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(1)

相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じ た元本償還金又は収益分配金の分割の可否

著者 小川 惠

雑誌名 同志社法學

巻 67

号 6

ページ 2767‑2786

発行年 2015‑11‑30

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000015628

(2)

(    ) 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 同志社法学 六七巻六号一九一二七六七

最 高 裁 平 成 二 六 年 一 二 月 一 二 日 第 二 小 法 廷 判 決 ( 平 成 二 四 年 ( 受 ) 二 六 七 五 号 ・ 相 続 預 り 金 請 求 事 件 ) 判 時 二 二 五 一 号 三 五 頁 ・ 判 タ 一 四 一 〇 号 六 六 頁 ・ 金 法 二 〇 一 四 号 一 〇 四 頁 ・ 金 商 一 四 五 八 号 一 六 頁 ・ 金 商 一 四 六 三 号 三 四 頁 ・ 裁 時 一 六 一 八 号 一 頁 ・ 集 民 二 四 八 号 一 五 五 頁

             

【 事 実 の 概 要 】

  ⑴

。ある   平相名であり、その法定続て分は各三分の一で、は三め成。八年一〇月に死亡したA含の法定相続人は、XAを

  ⑵

  託購入した複数の投資信(A以下、﹁本件投資信託﹂らか社会は、その死亡時において、販売会社であるB証券株式

( )

(3)

(    )同志社法学 六七巻六号一九二 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 二七六八

という)に係る受益権(以下、﹁本件投信受益権﹂という)を有していた

)1

  ⑶  A死亡後である平成八年一一月から平成一〇年九月までの間に発生した本件投資信託の収益分配金および平成一六年に発生した本件投資信託の元本償還金は、B証券会社または同社を吸収合併したY証券会社の亡A名義の口座に預り金として入金された(以下、この預り金を﹁本件預り金﹂といい、その返還を求める債権を﹁本件預り金債権﹂という)。

  ⑷  Xは、本件投信受益権が亡Aの相続開始後に金銭債権である本件預り金債権になった以上、本件預り金債権は当然に相続分に応じて分割されると主張し、Yに対して本件預り金の三分の一に当たる金員およびこれに対する遅延損害金の支払いを求めて訴えを提起した 2

  ⑸

  原々審

)3

は、東京高裁昭和六三年一二月二一日判決・判時一三〇七号一一四頁(以下、﹁東京高裁昭和六三年判決﹂という)を引用し、相続財産の性質については相続開始時に判断すべき、とした。その上で、相続開始時において、本件投資信託は可分債権ではなく、遺産分割の対象たるAの相続財産を構成していたのであり、現時点で金銭債権に転化したからといって相続開始時に溯って金銭債権となるわけではないから、本件預り金債権は相続開始によって当然に分割される可分債権ではない、とした。これに対し、Xが控訴した。

  ⑹  原審 4

は、原々審を引用して、相続開始時において本件投資信託は相続財産を構成していたのであるから、﹁その後、本件投資信託が満期償還によって転化した預かり金債権についても、本件投資信託に代わるいわゆる代償財産として、当該遺産分割の対象となるものと解するのが相当である﹂と判示した。そこで、Xが上告した。

(4)

(    ) 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 同志社法学 六七巻六号一九三二七六九

【 判 旨 】   上 告 棄 却

。がの支払を請求すること員でないというべきであるき はること相なく、共同されに割分てじ応分続相に然当人続の金、一るす当相に分相の己自続し記対は、上人販会社に売 被における人相続名義会社口売販の権益受記上てしと金の場座りに権債るめ求を還返の金は預た記入され金合にも、上 きさつに権益受記上たれら続相同共、かるあでのも相る、償続配り預がれそ、開生発が金し分本益始後に元還金又は収 の記受益権は内容を構成す上利号七てしそ照参頁三一元二巻八六集民権、)。本金るけ受を償交の付配益収は又金還分 るべきであ平(高裁い成う最とのもいなはとこるれさ割三二五年二・決(廷法小三第日五二月判年二六受第二)〇号同二 投型続図指者託委たれさこ相同共、ろとるあで権益信資分託にく分てじ応に続相に然当時の同と始開続相、は権益受受   ﹁づ指信資投(託信資投型図者及託委、は権益受信投件託び基一に約契託信る係に)項条投二律法るす関に人法資本   これを本件についてみると、共同相続された本件投信受益権につき、亡Aの相続開始後に元本償還金及び収益分配金が発生して預り金として本件投信受益権の販売会社であるB証券又はYにおける亡A名義の口座に入金されたものであるところ、共同相続人の一人であるXは、Yに対し、当然には自己の相続分に相当する金員の支払を請求することができない。

  以上によれば、Xの請求を棄却すべきものとした原審の判断は、結論において是認することができる。論旨は採用することができない。﹂

(5)

(    )同志社法学 六七巻六号一九四 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 二七七〇

【 検 討 】

一   本 判 決 の 意 義

  本判決に先立つ最高裁平成二六年二月二五日判決・民集六八巻二号一七三頁(以下、﹁最高裁平成二六年二月判決﹂という)は、共同相続された委託者指図型投資信託の受益権につき、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない、と判示した。本判決は、最高裁平成二六年二月判決の判断から一歩進んで、相続開始後に投資信託に係る元本償還金または収益分配金が預り金債権となった場合に、当該預り金債権が相続人間において当然分割されるか否かが問われたものである。

