• 検索結果がありません。

九州大学学術情報リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "九州大学学術情報リポジトリ"

Copied!
33
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

横断面の反りを考慮した薄肉変断面梁の解析法およ び船体縦強度への適用に関する研究

野瀬, 幹夫

https://doi.org/10.11501/3065611

出版情報:Kyushu University, 1992, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

横断面の反りを考慮Lた薄肉変断面梁 の解析法および船体縦強度への適用

に関する研究

王JZ_,q支4壬草三121=ヲ

里矛 お領 事字 タミミ

(4)

自 主欠

頁 第1章 緒論

1. 1 研究の目的 1. 2 従来の研究 1. 3 本研究の概要

3 4

第2章 横断面の反りを考慮した薄肉変断面梁の応力解析法 8

2. 1 緒言 8

2. 2 座標系および記号 9

2.2.1 座標系 9

2.2.2 記号 10

2. 3 単純梁理論による縦強度の一般的な解析法 13

2.3.1 静水中で船体梁が受ける明断力と曲げモーメント 13

2.3.2 曲げ応力の計算法 17

2.3.3 明断応力の計算法 18

2.3.4 境みの計算法 20

2.3.5 波浪荷重計算法 21

2. 4: 要素梁の横断面に生ず弓「反り」の計算法 2 2

2.4.1 仮定および要素梁への分割 23

2.4.2 「反り」の計算式の導出 24

2.4.3 「曲げの反り関数J RZi(h)の決定 27

2.4.4 関数Z i (X)の定義とその物理的意味 31

2. 5 薄肉変断面梁全体への拡張 34

2.5.1 最小ポテンシャルエネルギーの原理の適用 34

2.5.2 Euler の微分方程式と要素梁の境界条件の考察 40

2.5.3 関数Z i (X)の求解 45

2.5.4 応力成分の計算法 47

、‘.. ,, ・l,,E・‘.

(5)

( 1) 直応力成分 47 4.3.1

波浪および荷重状態 108

(2) 明断応力成分 48 4.3.2

横断面の反り 109

2. 6 結言 53 4.3.3

反りによる直応力 1 11

4.3.4 反りによる明断流 117

第3章 解析j去の妥当性と解の精度の険討 55 4. 4 載荷状態の違いによる反りによる応力成分の比較 1 20

3. 1 緒言 55 4. 5 結言 122

3. 2 有限要素法による計算結果との比較 56

3.2.1 計算条件 56 第5章 二重船殻油槽船の縦強度解析への適用 153

3.2.2 有限要素モデル 56 5. 1 緒言 153

3.2.3 有限要素法による数値計算結果 58 5. 2 計算モデル 154

3.2.4 荷重分布に関する考察 61 5. 3 正面向い波中における反りによる応力成分の分布 154

3.2.5 解析結果の精度 64 5.3.1 波浪および荷重状態 154

3. 3 模型実験による解析法の精度の検討 71 5.3.2 横断面の反り 156

3.3.1 実験計画および実験モデル 71 5.3.3 反りによる直応力 158

3.3.2 実験状態 72 5.3.4 反りによる明断流 163

3.3.3 荷重分布に関する考察ならびに局部変形による歪の修正 73 5. 4 変断面梁と等断面梁との比較 166

3.3.4 解析法による計算結果と実験結果との比較 74 5.4.1 反りの分布 166

3. 4 変断面梁へ適用した解析法の妥当性の検討 91 5.4.2 全直応力の分布 166

3.4.1 数値計算モデルおよび荷重状態 91 5.4.3 全明断流の分布 167

3.4.2 全直応力の分布の比較 92 5.4.4 考察 167

3.4.3 全開断応力の分布の比較 93 5. 5 結言 169

3.4.4 計算結果の考察 94

3. 5 結言 95 第6章 水中翼付双胴型船舶の縦強度解析への適用 204

6. 1 緒言 204

第4章 交番載荷状態にある撒積貨物船の縦強度解析への適用 106 6. 2 計算モデルと荷重状態 205

4. 1 緒言 106 6. 3 開変断面モデルおよび閉変断面モデルとの比較 206

4. 2 計算モデル 107 6.3.1 比較のための供試モデル 206

4. 3 正面向い液中における反りによる応力成分の分布 108 6.3.2 各状態量の分布 206

、‘.a,,・l-l ,,,‘‘‘ 、‘.,,・l・1・l'aE・‘.

(6)

6.3.3 比較によるモデル化の妥当性の判定 207

6. 4 静水中における反りによる応力成分の分布 208

6.4.1 横断面の反り 208

6.4.2 反りによる直応力 210

6.4.3 反りによる明断流 215

6. 5 結言 217

多怠 E ニ==J寺三 来者言命

1. 1 研究の目的

船体の縦強度設計上で最も重要なことは、 縦強度上最も厳しい状態で船体の縦曲 げによる応力と水平曲げによる応力および摂りによる直応力のそれぞれの位相も考 慮した合成応力1)がどの程度生じるのかを把握することである。 すなわち、 船舶 が 波浪中を航行するとき、 船体には縦曲げ、 水平曲げおよび摂れの3種類の荷重を受 けるが、 上甲板に大きな関口部を有するコンテナ船等2)、3)、引を除いた大部分の船 舶に生ずる合成応力は、 船の長さと波の波長がほぼ等しい正面向い波中における縦 曲げ応力が最も大きく、 これに横断面の反りにより生じる応力が加わる。 一方、 こ のとき水平曲げによる応力および振りによる直応力は船体構造 および荷重の対称性 により、 生じないことが知られている。 また、 従来の梁理論に基づいた縦強度理論 では、 縦曲げや水平曲げによって生ずる横断面の反りの影響は考慮されていない。

このため、 正面向波中において船体が縦曲げ荷重を受けるとき、 横断面全体に生じ

る反りの影響およびその長さ方向の分布について把握する必要がある。

ところで、 船 舶のような薄肉箱形構造では板の明断遅れのために曲げや振れに際 して梁理論の仮定に従わない軸方向変位、 すなわち反りが発生することが知られて いる。 従来の船では、 船体を構成する主な縦強度部材の板厚が相対的に厚かったの で、 横断面の反りがそれほど大きく現れなかった。 しかし、 最近の船では、 次のよ

うな要因により、 横断面に反りが大きく現れる可能性が生じている。

(1)板厚の減少

船体構造に高張力鋼5)が大幅に採り入れられて、 主な縦強度部材の板厚が相対 的に薄くなってきている。

(2)明断力が大きくかっその変化率が大きい積載状態

比重の大きい貨物を積む撒積貨物船では、 載荷重量に比して積載容積が余るの で船倉一つおきに載荷するいわゆる交番載荷が行われ、 明断力が大きく発生す 第7章 結論

7. 1 構造様式の違いによる縦強度上の要点 7. 2 総括

246

246 249

謝辞 参考文献

253 254

付録一1 式(2.35) 、 式(2.39d)の誘導

付録-2 関数Zi (X)の微分方程式 および境界条件の無次元表示 付録-3 t散積貨物船の隔壁係数について

付録-4 反りによる応力成分の自動計算法

258 261 265 268

る。

(3)新しい船種の出現

(iV) -EE4 -

(7)

