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統 一 私 法 と 国 際 私 法 の 関 係

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(1)

ー 間 題 の 所 在 二 実 質 国 際 私 法 説 三 第 三 の 規 範 説 四 混 合 規 範 説 そ の 一 五 混 合 規 範 説 そ の 二 六 私

いわゆる渉外実質法の観点から

一 私 法 と 国 際 私 法 の 関 係

5‑3‑425 

(香法

' 8 5 )

(2)

とは

限ら

ず︑

問題の所在

統一私法と国際私法の関係を考える場合に︑ある特定の統一私法条約に問題を限定して︑その成立過程や各国の判

例・学説を調べるのは︑一っの有効な方法であろう︒それは統一の対象とされた分野が取引法から身分法まで種々に

分かれていることや︑条約の制定過程における特殊事情を十分に考慮しうる点で秀れている︒しかし他方において︑

そこには︑個々の条約の特殊性を重視するあまりに︑議論が混乱してくる危険も内在している︒したがって︑総論の

問題としても︑﹁統一私法と国際私法の関係﹂というテーマを取り上げることが必要となってくるのである︒

まず統一私法と国際私法の関係は︑

一九

0

年の手形法統一条約を取り上げると︑ ひじょうに狭い範囲でしか問題にならないのではないか︑

っているように思われる︒たとえば︑世界統一私法の一例として︑そ その真に問題とすべ

き局面は限られているのではないか︑このような視点から︑問題の所在を明らかにしてみたい︒

第一に︑渉外的私法関係を規律する方法として︑統一私法が国際私法に対して常に優先するわけではない︒すなわ

ち︑直接的規律と間接的規律という区分を仮に認めたとしても︑直接的規律の方が間接的規律よりも常に秀れている

むしろ間接的規律の方が望ましい場合も多数存在するはずである︒したがって︑実質私法の統一は︑従

来から狭い分野に限定されてきたけれども︑さらに将来的にも︑法統一に適する分野とそれ以外の分野を区別する必

要は︑一般に認識されるべきである︒

第二に︑統一私法の型として︑国内関係と渉外関係を区別しない﹁世界統一私法﹂︑および渉外関係だけを規律の対

象とする﹁万民法型統一私法﹂という二つのタイプがあるとした場合︑両者の間では︑国際私法との関わり方が異な

七〇

5‑3‑426 

(香法

' 8 5 )

(3)

こでは同時に国際私法も統一されており︑統一実質法の適用は︑統一国際私法を経て行なわれている︒また︑

も︑世界統一私法は︑既存の国内法に完全に取って代わるものであるから︑元の国内法と同じ空間的適用範囲しか持

たないとか︑特に渉外事件に合わせて作られたわけではないから︑他国の法に対して優先適用を主張することはでき

ないとか言われている︒したがって︑世界統一私法それ自体は︑既存の国際私法規定に対して特に影響を及ぽすわけ

(9 ) 

ではないのである︒

もちろん︑これは非締約国の法との関係について述べたわけであって︑締約国間においては︑法統一の成功によっ

て︑国際私法を必要としない状態が成立する︑と考えられないわけではない︒しかし現実には︑統一法条約自体によ

って認められた留保権の行使や︑締約国共通の裁判所の欠如による解釈の不統一などから︑このような理想的状態は︑

容易に現出しがたい︒また︑

かのように見えたとしても︑ たまたま完全な法統一が成立しているために︑統一私法の適用が国際私法を経ていない

国際私法そのものが排除されているわけではない︑ それは訴訟経済上の理由から︑国際私法の介在を省略したというべきであって︑決して

( 1 0 )  

とも 言え る︒

以上のように見てくると︑世界統一私法は全く既存の国内法と変わらないことになるが︑ そもそ

しかし他方において︑渉

外関係だけを規律の対象とする万民法型統一私法は︑その実質法的規整の特殊性のゆえに︑非締約国の法に対して優 先適用を主張することができる︑という見解も見られる︒すなわち︑万民法型統一私法を﹁国際的合意にもとづく渉

( 1 1 )  

外実質法﹂とみる立場である︒このような観点からすると︑統一法条約は︑たとえ締約国間において完全な法統一を

実現しえないとしても︑既存の国際私法規定に何らかの影響を及ぼしうるわけである︒

そこで以下では︑万民法型統一私法のみに限定して述べると︑このようなタイプの統一法条約においては︑通常は︑

( 1 2 )  

その対象となる渉外的私法関係を定義するだけでなく︑同時に締約国との関連をも要求する規定が置かれている︒た

5‑3‑427 

(香法

' 8 5 )

(4)

一九二九年の﹁国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約﹂︵ワルソー条約︶の第二条は︑﹁この

条約において﹃国際運送﹄とは︑⁝⁝出発地及び到達地が二の締約国の領域にある運送又は出発地及び到達地が単一

の締約国の領域にあり︑かつ予定寄航地が他の国︵この条約の締約国であるかどうかを問わない︒︶の領域にある運送

をいう︒﹂と規定している︒このような規定は︑後述のように︑さまざまの名称で呼ばれているが︑これを仮に﹁空間

的適用範囲規定﹂と呼ぶことにすると︑万民法型統一私法を﹁国際的合意にもとづく渉外実質法﹂とみる立場からは︑

しか

し︑

この空間的適用範囲規定の法的性質が︱つの重要な争点となるわけである︒

そのような議論においては︑この空間的適用範囲規定もまた︑条約の他の規定と同じく︑締約国において

国内法化されるべきことが︑共通の前提となっている︒すなわち︑空間的適用範囲規定は︑

国が条約を実施すべき範囲を定めた﹁国際公法上の規定﹂であるが︑

においては︑国内法化された他の規定の適用範囲を定める機能を営む︑

( 1 3 )  

囲規定の国内法化が第三の前提となる︒

さらに第四の前提として︑万民法型統一私法と国際私法の関係は︑

けではない︒まず︑このような統一私法は︑先に述べたように︑ しかし他面において︑締約国の国内法のレベル

と言うのである︒したがって︑空間的適用範

すべての渉外的私法関係において問題となるわ

その対象となる渉外的私法関係をみずから限定して

( 1 4 )  

いるので︑これに該当しない︑その他の渉外的私法関係は︑通常の国際私法規定によって規律される︒次に︑いかな

る統一私法も︑事項的に限定されているので︑その対象となっていない事項の渉外的私法関係もまた︑通常の国際私

( 1 5 )  

法規定によることになる︒もちろん︑いかなる事項が統一私法の対象であるかは︑必ずしも明白とは限らないが︑い

( 1 6 )  

ずれにしても理論上は︑事項的適用範囲外の問題は︑明白に区別されるべきである︒

以上のように見てくると︑統一私法と国際私法の関係がかなり狭い範囲でしか問題にならないことが分かる︒すな と

えば

一面においては︑各締約

5  ‑ 3‑428 

(香法

' 8 5 )

(5)