  従来、判例は、相続財産中の金銭その他の可分債権は相続開始と同時に当然分割されると解してきた

)5

。原告であるXはこの判例法理を根拠として本件預り金債権を当然分割すべきものと主張した。しかし、本判決は、最高裁平成二六年二月判決で示された投資信託受益権の性質を踏まえ、相続開始後に本件投信受益権から生じた本件預り金債権は当然分割されないと判示した。

  本判決は、最高裁平成二六年二月判決の延長線上に位置するものであり、投資信託受益権から生じた元本償還金または収益分配金に関する新判例としての意義がある。しかし、本判決の判示には不明な点も少なくない。以下では、最高裁平成二六年二月判決の判断を中心に共同相続における投資信託受益権の取扱いについて確認した後、本判決について、関連する判例・学説を参照しつつ、分析を行いたい。

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(    ) 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 同志社法学 六七巻六号一九五二七七一

二   共 同 相 続 に お け る 投 資 信 託 受 益 権 の 取 扱 い

⑴  投資信託制度   投資信託とは、﹁投資者以外の者が投資者の資金を主として有価証券等に対する投資として集合して運用し、その成果を投資者に分配する制度﹂である(投資信託及び投資法人に関する法律(以下、﹁投信法﹂という)一条)。投信法に定められている投資信託は﹁委託者指図型投資信託﹂と﹁委託者非指図型投資信託﹂の二つで構成されているところ(投信法二条三項)、本件では、委託者指図型投資信託が問題となった。

  投信法二条一項によれば、委託者指図型投資信託とは、信託財産を委託者の指図に基づいて、有価証券などに対する投資として運用し、投信法に基づいて設定され、かつ、その受益権を分割して複数の者に取得させることを目的とする信託である。具体的には、次のような構造である。まず、投資信託委託業者Aと信託銀行BがAを委託者、Bを受託者、投資者を受益者とする信託契約を締結する。Aは受益権を分割して証券化した受益証券を発行し、Aから業務委託された販売会社(証券会社、銀行など)Cがこれを顧客である投資者Dに販売する。その代金は、CからAを経て、信託財産としてBに信託される。このようなシステムの下で投資信託が行われる 6

。ただし現在は、受益証券を発行するのではなく、受益権の帰属は、振替機関が管理する振替口座簿への記載や記録によって定まり 7

、受益権から生じた収益分配金や元本償還金は、受益者の指定する口座に入金する形で支払われる 8

  もっとも、投資信託受益権という場合、それは投資信託における受益者の有する権利の総称であり、様々な権利が含まれている。法定のものとして、元本償還金請求権および収益分配請求権(投信法六条三項)、議決権(同法一七条六項)、決議に反対した場合の受益権買取請求権(同法一八条一項)、運用報告書交付請求権(同法一四条一項)、信託財産に関

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(    )同志社法学 六七巻六号一九六 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 二七七二

する帳簿書類の閲覧・謄写請求権(同法一五条二項)などがあり、そのほか、契約の内容によって多様な権利を含むことがある。このように投資信託受益権の内容は、単に金銭請求権のみで構成されるのではなく、金銭を目的としない権利をも含んでいる。

⑵  最高裁平成二六年二月判決   投資信託受益権が共同相続された場合の分割方法をめぐっては、従来から下級審裁判例で争われ、学説においてもしばしば言及されてきた。下級審裁判例では当然分割を肯定するものも否定するものも見られた

)9

。学説では、投資信託には様々な種類・内容があるのだからその性質に応じて分割帰属か否かを定めるべきとの見解が強く主張されていた ₁₀

  そのような中で、最高裁平成二六年二月判決は、最高裁として初めてこの問題に取り組み、論争に一応の決着をつけた。事案としては、投資信託受益権等を含む被相続人の遺産のうち預貯金を除く遺産について、共同相続人四名が各持分四分の一で共有する旨の審判が確定した後、右共同相続人の一人が、右審判により共有するに至った投資信託受益権等について共有物分割を求めたというものである。最高裁は、ここで問題となった投資信託受益権は、委託者指図型投資信託に係る信託契約に基づく受益権であることを述べた上で、﹁この投資信託受益権は、口数を単位とするものであって、その内容として、法令上、償還金請求権及び収益分配請求権⋮⋮という金銭支払請求権のほか、信託財産に関する帳簿書類の閲覧又は謄写の請求権⋮⋮等の委託者に対する監督的機能を有する権利が規定されており、可分給付を目的とする権利でないものが含まれている。このような上記投資信託受益権に含まれる権利の内容及び性質に照らせば、共同相続された上記投資信託受益権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである﹂と判示し、すでに当然に分割承継されているとして原告からの共有物分割請求を却下した原審判決を破棄し、

(8)

(    ) 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 同志社法学 六七巻六号一九七二七七三 差し戻した。

  最高裁平成二六年二月判決は、委託者指図型投資信託の受益権につき、①一定の単位(口数)で権利の帰属および行使がされること、②法令上、金銭支払請求権のほか、受託者に対する監督的機能を有する権利が規定されており、可分給付を目的とする権利でないものが含まれていることという二点を理由として共同相続における当然分割を否定した ₁₁