最近の水中翼付高速船6)、7)、れでは船体総重量の大部分を船体の前後に取り付 けられている水中翼で支持するようになっている。 このような状態では、 明断 力が大きくなり、 かっその長さ方向の変化が顕著になる。

(4)規則による構造形式の変更

油槽船においては海洋汚染防止のために1 MO (lnternat ionn.l Mαγitime

Organizαtian )の規則により、 専用バラストタンクを設けることが義務づけ られSegregated Ballast Tankeγ が採用された。 さらに、 1989年3月にアラ スカ沖で発生したエクソンバルディス号の原油大量流失事故を契機に、 今後建 造される油槽船に二重船殻構造を採用することが義務9),10)づけられ、 最近こ のような二重船殻構造を持つ油糟船が建造11>されるようになった。 このような タイプの油槽船では、 IMO規則による規制以前に建造された従来型の油槽船 に比べて縦通隔壁の間隔が広くなっている。

しかし、 従来の単純梁理論やTimoshenko梁理論1 2)では、 この横断面の反りの現

象を考慮していない。 また、 有限要素法など高度の数値解析法を用いれば、 勿論、

反りの影響を含んだ全応力を求めることができるが、 個々の船体設計に常に有限要 素法による大規模な数値解析法を用いることは実際的でない。

特に初期計画や概念設計段階においては、 多くの船体構造の候補案から短期間に 選択したり、 構造パラメータを変化させて最適な設計を模索することが多いので、

反りの影響を考慮した簡便で理論的な縦強度解析法が必要である。 また、 船体のよ うな複雑な断面形状の応力成分の分布は、 従来の梁理論では十分に評価できないの で、 一歩進んだ薄肉断面梁理論を用いた解析法が必要であり、 従来あまり考えられ なかった船体横断面全体の反りを統一的に考慮した船体の縦強度解析法を確立する 必要がある。

本研究では、 横断面の反りを考慮した薄肉変断面梁の応力解析法を提案し、 従来

型および新しい構造形式の船の縦強度解析にこの応力解析法を適用し、 船体の横断 面に現れる反りの分布および反りの変化にもとづく応力成分の分布を横断面全体に わたって解明することを目的とする。 すなわち、 まず、 倉西ら13)によって展開され た、 横断面不変の仮定にもとづく一様断面箱型梁の反りによる直歪や反りによる直

勺,G

応力などを求める近似計算法を、 船体構造解析に必要な多重連結領域をなしている 横断面を持つ変断面梁へ適用できるように発展させた手法を開発し、 さらに、 倉西 らの近似計算法では考慮されていない反りによる明断涜を計算する方法を新しく提 案する。 この解析法を従来型の撒積貨物船と時代の要請に応じた新しい構造形式の 二重船殻油槽船および水中翼付双胴型高速船に適用し、 横断面の反りおよび反りの 変化にもとづく応力成分の分布の特徴を横断面全体にわたって解明する。 これらか ら得られた成果より船体の初期計画や概念設計において、 反りの影響を考慮した縦 強度上の要点を与えることを目的とする。

1. 2 従来の研究

梁の微少長さ部分に生ずる曲げ応力の釣合を考えることによって、 梁の横断面に 生ずる明断応力が求められる。 この明断応力のために横断面は長さ方向に変形して、

いわゆる「反り」を生ずる。 この現象は、 いわゆる「努街臼匡れ(SheαT Lag)Jの現象 として知られている。 倉西ら14)は、 この「反り」が梁の長さに沿って変化するとき、

反りによる直歪が発生することを示した。 さらに倉西ら13)は、 横断面の形が変わら ないことを仮定し、 箱型断面梁についてこの反りによる直応力などを求める近似計 算法を導いた。

Reissner 11:)) は、 箱型断面梁についてこの現象を研究して近似計算法を発表し ている。 この二つの近似計算法の主な相違点は、 「反り」を求めるために導入され た「反り関数」の決定方法にある。 横断面のガースに沿う座標"1>" の関数として

「反り関数」を定式化した倉西らの方法がReis幻zer の方法よりも、 多重連結領域 を形成している横断面を持つ船体梁ヘ拡張・応用することが容易であると考え

られ る。 なお、J 11井らは、 梁理論の精密化について詳細かつ系統的な研究1G). 17)・ 1 B).

H))・20)を行った。 この中で、 Reis幻zeγ の研究や倉西らの研究についても言及し、

箱型断面梁についての数値計算結果を紹介している。 また任意断面のSaint -

- 3 ・

(8)

Venantの振り問題の解析、 および任意の断面形状の梁の2次元および3次元の 明 断変形を含んだ精密な解析が有限要素法を用いることによって可能であることを述 べている。

船体構造における明断遅れの現象についても、 多くの研究が行われてきた。 中で も、 防挽平板において防撹材に算入するべき有効幅の問題を取り扱ったSchade21) の研究が有名である。 油槽船の縦通隔壁については、 林22)、 秋田 ・ 田代23)、 田代 24)・2�)・2(5) 、 浦田27)の研究などがある。 船体上部構造物の応力分布を求める「二梁 理論Jに明断遅れの現象を考慮した研究が寺沢・ 八木28)、 山越2g)によって行われ た。 吉識・山本30)は倉口開閉量に関連して、 上甲板における明断遅れの現象の及ぼ す影響について論じている。 以上の諸研究は、 防撹板の面外荷重に対する曲げ変形 や縦強度部材のなかの特定の部材について、 明断遅れの現象を考慮したものである。

船体横断面全体についてこの現象を考慮した研究は、 田代2�)・2(5)によって行われた が、 主たる目的は縦通隔壁の有効性を調べることにあった。

以上、 船体構造における明断遅れの現象に関する研究の涜れを概観したが、 これ

らの研究の対象部材は縦強度部材の中の特定の部材について明断遅れの現象を考慮 したものであり、 横断面全体を対象として主要な縦強度部材について、 統一的に明 断遅れの現象を考慮した研究は少ない。

1. 3 本研究の概要

本論文は、 「緒論Jおよび「結論」を含む7章から構成され、 船体梁のように横

断面形状が複雑でかつ船首尾部が先細である薄肉変断面梁へ適用することを目的と して、 船体を構成する甲板、 外板および縦通隔壁等の縦強度部材に生じる明断応力 によって誘起される横断面の「反り」が船の長き方向に変化することによって生じ る応力成分を計算する応力解析法を導く。 この解析法の解の精度を模型実験および 有限要素法による数値計算によって確かめ、 また有限要素法による数値計算結果と の対応関係を調べる。 この解析法を撒積貨物船に適用して生ずる反りによる応力成

- 4

分の分布の特徴ならびに反りによる応力成分と載荷状態との関係を明らかにすると ともに、 さらに、 この解析法を用いて二重船積構造の油槽船や水中翼付双胴型高速 船に生ずる反りによる応力成分の特徴を明らかにし、 縦強度設計において乙の反り による応力成分の影響を無視することができないことを示している。