ボエル 外的私法関係を規律する独自の方法 きに初めて︑統一私法と国際私法の関係を議論すべき状況が設定されたことになる︒したがって︑実質法の統一が渉 範囲規定も他の規定と同様に国内法化された上で︑④渉外的私法関係が条約所定の適用条件を満たしたとき︑このと わち︑①法統一に適する一定の分野において︑②万民法型統一私法条約が成立し︑③当該統一私法条約の空間的適用

( u n e

であるとしても︑少なくとも現状では︑ヴィッタ

( 1 7 )  

( V i t

t a )

の言うように︑補足的方法

( u n e

m e

t h

o d

e   c o m p l e m e n t a

i r

e )

にすぎない︒しかも︑万民法型統一私法を﹁国

際的合意にもとづく渉外実質法﹂とみる立場からは︑統一私法は法統一を目的としているがために特別扱いされるの

では

なく

むしろ国際私法との関係では︑﹁一国独自の立場から制定された渉外実質法﹂と同じように扱われるべきな

のである︒本稿では︑このような視点を持った若干の学説を紹介しながら︑

と思うのである︒

実質国際私法説

( B a u

e r )

は ︑

m e

t h

o d

e  

a u

t o

n o

m e

)  

そこに現われた問題点を整理してみよう

まず国際私法の方法として︑祗触法的方法

( l a

m e

t h

o d

e   c

o n f l

i c t u

e l l e

)   とは別に︑実質国際

私法の方法

( l a

m e

t h

o d

e   d

u  d r

o i t  

i n t e

r n a t

i o n a

l   p r

i v e  

m a t e

r i e l

)

があるとする︒その意味において︑方法的二元論が

成立するのである︒たとえば︑﹁一国独自の立場から制定された渉外実質法﹂をみても︑その適用が抵触規定を経るも

のと︑そうでないものとがある︒後者は実質規定の目的それ自体が法の祇触の解決にあるから︑祗触規定の介在を不

要とするのである︒それゆえ︑これは実質国際私法の規定である︒これに対して︑前者は︑渉外関係への適用のため

5‑3‑429 

(香法

' 8 5 )

(6)

用されるのである︒

それでは︑﹁国際性の要素﹂および﹁位置づけの要素﹂は︑どのような機能を営むのかというと︑ボエルは︑

が法廷地法の中の祗触を解決するにすぎないとする︒まず第一に︑統一実質法の適用が祗触法的方法による場合には︑

これらの要素は︑当該統一実質法規定と同じ性質を持った︑同じ実質法上の問題に関する法廷地の他の規定との関係 の留保がいずれにしても可能であり︑この留保権が行使された場合には︑

これら

ヘーグ売買法は︑祗触法的方法によって適 よるのかを判断する基準とはならない︒たとえば︑ わち︑条約第四条は︑

( 1 8 )  

に若干の変更を受けた内国実質法の特別規定にすぎないので︑祇触規定の介在を必要とするのである︒

同様の区別は︑本稿で取り上げる万民法型統一私法︑すなわち﹁国際的合意にもとづく渉外実質法﹂にも当てはま

る︒したがって︑万民法型統一私法であるからといって︑必ずしも実質国際私法であるとは限らない︒ボエルは︑

のような例を一九六四年の﹁有体動産の国際売買に関する統一法に関する条約﹂︵ヘーグ売買法条約︶に見出す︒すな

ヘーグ売買法の適用を祇触法条約の規定にかからせる旨の留保を認めている︒それゆえ︑︑締約

国がこの留保権を行使した場合には︑

( 1 9 )  

って適用されるのである︒ ヘーグ売買法は︑万民法型統一私法であるにもかかわらず︑祇触法的方法によ

ところで︑万民法型統一私法においては︑複数の国家との関連を要求する﹁国際性の要素﹂

( l e s

e l

e m

e n

t s

  d ' i

n t e r

  , 

n a t i

o n a l

i s a t

i o n )

︑および締約国との関連を要求する﹁位置づけの要素﹂

( l e s

e l

e m

e n

t s

  d e

  l o c

a l i s

a t i o

n )

が適用の条

件となっている︒しかし︑これらは︑統一実質法の適用が祇触法的方法によるのか︑それとも実質国際私法の方法に

ヘー グ売 買法 は︑

その第一条において︑国際性の要素を定めてい

る︒また他方︑条約第三条においては︑売買契約の当事者が相異なる締約国に営業所を有すること︑すなわち﹁位置

( 2 1 )  

づけの要素﹂をも同時に適用条件とする旨の留保が認められている︒それにもかかわらず︑前述のように条約第四条

七四

5  ‑ 3  ‑430 

(香法

' 8 5 )

(7)

の意図は︑反対の趣旨の規定がない限り︑

七五

一般に実質国際私法の性質を持つとは推定されないの

に︑この意図は︑

で︑統一実質法規定の適用範囲を定める︒これに対して︑統一実質法規定が実質国際私法の性質を持つ場合には︑こ

れらの要素は︑法廷地国際私法の他の規定︵祗触規定および他の実質国際私法規定︶との関係で︑統一実質法規定の

( 2 2 )  

適用範囲を定める︒したがって︑後者の場合に︑祇触規定に対して﹁特別規定﹂

( d

e s

r e g l

e s   s

p e c i

a l e s

)

の関係に立つ

( 2 3 )  

のは︑国際性の要素および位置づけの要素を定めた空間的適用範囲規定ではなく︑統一実質法規定それ自体である︒

それでは次に︑統一私法が実質国際私法の性質を持つか否かを判断するための基準は何かというと︑ボエルは︑こ

れを統一私法の﹁趣旨および目的﹂

( s e n

s e t

  b u t

)

に求める︒すなわち︑統一私法は︑競合する祇触規定を排除する意

ヘーグ売買法第二条図を持つ場合に限り︑実質国際私法の性質を持つのである︒具体的には︑第

( 2 4 )  

のような明文の規定によって確かめうる︒第二に︑たとえ明文の規定がなくても︑ある事項については実質規定が置

の対象となっている事項については祗触規定を排除する︑ かれ︑他の事項については祇触規定が置かれているような場合には︑このような規定の仕方から間接的に︑実質規定

( 2 5 )  

という意図を確かめることができる︒しかし︑第三に︑こ

法の目的だからである︒この場合︑位置づけの要素は︑祗触法的方法の要求

( l e s

e x

i g

e n

c e

s )

 

( 2 6 )  

とを妥協させる技術的手法にすぎないのである︒

( l e s

a  

v a

n t

a g

e s

)  

一般的に推定しうるのである︒というのは︑祇触規定の排除こそが統一私

と実質法的方法の利点

しかしながら︑ボエルによると︑以上に述べたような基準は︑位置づけの要素を適用条件とする万民法型統一私法

にだけ当てはまるのであって︑このような要素を欠く万民法型統一私法には当てはまらない︒すなわち︑普遍的な適

( l ' a

p p l i

c a t i

u n o n

i v e r

s e l l

e )

を要求する統一実質法規定は︑

( 2 7 )  

である︒まず国際私法における通常の方法は︑祗触法的方法であることが想起されなければならない︒これに対して︑

実質法的方法は︑個別的に採用されるにすぎないのである︒それゆえ︑位置づけの要素を欠いた統一私法に実質国際

5‑3‑431 

(香法

' 8 5 )