  このような判断に対して学説は必ずしも肯定的なものばかりではない ₁₂

。とりわけ、最高裁平成二一年一月二二日判決・民集六三巻一号二二八頁(以下、﹁最高裁平成二一年判決﹂という)との整合性が疑問視されている。最高裁平成二一年判決は、共同相続人の一人が、被相続人が口座を有していた信用金庫に対し、右口座の取引経過の開示を請求したという事案である。最高裁は、﹁共同相続人の一人は、預金債権の一部を相続により取得するにとどまるが、これとは別に、共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき、被相続人名義の預金口座についてその取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができる(民法二六四条、二五二条ただし書き)﹂と判示し、契約上の地位(情報開示請求権を有する地位)の帰属と、そこから生じる金銭債権(預金債権)の帰属とを分けて検討した。この最高裁平成二一年判決に従えば、投資信託受益権につき、受益者としての法的地位は共同相続によって準共有となるが、そこから発生する金銭支払請求権は、各共同相続人に分割帰属して、単独での権利行使が可能であるという考え方も不可能ではない ₁₃

。しかし、これに対しては、受託者の地位に基づく監督機能が金銭支払請求権の価値を実現するために認められた権限であり、金銭支払請求権および監督機能は受益権の﹁基本的部分﹂であることからすると、相続の局面において、地位から生ずる権利と金銭支払請求権は不可分一体で、分属を認める積極的理由は見いだし難いとの指摘がある ₁₄

  いずれにしても、最高裁平成二六年二月判決は、共同相続における投資信託受益権の取扱いについて最高裁として初めて判断を示したものであり、また、共同相続の対象となる権利に金銭の給付に係る部分が含まれているものの金銭給

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(    )同志社法学 六七巻六号一九八 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 二七七四

付に還元されないその余の権限等もまた、その権利の本質的な要素を成している場合には、当該権利は相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないとの法理を強固に確立したものと評価されている ₁₅

三   本 判 決 以 前 の 議 論

  最高裁平成二六年二月判決は受益権の性質については明らかにしたものの、さらに検討すべき課題も残された。本判決で問題となった元本償還金または収益分配金の取扱いも、残された課題の一つであった。

  本判決以前に、投資信託受益権から生じた元本償還金または収益分配金の共同相続における取扱いについては、判例・裁判例においても学説においても、十分な議論はされてこなかった。最高裁平成二六年二月判決の評釈においてわずかに言及するものが見られる。

  まず、﹁収益である配当金については、投資信託の果実であることから、投資信託受益権とは別個の財産と解され、可分債権として相続分により当然分割されて各相続人に帰属することとなると考えられる﹂とする見解がある ₁₆

。これは、収益分配金を法定果実と捉えたものであり、相続開始後に生じた法定果実の分割についての判例法理を意識した見解といえる ₁₇

。共同相続人間での法定果実の分割に関して最高裁として初めて判断を下した最高裁平成一七年九月八日判決・民集五九巻七号一九三一頁(以下、﹁最高裁平成一七年判決﹂という)は、被相続人の遺産である不動産から相続開始後に生じた賃料債権を共同相続人間でいかに分割するかが問題となったケースである。最高裁は、﹁遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人

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(    ) 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 同志社法学 六七巻六号一九九二七七五 がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当である﹂と判示した。これにより、相続開始後に遺産から生じた法定果実は遺産とは別個の財産と捉えられ、それが可分債権であれば、各相続人に相続分に応じて分割帰属する、との判例法理が形成された。先に紹介した見解は、投資信託受益権から果実として生じる収益分配金を﹁可分債権﹂と捉え、これを最高裁平成一七年判決に従って理解したものといえる。

  次に、﹁元本の払戻しである配当金については、共同相続人の関与によらずに共有財産が金銭債権に変化したものである。⋮⋮配当金請求権は受益権そのものではないこと、受益債権として具体化した金銭債権の行使については、可分給付を目的としない債権は含まれていないこと、また、すでに口数に従って共同相続人に割り当てられた確定した金銭債権であることなどから、分割債権として取り扱われるべきであると考える﹂との指摘がある ₁₈

  そもそも、元本の払戻しである配当金、すなわち元本償還金については、代償財産と位置づけることが考えられる ₁₉

。本件投資信託は、相続開始後に最終的に満期償還され、姿を変えて元本償還金となっているからである。代償財産とは、相続開始から実際に遺産分割がなされるまでの間に、相続財産を構成する個々の財産が何らかの原因によって相続財産から分離し、その代わりとなって生じた財産のことである ₂₀

。相続財産から分離した財産(もともと相続開始時に相続財産に含まれていた財産)は、遺産分割時には相続財産としては現存しないため、遺産分割の対象とならないものと考えられる ₂₁

。相続における代償財産の取扱いについて、最高裁は、昭和五二年九月一九日判決・家月三〇巻二号一一〇頁(以下、﹁最高裁昭和五二年判決﹂という)および昭和五四年二月二二日判決・家月三二巻一号一四九頁(以下、﹁最高裁昭和五四年判決﹂という)において、一定の判断を下した。これらの判決はいずれも、共同相続人が全員の合意によって遺産に属する特定の不動産を遺産分割前に売却したところ、一部の共同相続人が他の共同相続人全員の受任者としてその売却代金全額を受領したため、他の共同相続人がその支払いを求めたという事案である ₂₂

。最高裁は、この代償財産の

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(    )同志社法学 六七巻六号二〇〇 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 二七七六