第1章では、 本研究の目的、 従来の研究および本研究の概要について述べている。

第2章では、 薄肉変断面梁の解析法を述べる。 乙の方法は横断面の明断流に基づ いて定義される「反り関数」と縦強度上の「明断力の変化率」に比例する関数の積 で反りによる直応力を計算し、 次に縦強度部材の微小長さと微小幅部分に働く反り による直応力の釣り合いを考えることによって反りによる明断応力を求める方法で ある。 この反りによる直応力の計算方法は、 一様断面箱型梁について倉西ら叫によ って最初に研究されたものであるが、 船体のように横断面に関しては多重連結領域 を有している複雑な断面で、 かつ船の長さ方向については船首尾部が先細りとなる 薄肉変断面梁については研究されていない。 このため、 横断面が多重連結領域をな している薄肉変断面梁について反りによる直応力を計算できる手法を開発し、 さら に反りによる明断流については、 船体梁の微小部分に働く反りによる応力成分の船 の長さ方向の力の釣合を考えることにより、 反りによる明断流までを計算できる応 力解析法を示している。 すなわち、 船体梁をn個の要素梁に分害IJし、 その一つの区 間内では一定断面であると考え、 全体について最小ポテンシャルエネルギーの原理 を適用して各要素毎に成立するEuler の微分方程式を導き、 次に船の両端ならびに

接続点、において成立する境界条件式を用いて、 2n元の連立一次方程式を解くことに 帰着させる解析法である。 なお、 この際Euler の微分方程式を積分することによっ て導き出されたz(x) に関する微分方程式を用いている。 また、 境界条件に関する

考察を行い、 変分原理から導き出されるz

b

) に関する自然境界条件の外に、 『横 断面の反りに基づく断面全体の平均的な長さ方向への明断角が接続点において連続 である。 』というz(x) に関する幾何学的境界条件を用いた。 これによって、 船体 梁のような薄肉変断面梁に対しでも解析法を適用できるようにするとともに、 より 実船の形に近い状態で縦強度解析ができることを示している。

Fhd

(9)

第3章では、 交番載荷状態にある撒積貨物船の船体中央部から三連続船倉を取り 出して縦通材を等価板厚に換算した板の三次元構造にモデル化し、 有限要素法によ る数値計算を行って本解析法による計算結果と比較検討している。 その結果、 局部 曲げ変形に基づく応力成分を差し引いて考えれば、 本解析法による計算値は有限要 素法による数値計算値と極めて良く一致することが分かり、 本解析法の有効性を明 らかにしている。 なおこの場合、 二重底に働く荷重の一部が横隔壁によって分担さ れることを考慮して修正された明断力曲線を用いた方が良い結果を得ることを示し ている。

次に、 軽合金製箱型等断面梁の縦曲げ強度実験を行い、 本解析法の解の精度を検

討している。 その結果、 明断力が大きくかっその変化率が大きい領域では反りによ る直応力を無視することはできないこと、 ならびに全直応力の計測値と本論文の解 析法による計算値とは良好な一致を示していることが分かり、 この解析法は実用上 十分な解の精度を持つことを示している。

さらに、 変断面部分と等断面部分を有する箱型変断面梁を対象モデルとして、 本

解析法による計算ならびに有限要素法による数値計算を行った結果、 本解析法によ って求められた反りによる応力成分を含んだ全応力成分は、 有限要素法によって求 められた応力成分と一致することが分かった。 このことから、 本解析法は変断面梁

への適用も実用上妥当であり、 船体梁の解析に有用であることを示している。

第4章では、 静水中および正面向い波中において、 交番載荷および均等載荷状態 にある載荷重量63,(0) t 0 nの撒積貨物船に本解析法を適用して計算を行った結果、

明断力が大きくかっその変化率が大きい交番載荷状態においては、 反りによる直応 力のために単純梁理論に基づいた縦曲げによる直応力の値が:t20%程度増減し、 反 りによる直応力は舷縁部(ガンネル部〉および船底湾曲部〈ビルジ部〉などで大き くなることを示している。 さらに反りによる明断応力は横断面全体にわたって明断 涜をより均一に分布させるように生じていること、 また均等載荷状態においては反 りによる応力成分は小さいことなどを明らかにしている。

第5章では、 静水中および正面向い波中において、 ヘビーバラスト(荒天時に用 いられる脚荷水〉状態にある載荷重量140,3)) t on の二重船殺構造の油槽船に本解析

- 6 -

法を適用して計算を行った結果、 船体中央部の明断力が大きくかっその変化率が大 きい部分において、 反りによる直応力の大きさは縦曲げによる直応力のæ%から :ll%に達し、 特にガンネル部および、ビルジ部において大きくなることを示している

。 また、 船体の任意の断面に働いている曲げモーメントの符号と横断面内の任意の 物体点のz座標と明断力の変化率と反り関数の値の4つの積の値の符号により、 反 りによる直応力が単純梁理論の縦曲げによる直応力の絶対値を増加させるのか減少 させるのかが決まる反りによる直応力の性質を明らかにしている。 さらに、 反りに よる明断流は荷重の変化率が大きくかっ反り関数の積分値が大きい所で大きくなる ことを示している。 最後に、 船体平行部において縦強度上の応力成分を検討する場 合には、 全船変断面梁とせずに全船等断面梁と解析しでも実用上差し支えないこと を明らかにしている。

第6章では、 船首部は先細り構造で、 中間の平行部分に主機関換装用関口部を有 する水中翼付双胴型船舶を対象にとり、 本解析法を適用して静水中航走時の縦強度 を検討している。 その結果、 従来の単純梁理論による解析では、 縦強度上の応力分 布の特性を正しく把握する事は難しいことを示している。 また、 波浪中を航走する ときの衝撃現象を考慮すれば水中翼に働く力が大きくなるので、 縦強度設計の面か ら反りによる応力成分まで考慮しなければならないことが予想される。 従って、 応 力成分の大きさ並びに分布の特徴を正しく把握して安全な強度設計を簡便に行うた めには、 少なくとも反りの影響を考慮した本解析法を適用する必要性があることを

述べている。

第7章では、 本研究によって得られた主な成果とその意義を要約し結論としてい る。

- 7 ・

(10)

多得2主主

2. 1 緒言

布望言問子在百のE乏りを遺言層ました 表事肉互芝闘子在百婆毛の瓦芯プ]角牢キ斤主去

本章では、 倉西・宮川13)によって研究された横断面不変の仮定にもとづく箱型等

断面梁の横断面に生ずる「反り」や「反りによる直応力Jなどを求める近似計算法 を、 船体のように横断面に関しては多重連結領域を有している複雑な断面で、 かつ 船の長さ方向については徐々に船首、 船尾部が先細である薄肉変断面梁へ適用でき るように発展させた手法を開発する。 さらに、 倉西らの近似計算法では研究されて いない反りによる明断涜については、 船体梁の微小部分に働く全応力成分の船の長 さ方向の力の釣合を考えることにより「反りによる明断流」まで計算できる応力解 析j去を新しく提案する。

