鋼構造骨組の局部座屈挙動を予測する部材要素モデルの開発 [ PDF
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(2) 曲げ部材の実験結果を解析した結果,局部座屈発生時. した.ここで,歪塑性率の予測式を示すために,基準. 期が早すぎる傾向にあった.これは山田等の予測式が. 化幅厚比を次式で表す. 2. 曲げ試験でなく短柱圧縮試験に基づいているためと考. . えられる.従って,本研究では,曲げを受けるH形断. f. b = ⋅ tf . 2. y. d ⋅ tw . ,w =. 式中の y は降伏歪である.以下にf 0 と w 0 の式を示す.. 面部材の局部座屈を表現できるような式を提案する.. f<0.16かつ. ここで提案する式は, bu, b,Rspm の3種類である.本. =w. <1.0の場合: 1 1 + = wY w fY f w. 研究では,三谷5) の曲げ試験結果に基づいて求める.試. f. 験体には一定軸力及び水平力を載荷させている.フラ. その他の場合: 0.56 0.7 f 0 = Y + Y f f w w 0.2 4 w 0 = Y + Y f f w w. ンジ幅厚比は8∼16,ウェブ幅厚比は17∼30,軸力比 は0.0,0.3,0.6である. 4.1 局部座屈発生歪. 局部座屈発生歪 . bu. = min[ f. 0. ⋅. bu. bu. は以下の式により求めるとする.. ,. y w. 0. ⋅. y. 計算した. た三谷等に従った.ウェブは急に耐力が低下した点と. -1.0. -1.0. -1.0. の値を図6に. f 0. 5 5. 10 15 (新提案式) (a) フランジ f. 20. 0. 20. (実験値). -1.0. 0. 10. 15 10 5. -0.5. -0.5. ≤ 1.25]. 15. 3.0. 0.0. 0.0. w. w 0. 0.5. M/Mpc. 0.5. M/Mpc. 1.0. の値と実験結果から求めた. 00. -1.5 -1.5 -3.0 -1.5 0.0 1.5 -3.0 -1.5 0.0 1.5 3.0 θ/ θ pc / θ θ pc (a)333C解析(既存) (b)333C実験 1.5 1.5 1.0. ≤ 0.35] ,[0.3≤. 20. -0.5. -0.5. (14). 示す.. 0.0. 0.0. 0. (実験値). 0.5. M/Mpc. 0.5. M/Mpc. 1.0. (13). ンジ降伏比,wY:ウェブ降伏比である. (12)∼(14)式から. 値の比が1.5以上になった点または歪が反転した点とし. 1.0. f. (12). tw:ウェブ板厚,b=B/2,d:ウェブ内法長さ,fY:フラ. フランジの局部座屈発生点は,表と裏のゲージの測定. 1.5. 0. ここで,B:断面幅,D:断面せい,tf:フランジ板厚,. f 0:フランジ歪塑性率,w 0:ウェブ歪塑性率. 1.5. 0. 適用範囲:[0.09 ≤. (10). ]. (11). y. 00. -1.5 -1.5 -3.0 -1.5 0.0 1.5 -3.0 -1.5 0.0 1.5 3.0 θ/ θ pc θ/ θ pc (c)336C解析(既存) (d)336C実験 図5角形断面部材モーメント回転角関係. 3.0. 5. 10 15 (新提案式). 20. w 0. (b) ウェブ 図6 (12)∼(14)式の計算値と実験値の比較. D 2b. 反曲点. (b)フランジ. Lb. 1. 2. 3. 4. N2. 1. u N3. 3. 2. L N 6 5. 4. 3. 2. 1. N1. N2. (a) (c)ウェブ (a)概形 図7局部座屈変形. N3. N4 4. B/8 tf. tf. lb. lb/2. N4. lb'=lb/2. N1. N. 反曲点 反曲点を ピン支点と考える ことができる. (b) (a). 図8フランジの分割. 36-2. 図9棒材の変形. (b).