問題につき、共同相続人全員によって遺産分割前に他に売却された相続財産は、遺産分割の対象から逸出し、その売却代金は、これを一括して共同相続人の一人に保管させて遺産分割の対象たる相続財産に含める合意をするなどの特別の事情のない限り、相続財産には加えられず、共同相続人が各持分に応じて個々にこれを分割すべきものであるとの見解を示し、相続財産の売却代金を受領した相続人に対し、他の相続人は持分に応じた額を請求できるものと判断した。かりに本件の元本償還金を代償財産と位置づけると、相続財産性は失われ、遺産分割とは別に、相続人間で分割すべきこととなろう。もっとも、学説中には、代償財産についての判例法理は相続財産について相続人の処分行為が介在するケースにのみ射程が及ぶのであり、相続人の処分行為が介在しないケースでは、代償財産を遺産分割の対象とすべきであるとの見解も多い ₂₃

。かりに本件事案が相続人の処分行為が介在しないケースと捉えると、元本償還金を相続財産と同視して ₂₄

、遺産分割の対象とすることになろう ₂₅

  さらに、本判決以前の見解として、﹁投資信託受益権に基づいて個別具体的に生じた支分権たる配当請求権や、投資信託受益権が解約されたことにより具体的に発生した解約金返還請求権は、専ら金銭の給付を目的とする債権﹂であり、最高裁平成二六年二月判決の法理 ₂₆

を理由としたのでは、これらは当然分割による処理を排除することはできない、とする見解がある ₂₇

。これは、具体化した元本償還金または収益分配金の請求権について、もはや最高裁平成二六年二月判決の射程は及ばないとし、単なる金銭債権として当然分割帰属する可能性を指摘する見解である。

  以上のように、本判決以前、学説では、投資信託受益権から生じる元本償還金または収益分配金は各相続人に当然分割帰属するとの見解が有力であった。

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(    ) 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 同志社法学 六七巻六号二〇一二七七七

四   本 判 決 の 分 析

⑴  原々審および原審の判断   本件原々審および原審が引用する東京高裁昭和六三年判決は、相続人の一人が被相続人の遺産たる現金を相続開始後に回収し、﹁被相続人遺産管理人﹂の名義で銀行に預けたところ、他の相続人が右相続人に対して、自己の相続分に応じた額の引渡しを求めたという事案である。ここでは、相続開始後に現金が転じて生じた預金債権が共同相続人間で当然分割されるか否かが論点の一つとなった ₂₈

。この論点につき、東京高裁は、﹁たとえ、相続開始後現金が金融機関に預けられ債権化されても、相続開始時にさかのぼって金銭債権となるものではない﹂と判示した。そして遺産中の現金は遺産分割の対象となるとして、現金を管理する相続人に対する他の相続人からの相続分に応じた額の請求を認めなかった。

  本件原々審および原審は、この東京高裁昭和六三年判決に基づいて、相続財産の性質は相続開始時に定まると解し、本件投信受益権が転化した預り金債権は相続開始時において投資信託受益権であったことから、投資信託受益権の性質が可分のものでない以上、金銭債権に転化したからといって相続開始時に溯って可分債権となるわけではなく、本件預り金債権は、相続開始によって当然に分割帰属することはない、とした。

  本件原々審および原審は、投資信託受益権が預り金債権に転化したものと捉え、それは相続財産の性質に影響を及ぼさないと解している。すなわち、受益権が転じた預り金債権は、相続財産を構成していた受益権と同一視されているといえよう。その結果、本件預り金債権は当然分割されない相続財産として扱われるのであり、相続人の一人であるXがYに対し、自己の相続分に相当する金額を請求することはできないとの結論に至った。したがって、本件預り金債権は、

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(    )同志社法学 六七巻六号二〇二 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 二七七八

原審が述べていたように、相続人間での遺産分割に服することになる。しかし、このような見解は、相続開始後に遺産から生じた法定果実ないし代償財産を遺産とは別個のものとして相続人間で分割すべきとする判例法理とは整合しないことになる。従来の判例法理が本件には及ばないと判断されたのか、そうだとすればそのような判断の根拠が問われるところであるが、本件原審はこのような従来の判例法理との関係について言及していない。

⑵  本判決の判断   本判決は、最高裁平成二六年二月判決を引用し、共同相続における投資信託受益権が性質上不可分の権利であることを強調した上で、﹁元本償還金又は収益分配金の交付を受ける権利は上記受益権の内容を構成するものであるから﹂、相続開始後に受益権から生じた元本償還金または収益分配金が預り金として被相続人名義の口座に入金された場合にも、﹁上記預り金の返還を求める債権は当然に相続分に応じて分割されることはな﹂い、とした。結果として、本件預り金債権が相続人に分割帰属しないことは、原々審から最高裁まで一貫して維持された。

  もっとも、本判決は、その結論部分において、﹁原審の判断は、その結論において是認することができる。﹂としており、原審の判決理由を全面的に肯定しているわけではない。

  本判決は、法定果実や代償財産と関連付けた説示をしていないため、本件の元本償還金または収益分配金の性格が代償財産ないし法定果実と理解されているのかは、必ずしも明らかではない。本判決が元本償還金または収益分配金の交付を受ける権利は不可分たる受益権の﹁内容を構成するものである﹂ことを強調する点を重視するならば、本判決は、受益権から生じる元本償還金や収益分配金、およびそれらが被相続人名義の口座に入金されたことによる預り金債権は、代償財産や法定果実ではなく、受益権の一部と捉えていると解される ₂₉

