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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

低アスペクト比・高密度ヘリコンプラズマの生成と その特性に関する研究

本村, 大成

九州大学大学院総合理工学府

https://doi.org/10.15017/21743

出版情報:Kyushu University, 2011, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

氏 名:本村 大成

論文題名:低アスペクト比・高密度ヘリコンプラズマの生成とその特性に関する研究

区 分:甲

論 文 内 容 の 要 旨

非平衡媒質としてのプラズマは,通常の物質では見られない特異な性質を示すので,産業分野 や宇宙推進器開発等に広く応用されている.また最近では,既存のプラズマ応用技術の高性能化 のため,新たなプラズマ源の導入も積極的に行われている.中でも,プラズマ波動の一種である ヘリコン波を用いた生成法は,高密度プラズマを容易に得ることができるため,次世代プラズマ 源として有望視されている.

しかしながら,現行のヘリコンプラズマ発生装置は大型のものが大半を占めており,汎用的な 高性能プラズマ源としての有用性を探るためには,短軸長・低アスペクト比を有するコンパクト なヘリコンプラズマ源の実現が急務となっている.また短軸長化してヘリコンプラズマを生成す ると,ヘリコン波の波長が装置長と同程度になるため,波動の性質が従来と異なってくる可能性 が指摘されている.そこで,本研究では短軸長・低アスペクト比ヘリコンプラズマ生成のための 条件をプラズマ波動の観点から実験的に明らかにすることを目的とした.

本研究では,フラットスパイラルアンテナを用いてプラズマを大口径化し,可動式の軸方向終 端板を用いてプラズマを短軸長化させることで,短軸長・低アスペクト比ヘリコンプラズマの実 現を目指した.励起された波動磁場と電子密度の計測には,磁気プローブおよび静電プローブを 用い,それらの空間構造を調べることで,プラズマ生成と波動特性を統一的に理解した.ヘリコ ン波の空間分布を調べた結果,低アスペクト比ヘリコンプラズマが生成されている時には,軸方 向装置長がヘリコン波の波長の 1/4 になるような定在波が励起されていることが分かった.また 外部パラメータおよび軸方向境界条件を変化させた実験を行い,定在波が励起されている限り高 密度ヘリコンプラズマが生成されることを確認した.この実験結果は,短軸長・低アスペクト比 ヘリコンプラズマの生成に対して定在波の励起が本質的な役割を果たしていることを示している.

本研究は,定在波が励起されていれば,高密度を維持したまま従来よりも 2 桁程度低いアス ペクト比のプラズマ生成が可能である事を示したものであるが,得られたアスペクト比は,産業 応用や推進応用の実用化レベルであり,ヘリコンプラズマが次世代の高密度プラズマ源として有 用であることを示している.また各分野における応用を考慮して,軸方向の終端板の材質が絶縁 体の場合,および導体の場合のそれぞれに対してプラズマ特性を評価した.

(3)

本論文の構成を述べる.1 章ではヘリコンプラズマの特徴と応用例について述べ,短軸長・大 口径化の必要性に言及し,本論文の目的を述べた.2 章では,一様プラズマ中のヘリコン波の分 散関係式,境界条件を考慮したヘリコン波動の空間構造と減衰について述べた.3 章では,宇宙 科学研究所 / 宇宙航空研究開発機構の大容量ヘリコンプラズマ発生装置 (LHPD) を用いた実験 について述べた. 4 章では,軸方向境界条件を変更した実験結果について述べた.ヘリコンプ ラズマ生成時には軸方向境界条件に依らずに定在波構造をとることを示し,定在波の励起が短軸 長ヘリコンプラズマ生成の必要条件であること明らかにした.5 章では,短軸長ヘリコンプラズ マの制御について議論した.外部磁場強度および入力パワーに対して電子密度,波動特性を調べ,

ヘリコンプラズマの生成可能領域を明らかにし,生成効率やプラズマ源としての特徴について言 及した.さらに,高密度・低アスペクト比ヘリコンプラズマ源作製のための設計指針について考 察を行った.6 章では,本論文の結論を述べた.

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