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理系大学教員が理系学生に教えて欲しい内容とは何か? 氏名

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Academic year: 2021

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理系大学教員が理系学生に教えて欲しい内容とは何か?

氏名 工藤光子

所属 立教大学 理学部 共通教育推進室

科学哲学、科学史、科学技術社会論、研究倫理、サイエンスコミュニケーション、

これらの分野の名前を聞くと理系の研究者は、分野状況を調べるという行為を怠り勝 手な幻想を抱く。もちろん実際に学会に所属したり著作を読んだりする危篤な人もい るが、それは圧倒的少数派である。しかも、科学と名がつく研究分野については、親 近感と同時に優越感を抱いている場合も多い。本物の科学をやっているのは我々であ るという優越感である。であるからして、これらの分野を彼らは「科学の周辺分野」

と位置付ける。

これらの分野に対して良い幻想を抱くか、幻滅しているかは、理系教員の個人的な 経験に基づいている。教員の多くが自身の教養課程で、日本文学ではなく、科学と名 がつく分野(科学の周辺分野)を積極的に受講したであろうことは想像に難くない。

その授業が面白かったか否か、またその内容がどうであったかの実体験に基づいてい るのが現状である。そして、良い幻想を持つ教員というのは少なからずいつの時代に もいて、理学のカリキュラム見直しの機会があると、そのような科目群が必要である という議論が起きているようだ。

今回、実際に理学部での科学周辺科目の開講状況を示す。これらの科目群は、東京 大学の化学史、東北帝国大学の理科大学設立の際の科学概論(田邊元)にさかのぼる ことができる。この2つの科目設置目的は異なり、前者は専門知識取得のサポートと しての開講、後者は教養としての科学とは何かを理解させる科目である。最近の傾向 として、理学部共通科目が各大学に設置され、科学の周辺分野の開講が目立つ。しか し、理系教員としては、あくまでも周辺なので、1科目の開講にとどまる。(立教大学 は複数開講している唯一の大学である。)どのようにして1科目が選ばれるのかという と、計画段階では流行依存で実行段階では人のつながり依存というのが現状だ。

幻想に基づく科目設置だが、実際にその幻想とは何か。さすがに、東大の化学史の ような目的の開講は今や幻想であると共有されており、最近は、教養としての科学の 理解を深めるという目的が多い。なお、当然だが、理学部教員が周辺分野の研究者を 積極的に排出しようとしているわけではないので、科目設置目的に周辺分野のイント ロダクションを期待しているわけではない。俯瞰的な視野から見た科学とは何か、科 学の方法論、科学が社会と出会う時に起きる問題などを求めているのだ。だが、これ らを誰が責任をもって教えられるかというと、各分野が細分化した現在では全体を教 えることは不可能なのが実情であろう。美しい幻想に基づいた科目設置とはいえ、こ こにニッチがあるという認識を共有し、無理だからといって自分の分野のイントロダ クション科目を教えるのではなく、お互いに歩み寄り妥協点を見つけて、新しい科目 を考えたほうが建設的ではないのだろうか。これが本日の提案である。

参照

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