(8)

私法の性質を付与することは︑各国の実質法間の独立および平等を無視し︑国際私法上の正義と実質法上の正義とを

( 2 8 )  

混同するものと言えるのである︒

以上がボエルの実質国際私法説の概略であるが︑

して︑これを国際的合意にもとづく渉外実質法に当てはめている点が興味深い︒しかし︑

用範囲規定の役割が不当に軽視されているようにも思われる︒というのは︑実質国際私法規定が直接に渉外的私法関

係に適用されているように見えたとしても︑それは無制限ではありえず︑とりわけ万民法型統一私法においては︑空

間的適用範囲規定がその他の規定の渉外関係への適用を規整しているからである︒また︑ボエルのいう﹁位置づけの

要素﹂が全く国際私法上の意味を持たないのであれば︑なにゆえに祗触法的方法と実質法的方法とを妥協させる手段

として︑このような要素が必要であるのか︑

第三の規範説

( n

o r

m e

s   m

a t e r

i e l l

e s   a

d   h

o c

)  

それは一国独自の立場から制定された渉外実質法の考察から出発

その点でも論旨が一貫していないように思われる︒

ヴィッタは︑前述のように︑万民法型統一私法を祇触法的方法に対する補足的方法にすぎないとするが︑更に詳し

<述べると︑補足的方法には︑﹁必須的適用規範﹂

( n

o r

m e

s d '

a p p l

i c a t

i o n  

n e c e

s s a i

r e )  

の方法とがある︒後者は更に︑ そのためにまた︑空間的適の方法と﹁特別実質法規範﹂

一国の立法者または裁判官が創設した﹁国内起源の﹂

( d ' o

r g i n

i n e  

t e r n

e )

特別実質法規範と︑条約を批准した結果として国内法に取り入れられた﹁国際起源の﹂

( d ' o

r i g i

n e

internationalle)~

5

叩 中

夫 症

只 法

58

e

dルけられる︒したがって︑万民法型統一私法は結局︑国際起源の特別実質法規範

七六

5 ‑3‑432 

(香法

' 8 5 )

(9)

との違いを考察する︒ ところで︑必須的適用規範および特別実質法規範は︑どちらも法廷地実質法の一部である︒しかし︑前者は︑法廷

地の他の実質法規範と同じく国内事件にも適用されるのであって︑ただ国内の基本的利益

( u

i n n

t e r @

t   f

o n

c i

e r

e m

e n

t  

n a t i

o n a l

) を考慮した結果︑通常は他国の法に従うべき渉外関係にも適用される︑という点においてのみ︑他の実質法

規範と異なるにすぎない︒これに対して︑後者は︑国際的な基本利益

( §

i n

t e

r @

f t

o n

c i

e r

e m

e n

t   i

n t e r

n a t i

o n a l

)

のた

質法

( l e x

f o r i

  s

c i a l

e )

めに︑特に渉外関係に適した規整を行なおうとしているのであるから︑法廷地の他の実質法規範とは本質的に異なっ

ている︒その意味において︑前者は︑通常の法廷地実質法

( l e x

f o r i

  o r d

i n a i

r e )

であるが︑後者は︑特別の法廷地実

( 3 0 )  

であると言える︒

ヴィッタは︑以上のような違いを主張しつつも︑他方において︑また共通点も認めている︒それは︑これらの規範

の渉外関係への適用が祇触規定によっておらず︑﹁適用規定﹂

( l e s

r e g l

e s   d

' a p p

l i c a

t i o n

) という独自の規定によってい

る点である︒すなわち︑必須的適用規範および特別実質法規範は︑いずれも︵通常または特別の︶法廷地実質法が適

用されるべき旨を定めた﹁適用規定﹂が存在することによってのみ︑渉外関係への適用が可能となる︒したがって︑

これらの規範の直接適用というものはなく︑明示的にせよ黙示的にせよ︑立法者の適用意思を表わした﹁適用規定﹂

( 3 1 )  

の存在が︑常に確認されなければならない︒

そこで︑必須的適用規範の方法および特別実質法規範の方法が祗触法的方法に対して独自の存在であるのは︑﹁適用

規定﹂がこれらの規範の渉外関係への適用を独自の方法で定めているからであり︑それゆえ国際私法体系への位置づ

けが問題となるのは︑この﹁適用規定﹂だけである︒ヴィッタは︑このように述べて︑次に﹁適用規定﹂と祗触規定

( 2 9 )  

に属

する

七七

5‑3‑433 

(香法

' 8 5 )

(10)

すなわち︑﹁適用規定﹂は︑確かに祗触規定の場合と同じ連結概念を使って︑必須的適用規範および特別実質法規範

の適用を定めている︒しかし︑祇触規定の機能が結局のところ︑当該事件と関連のある法の内から準拠法を選択する

ことにあるのに対して︑﹁適用規定﹂は︑このような選択を行なっていない︒それは︑ただ一国の法が他のすべての国

の法を排して適用されるべき旨を定めているにすぎない︒したがって︑このような規定を抵触規定と同一視しようと

する試みは︑受け入れ難く︑おそらく新しい現象を伝統的メカニズムの領域に押し返そうとする傾向から来るもので

あろ う︒

しかし︑以上のような違いにもかかわらず︑﹁適用規定﹂は︑

以上︑ヴィッタの説を見てきたわけであるが︑

しか し︑

その二重の機能を見るならば︑祗触規定と共に国際私

法体系に属することが分かるとされている︒すなわち︑積極的機能としては︑﹁適用規定﹂は必須的適用規範および特

別実質法規範の適用を根拠づけている︒しかし︑それによって同時に︑消極的機能としては︑抵触規定︵および抵触

法的方法︶を排除しているのである︒したがって︑﹁適用規定﹂は︑この消極的機能により︑祗触規定を押しのける形

( 3 2 )  

で国際私法体系に入ってくるのである︒

そこで述べられた﹁適用規定﹂は︑実質法規範からも祗触法規範か

らも区別されているのであるから︑これは﹁第三の規範説﹂とでも言えよう︒そして︑祇触法的方法の補足的方法と

して︑必須的適用規範の方法と特別実質法規範の方法とを区別しながらも︑その適用の根拠となっている﹁適用規定﹂

が祇触規定に対して同じ独自性を持っていることを強調している点は︑注目に値する︒

その﹁適用規定﹂の説明には疑問がある︒というのは︑ヴィッタによると︑﹁適用規定﹂はあたかも実質法

の適用意思だけを表わしているかのように見えるからである︒しかし︑少なくとも万民法型統一私法においては︑通

常︑締約国と全く関連のない渉外事件には統一私法規定が適用されるべきではないとされているのであるから︑

七八

そこ

5  ‑ 3‑434 

(香法

' 8 5 )

(11)