この応力解析法は、 まず、 薄肉変断面梁を長さ方向に適当なn個の要素梁に分害IJ

し、 分割された要素梁はそれそれ一定断面梁であると仮定する。 それぞれの要素梁 に対しては倉西らの方法にならい、 横断面内における反りの分布を規定する「反り 関数Rz(.b)Jと、 長さ方向における反りの分布を規定する「明断角に関与する関数

Z (X) Jの積で反りを導入する。 薄肉変断面梁の全長について「最小ポテンシャル エネルギーの原理」を適用し、 各要素梁毎に成立するEuler の微分方程式と境界条 件式を導く。 次に、 これを用いて各要素梁毎に成立する関数Z (x) のみに対する支

配方程式と境界条件式を導出し、 薄肉変断面梁の全長にわたって成立する関数

Z (x) の解を決定する。 なお、 「最小ポテンシャルエネルギーの原理」から自然境 界条件として、 ここでは力学境界条件が導かれるので、 相隣る要素梁の接続部につ

いて成立しなければならない幾何学的境界条件の取扱いについて述べる。 さらに、

反りの変化率に比例して発生する「反りによる直応力」の釣り合いから、 倉西らの 論文においては考慮されていない「反りによる明断涜Jを計算する方法を導き、 縦 曲げによって誘起された明断流に付加される必要があることを示す。 また、 船体構 造のように多重連結領域となっている複雑な横断面においても、 反り関数を計算で

8 ・

x

きるように工夫している。

2. 2 座標系および記号

2. 2. 1 座標系

Fìg.2・1に示すように、 船体梁の中央横断面における断面積の重心を通り船の基線

に平行にx軸を定める。 船の幅方向にy輸を、 また船の深さ方向にz軸をとる。 座 標の原点を船体梁の後端に立てた垂線とx軸との交点におき、 前方、 左舷側および 鉛直上向きに、 x軸、 y軸およびz軸の正の向きをとって、 全体が右手系をなすよ うに直交座標系(O-XYZ)を定める。 なお、 船体各横断面の重心は船の長さ方向 に変化するが、 その変化量は小さいので、 ここでは一定高さと考える。

次に、 Fìg.2-2に示すように任意のxにおける横断面の中の正の断面〈断面に立て た外向き法線がx軸の向きと一致するような断面〉において、 上甲板の上の特定点、

たとえば倉口側縁に原点をとり、 ガースに沿って進む座標bを導入する。 なお、 船 体梁の右舷については、 船体梁の横断面の中心を常に左側にみて進む向きを座標b の正の向きと決め、 一方左舷については、 船体梁の横断面の中心を常に右側にみて 進む向きを座標bの正の向きと定める。

これより、 船体梁の任意の点、 すなわち物体点P (x,y,z)のy座標とz座標は何 れもbの関数となる。 したがって、 物体点、PをP (x,.b)と表すこともできる。

z

y

PiQ 2-) Coordiηαte system

9 ・

z

FiO_ 2-2Meαsuri九Q b across the girth (lookinQ aftwαrd)

y

(11)

2. 2. 2 記号

以下用いる記号は次の通りである。

E : 縦郵性係数

横弾性係数 ポアソン比

船体梁の全長 船体梁の幅 船体梁の深さ 船尾喫水 船首喫水

船体梁のx=x断面に働く重量〈単位長さ当り〉

船体梁のx=x断面に働く浮力〈単位長さ当り〉

船体梁のx=x断面に働く荷重〈単位長さ当り〉、 z軸の正の向きに 働くものを正とする。

船体梁のx=x断面に働く曲げモーメント、 甲板に引張り 応力を生ず る曲げモーメントを正とする。

船体梁のx=x断面に働く明断力、 正の断面でz軸の正の向きに働く ものを正とする。

1 z(x) : 船体梁のx=x 横断面の慣性モーメント S : 横断面のガースの全長

P (X, h) : 横断面上の任意の 物体点

Uz(X,h) : 物体点P (X, h) のx方向の 変位、 x軸のEの向きと一致する変位を正 とする。

å uz(x, h) : 物体点P (X, h)のx方向の反り、 x紬の正の向きと一致する変位を正 とする。

W (X) : X断面における船体梁の鉛直方向の挽み、 z軸の正の向きと一致する 変位を正とする。

ψ(X) : X断面における船体梁の中性軸回りの断面の回転角、 x軸の正の向き

G

ν

L B D d",

dp W (x) : Bu(x) : pz(X) :

Mz(x) :

Sz(X) :

園圃圃圃園園田園田ー画面薗園圃園田画面量遇面畠画面画面画面置量量置薗圃圃圃圃圃

からz軸の正の向きへ回る回転角を正とする。

Timoshenko梁理論によるx断面における船体梁の鉛直方向の撹み、

W(X) と問符号である。

ψT(X) : Timoshenko梁理論によるx断面における船体梁の中性軸まわりの断 面の回転角、 ψ(x)と同符号である。

WT(X)

V .ð(x, h): 物体点P (X, h) におけるb方向の変位、 bの進む向きと一致する変位 を正である。

t (h) : 横断面内のh=hにおける板厚

t e (h) : 横断面内の縦通部材の断面積を含めた、 h=J)における等価板厚 め(X,h) : 単純梁理論による物体点P(X, h) におけるx方向の曲げによる直応力

(正の断面で、 x座標の正の向きに働く応力を正とする。〉

Aσz(x, h) : 横断面の反りに基ずく直応力〈以下、 反りによる直応力と呼ぶ。正の 断面で、 x座標の正の向きに働く応力を正とする。)

d w(x, J)) : 反りによる直応力を含んだx方向の 直応力〈全 直応力と呼ぶ。 正の断 面で、 x座標の正の向きに働く応力を正とする。)

τz (X, 1>) : 単純梁理論による物体点P(X, h) における明断応力〈正の断面で、 b 座標の正の向きに働く応力を正とする。)

Aτz (x, h) : 物体点P(x, h) における横断面内の反りに基ずく明断応力〈以下、 反 りによる明断応力と呼ぶ。正の断面で、 b座標の正の向きに働く応力 を正とする。〉

τ凶(X,J)) : 反りによる明断応力を含んだx断面に働くb方向の 明断応力〈以下、

全開断応力と呼ぶ。正の断面で、 b座標の正の向きに働く応力を正と する。)

q z (x, J)) : 単純梁理論による物体点Pに生ずる明断流、 (正の断面で、 b座標の 正の向きに働く明断流を正とする。〉

6 q z (x, h) : 物体点P (x, h) における横断面の反りに基ずく明断流(以下、 反りに よる明断流と呼ぶ。正の断面で、 b座標の正の向きに働く明断流を正 とする。〉

10 - ・・・a& -P4 -

(12)

