願 美 福,命 正 梁,侍 耀 祖 主 編r新 吋 期 中 国 国 隊 美 系 理i倉 研 究 』吋 事 出 版 社1999年6月 p14。 同 論 文 は 、 「史 」 は 国 際 関 係 史 で あ り 、 同 時 に 国 別 外 交 史 を 包 括 す る 。

「論 」 は 国 際 関 係 理 論 。 「現 状 」 は 対 外 政 策 の 分 析 、 評 論 を 指 す と し て い る 。 註6:同 上p。16。

主7:同 上p.17。

註8:同 上PP、18‑23。

註9:王 雨 薄 、 「中 国 国 隊 政 治 研 究 五 〇 年 宙 祝 」 、r北 京 大 学 学 扱 二哲 学 版 』、

1999年 第4期 、pp.23‑32「 夏 印 資 料 」 国 隊 政 治 版 、1999年9 .月、p.25‑33。

註10=前 前 正 梁 、1%‑玉 鋼 著 、 「中 国 国 隊 美 系 与 国 隊 美 系 理 槍20年 」 、p.10。

註11=同 上P.11。

主12:同 p.16。

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