ドイツにおける混合規範説の流れは︑

レムヘーファー

( L

e m

h 0 1   f e r ) に始まる︒すなわち︑

七九

レムヘーファーは︑

いわ

では非締約国の法をも含めて︑当該渉外事件と関連のある法の中から選択が行なわれていることになる︒したがって︑

﹁適用規定﹂というような第三の規範を考える必要があるのか︑そこにまず疑問が感じられる︒

またヴィッタによると︑万民法型統一私法は︑常に﹁適用規定﹂を介してのみ︑渉外的私法関係に適用されること

になりそうであるが︑

て も

しかし︑特に渉外関係に適した規整を行なおうとしているだけで︑通常の祇触規定を排除する

根拠となるのか︑疑問である︒すなわち︑﹁適用規定﹂が一定の渉外関係において統一実質法の適用を定めていたとし

それは︑単に通常の祇触規定によって指定された準拠法秩序内において︑既存の内国実質法との適用範囲を画

定しているにすぎない︑と解釈することもできるのである︒したがって︑万民法型統一私法が通常の祇触規定によっ

て渉外関係に適用される可能性も否定することはできない︒

混合規範説その一

ゆる空間的適用範囲規定の内部に二つの相異なる規範を見出そうとしたのである︒それによると︑複数の国家との関

連を求める部分は︑﹁内側への﹂

( n

a c

h i n

n e n )

  (締約国の国内関係における︶制限であり︑これに対して︑締約国との

関連を求める部分は︑﹁外側への﹂

( n

a c

h a

u B

e n

)  

(非締約国との関係における︶制限である︒したがって︑両者は区別

しなければならない︒そして︑外側への制限だけが︑﹁本物の︑しかし﹃不完全な﹄︵一方的︶祇触規範﹂

( e i n

e e c

h t e ,

 

a l l e

r d i n

g s   "

u n

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k o

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e n

e "

  ( e i

n s e i

t i g e

K o )  

l l i s

i o n s

n o r m

)

であるとするのである︒しかし︑レムヘーファーの考察

5‑3  ‑435 

(香法

' 8 5 )

(12)

これに対して︑通常の祇触規範は︑ したがって二つの連結素を定めなければならない

︵例えば︑出発地または到達地 ︵例えば︑出発地と到達地︑荷送人の営業所所在地と荷受人の営業

︵固

有の

または統一された︶抵触法の介入なしに適用 て︑﹁国際性決定限界規範﹂

( i

n t

e r

n a

t i

o n

a l

i t

a t

s b

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t i

m m

e n

d e

A b

g r

e n

z u

n g

s n

o r

m e

n )

または﹁祗触法的限界規範﹂

( 3 4 )  

( k o l

l i s i

o n s r

e c h t

l i c h

e   A

b g

r e

n z

u n

g s

n o

r m

e n

) と呼もふことを推奨する︒すなわち︑このような限界規範の機能は︑表面

的には︑統一法の適用を受けるべき渉外関係を︑今後も固有の内国法に従うべき国内関係から区別することである︒

しかし︑裏には更に︑所定の渉外事件において︑統一規則が

されるべき旨の言明が隠れている︒したがって︑限界規範は︑国際性決定機能だけでなく︑祇触法的機能をも営むの

( 3 5 )  

であり︑一般の祗触規範に対しては︑特別法

( l e x

s p e c

i a l i

s )

として優先するのである︒

クロポラーは︑更に抵触法的限界規範の適切な形成のためには︑国際性決定機能と祇触法的機能とを明白に区別す

べきであるとして︑次のような立法論を展開している︒まず国際性決定のためには︑少なくとも二つの国家との関連︑

所所在地︶︒しかし︑国際私法上の問題が生じうる関係を広く取り込むつもりであるならば︑出来るだけ多くの連結素

を使わなければならない︒

一般に︱つの連結素だけを使って︑事案と最も密接な関連を有する法を指定す

る︒したがって︑統一法もまた︑最も密接な関連が締約国にある場合には︑もちろん適用されるべきである︒しかし︑

万民法型の統一私法は︑広範な比較法的考察にもとづいて︑特に渉外事件に合わせて作られているのであるから︑単

に﹁密接な関連﹂

( e i n

e e n

g e

e r   B

t i h r

u n g )

  があるだけでも︑適用されるのが望ましい

が締約国にある場合︶︒したがって関連法秩序間の平等という国際私法の通常の原則は︑ここでは統一法の優先適用の

次に

は︑むしろ内側への制限の立法論に向けられているため︑外側への制限については︑

クロポラー

( 3 3 )  

それ以上言及されていない︒

( K r o

p h o l

l e r )

もまた︑空間的適用範囲規定が二つの相異なる機能を持つことから︑場合に応じ

八〇

5‑3‑436 

(香法

' 8 5 )

(13)

と締約国との間に全く重要な関連がない場合には︑統一法を受け入れなかった非締約国の決定に対する敬意

( R

e s

p e

kt)および国際的な判決の同一性への希求

( W u n s c h )

により︑統一法の適用を差し控えるべきである︒他方において︑

一般に行き過ぎである︒というのは︑国際的

と は

この範囲内では︑

まだ甘受されるべきであろう︒しかし︑事実関係

統一法の適用を複数の締約国と密接な関連がある事案に限定するのは︑

な判決の調和のためには︑元来︱つの締約国と最も密接な関連があるだけで十分であるし︑相互主義を要件とするこ

( 3 6 )  

ほとんどの場合に望ましくないからである︒

以上のようなレムヘーファーおよびクロポラーの見解は︑ボエルと異なり︑空間的適用範囲規定を二つの要素に分

解するだけではなく︑

ま た

それぞれに相異なる別々の機能を見出した点に特徴がある︒しかし︑このような区別は︑立法

論を展開する上では有益であるかも知れないが︑果して空間的適用範囲規定の法的性質を正確に捉えているのか疑問

である︒というのは︑空間的適用範囲規定の文言だけみると︑

限﹂にすぎないからである︒そして︑ ために破られている︒国際的な判決の不調和は︑

それ

は︑

レムヘーファーのいうところの﹁内側への制

その﹁内側への制限﹂を通してのみ︑その裏に︑締約国の法が一定の渉外関係

に適用されるべき旨の﹁外側への制限﹂が読み取れるのである︒したがって︑複数の国家との関連を求める要素と締

約国との関連を求める要素とは︑それぞれが別々の機能を営むのではなく︑むしろ︱つの要素が相まって︑国際性決

定機能と抵触法的機能とを営むのである︒

クロポラーは︑﹁限界規範﹂という用語と﹁抵触規範﹂という用語を意識的に使い分けており︑前者は後者を

排除するけれども︑本質的に異なった種類の規範である︑と考えているようである︒したがって︑限界規範は︑抵触

規範に対して﹁特別法﹂ではあるけれども︑特別祗触規範ではない︑ということになる︒この点で︑クロポラーの見

解は︑ヴィッタの﹁第三の規範説﹂に近くなっており︑したがって︑そこで挙げた疑問点の幾つかは︑クロポラーに

5‑3‑437 

(香法

' 8 5 )

(14)