。しかし、そのように解した場合、原審と同様に、

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(    ) 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 同志社法学 六七巻六号二〇三二七七九 従来の相続開始後に生じた法定果実や代償財産に関する判例法理との整合性の問題が生じることになる。かりに本判決が従来の相続開始後に生じた法定果実や代償財産に関する判例法理を変更するものでないとすると、原審の判断とは異なり、本件の投資信託受益権から生じた元本償還金または収益分配金は、それ自体としては相続財産ではないと認識されている可能性がある。そのように解した場合、元本償還金または収益分配金は、もとより可分債権ではないから、むしろ金銭の相続を扱った前述の東京高裁昭和六三年判決およびその上告審である最高裁平成四年四月一〇日判決・集民一六四号二八五頁の考え方に従って、相続人に当然に分割帰属することはなく、たとえそれが被相続人指定の口座に入金された場合でも、その預り金債権が相続人に当然に分割帰属することもないということになる。

  なお、本判決は、相続開始後に生じた元本償還金および収益分配金が預り金として受益権の販売会社における被相続人名義の口座に入金されており、外形的にも被相続人の受益権が本件預り金債権に転化したことが明らかな事案を対象としていた。この点を重視し、本判決を﹁預金の原資にまで溯って、受益権の内容を構成する権利により取得されたと特定できるかたちで保管されている場合には、預金債権が準共有になると判示するものである﹂と評価する見解がある ₃₀

  いずれにしても、本判決は、結論において原審判決を支持し、共同相続人の一人がその相続分に応じた割合で本件預り金債権を分割単独行使することを認めなかった。

五   今 後 の 検 討 課 題

  本判決に関連して今後検討すべき課題は多々あるように思われるが、ここでは、以下の三点を挙げておきたい。

(15)

(    )同志社法学 六七巻六号二〇四 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 二七八〇

  第一に、本判決は、原々審および原審の判決と同様、共同相続人の一人が本件預り金債権を分割行使することはできないとした。そうすると、本件預り金債権の帰属ないしその分割をいかに考えるかが今後の検討課題となる。少なくとも原々審および原審と本判決に共通していえることは、本件預り金債権は共同相続人全員で共同行使するしかなく、それが可能であれば、払戻しを受けた金員(元本償還金または収益分配金)を相続人間で分割することになるのであろうし、共同行使ができない場合には、本件預り金債権そのものを分割の対象とすることになるのであろう。問題はその分割手続である。原審は、本件預り金債権(ないし元本償還金・収益分配金)は遺産分割によって最終的な帰属を決定すべきことを明言している。しかし、本判決は、分割手続については何ら言及していない。

  本判決が、投資信託受益権の不可分性を強調して、そこから生じた元本償還金または収益分配金が預り金として被相続人名義の口座に入金された場合にも、その預り金債権は不可分であるとしている点を重視するならば、本件預り金債権(ないし元本償還金・収益分配金)は遺産分割手続によってその最終的な帰属が決定されると解されるし、本判決をそのように理解する見解も見られる ₃₁

。これに対して、本件の元本償還金および収益分配金を相続開始後に生じた果実ないし代償財産と位置付けた場合は、従来の判例法理に従う限り、前述のように、本件預り金債権(ないし元本償還金・収益分配金)は、相続財産性を失っており、遺産分割手続とは別に分割されるべきものと解することも可能である。

  第二に、本判決は、相続開始後に相続財産から生じた権利について判断したものであるが、その射程がその他の場面にも及ぶか否かが問題となる。本判決の説示を見る限り、相続開始前に投資信託受益権から収益分配金が発生し、それが被相続人指定の口座に入金されていた場合でも、その預り金債権が常に受益権の性質を受け継ぐと解することも不可能ではない。そうすると、収益分配金が預り金債権となった時期にかかわらず、常に当然分割帰属することのない権利ということになろう ₃₂

。このことは、可分債権は相続人に当然に分割帰属するという判例に大きな例外をつくることにな

(16)

(    ) 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 同志社法学 六七巻六号二〇五二七八一 る。  第三に、投資信託受益権と同様に、当然分割が否定された権利から金銭の交付を受ける権利が生ずる場合について、本判決との関係をいかに解するかも今後の検討課題といえる。例えば、株式および国債については最高裁平成二六年二月判決において、定額郵便貯金については最高裁平成二二年一〇月八日判決・民集六四巻七号一七一九頁において、相続により当然分割されることはないと判示されている。このうち、株式については、相続開始後に株式から生じた配当金について法定果実の判例法理を用いた下級審裁判例が見られ ₃₃

、これは配当金を遺産とは別個の財産と位置づけ、配当金請求権を可分債権と捉えているものであるが、本判決の趣旨によるならば、不可分の権利と解することも可能であろう。他方、定額郵便貯金債権については、相続開始時から遺産分割までの間に通常預金となった場合には、遺産分割の趣旨に鑑みて﹁いったん遺産分割の対象となった以上、あえて事後的に除外することもなく、相続開始時を基準として﹂遺産分割の対象とすべきではないかとの見解 ₃₄