(3) 4.2 第一劣化勾配 bE. . 本研究で仮定したH形断面部材の局部座屈発生状態. 4.3 第二劣化開始点の応力を座屈応力で除した値 Rspm. を図7に示す.水平力が作用し,フランジの縦線部分. フランジ部分の Rspm は(23)式で表される.. が局部座屈し,網掛け部分は塑性域に入っても耐力が. フランジの bE は(15)式で表される. . b. E=. (15). 但し,. '= 0.026 − 0.008⋅ b /t f. (17). b”=0.015(SM520から). (18). (24) y. (25). bu. の代わりに. y. を用いて計算をした.Rspm’ と. Rspm’は図12(a)に示した近似直線である.Rspm”は局部座. (16). b”=0.005(SN490まで). (23). Rspm” は図7(b)の縦線部分と網掛け部分の Rspm を表す.. り, b” は黒い部分の劣化勾配係数である. b. Rspm '+Rspm ". bu. (15)式中の b’ は図7(b)の縦線部分の劣化勾配係数であ . (22). 2 Rspm '= 0.701− 0.016⋅ b /t f b "×E × 0.015 + Rspm "=. 座屈するとした.. '+ b " E 2. = 0.022 − 0.003⋅ d / tw. Rspm =. 劣化しないとした.ウェブについては縦線部分が局部. b. b. 屈を無視した場合の値である. ウェブ部分の Rspm は(26)式で求まる. Rspm = 0.665 − 0.013⋅ d /tw. である.b:フランジ半幅,t:フランジ板厚である. (16) f. (26). (23)式はフランジのRspm’ と同様にして求めた.図12(b). 式の導き方を以下に述べる.図8 に示す様に局部座屈. に示したこの近似直線を示す.. するフランジ半幅を4等分し,それぞれを圧縮力を受. 5.H形断面部材. ける棒材と考える.局部座屈する部分の軸力N はそれ. 本提案式の適用可能性を調べるためにH形断面部材. ぞれの棒材に作用する軸力の和である.但し図8(b)の. の解析を行い,その結果を実験結果及び山田等の予測. N4は断面耐力とした.棒材は断面が tf ×B/8 の矩形断. 式を利用した解析結果と比較した.表 2 には解析を. 面であり,材長を lb' とする.一つの棒材は図9のよう. 行った全てのH形断面部材及び骨組の諸元をまとめた.. に湾曲すると考えられる.反曲点から反曲点までの距. 短柱圧縮試験を106体,単調曲げ試験を41体,繰返し. 離はlb/2であり,反曲点をピン支点と考えることができ. 曲げ試験を18体行った.括弧内は骨組試験体の数であ. る.局部座屈後は図9(b)のように変形すると仮定する.. る.図13に加藤等 6),松井等7)が行った軸力と曲げを受. 図9(b)の崩壊機構を図10に示す.矩形断面の曲げモー. けるH形断面部材試験体を,表2に試験体諸元を示す.. メントと軸力の相関耐力式は次式で表される. 2 M N M + N = 1 (19). 表中の. p. は降伏応力を. u. は引張強さを表しており,前. の文字のf とw はそれぞれフランジとウェブを表して いる.図14に代表的な解析結果と実験結果を表してい. p. ここで,Mp は全塑性モーメント,Np は降伏軸力である.. る.図中のMp は軸力を考慮した全塑性モーメント, p. 棒材中央の塑性ヒンジにおける釣り合い条件は M = N = Nlb ' /2. y. 2. (20). である.この条件から,以下の式が示される. −k + k + 12 N p (21) = N 2 ここで,k=2-8lb’u/tf2 である.式を用いて軸方向変位と. n =. τb. -0.06 6. 8. た応力歪関係を二本の直線に近似した.本研究ではフ. 10 b/t 12 f. 14. 10. 16. 15. ランジの第二劣化開始点の歪を局部座屈発生歪より約. 0.5. 0.6. 0.4. R. R. spm. spm. '. 0.7. 0.4. 30. (b)ウェブ 図11第一劣化勾配係数. 0.5. ウェブ部分の bE は,図7(c)に示すように分割し,フラ. 20 d/t 25 w. (a)フランジ. た.. B/8. -0.04. となる.三谷の曲げ試験についてこのようにして求め. 3.0%後とした. b' とフランジの幅厚比 b/tf の関係を示. tf. -0.02. -0.04. のが応力であり,軸方向変位u を lb' で除したものが歪 -0.08. したものが図11(a)である.この図より式(16)が得られ. N. 図10塑性崩壊機構 τb '. 軸力の関係を求める.軸力を棒材の断面積で除したも. u. v lb'=lb/2. N. 2. 6. ンジの b’ と同様に図11(b)に示す(22)式で与えられる.. 36-3. 8. 10 12b/t14 f. 16 18. 0.3 0.2 10. 15. 20 d/t 25 w. (b)ウェブ (a)フランジ 図12第二劣化開始点の応力を座屈応力で除した値. 30.
