(様式8号)「課程博士用」
学 位 論 文 審 査 結 果 の 要 旨
専 攻 名 材 料 科 学 専 攻 氏 名 名 和 憲 嗣
学 位
論 文
題 目
First principles study on effective on-site Coulomb interaction from linear response approach and application to metal complexes
主査 ・ 副査
主 査 伊 藤 智 徳 ○
印副 査 佐 野 和 博 ○
印副 査 平 松 和 政 ○
印副 査 中 村 浩 次 ○
印審査結果の要旨
遷移金属酸化物や希土類化合物,有機金属錯体など強相関電子系材料の開発に向けて,第一原理 計算に基づく非経験的な電子構造解析手法や材料設計手法の構築が強く望まれている。しかしなが ら,平均場近似を用いた密度汎関数理論(DFT)により構成される現状の計算手法は,材料適用範囲 に大きな制約が存在した。これを解決するための手法として,有効オンサイトクーロン相互作用(U
eff)パラメータを導入した第一原理計算手
DFT+U法が知られている。その核となる
Ueff値は,バンドギ ャップなどの実験値を再現するように導かれることが一般的であるが,同じ物質について数
eVも異 なる値が報告されており,DFT+U 法の広範な適用を妨げている。本論文では,この課題解決のため に,U
eff値の非経験的導出手法の開発と、その応用として、強相関電子系の典型材料である遷移金属 酸化物と有機金属錯体の電子構造解析に取り組んだ。以下に,その研究成果をまとめる。
1.
線形応答理論に基づき,非経験的に
Ueff値を導出するための計算プログラムを開発した。具体的に は,d 軌道に対して
Lagrange未定乗数(拘束場ポテンシャル)を与え
d軌道占有電子数の変化率 から
Ueff値を算出した。
2. 遷移金属酸化物TMO
(
TM=Mn, Fe, Co, Ni)の
Ueff値を導出し,得られた電子構造を実験結果と比 較することで,その妥当性を確認した。また
Ueff値のばらつきは,基底関数の形に依存することを 見いだし,異なる手法間では
Ueff値が移植できないこと,
Ueff値と
d軌道電子数には比例関係があ ることを明らかにすると共に,信頼性の高い
Ueff値を導出するための指導原理を提案した。
3.