れ(X,.b) : 反りによる明断流を含んだ明断流〈以下、 全開断流と呼ぶ。 正の断面 で、 b座標の正の向きに働く明断涜を正とする。〉

すz (X,.b) : 物体点p (X,.b) における明断歪

εz (X,.b) : 物体点p (X,.b) におけるx方向歪

Aεz (X, .b) : 物体点p (X,.b) における横断面の反りに基ずく直歪

Rz(.b) : 縦曲げによる反り関数

Z (x): X方向の反りの分布を規定する未定のxの関数

C i : { d W i (X) / dx一ψi(X)}のかわりにZ í(X)を用いたことに対する補正の

意味を持つ未定の定数 ANi : 要素梁tの全断面積 ASZi : 要素梁iの明断断面積

。1j : X軸からz軸へ向かう明断角。 要素梁iの正の向きからz軸の正の向

きへ向かう明断角

o 2i : z軸からx軸へ向かう明断角。 要素梁tの正の向きからx軸の正の向

きへ向かう明断角

n : 系のポテンシャルエネルギー

Fl : 要素梁tの単位長さあたりのポテンシャルエネルギー

Dslc : 要素梁iの明断力に関する積分定数

D,.uc : 要素梁tの曲げモーメントに関する積分定数

αI . 区間tにおいて要素梁tに働いている明断力SZi(X)を直線近似したと きの傾き

b i : 区間tにおいて要素梁iに働いている明断力SZI(X)を直線近似したと

Al Bi:

きの切片

一般解Zí (X) の区間iでの積分定数。 区間tにおけるZ (X) の一般解 に現れる積分定数

12 -

2. 3 単純梁理論による縦強度の一般的な解析法

船体を一本の梁とみなして船体梁と呼び、 これが曲げを受けるときの強さを縦強 度という。 まず、 静水中lこ船が静かに浮かんでいるときの縦強度を例にとって、 現 在行われている縦強度の解析法について説明する。

2. 3. 1 静水中で船体梁が受ける明断力と曲げモーメント

静水中に静かに浮かんでいる船を考える(Fi g. 2・3(a) 参照〉。 このときの船尾喫 水をd....、 船首喫水をdpとする。 船はその内部に、 主機、 補機類、 緩装品、 燃料油、

清水等を搭載し、 貨物あるいは脚荷水(パラスト水) を積載しており、 さらに構造 部材などの自重が存在する。 これらの重量が船の長さ方向に分布しており、 その単 位長さ当たりの値を、 w (X)とし、 この分布図を重量曲線という。 船は喫水

( d....,dp ) に対応して喫水線から下の横断面積に比例した浮力を受ける。 その単位 長さ当たりの値をBu(x) とし、 この分布図を浮力曲線という。 概念的な浮力曲線と 重量曲線の形をFig.2・3(b)(c)に示す。

船は静水中で平衡状態にあるから、 式 (2.1)の関係が成立しなければならない。

(2.1 )

式(2.1)の第1式は、 総浮力と総重量が等しいことを示し、 第2式は浮力中心のx 座標と重心のx座標が一致することを示している。

一般に、 Bu (X)とw (x)は異なるので、 その差pz (x) とする。

pz (X) =Bu (X) -w (X) (2.2)

pz(X)の分布を荷重曲線と呼び(Fig.2・3(d)参照) 、 このpz (x)が、 船体梁に働く 荷重となり、 船体梁に明断力と曲げモーメントが生じる。

13

(13)

z

PZ' dx

"...----ーーー、

(szl 州、ノ

Mz

(a) S t t I I Wa t e r C 0 n d t t t 0 n x

x x+dx

Bu (x)

Pig. 2-4 Loαd

s heαring 10rce αnd bending moment αcting on in1initesimαL smαl l e l eme n t

�X

IbJ 8uoyanc)' Curvr! d Sz (X)

dx =-pz (x)

x

(2.3)

dMz (X) = Sz (X) dx

W(X) I L...J したがって、 Sz(x) とMz (X) は式(2.4)によって表される。

(cJ Wr! t gh t Curve þ,(x) 't

Sz (x)

x

(2.4 ) Mz (x)

=-

f� J: {

Bu日

d�d�+S山Mzo

(d) Load Cuγve

P i g. 2-3 Conc e p t uαL cu rυes 01 weight

bou)IαnC)l αnd loαd

ただし、 Szo、 Mzoは、 積分定数である。 また、 苦はxに関する涜通座標であり、

0からxまでの値をとる(O� ç豆x )。 船体梁の両端は自由であるから、 明断力と曲 げモーメントは両端 でともに零であり、 式(2.5)が成立しなければならない。

すなわち、 xと( x+dx )の聞に挟まれた船体梁の微小部分には、 Fig.2-4に示す ように、 荷重、 断面力およびモーメントが働いている。 それぞれの量はFig.2-4に不 すものを正とする。 この微小部分の釣り合いを考えることにより、 式(2.3)を得る。

Sz (0) = 0 Mz (0) = 0 Sz (L) = 0

、lll与1111J

一一 nu

Z r-U

M (2.5)

式(2.5)の関係が成り立つためには、 SzoとMzoは共に零でなければならない。

15

14・

(14)

x¢b

岳ζ g一 d¢』a

J3一 d

nu eh

---〉|J

d

生ι司 ),

、ll、FEEt-,

,t也、

∞ J W寸 封

、.1 U ξ

B

l i r--〈llL

2 U

J F -nv

f い い に flJ M

fBEE--t A〕 x o fEEE14 一一 一一

Fg Fg du

du ほ

z

z p

円b xoxo

fEE1J fEEEJ 一一 一一 ω は

z

z s

M

2. 3. 2 曲げ応力の計算法

x=x の断面における物体点P (x,1>)に生ずる曲げ応力d z(x, 1>)は、 単純梁理論 に基づき、 式(2.7)によって計算することができる(Fig.2-6参照〉。

したがって、 Sz (X)とMz (X)は式(2.6)で与えられる。

(2.6 )

Mz (x)

ぴz(x,b)= , z(b) 1 Z

(2.7)

pz (x) 、 Sz (X)、 Mz (x)の分布の形を、 概念的にFig.2・5ω、(助、(c)に示す。

ここに、 Z (1))は1>=1> におけるz座標であり、 また、 Izはx=x の断面に存在 する全ての縦通部材の断面積がy軸〈中立軸〉のまわりに持つ慣性モーメントであ る。 ここでSをガースの全長とすると式(2.8)によって計算される。

b

d

b e

qL +4

、、‘l》111ノ b f141L z

S O

Fa---EEFJF

一一

Z Et

(2.8)

九(x) なお、 中立軸は横断面の重心oを通る。

x

(a) L 0 a d C u r v • z

b=O

S,(X)

M,(x)

x

lσ71.91. fγαme

y x

Nflutrαl ax i s

<t

(c) B e n d j n 9 M 0 m e n t C u r v e F i g. 2-6 (α) Reαl cγoss s ect ion αt x=xwith plαte membeγ

01 tれi cたn e s s t (.ò) αnd longitudinαl 1 rαme

Fi g. 2-5 Concept i onαl distribution o! loαd . s heαring force αnd bending moment

17 16 -

(15)

Z (b)

p(x.�)

b 4・

Z (b)

y (b)