次に

混合規範説その二

これを﹁特別祇触規範﹂

シュ ーリ ヒ( Sc hu ri g) およ びノ イハ ウス (N eu ha us )の 見解 もま た︑ 混合 規範 説と 言え るの であ るが

︑ ヘーファーおよびクロポラーと異なり︑空間的適用範囲規定を二つの要素に分けない︒まずシューリヒによると︑空

間的適用範囲規定は統一事項法規定を︑祇触法的には︑他国の法に対する法廷地法の構成部分として︑事項法的には︑

同一法秩序内の他の法規に対する渉外関係のための特別法として︑指定するのであるが︑これは同一の連結点によっ て行 なわ れて いる

︒し たが って

︑そ れは 祗触 法的 連結 と事 項法 的連 結の 重複 (U be rl ag er un gv

o n

o l   k

l i s i

o n s r

e c h t

l i c h

e r  

( 3 7 )  

u n

d   s

a c h r

e c h t

l i c h

e r   A

n k

n i

. i

p f

u n

g )

な の

で あ

る ︒

またノイハウスは︑空間的適用範囲規定が抵触規範と事項規範の限界上にあるとする︒すなわち︑

は︑渉外関係のための特別法と通常の内国法との間の限界画定を行なう限りでは︑事項法に属するが︑他方において︑

通常の国際私法によって指定された準拠法の適用を排除する限りでは︑祇触法に属する︒そして︑ほとんどの場合に

( 3 8 )  

は︑二つの機能が︱つの規定によって同時に満たされているのである︒

シューリヒおよびノイハウスは︑空間的適用範囲規定が抵触法的機能を営む場合に︑

とする︒すなわち︑ヴィッタおよびクロポラーと異なり︑第三の規範なるものを認めないのである︒まずシューリヒ によ ると

︑空 間的 適用 範囲 規定 は︑

﹁特 別祗 触規 範﹂ (b es on de re ko ll is io ns no rm )の 資格 にお いて

︑通 常の 祇触 規範 を

も当てはまるのである︒

しかしレム

このような規定 八

5  ‑ 3‑438 

(香法

' 8 5 )

(15)

しがちである︒したがって︑ 規の側から行なうか︑によって異なってくるように思われる︒

しか

しな

がら

排除する︒すなわち︑この場合︑統一事項法規定は︑通常の事項法規定の適用を決定するのとは異なった形態の祇触

( 3 9 )  

規範によって指定されているにすぎず︑したがって︑それは決して国際私法体系にとって異質ではないのである︒

またノイハウスは︑祗触規範および事項規範以外に﹁第三の規範﹂

( e i n

T e

r t

i u

m )

というものは存在しないとする︒

したがって︑﹁実質国際私法﹂

( m a t

e r i e

l l e s

IP R)

︑﹁国際私法的事項規範﹂

( S

a c

h n

o r

m e

i n

I PR )

﹁直

接適

用規

定﹂

( r e g

l e s  

d ' a p

p l i c

a t i o

i n  

m m

e d

i a

t e

)

などと呼ばれるものは︑むしろ﹁独自の

持った事項規範﹂

( S

a c

h n

o r

m e

m n

i t

  e i n e r   e i g e n e n  

( a u s

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c k l i

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l l s c

h w e i

g e n d

e n )  

e i n s

e i t i

g e n  

K o l l

i s i o

n ‑

s n

o r

m )

と呼ぶ方が望ましい︒このような規範は︑祗触法そのものを排除しているのではなく︑単に通常の祗触規範を

﹁特別の祇触規範﹂︵

S

z i e l

l e K

o l

l i

s i

o n

s n

o r

m e

n )

に置き換えているにすぎないのである︒

シューリヒおよびノイハウスの見解は︑仔細にみると︑このような特別祗触規範の存在を認める根

拠をめぐって︑全く対立している︒それは︑国際私法に対するアプローチを事実関係の側から行なうか︑それとも法

まずノイハウスによると︑事実関係の側からのアプローチは︑法規の側からのアプローチに対して︑次の三つの長

所を有している︒第一に︑法規の側からのアプローチは︑往々にして個々の法律および立法者の意思を前面に押し出

この場合には︑規整される側の私的法律関係が犠牲にされやすい︒これに対して︑事実

関係の側からのアプローチは︑法律関係の中心にある人間をまず捉え︑この人間の利益および意思を特に考慮するこ

とになる︒しかし︑これは必ずしも︑同時に法規の典型的目的をも考慮することを妨げるものではない︒第二に︑法

規の側からのアプローチは︑実際上困難である︒というのは︑法律は︑その内容から適用範囲をどのようにでも︑

わば

﹁独

自に

( a

u t

o n

o m

) 決定することになるからである︒したがって︑私法においては︑その法政策目標から︑

︵明

示ま

たは

黙示

の︶

そ し)

一方的祇触規範を

5‑3‑439 

(香法

' 8 5 )

(16)

れに応じた適用範囲を決定することは︑

な判決の調和をより困難にする︒ ほとんど不可能でさえある︒第三に︑法規の側からのアプローチは︑国際的

というのは︑実質法規定は国によって異なっているので︑結局︑各国家は︑他とは

異なった自国法にもとづいて国際私法規範を創設することになるからである︒これに対して︑具体的な事実関係は︑

それ自体は変わらないから︑事実関係の側からのアプローチは︑国際的な判決どの法律によって判断されようとも︑

( 4 1 )  

の調和を害さないで済むのである︒

以上のような考察から︑ノイハウスは︑原則として事実関係の側からのアプローチが﹁優先﹂すべきであるとする︒

すなわち︑形態としては法規の側から規定された祇触規定もまた︑観点においては事実関係の側から考察されなけれ

ばならないのである︒それは︑ノイハウスの次のような言葉からも分かる︒﹁法律がどのような適用範囲をみずから欲

しているかを問うのではなく︑法律にどのような適用範囲を割り当てるかを問う場合にのみ︑法律の側からの問題設

定と事実関係の側からの問題設定とが論理的に等価値となるのである︒

して︑明らかに法律の内容よりも人の﹃服従﹄の方に目を向けている︒すなわち︑主体の側から︑

( 4 2 )  

り事実関係の側から出発しているのである︒﹂

一 方 ︑

シューリヒは︑以上のような二つのアプローチには︑

G e

d a

n k

e n

v e

r b

i n

d u

n g

が働いているとする︒すなわち︑事実関係の側からのアプローチには︑多辺主義︵および双方)

的祗 触規 範︶

が結びつけられ︑法規の側からのアプローチには︑

ているのである︒しかし︑事実関係の側からのアプローチにおいて準拠法を﹁独自に﹂

( a

u t

o n

o m

決定することがで)

きるのと同じく︑法規の側からのアプローチにおいても︑

い︒したがって︑

どちらのアプローチにおいても︑ サヴィニー

( S

a v

i g

n y

) は︑この割り当てに際

した がっ て︑

やは

その適用範囲を独自に決定することができなければならな

まず連結点をみずから決定することが重要なのである︒そして︑ 一辺主義︵および一方的祇触規範︶が結びつけられ いわば﹁暗黙のうちの連想﹂

( e i n

e

s t i l

l s c h

w e i g

e n d e

 

八四

5  ‑ 3‑440 

(香法

' 8 5 )

(17)

一方は他方の反面

( d i e

K e h r

s e i t

e )  

いるが︑これに対して︑

( 4 3 )  