が主張されている。

  本判決は、最高裁平成二六年二月判決を踏まえて、相続開始後に投資信託受益権から生じた元本償還金または収益分配金の預り金債権につき、共同相続人の一人による分割単独行使を否定した。相続財産およびそこから生じた財産的利益は、遺産分割を経るまで可能な限り一体性を維持し、遺産分割手続によって総合的かつ合目的的に帰属を決定すべきとの視点 ₃₅

からは、本判決の結論は支持されるべきものといえる ₃₆

。もっとも、本判決の射程は、必ずしも明確ではなく、前述の三つの検討課題を中心に、今後いかなる判例が集積されるかによって、本判決の意義も大きく左右されることになろう。

1契こと以外に詳しい約れ内容は明らかでないるさ) 託本件投資信託は、委者類指図型投資信託に分。

(17)

(    )同志社法学 六七巻六号二〇六 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 二七八二

2なに(民事訴訟法四七条)よ参り訴訟に参加していた。加者お、、原々審においてのみA) の相続人の一人が独立当事

3徳決。頁三二号八五四一商金・判島) 二二月二一年三二成平裁地日

4高決。頁一二号八五四一商金・判松) 一一月九年四二成平裁高日

( 分当然に共同相続人間で割時されると解されている。に 5。民開始と同頁九一八号四巻八集・相決判日八月四年九二和昭裁高最続、相二続財産中の可分債権は、民法四七り条) 適用によって分割債権となの

6こあが結ばれる点に大きな特徴がる契(投信法二条二項、四七条)。約託れ信に対し、委託者非指図型投資託) は、投資者と信託銀行との間で信

(  7田論二〇一二年後期﹄(日本評社Ⅵ、二〇一三年)八頁注八。中例裕﹂康﹁投資信託の共同相続現) 代民事判例研究会編﹃民事判

8野、[第三版]﹄(きんざい二実〇〇六年)四二三頁。務と村株アセットマネジメント式) 会社編﹃投資信託の法務

( ・裁平成二二年二月一七日判決金岡法一九〇三号八九頁がある。高 9裁割阪大、てしとのもるす定肯を分福然当の権益受託信資投、ばえ例地て平一成一八年七月二一日判決・金法) し九二号五八頁、否定するものと七

(一決)﹂金法一九一二号(二〇〇日年)七二頁、中田・前掲注判 10三年七八一法金)﹂決判日一二月七八月一成平裁地阪大(批判﹁渉田村一二九本号(二〇〇八年)二八頁、松光年) 郎﹁判批(福岡高裁平成二二一

7)一八

( で割帰属がめられるべき認は摘な。るす指と、かい 能っ機のそ、て投あで託信資るす重がに視合分然当、はを場さなうよるいてれ有能分す機を尊重し、遺産割の対象とべ預たし似類にき金、がるあで 、中は授教田九、ばえ例。頁資投造信託一般については、権利の構- 一

二五七)年五一〇二(号〇 11平リ判批(平成二六年二月判決)﹂マ紀ークス裁高最(批判﹁久輝良奈﹁美成七二六年二月判決)﹂法の支配一五林号(二〇一四年)一) 〇頁、平一

( 拠実質に重要な根的でると指摘する。あ 二〇一五年)五の頁は、②点が(二号三純続相同共﹁司下お山、おな。頁にけ九理〇〇二法金﹂法る例判の属帰産財- 七

(割と拠根るす定否を分て然当ち直、はとこるしにはが不注掲前・平(るあ林摘のと、るあで分指十 合預債権の場がでも端数生けじるた受をい扱の割分然当、ま。いよこる金と使いて帰属・行す基べき権利あがづでにっ位ある。したがて、一定の単 では可と能り、問題は割る切こ単せ、割なする場合三さ三位ずつ取得れでいにばれす棄放が者事当、最てし関は数の後端一単位の扱のみある)。い 人位を三にで平等分〇単〇属・もてっあ利権きべす使行帰一ていづ基に位単の定一一、で単能、ばえ例(るあ位ずはなで可割分はていつにの倍数整 る的すと利権がでなもの含を目い付され権利が規定れ給ており、可分ま、て説、きつに①すずま。るれら見が学い理ることという由る付けを批判する 12有数が使行びよお属帰の利権で)口れ(位単の定一①たし示が裁高最さるをほ能機的督監るす対に者託受、かのこ権求請払支銭金、上令法②、と) 

11)七三頁、中田・前掲注(

7)一四

頁五)。 - 一

(18)

(    ) 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 同志社法学 六七巻六号二〇七二七八三 また、②につき、分割帰属に応じた監督的権限を認めることも背理とは言えないとの指摘(松尾弘﹁判批(最高裁平成二六年二月判決)﹂法セ七二四号(二〇一五年)一一八頁)や、監督的機能を果たす権利は、たとえ口数単位で当該受益権が分割されたとしても、保存行為として単独での行使が許されるべきであるから、監督機能を有する権利としての性質だけを理由にして、投資信託受益権自体の可分性を否定することはできないとの指摘(平林・前掲注(

( 七〇一年)一三九)がある。頁 寿伊藤栄相﹁共同続摘(得指のとく欠を力お説はとこに取け大二(号〇五二集論政法學屋る古名﹂い扱導の権債金預くを調強結ういと権債分可、不し論 11こるあに機的目殖利は能にの託信資投、からさ)、頁三七と)らいにらさとこを容内いたがいすはと的質本の等決議、とる権