P i g. 2-6 (b) Prαme - L e s s cγoss section αt x=x wi th. equivαLent tれic n e s s t,,(ゐ� 0/ p Lαte member contαiηd in sectioηαl αreα 0/ longitudinαL / rαmes

2. 3. 3明断応力の計算法

x=x の断面における物体点p (x,.ò)に生ずる明断応力τz(x.b)と板厚との積で 定義される明断涜q z(x, 1>)は、 次のように求められるくFig.2-7参照〉。

z

b

4昏・ー

y

m

一-ーー担ー

P i g. 2-1 (α ) Cross section hαυing α muLtipty-connected region

18・

b δ qz

( q z +

�8

:

.. d.ò ) dx

ーョ砂 →E除 � ベ旨・ →旨惨

.b j + d.ò ー ー ー ー ーー ー ー ー - • r <:-- ....---.一一一一一う1

J

l ‘一一I I一一一ーラ砂1

()zted

川4ー1 1

-一一+

1<:一一I I一一一令|

ー ー ー ーーーーーー ー'- <:ー__ L-___________ � 一一一一一う

p �ー←���,

qzdχ :

x x+d x

8 () z

( () z十 ... 一二dx)ted1>

。χ

Pig. 2-1(b) Components 0/ stress resuttαnt αcting on injinitesimαt e t eme n t

x

船体梁の微小部分(dx, db )部分における応力成分の合力の、 船の長さ方向での釣 り合いより、 式(2.9)を得る (Fi g. 2・7 (b) 参照〉。

θ() z (x, b) θq z (x,.b)

t e (b) θX 8b (2.9)

したがって、 式(2.7)および式(2.3)の第2式を考慮すると、 次の関係を得る。

δq z (x. 1>)

8b

Sz (x)

lz Z (1)) t e (.b)

ゆえに、 q z (x..b) は式(2.10)によって与えられる。

q z (x. 1>)ニ Sz (x)

f

b

1 '

;

'

I

Z (b) t e (b) d.ò + q z ( x, .bj ) (2.10 )

ただし、 れは基準点jにおけるbの値であり、 qz (x, .ò J ) は基準点における明断 流の値である。 これは、 Sz(x) に比例した量であり、 その比例定数は断面の形と寸 法によって決定まる。

この明断流qz (x..ò)は、 横断面においてはFig.2-7 (α) に示すように生じている。

すなわち、 bの正の向きに流れる明断流を正とする。 この場合、 部材交差部の節点 kにおいて部材( j k ) 、 ( k l )および ( km)が集まっているものとすると、 節点

19

(16)

k では明断流の連続条件式(2.11)が成立する。

q z. ; k (X,.òた) = q z. z・k l ,., I ,""',... (X,.ò k ...) + q z・たm (X,.òた) (2.11 )

またFig.2-7 (α) のように横断面内にいくつかの間断面が存在する場合には、 横断 面はbに関する多重連結領域を形成する。 したがって、 各々の閉断面においては q z(x,.ò)は不静定となる。 このような閉 曲線C"を構成する間断面部分に対しては、

x軸方向 の変位の連続条件式(2.12)が満足されなけれはならない。

j

qz (X D)

c " t(.ò)

h

d.ò = 0 { h = 1, 2,3, . )

ここに、 t (.ò)は縦通肋骨の断面積を含まない板部分の板厚である。

(2. 12)

以上に記した式(2.1 0),(2.11)および(2.12)を用いて、 明断流q Z{X, .ò}の分布が定 められ、 さらに明断応力τz(X,.ò)は式(2.13)によって求められる。

q z(x,.ò) τz(X,.ò) = t (.ò)

2. 3. 4 撹みの計算法

(2.13 )

船体梁の撹みは、 一般に船体梁をTimoshenko梁としてとり扱い、 その基礎方程 式(2.14)を、 両端支持の境界条件式(2.15)を満たすように解いて求める。 ここで、

検みは鉛直上向きを正とし、 船体梁の横断面の回転角ψ(X) はy軸の正の向きに対 して反時計回りを正とする。

dψT(X)

- E 1 z

r:

αx \�� , = Mz (X)

GA

;

z

f

l

竿

ax

生し

一 ψT(X)

J = Sz (X)

- 20・

(2.14 )

初T(x)

l

po =O

WT(X)

I

J/!-L ニO

(2.15 )

ここで E 1 z は曲げ岡IJ性、 GAL は明断剛性である。 なお、 式(2.14)の二式の右

辺の Mz (X) とSz (X) は、 式(2.6)によって定められたものである。 このようにし て求められたWT (X) の値は、 船の前、 後端の図心を結んだ直線からの変位を表して いる。

一般に、 船体梁の前部、 後部は先細となっている。 また、 縦強度部材の形状や寸 法は、 船体中央を含むO.4L ---O.5L (Lは船の長さ) の聞は一定であるが、 その外側 では漸減して、 両端近傍では或る特定の値となっている。 すなわち、 船体梁は薄肉

変断面梁となっているため、 式(2.14)左辺の係数IzとALはともにx の関数となる。

このことを考慮して式(2.14)を解くために、 区間 (O�x�L )をn箇の適当な小区 間[X五x壬X i+ 1 ] (i = 1, 2, 3 ・. . . n+l)に分割し、 分割された小区間の 中では、 部 分船体梁を等断面梁として取り扱う。

以上 のように船体梁の縦強度に関する現在の一般に行われている解析法は、 力お よび曲げモーメントの関係式(2.3)を境界条件式(2.5)を満たすように解き、 その結 果を用いてTi恥shenko梁の変形方程式(2.14)を、 境界条件式(2.15)のもとに解く ことに帰着される。

2. 3. 5 波浪荷重計算法

波浪中の船体運動および波浪荷重 の計算は、 微小振幅論に基づいた線形ストリッ プ法を用いて行われている。 これはすでに実用的な計算法として定着しているもの である。 線形ストリップ法には、 O.S.M. (Ord i naγy Strip Me thod) 31) 、 N. S. M. (N ew S t r i p Me t h 0 d) 32) 、 S.T.F.法(Sαl vesen-Tuck

-Fα1 t inse n Method) 33) の三種類があるが、 本論文の計算には実用上最も精

21

(17)

度が良いとされているS.T.F. 法を用いた。 本計算法はすでに他のプログラムや水

仮定および要素梁への分割

2. 4.

槽試験との比較34)により推定精度が確認されている。

その長さ方向でn個の適当な要素梁に分割 薄肉変断面梁をFig.2・8に示すように、

ここで波浪荷重の計算法35)を概念を 以下に述べる。 船が規則波中を波に対してー

し、 分割された 一つ一つの要素梁は薄肉等断面であると見なす。 分割に際しては、

定の平均針路を保ち一定速度で航行している時、 船体の単位長さの横断面〈ストリ

一つ一つの要素梁 倉口端などの構造が大きく変化する位置には必ず分点を設けて、

ップ〉に働く力は、 船体運動の計算から得られるストリップに働く流体力と、 その

また、 荷重が急変する可能性が大きい横 を等断面梁とみなし易いように注意する。

したがって、 任 ストリップの質量と加速度に基づく慣性力の和によって表される。

隔壁の位置に分点を設けて、 計算精度を保ち易いようにする。

y

品川川出

χ

213 14 j

5

・ ー - ー.-

-

要素梁の横断面に生ずる「反り」の計算法 4

2.

