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進化する糖尿病モデル動物

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Academic year: 2021

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北海道医療大学学術リポジトリ

進化する糖尿病モデル動物

著者 佐藤 寿哉, 石井 久淑

雑誌名 北海道医療大学歯学雑誌

巻 34

号 1

ページ 47‑47

発行年 2015‑06‑30

URL http://id.nii.ac.jp/1145/00010338/

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[最近のトピックス]

進化する糖尿病モデル動物

佐藤 寿哉,石井 久淑

北海道医療大学歯学部 口腔生物学系生理学分野

糖尿病の病態の解明や治療薬の開発では糖尿病モデル 動物を用いることによって多くの有益な知見がもたらさ れている.したがってヒトの糖尿病の病態を忠実に再現 するモデル動物の開発は糖尿病研究の進展を大きく左右 する.ヒトの糖尿病では約 %の症例で末梢神経障害や 腎症,網膜症などの合併症を伴うが,全ての合併症を発 症するモデル動物は少なく,研究目的に応じて用いられ るモデル動物が選択される.本稿では糖尿病の主要な合 併症のひとつである末梢神経障害の研究に用いられる糖 尿病モデル動物の変遷と最新事情について紹介する.

古典的な糖尿病モデル動物は 年代には既に報告さ れている.Eliasson( )はラットに膵島のB細胞を 破壊するストレプトゾトシン(STZ)を投与して糖尿病 を人為的に発症させた(Eliasson,

J Clin Invest 43 : 2353−

2358).STZ投与後に糖尿病を発症したラットでは神経

線維の萎縮が認められ,感覚神経や運動神経の伝導速度 が低下する.このラットはいわゆる痩せ型の糖尿病を発 症するのだが 型(インスリン依存性)と 型(インス リン非依存性)のどちらの糖尿病と解釈するのかについ ては少々議論がある.STZ糖尿病ラットはSTZの投与の みで容易に糖尿病を発症させることができるため現在で も使用される頻繁が高い.さらに初期のSTZラットはイ ンスリン投与に対する感受性が低いことが難点となって いたが,その後の改良によりインスリン投与に感受性が 認められるモデルも開発されている.

抗膵島抗体の出現を認める自己免疫疾患である 型に 対して 型は環境因子と遺伝因子が関与した多因子疾患 であり,その発症メカニズムは複雑である.また原因遺 伝子も複数でありヒトと同様にモデル動物においても正 確に特定されていない.(例外として単一遺伝子異常で発 症するdb/db,ob/obマウス,komedaラット,wistar fatty ラットが知られている). 年代には痩せ型の 型糖 尿病モデルラットが開発された(Yagihashi et al.,

Lab In- vest 68 : 296–307, 1993).痩せ型の糖尿病は日本人の糖

尿病患者で最も多いタイプである.病態においては神経 軸索のミエリン鞘が部分的に消失する特徴を示す.これ

はヒトの糖尿病患者にも認められる特徴で従来のモデル 動物よりも病態がヒトと類似している点で優れている.

年代に入ると加齢と共に糖尿病を発症する自然発 症型のモデル動物が開発された. 型のモデル動物とし てNOD(Nonobese diametic)マウス(Schmidt et al.,

Am J Pathol 163 : 2077−2091, 2003)が,

型のモデル動物 としてOLETF(Otsuka Long−Evans Tokushima Fatty)ラ ット(Kamenov et al., Methods Find Exp Clin Pharmacol

28 : 13–18, 2006)が用いられるようになった.特に

OLETFラットは約

週齢以降から顕著な肥満となり約

週齢以降から糖尿病を発症する.さらに発症後にダイ エット食に切り換えることにより糖尿病に改善がみられ る点は従来のモデル動物よりも発症メカニズムがヒトに 類似していることを示唆しているのかもしれない.しか し糖尿病を発症し神経障害が形成されるまでに他のモデ ル動物と比較して長期間を要するのは利点でもあり難点 でもある.

近年,血糖降下薬であるピオグリタゾンに感受性を示 す 型のモデルラットが開発された(Yamaguchi et al.,

J Vet Med Sci 74 : 1669−1673, 2012).従来のモデル動物は

糖尿病治療薬や神経障害治療薬の投与に対する感受性が 低いか或は検討を行ったとする報告がないものがほとん どである.すなわち薬剤に対する感受性が低いモデル動 物では発症メカニズムがヒトとは異なる可能性がある.

この点を解決したことは画期的で,今後は病態に関する 基礎的なデータを蓄積して有望な次世代のモデル動物と 成り得るか検討が重ねられていくであろう.

北海道医療大学歯学雑誌 ! 平成 年

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第34巻1号   4C150 1C133/本文 ※31‐1から組体裁変更 OTF/047     トピックス 佐藤  2015.07.07 18.50.29  Page 47 

参照

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