(4) は全塑性部材角である.QLBC6-40において,本提案式. 6. 結論. を利用した解析結果の方が実験結果より劣化開始時の. 角形及びH形断面部材と骨組の局部座屈挙動を予測. 回転角が大きい.これは,実験では横座屈など局部座. する部材要素モデルの開発を行い,その予測式の適用. 屈以外の劣化挙動が生じているからだと思われる.そ. 可能性を検討した.その結果次のことが言える.. の他の試験体では良く一致している.本提案式を利用. 1)角形断面部材と骨組においては,山田等の既存の. した解析結果では負勾配は非常によく一致している.. 予測式を利用した解析で, 実験結果を充分予測できる.. 一方,山田等の予測式を利用した解析結果では,負勾. 2)H形断面部材においては,本提案式の方が山田等. 配が解析結果より緩やかである.繰返し載荷について. の予測式より局部座屈挙動を精度良く表現している.. は耐力を低く評価する傾向にある.これは解析プログ. 但し繰返しを受ける部材については検討の余地がある.. ラムにおいて,応力歪関係モデルが局部座屈後も引張. 参考文献 1) 河野昭彦,松井千秋,清水るみ:SRC 構造多層ラーメン架構の全体崩壊 機構形成に要求される柱梁耐力比の基礎的性質,構造系論文集, No.505, 1998.3,pp.153-159. 2) 山田哲,秋山宏,桑村仁:局部座屈を伴う箱形断面鋼部材の劣化域を含 む終局挙動,日本建築学会構造系論文報告集,第444 号,135-143,1993.2, および,局部座屈を伴うH鋼部材の劣化挙動,日本建築学会構造系論文報告 集,第 454 号,179-186,1993.12. 3)津田恵吾,軸力と水平力を受ける鉄骨系柱材の弾塑性挙動に関する研究, 九州大学博士論文,1993 4)久家明子,河野昭彦:鉄骨系骨組の局部座屈による耐力劣化挙動を予測す る部材要素モデルの開発,九州支部研究報告書,第 41 号,2002.3 5)三谷勲,不安定現状を伴う鋼構造部材及び骨組の繰返し弾塑性変形性状に 関する研究,九州大学博士論文,1980 6)加藤勉,中尾雅躬,高性能鋼柱の耐力と変形能力に関する実験的研究-そ の2-実験結果の検討,日本建築学会大会学術講演梗概集,1991,pp.1261-1262. 7)松井千秋,河野昭彦,津田恵吾,吉住孝志,堺純一,鉄骨骨組の変形能力 に及ぼす鋼材の降伏比の影響に関する研究,平成2年度科学研究費補助金 (一般研究(C))研究成果報告書,1991.3.. に反転すると,剛性が局部座屈がなかった場合と同じ 値に復帰するように仮定されているが,ここでは両フ ランジの歪が圧縮側に急速に移行することになり,そ の結果曲げ抵抗が急減したと考えられる. 表2 H形断面試験体諸元のまとめ 曲げ 単調 繰返し 5.37∼18.0 6.1∼16.0 8.3∼12.5 14.4∼40.0 19.6∼50.0 25.0∼31.0 2.78∼5.36 2.78∼5.36 2.78∼3.9 3.61∼6.03 4.09∼6.48 4.45∼4.77 106 41(16) 18(6) * ( )門形ラーメン 短柱圧縮. b/tf b/tw σy σu. 総数. P. 表3 H形断面部材試験体諸元. B. N. t f. N L. D. L. t w. Y863. 150×150×6×6. 2. 2. 2. 1.5. 1.5. 1.5. 1. M/Mp. b/t f d/tw. M/Mp. t f. 断 面 200×144×9×12 202×192×9×12 205×241×9×12 291×143×9×12 379×143×9×12. M/Mp. 図13試験体図面. 試験体名 QLBC6-20 QLBC8-20 QLBC10-20 QLBC6-30 QLBC6-40. 0.5. 0.5. 0. 1. 0. 5 θ/θp10. 15. (a)QLBC6解析(本提案式). QLBC6-20 QLBC6-30 QLBC6-40. 0. 0. 15. 0. 2. 1.5. 1.5. 1. M/Mp. 5 θ/θp10 (b)QLBC6実験. 1.5. 0.5. 0.5 0. 0. QLBC6-20 QLBC8-20 QLBC10-20. 0. 12 8 4 0 -4 -8 -12. -6 -4 -2 0 2 4 6 R(%) (g)Y863解析(本提案式). 75. 3.90 3.90 4.77 4.77 31. w. f u. σ. w u. σ. N. 6.38 6.38 6.38 6.38 6.38. 6.48 6.48 6.48 6.48 6.48. 67 84 99 79 90. σy. 4.70 4.70 4.70 4.70 4.70. 5 θ/θp10 15 (c)QLBC6解析(既存). 1. 5 θ/θp10 (e)QLBC-20実験. 15. 0.5 0. 0 5 θ/θp10 (f)QLBC-20解析(既存) 12. 8 4 0 -4 -8 -12. H(t). H(t). 12 8 4 0 -4 -8 -12. 1. 5 θ/θp10 15 (d)QLBC-20解析(本提案式). 13 25. σ. 15. H(t). 0. 4.45 4.45 4.45 4.45 4.45. 0.5. M/Mp. 2. f y. 105 125 135 105 105. 1. M/Mp. 2. 0. L. 20 20 20 30 40. 6 8 10 6 6. -6 -4 -2 0 2 4 6 R(%) (h)Y863実験 図15 H形断面部材モーメント回転角関係. 36-4. -6 -4 -2 0 2 4 R(%) (i)Y863 解析(既存). 6.
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