13山〇教四〇八号(二一)﹂四年)六八頁。法決下高純司﹁判批(最裁) 平成二六年二月判

14原〇一四七九号(二一ュ五年)八八頁。リジ恵裁美﹁判批(最高平) 成二六年二月判決)﹂

15年〇〇一号(二〇一四)法九頁、奈良・前掲注二金) 高潮見佳男﹁判批(最裁)﹂平成二六年二月判決(

11)一一二頁。

(と注掲前・本松、きつに点うい 16六す果実と捉えて当然分割を肯定る権二成平裁高最(批判﹁平昇園堂を求年(二月判決)﹂銀行法務七七三号二請〇一四年)一五) 。収益分配金頁

10)六三頁も同旨である。

〇に末﹃郎太嚴弘末、きつ緯著・論議なうよのこ(るい弘経作評集五一)年〇八一、社論九本記Ⅱ・民法雑帳上巻﹄(日 ろ六、昭和一の年商法規定改とこめたいてれかわが解見てっぐを否に正のよ論めに、この議はた下火になてったっれ権ら実て質的に質の設定が認め やすかに解法ることで、や定緩使や、﹁た実。他方で物をの用の対価﹂果論と主可の定設権質のへ金当配て認とし、あめる見はも解った。この議で れいてし定否をこ法が活がか否るれさ解と実果定金に当配くづ基に式株はてつ、発か議多し解に密厳を言文論文条はくのさ説学、ろことたいてれの にる鑑み、と権投資信託受点に益るとづを法定果実すいる﹂と定めて基関くはか、しのに点のこ。る残が問疑に収とこす解と実果定法を金配分益物 17他金か否かのるたあに実果定法が配い分益収るけおに決判本もそもそとうの用そ銭金きべるけ受てしと価対の使問の物﹁が条八八法民。るあが題) 

  (明法民釈注版新﹃編達 五田前=平良林、頁一 - 一 2) 総則(

( 可定果と捉えることも不実能ではないと考えられる。 法定果さ実と解金が式当配くづ基に株、がるれば余す法を金配分益収、れ地すらかとこたっあがる要をにことができる否かかつない検る討らさはて 2六爾整中田︹頁七四()年一九九一、閣斐有を︺)﹄参配す解と実果定法を金分照益、てっがたし)。たし収 18) 堂園・前掲注(

16)一五頁。 三態財続相はに合場るあで化変の形のの管保のめたの理管の産遺るな産性にと洋村田(るれら見く多が解見のい質なはできべるえ捉とたし容変が単 19) 還否かのるたあに産財償代が金償と本元るけおに決判本、もそもそかいよ説の化変のへ金預らか金現、はで学う、きつに産財償代。るあが題問う

(19)

(    )同志社法学 六七巻六号二〇八 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 二七八四

﹁判批(最高裁平成四年四月一〇日判決)﹂判タ八二一号(一九九三年)一三一頁、道垣内弘人﹁判批(最高裁平成四年四月一〇日判決)﹂別ジュリ二二五号(二〇一五年)一二九頁)。したがって、本判決においても受益権から元本償還金の預り金債権への変化をどのように捉えるかによって代償財産と捉えることができるか否かが左右される。(

( で。るあ 20、場続人が遺産の一部を処分した合、の売却代金が代償財産ばえとた相や遺毀産中の建物が火災などで滅失・損)したときの火災保険金(請) 権求

21高、。頁二〇一、二八)年二九九一閣木) 有﹄(理法の割分産遺﹃男喜多斐

22な合うに処理するかについて意のはなされていなかった。よどおも、いずれの事案において、) 共同相続人間で売却代金を  23編法民釈注版新﹃彦) 忠貴久=平知口谷(

27) 相続(

( ﹁五和昭裁高最(批判学年名山、頁九三三)年四判〇〇。頁七三一)年二〇二決(号二六一リュジ別)﹂二〇タ判(号〇〇一一二 2三)二年三一〇(、閣斐有一︺﹄版訂補七)︹頁遺﹂産財償代の産﹁︹明正原松︺、昌藤伊司

(員記念家族法大系刊行委暦会系編相(Ⅶ続大法族家﹃ 適(るあが解見)るす用民を条四〇三法(るい用を保於遺不の還授教助之善川中﹂理管産二法るけおに続相同共﹁雄理の拠す代上物、てしと位根る 24をめぐっはて肯、学説上、否かのか産代償財産を遺分る割す対象とす定) るる定肯をれこ。いなれら見は解見す見定否に確明、りあでどとほが解ん

(    一雄久泉、頁一九)年七六九、か社ズムイタ例判﹄(巻第座講法ほ二﹃八民。︺)忠貴久︹頁四六一)年彦七続九講法八相義﹄(一有斐閣、 ﹁代償財遺産の帰産への男る喜多木高(すとるなと﹂象属三別四の判審事家﹃学垣岡、頁三冊)年〇八九一(号八タ判対割の産遺、え捉ともるき分 切につ適配分遺するという平産か合公、に的理割を産遺てし慮考を情分を制遺で視一同はたまのもるじ準に産は度産財償代、ばれえま踏な旨趣の事 2々〇し)。頁八九)年六し九一、閣斐有﹄(か多様総、し握把に的合をく産遺、は解見の))