で述べたように、 現在の解析法のベースとなっている単純梁理論は

3 2.

の平面保持の仮定に基づいているので、 曲げによる直応力の分

Beγnoull i - Eul eγ

-・・1・・「・-n n

(n+l )

しかし、 明 布は中立軸からの距離に比例した変位成分と直接関係づけられている。

断応力の分布は梁の微小部分に働く応力成分の合力の釣り合いより求められている この明断応力 ので、 梁の変位成分とは直接には関係づけられていない。 実際には、

Fig. 2-8.Division 01 vαr iαble sect ion beαm i n t 0

short constαnt sect ion beαms

すなわち、

のために横断面は平面保持の仮定から外れて、 梁の長さ方向に変形する。

この反りが梁の長さ方向に変化 梁の横断面には梁の長さ方向に「反りJを生ずる。

この反りを これにより直応力が生ずる。

するとき、 梁の長さ方向に直歪が発生し、

Xl,X2,Xa,---XI-h XI,Xi+l1ーー-X代,X 1\+11分害IJされた 区間を左側から、 区間L2, 3, ---, (i -}) i, (i +1) , -ーーn そうすると、 区間 (XI�三X�五X川〕となり、 区間の長さ(X 1+1 - X r ) をÂXIで表す。

という。 なお、 本論文では簡単に表現するために、 以下の記述では単に 直応力J

ここで、 次の二つの仮定を設ける。

と呼ぶことにする。

「反りによる直応力」

「反りによる歪」 、

「反り」 、

(1)応力と歪の関係は平面応力状態にある。

(2)横断面の形は変わらない。

意の船体の横断面に働く波浪荷重は、 船体の各ストリップに働く力あるいはこの力 によるモーメントを船尾端より考えている断面まで積分することによって求められ る。

分割点のx座標を左端から、

この「曲げの反り」

」と呼ぶことにする。

「曲げの反り(Jfarping in Bending)

とする。

tではxの変域は、

「曲げの反りによる に基づいて発生する直歪を「曲げの反りによる歪」、 直応力を

本章では、 船体梁を薄肉変断面梁と見なし、 その横断面に生ずる「反り」などを を計算する方法を提案する。

「反りによる明断流」

計算する方法を提示する。 次に、

22 23

(18)

2. 4. 2

r反り」の計算式の導出

区間tの中でx=x における横断面には、 曲げモーメントMZi (X) と明断力

SZi (X)が働いているものとする。 反りを導入しでも、 曲げモーメントMZi(X)と変 位の関係および明断力SZI(X)と変位の関係はまだ未定である。 この横断面内の物体 点Pi (x,.b)のX方向の変位成分Uzi(X,.b)は、 曲げによる中立軸まわりの横断面の回 転ψi (x) によって生ずる成分{-Z (.b)ψi (X) }と、 曲げによる反りÂ UZi(X,.b)の平日 として、 式(2.16)のように表される。

UZi(X,.b) = -z (.b)

ψ

i (X)

+

 U Z i (X, .b) (2.16 )

次に、 物体点P i(X,.b)のb方向の変位成分Vb i (X, .b)は、 横断面の形が変わらない ことを仮定しているので、 梁のz方向の変位成分、 すなわち梁の撹みWi (X)と式(2.

17)によって結びつけられる。

dz (.b)

V b i(X,.b) =ωi(X)

一吾Z-

(2.17 )

したがって、 物体点P i(X,.b)の明断歪TZ I(X,.b) は、 定義により、 式(2.18)によっ て表される。

τZ i(X,.b) =

内σ一 u一

一θ

b山 一 は ' ' 、、 ,,­hM一

. .

+ 3U一 U一 コσ u . x 一 は - , 一 b ­ 、 、,,,

d z (.b) . 8ÂUZi (

x

.b) _j_ dWi (X) d z (..b)

= 一

ψ 4

(x) db

+

δb

+ d

x db

(2.18 )

一方、 物体点P i(X,.b)に生じている明断涜 q z. (X, .b)は、 式(2.10)を区間iにおけ る量として添字iを付け て表すと、 式(2.19)によって与えられる。

1 b

q Zi (μ)= _5z

;

(X)

i

z(b)tet(川けqZi(X,O)

.L Zi J 0

(

2

. 19 )

ただし、 .b

j

= 0とした。 また、 q Zi(X,O)は .b =0 での明断流の値であり、 .b=0に

24

おけるx方向の変位の連続条件より定まる。 一方 qZ i(X,O) は5Z i(X)に比例する量 であり、 式(2.19α〉のようにおく。

SZi(X) qZi( X,O ) = -rZi(O ) -

1 Z i

(2.19α)

ただし、 rZ {( 0)は定数である。

明断流が明断応力と板厚の積で与えられる重であることを考慮、すれば、 式(2.19)は すZi(X, .b)

に G

t { (.b) を乗じた積に等しいとおくことができる。 すなわち、 式(2.

20)を得る。

寸ll1111J nu z vt +

d

hu

hu

e

x

Z

Au nHυ flit­「t11111--」

山一b

I

. ( \ d z (.b) θ6.UZi (X,.b) d初( (X) dz (.b)

I

=Gt. (.b)

トψt(x) + + 一一一:._ I

(2.20)

I

r

\V_, d.b δ.b

dx

d.b

I

式(2.20)より δÂUZi (X, .b) /θb の項のみを左辺に移項して表わせば、 式(2.21)を 得る。

8 Â U Z 8.b i (x,..b) 5 Z i (X)

| I

1

í f I

z (.b) t e i (.b) d.b

G 1

Z i

L t

i (.b)

LJ

0

U一心

ψ 川一命

「lli114

+

(2.21)

したがって、 物体点Pi (X, .b) に生ずる反り6.U Z i (X, .b)は、 式(2.21)の両辺をb に 関して積分することより、 式(2.22)によって与えられる。

b

du

υ一心

Z一f一t

b o ps-EEE.,J

K一幻一-,t

L

一一 一 G

x λu

a品 u

- {!!γ)一ψf叶

(2.22)

25 -

(19)

を決定する場合の考え方と の定義について、 次に説明する。

「曲げの反り関数J Rz/(h)

の中に現れる未定の定数CiならびにRz;(0)

の決定 その計算法ならびにZ;( X )

3

RZi(h)

2. 4.