とな る︒

八五

これはすでに一般的な種類の抵 またノイハウスは︑二つのアプローチの比較において︑個人の利益および国際的な判決の調和を相対的に重視して

シューリヒは︑すべての利益を自由に評価しなければならないとする︒すなわち︑自律主義

( A

u t

o n

o m

i s

m u

s )

こそが国際私法の有意義かつ必要な発展を促すのである︒したがって︑自律主義においては︑国際

的な判決の調和も︑考慮されるべき利益のうちの︱つにすぎない︒それは︑他の利益の方が重要と思われる場合には︑

いつでも後退しなければならないのである︒また立法者の適用意思も︑最初から無視されるわけではない︒これもま

た他の祗触法的利益と同様に評価されなければならない︒但し︑ほとんどの場合に︑

触法的利益の中に含まれており︑いずれにしても︑その段階で法発見の対象となっていることが多いのである︒この

以上みてきたところから︑ ように自律主義的な基本態度を取った場合にのみ︑国際私法的正義というべきものが︑実現されるのであり︑そして︑

( 4 4 )  

それだけが祗触法の﹁国家性﹂︵

S t a a

t l i c

h k e i

t )

に対する有効な解答なのである︒

ノイハウスとシューリヒとでは︑特別祇触規範の意味が異なってくるように思われる︒す

なわ ち︑

ノイハウスにおいては︑特別抵触規範は︑通常の祇触規範と同じく事実関係の側から考察される限りにおい

てのみ︑祗触法体系の中に取り込まれるのである︒したがって︑それは遠い将来における両者の一致︑更には国際的

( 4 5 )  

な判決の調和を目指しているものと言えよう︒これに対して︑シューリヒにおいては︑特別祗触規範は︑法規の側か

らも事実関係の側からも︑どちらからもアプローチしうる点において︑通常の祇触規範と全く異ならない︒すなわち︑

抵触法的利益衡量の結果︑特別祇触規範の方が望ましいと判断されているにすぎないのであるから︑その存在は︑完

( 4 6 )  

全に祗触法体系と調和するのである︒ この場合にのみ︑

5‑3‑441 

(香法

' 8 5 )

(18)

以上において︑万民法型統一私法を﹁国際的合意にもとづく渉外実質法﹂とみる見解を紹介し終えたわけであるが︑

他方︑このような考え方に対して批判がないわけではない︒例えば︑

しも渉外実質法であるとは限らないとする︒すなわち︑統一実質法規定の適用が渉外的私法関係に限定されるのは︑

単に適用規定の結果にすぎないのである︒それゆえにこそ︑締約国は任意に︑統一実質法規定の適用を純粋国内的私

法関係にまで拡げることができる︒したがって︑統一実質法規定は︑

( 4 7 )  

み︑渉外実質法規定なのである︒

またケーゲル

( K

e g

e l

) は ︑

リゴーよりも更に一歩進めて︑万民法型統一私法が渉外実質法である可能性を全面的に

否定する︒すなわち︑統一私法の適用が渉外関係に限定されているのは︑特に渉外関係に適した規整を行なおうとし

ているからではない︒それは︑

内国法に完全に取って代わる︑という世界統一私法がすべての締約国に受け入れられるとは限らないので︑止むを得

ず︑内国法の適用の余地を残した万民法型統一私法が採用されたにすぎない︒それゆえにこそ︑締約国が任意に万民

( 4 8 )  

法型統一私法の適用を純粋国内的私法関係にまで拡げることも︑稀ではないのである︒

以上のようなリゴーおよびケーゲルの批判は︑

しうる点を重視しているように思われる︒しかし︑このような考え方は︑あたかも渉外実質法というのが渉外的私法

( 4 9 )  

関係にのみ適した規整を行なう法であるかのようにみえ︑定義の仕方としては狭すぎるであろう︒またリゴーおよび

..L.. 

むしろ法統一への過程における妥協の産物にすぎないのである︒すなわち︑統一法が

どちらも万民法型統一私法の適用が純粋国内的私法関係にまで拡張 このような適用範囲の拡張を許さない場合にの リ

ゴー (R ig au x) は︑ 万民 法型 統一 私法 が必 ず

八六

5  ‑ 3  ‑442 

(香法

' 8 5 )

(19)

八七

( 5 0 )  

ケーゲルは︑以上のように述べながらも︑それぞれ適用規定が祗触法的方法を排除するとか︑空間的適用範囲規定が

( 5 1 )  

事項規範であると同時に国際私法上の抵触規範でもありうるとする︒しかしながら︑万民法型統一私法が渉外実質法

ではないとするのであれば︑このような適用規定や特別の祇触規範の存在根拠は︑どこに求められるのか︑それが明

らかにされていない︒その意味において︑万民法型統一私法を﹁国際的合意にもとづく渉外実質法﹂とみる見解は︑

一方においてヴィッタおよびボエルのような方法的多元論にもとづく見

解があり︑他方においてシューリヒおよびノイハウスのような一元論にもとづく見解があった︒そして本稿は︑特に

方法的多元論の全体を対象としているのではないため︑その意義を十分に検討しえたとは言い難い︒しかし︑それぞ

( 5 2 )  

れの箇所ですでに指摘しておいたように︑多元論的構成には若干の疑問が感じられるのである︒そこで以下において

は︑基本的には一元論の立場から私見を述べてみたい︒

まず第一に︑統一実質法が通常の祗触規範によるのとは異なった形態で渉外的私法関係に適用されるとしたら︑そ

れは祇触法的方法が排除されているのではなく︑単に特別の祇触規範が通常の祇触規範を排除しているにすぎないの

である︒というのは︑このような場合︑結果的には統一実質法の適用範囲が拡張されることになるのであるが︑

し︑そのような適用範囲の拡張は無制限ではありえず︑ ヽ~

しカ

そこには事実関係と締約国の間に一定の密接な関連が必要と

されるからである︒そして︑ここでいう﹁密接な関連﹂とは︑万民法型統一私法が国際的合意にもとづくからといっ

て︑国際公法上の意味での国家管轄の問題ではなく︑また実質法的解決の特殊性のゆえに︑事項的適用範囲の問題と

同列に扱われるものでもない︒それは︑まさしく祇触法上の問題なのである︒すなわち︑祗触法上の意味での密接な

( 5 3 )

5 4 )

 

関連が求められているからこそ︑特別祗触規範の妥当性が認められるのである︒ さて︑このような考え方の中においても︑ 統一私法と国際私法の関係について︑︱つの新しい視点を提供してくれるのである︒

5‑3‑443 

(香法

' 8 5 )

(20)