25松号権について︱﹂家月四三巻四(分一九九一年)一七、二二頁。債可原︱正明﹁遺産分割の対象財産性代) 償財産、遺産から生じた果実及び

( は同と始開続相は利権該当、にに合場るいてし成を素要な的質時当のと。るあで理法のと﹂いなはこ然るれさ割分てじ応に分続相に本 26、権が分部る係に付給の銭金に利るまなと象対の続相同共﹁たし述前含れそな) 権利たまも等限権の余のそいれてさ元還に付給銭金、ののもるいの 27) 潮見・前掲注(

15)九頁。 是る相の己自、てし対に人続相の他い分てし管保てしと産財続相を銭金続たにでを審原でとこるべと﹂いなき述は支とする金銭の当払るこ相めを求 る八五頁があ、がこ二では、こ四号日た年四月一〇判四決・集民一六主のるま平し在存に始開続相、は間ので割論分産遺、は人続相﹁ていつに点成 裁としつにか否かるれさ割分然当て高て権債分可てっよにとこたれらけいもに六最、てしと審告上の決判年三和論昭裁高京東、おな。たっなと点預 28然点が金現の中産遺もそもそ、は論東るた主の決判年三六和昭裁高京当) 分も銀が金現該当、てしと論傍、にと割とれこ。たっあでか否かるなと行

(20)

(    ) 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 同志社法学 六七巻六号二〇九二七八五 認するのみであり、その根拠や傍論についての判断は明らかにされていない。(

( り託受益の性質を強調してお権、る若。るいとえあ干異差のが 開始時にら定めれ相る続続は質性の産財相、は審とこ決をび信資投のもそもそ、は判強本、し対にのるいてし調原よとお審々原、もとっも。るえい 29頁三九)〇年五一〇二(号四五判一LBN)﹂決こ本(批判﹁之秀長。) のよるいてっ採を解見た似に審原びおよ審々原は決判本、合たし解にう場 30) 原・前掲注(

 (〇法務二一七八二号(二一銀五年)六四頁、長・前掲注行 14を差程射の決判本てっよに異の囲況状管保、もに他。頁八八範)﹂区)切る可能性を示唆するものし決て、浅井弘章﹁判批(本判と

29)九三頁がある。

( 。るす 続が﹁共同相に人益当然分割権託受れ信たれさ金入に座口金り預さ準ずなと﹂るあに点ため認をとこると、象対の割分産遺、りなと有共義の名人続 31年(二〇一五一)一八頁は、号二七七セ法)﹂決判本(批判﹁弘尾松本) 判還相被てしと金配分益収はたま金償の本元に後始開続相、きつに義意決

( っ、はに合場るいてな来と金預にですに前開従始のれ。るす張主と判べるきさ分然当てっ従に割例 銭る金転債権にす受対に社会売販の権益し化ポてンし続相、てしとトイいの断判をかうどかる、化そ開の、現れらが相続始もまでにすでに個別具の 32は頁五)年五一〇〇二(号二一﹁二法金)﹂決判本(批判元吾彰原藤、) 本権るあはでのもるす成構を容内の益償受は利権る受を付交のどな金還け

( 巻頁一三九一号七九⋮五集民・判廷法小⋮決参請照。た容認を求しの)﹂X、し示判とら して確定的にる取得すもの権とと相債のす相続人がそ続割分に応じて分解当る一の第日八月九年七一同号二二二一第()相であるが平一六年(受成 配式に対するは当金、遺産ると株生あ間別から、このにで発した、遺産は各個請の同共、りで権債銭金、は権求あ金。財当産でるあそ記て配、上し 相続開ら始か遺は産、がきとるあ人数人続相割分すま有はるあでのもる属に共での人続相同共、間の、産める遺を求た事案あで。名古屋高裁は、﹁ 供分に応じてい託金還付請求相続取各、てしとるてし得しに的定確ををのたた処分を受けためす、そのと消しる取下政却ころ処分行、庁こをかれら のXるあがで人続ら相、し対に由た)九右四条後段をれ理に供託がさ、分配自法利権のそてじ応に分続相の己は当らX、りあで権債割は等権債金四 33民判、は頁五五号一八三一商金・決日産七二月五年三二成平裁高屋古名遺た(た知確不者権債、きつに等金当配しる生発に後始開続相きづ基に式株)  34号法協一二九巻一一(決二〇一二年)二七六)﹂判) 高中田裕康﹁判批(最裁日平成二二年一〇月八九

( 七七〇頁。- 二

  〇が宮二(るれら見の平もるすとうよめ含周家﹃、六三)年三一〇二社続世新﹄(版四第法族に 35めを分産遺を権債分可てしと件要意協合の員全人続相同共、はで務実割議らぎれるなど、相続財産) できるかりの遺産分割手認をとこるすと象対を

)。巻家月五四八号三六頁など 日・定決五六裁一頁、東京高平一成一四年二月- 三

(21)

(    )同志社法学 六七巻六号二一〇 相続開始後に委託者指図型投資信託受益権から生じた元本償還金又は収益分配金の分割の可否 二七八六

36) 山下・前掲注(

11)五五頁。

※本評釈脱稿後、佐久間毅﹁投資信託受益権の共同相続﹂金法二〇二三号(二〇一五年)五七頁、潮見佳男﹁判批(本判決)﹂金融判研二五号(二〇一五年)五五頁に接した。

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