(2.23)

b に関する積分常数 + r Zi( O)

は h =0におけるð.UZ(の値であり、

ただし

b

du

b e 4t

hu z bo

f--EE,J

一一

b

7b

千J

の b方向の変位成分は が表されると仮定したので、 物体点P i(X, h) x方向変位成分は、 式(2.26)の第1式ように表される。 また、

式(2.17)を再記して式(2.26)の第2式となる。

式(2.24)によって反りð.Uz i(X, h)

TiTlωshenko梁に に比例する。 なお、 式(2.22)の中の挽み

は、

また、 ÀUZI( x, O)

式(2.22)の右辺第2項に現れている{dWi(X)/dx-ψ.(X) } おける明断歪に類似な項であり、 S ZI(X)

に比例する。

である。

でSZI(X)

(2.26) U Z i (X, h) = - Z (h)ψ1 (X) + RZI (h) ZI (X)

dz (h)

V b i (X, h) =初4 な) . ah x 方向

b 方向 お

は、 倉 および断面の回転角ψI(X)は、 何れもTimoshenko梁における撹みWiT(x)

と{ dWi(X)/dx - そこで、 反りð.U Z i (X, h) また、 明断力SZi(X)

との関係は未定であり定める必要がある。

とは異なる。

よび断面の回転角ψTi(X) ψ;(X) }

ωi(X)

P /(X, h)に生ずるx方向、 b方向の直歪および明断

dψi(X) . r. " dZ i(X)

= - z(b)

dx +Rzt(b) 歪成分は、 式(2.2 7)のように表される。

εZ i (X, h)

この変位成分に対応して物体点 とb のみ の

の積の形で、 近似的に表されるものと仮定する。 すなわち、 式(2.24)の xのみの未定の関数Zi (X)

西らの方法13)にならい本論文においても、

関数RZI(h) ように表す。

(2.27)

= 0

dRz;(h)

=z t(x) . ah εb I (X, h)

QZI (X, h) (2.24)

ð.UZi(X, h) =RZi(h) Z i (X)

を式(2.25)のようにおく。

RZi(h) ただし、

式(2.27)の第1式は、 反りによる歪を含んだx方向での直歪である。 式の右辺第 1項は通常の曲げによる成分であり、 第2項はx方向での反りの変化率、 すなわち

反りによる歪である。 なお、 第2式は断面不変の仮定によるものである。

(2.25)

を用いたことに対 + RZI (0)

のかわりにZi (X)

r

RZi(h) = -

1 -

�ZI (h) d b -Ci (山) -Z (0) }

J

0 t i (1))

Ciは{ d W I (X) / d X -ψI (X) }

方向の直応力および明断

E 1一ν2Z (h) dψi (X) dx +. 1ーν一一一E τRZ1 (h)

I \

� �

d Z{(X)

���

d.x

P I(X, h)に生ずるX , h 応力は、 式(2.28)のように表される。

σ回i(X, h)

この反り成分に対応して物体点 に対応する未

は区間tにおける横断面のガースに沿った反り はð.Uz I (X,O)

RZi(O) また、

、プ 、""

)

L..ι- �I... 、

する補正の意味を持つ未定の定数である。

定の定数である。

式(2.24)から分るように、 Rz ((h)

(2.28)

= νσ削(x,1>)

f(h)

, � l

dWi ( X ) . I \

1

d Z (h)

= GZf (X) db +G

i

ーψ; (x)

J

""

� �

σμ(x,1>)

τ耐i (X, h) Z i(X)は区間iにおける薄肉断面梁の長さに沿った反りの分

の場 と呼ぶこと Wαγping TOTSion) in Bendiηg) J

を、 曲げ振り

「曲げの反り関数(Warping Function RZi(h)

ここでは、

の分布の形を規定し、

布の形を規定する。

合にならって にする。

- 27・

26

(20)

式(2.28)の第1式は、反りによる直応力を含んだx方向で の直応力である。式の 右辺第1項は通常の曲げによる直応力成分であり、式(2.7)で計算される曲げ応力

びZí(X,1>)に等しい。同じく右辺第2項は、反りによる直応力成分であり、

ð. d Z r (X 1>) で表すことにする。そうすると、式(2.28)の第1式は,式(2.29)のよう

に書き表すことがで き る。

E dψ• (X)

I S

-一一τI一ν áX

�_�� I J I

0

Z

(1)) t e .(1)) d1>

E d Z i(X)

(S

+ 一一� ..._ L.J '\�'

I RZi

(1)) t e ;(1)) d1> = 0

1-ν;l dx

J

0

σ脚i (X,1>) =σZ

i

(X, 1>) + ð. (J Z

i

(X, 1>) (2.29)

rs

-1I一ντ仏:t:(XL

1 - {Z

(1))}Ztei(1>) d1>

I 0

E d Zi(X)

fS

l一νZ dx

J

0

ただし

dψ;(X) σzi(x,b)=-T=uzz(b)

(2.�a )

ð. (J Z i (x, 1>) =

�τRZi

(1))

Iν

しかるに、積分

J: Z

(b)t e ,(川d1>はt断面 梁にはzの方向の荷重P zr(X) が働き、その結果関断力Szr(X)および曲げモーメ

ントMZi(X) が生じており、船体にはx方向の軸力が生じないので式(2.29)で表され る全直応力σWi(X,1>) は 合力を持たず、また 合力のモーメントはその断面に働いて

ントであり、零に等しい。また、積分

J:い心

いる曲げモーメントMZi(X)に等しくなければ ならない。 すなわち、式(2.30)が成立 する。

AU 一一

b d b

e

hu x

w

σ

S o f--EEFJ

( y軸)まわりの2次モーメントであり、 これは 断面慣性モーメント1 ZIに 等しい。

また、σzr (X, 1>)は 曲げモーメントMZI (X) が働いて 生じた曲げ応力であるから、

σZ i (X, 1>)の合力の中立軸まわり のモーメントは当然ながらMZl (X) に等しくなる。

以上のことより、式 (2.30α〉は次のようになる。

(2.�)

J:山)山川町(1))d1> =い) -一ーすE d Z ;(X) \

{S

I RZi

(1))t el (1)) d1> = 0

I 一 νZ dx

J

0

ただし、Sは任意の断面 のガースの全長であり、積分を横断面積全体について行

E

_

dψ;(x)

= Mz,' (x)

l

νZ

& �.

dx (2.;Ilb )

つ。

… pa---FJV o s R

z hu z b

4t

e b d b

-­ AU

E一山 一k

式(2.29)の第2、 第3式を用いて式(2.30)を表せば、次のようになる。

したがって、RZl (1))に関して次の二つの条件式(2.31)を得る。

28 - 29・

参照

関連したドキュメント

NZFC が支援の対象とする映画の条件は、 1978 年に制定された NZFC の設立根拠法である ニュージーランド・フィルムコミッション法( New Zealand

民間の経済的活動によってカバーされるかということに依       

ここで得られた微粒子を含む沈殿物中には,微粒子作製に用いた界面活性剤が残留

第5章「滑りの検出と計測」では, ノイズが多いセンサ信号からの滑り検出の信頼性を高 めるため,

モデリング(Modeling)は、x, y 平面上に表現するのは2次元で、x, y 平面軸の以外に z 軸を用いて立体的な物体を表現することで物体の骨格を作る過程である。適用方式と

そして、それぞれの群における刺激強度とパルス数を変えた様々な刺激条件の rTMS

第四章では,先ずディーゼル噴霧に対する既往のマクロ数理モデルを概観し,基本概念に応