\~

第二に︑このような特別祗触規範の存在は︑通常︑いわゆる空間的適用範囲規定の中に見出される︒しかしながら︑

空間的適用範囲規定は︑同一の連結点によって︑祇触法的機能と事項法的機能とを同時に営みうるので︑それが両方

の機能を営んでいるのか︑それとも事項法的機能しか営んでいないのかは︑規定の文言から直ちに明らかになるとは

限らない︒そこに規定の解釈の必要性が生じてくるのである︒しかし︑

の﹁趣旨および目的﹂︑ヴィッタのいうような立法者の適用意思などによって︑祗触法的機能を付与しうるかは疑問で

ある︒むしろ︑特別祗触規範の必要性および通常の祗触規範との比較こそが問題とされるべきである︒

そこで具体的には︑個々の統一法毎に解決されるべき問題ということになるが︑しかし︑あえて一般的に述べると

すれば︑次のようになるであろう︒まず事実関係の側からのアプローチは︑通常の祇触規範の維持の方に有利に働く︒

というのは︑統一実質法の規整対象は︑既存の内国実質法のそれと同じだからである︒すなわち︑両者は同じ性質を

持った事実関係を対象としており︑

こ と

ただ万民法型統一私法においては︑

( 5 5 )  

および規整の方法が異なるにすぎないのである︒

を訴えかけてくる︒

とい

うの

は︑

その規整の範囲が渉外関係に限定されている

ヴィッタのいうような特別実質法規範としての性質︑更には必須的適用規範として

の性質も場合によっては考慮するならば︑通常は他国の法に従うべき渉外関係にも統一実質法が適用されるべきだか

らである︒そして︑この場合にのみ︑空間的適用範囲規定の中で定められた事実関係と締約国との間の﹁密接な関連﹂

( 5 6 )  

が祇触法上の意味を持つことになるのである︒

( 5 7 )  

最後に︑特別祗触規範は︑ある意味において︑空間的適用範囲規定の中に﹁隠れている﹂とも言える︒というのは︑

空間的適用範囲規定の文言は︑統一実質法規定だけを指定しているのに対して︑その祇触法上の効果は︑締約国の法

( 5 8 )  

秩序全体の指定だからである︒したがって︑空間的適用範囲規定は︑まず祇触法的機能の結果として締約国の法秩序 一方︑法規の側からのアプローチは︑特別祗触規範の必要性 この場合に︑ボエルのいうような統一実質法

\   J J  

5  ‑ 3  ‑444 

(香法

' 8 5 )

(21)

も︑この渉外実質法という観点は重要なのである︒ 実質法規定を指定している︒そして︑

によって行なわれているのである︒その意味においても︑空間的適用範囲規定では二つの機能が営まれているのであ

るが

しかし両者は︑明白に区別されるべきなのである︒

八九

︵昭

和六

0

年六月二

0

日 ︶

以上︑空間的適用範囲規定を特別祇触規範として構成した場合の問題点を︑概略まとめてみた︒しかし︑そこには︑

事実関係の側からのアプローチか法規の側からのアプローチか︑等々の国際私法における根本問題が含まれていた︒

そして本稿は︑このような根本問題を主として扱おうとしているわけではないので︑

の課題に取り組んでみただけにすぎない︒また︑以上の問題点の他にも︑統一私法プロバーの観点からは︑例えばレ

( 5 9 )  

ムヘーファーのいうように︑締約国の全体をあたかも︱つの統一国家のように扱えるのか︑それとも︑ヴィッタのい うように︑むしろ最終の結果に着目して︑相異なる法秩序のそれぞれに︑特別の実質法が生成したとみるべきである

( 6 0 )  

というような問題がある︒しかし︑このような締約国間の問題は︑統一私法規定の解釈をいかに行なうべきか︑

のカ

という困難な問題に結びついており︑それゆえ︑本稿では扱う余裕がなかった︒これは残された課題としておきたい︒

いずれにしても︑統一私法の価値を絶対的な法の一致に求める限りでは︑過去の実績は︑必ずしも芳しいとは言い

難い︒それは︑条約による法統一が果して妥当であるのか疑問に思わせる程である︒しかし︑

定された渉外実質法の数が少ない︑ 一国独自の立場から制

という事実に目を向けるのであれば︑万民法型統一私法は︑国際的合意にもとづ

<渉外実質法として︑重大な役割を担っていることになるであろう︒そのような統一私法の価値を再認識するために 全体を指定し︑次に事項法的機能の結果として統

一応の仮説に立ちながら︑当面 これがすべて同一の連結点

5 ‑3‑445 

(香法

' 8 5 )

(22)

( 4

)  

( 5 )   ( 6

)   ( 7 )  

( 1 )

例えば︑わが国の文献に限ってみると︑沢木敬郎﹁ヘーグ売買統一法における国際私法の排除および一九五五年ヘーグ売買国際私

法条約﹂比較法研究三0号︵昭四四︶一︱︱頁以下︑斎藤彰﹁国際動産売買法統一の現状田・切完﹂六甲台論集三0巻三号︵昭五

八︶五四頁以下・三一巻二号︵昭五九︶七五頁以下︑拙稿﹁国際海上物品運送法の統一と国際私法の関係﹂香川法学二巻二号︵昭

五八︶三一頁以下などがある︒

( 2 )

例えば︑わが国の文献としては︑石黒一憲﹁統一法による国際私法の排除とその限界﹂海法会誌復刊二四号︵昭五五︶三頁以下︑

高桑昭﹁国際私法と統一私法﹂﹃国際私法の争点︵ジュリスト増刊︶﹄︵昭五五・有斐閣︶一五頁以下がある︒その他︑山田錬一﹃国

際私法︹現代法学全集

4 7 ︺﹄︵昭五七・筑摩書房︶七頁以下︑池原季雄﹃国際私法︵総論︶︹法律学全集

5 9 ︺﹄︵昭四八・有斐閣︶四

頁以下︑澤木敬郎﹃新版・国際私法入門︵双書︶﹄︵昭五九・有斐閣︶二頁以下︑木棚照一・松岡博・渡辺惟之﹃国際私法概論︵プ

O ・

有斐閣︶三頁以下などにおいても︑統一私法と国際私法の関係というテーマが取り上げられている︒

( 3 )  

J .  

K r o p h o l l e r ,   I n t e r n a t i o n a l e s   E i n h e i t s r e c h t   ( 1 9 7 5 )   S .   1 8 0 f .   クロポラーは︑そのような領域として︑人事法・家族法・相続法を挙げている。更には、山田・前掲註(2)七頁、池原・前掲註(2)六頁、澤木・前掲註(2)二頁、木棚他•前掲註(2)四頁も参照。

これに対して︑国際私法に対する統一私法の客観的優位

( s a c h l i c h e U b e r l e g e n h e i t )

を主張する説もあろ︒

K .

Z

w e i g e r t   u .   U .   D r o b n i g , i n   E h e i t l i c h e s   K

a u f g e s e t z   u nd   In t e r n a t i o n a l e s   P r i v a t r e c h t .   2 9   R ab el sZ   (1 9 6 5 ) ,   S .   1 4 7 f . ;   A.   Ma l i n t o p p i

̀ L  

es   r a p p o r t

s   e n t r e   d r o i t   u n if or me   et   d r o i t   i n t e r n a t i o n a l   p r i v e ,   1 7 6   R e c u e i l e   d s  C ou rs   (1 9 6 5 ) ,   p p 4 .   0   e t   s u i v .  

このような名称は︑わが国の文献において定着したように思われる︒山田・前掲註

( 2

) 六頁︑澤木・前掲註

( 2

) 二頁以下︑木棚他・

前掲註

( 2 )

K r o p h o l l e r ,   a . a . 0 . ,   An m.   (3 ) S . ,     1 8 6 .   F .   Ri ga ux ,  D r o i t   i n t e r n a t i o n a l   p r i v e ,   t .  

( 1 9 7 7 )  

̀  p .  

2 3 4 .   ( 8 )   ( 9 )   ( 1 0 )  

K r o p h o l l e r ,   a . a . O

̀ .  

An m.   (3 ) S . ,     1 8 5 f .   E .   V i t t a I ,   n t e r n a t i o n a l   Co nv en ti on s  a nd   Na t i o n a l   C o n f l i c t   S y s t e m s ,   1 2 6   R e c u e i l   d es   Co ur s  ( 1 9 6 9 ) ,   a t   2 0 6 .   Vgl•

K r o p h o l l e r ,   a . a . O . ,   An m.   (3 ) ,   S .   1 8 6 f .  

また木棚他・前掲註

( 2

) 四頁は︑これを﹁虚偽の祇触﹂

( f a l s e c o n f l i c t )  

これに対して︑﹁問題がすべて締約国のみに関する法律関係である場合には﹂︑世界統一私法が﹁国際私法を通さないで直接に適用

される﹂とする見解もある︒山田・前掲註

( 2 )

( 1 1 )

名称については︑妹場準一﹁渉外実質法・直接適用法﹂﹃国際私法の争点︵ジュリスト増刊︶﹄

九〇

5  ‑ 3‑446 

(香法

' 8 5 )

(23)

但し︑妹場説は︑世界統

1私法をも渉外実質法とする点で私見と異なる︒

( 1 2 )

例外としては︑一九六四年の﹁有体動産の国際売買に関する統一法に関する条約﹂︵ヘーグ売買法条約︶を挙げることができる︒

すなわち︑ヘーグ売買法の第;条は︑同法の適用を受けるべき渉外関係を定義するだけであり︑その他に締約国との関連を要求す

る規定は︑置かれていない︒但し︑条約第三条においては︑売買喫約の昔事者が相異なる締約国に営業所を有することを適用条件

とする旨の留保が認められている︒後述・註

( 2 0 ) 参照

( 1 3 )

この点を明白に述べたものとして︑

E . V i t t a

̀    C

ou rs

n e r a l d e  d r o i t   i n t e r n a t i o n a l   p r i v e 1 ,   6 2 e   R c u e i l   d e s   C ou rs   09 7 9 ) ,   p .   1 3 9 ;   V i t t a ,   s

u p r a o   n t e ( 9   ) ,   a t   1 9 6

1

9 8

; M a l i n t o p p i ,  

p .  

c i t . , n ° ( 4 ) ,   p p .   2 3   e t   s u i v . ,   2 9 ,   3 4 .   ( 1 4 )   K r o p h o l l e r , . a   a . 0 . ,   A nm .  ( 3 ) ,   S .   1 6 9 ;   Z

w e i g e r t   u•

D r o b n i g , . a   a . O . ,   A nm .  ( 4 ) ,   S .   1 4 9 ;  

H .

  B

a u e r ,   L es   tr a i t e s   e t   l e s   r e g l e s   d e  d r o i t   i n t e r n a t i o n a l   p r i v e

a t   m e r i e l ,   5 5   R e v .   c r i t .   d r . i . p ( 1 .   9 6 6 ) ,   p .   5 5 8 .  

i際

私辻

iに

おけ る油 は汗 的 5私法関係の音心味については︑岡

本善八﹁国際私法の対象としての渉外関係﹂同志社法学ニ︱.号︵昭四六︶一頁以下参照︒

( 1 5 )   K r o p h o l l e r , . a   a . O . ,   A nm .  ( 3 )  

̀ S .   1 7 6 ;   Z

w e i g e r t   u .   D r o b n i g , . a   a . O . , A  nm .  ( 4 ) ,   S .   1 4 9 f . ;  

B .  

L e m h o f e r ,   D ie   Be s c h r : i n k u n g e   d r   R e c h t s v e r e i n h e i t l i c h u n g   a u f   i n t e r n a t i o n a l e

  S a c h v e r h a l t e ,   2 5   R ab el sZ  ( 1 9 6 0 )

̀  

S .   4 1 2

  ; B a u

e r ,   o p .   c i t . n ° ,   ( 1 4 )

̀  

p .   5 5 8 .   ( 1 6 )   K r o p h o l l e r ,

. a   a . O . , A  nm .  ( 3 ) ,   S .   1 9 7 f f . ,   2 0 3 f f .  

V g l .  

au ch   Z w e i g e r t   u•

D r o b n i g ,   a . a . O . , A  nm .  ( 4 ) ,   S .   1 4 9 f .   ( 1 7 ) V i   t t a ,

 

p .   c i t . ,   n

° ( 1 3 ) ,   p p . 3   1 7   e t   s u i v .   ( 1 8 )

以上については︑

Ba ue

̀ r

o p .   c i t . ,   n ° ( 1 4 ) ,   p p .   5 3 7   e s u t   i v .  

なお︑ボエルは︑祇触法的方法によって適用される渉外実質法規定と

して︑次の例を挙げている︒①被相続人の最後の住所または相続人の居所が外国にある場合に︑相続に関する期間を延長する規定

︵ドイツ民法典第一九四四条第三項︑第一九五四条第三項︶ 0②扶養義務者に対する訴訟上の請求が内国においては不可能もしくは

著しく困難である場合に︑次順位の扶養義務者に対して請求できるとする規定︵ドイツ民法典第一六

0七条第二項︑第一六0八

条 ︶

0

③国際海上運送に関するオランダ商法典中の特別規定︒④一九六三年︱二月四日のチェコスロバキア国際取引法典︒⑤調整

問題における実質法的解決︵例えば︑フランスに住所のある無国籍者凹とドイツ人因との間に出生した非嫡出子が母の国籍を取得

した場合︑フランスの祗触規定によると︑親権および財産管理権は子の本国法

11

ドイツ法に従う︒しかし︑ドイツの祗触規定によ

ると︑母と子の関係だけが母の本国法廿ドイツ法に従い︑父と子の関係は無国籍の父の住所地法

フランス法に従う︒一方︑ドイ1 1

ツの実質法では︑非嫡出子の親権および財産管理権は後見人にあるのに対して︑フランスの実質法では︑これらの権利は父にある︒

このような状況では︑後見人は︑子が親権に服さない場合にのみ関与する︑というようにドイツの実質法を調整し︑その結果︑フ

5‑3  ‑447 

(香法

' 8 5 )

参照

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︵17︶ ハレックも︑条約を︑神の法︑歴史︑ローマ法等の最後にあげるにすぎない︒

約二〇年前︑私はオランダのハーグで開かれた国際刑法会議に裁判所の代表として出席したあと︑約八○日間︑皆

), Principles, Definitions and Model Rules of European Private Law: Draft Common Frame of Reference (DCFR), Interim Outline Edition, Munich 200(, Bénédicte Fauvarque-Cosson

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