九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
亜熱帯植物成分の分離および生物活性に関する研究
比嘉, 松武
https://doi.org/10.11501/3088205
出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
第3章 ガジュマルの抽出成分
第1節 はじめに
クワ科(.Moraceae)のガジュマル(巳盟主mlcrocarpa L. f. )は熱帯・亜熱帯 地域に広く分布する常緑の高木で, 潮風に強いことから防風・防潮林, 街路樹 として沖縄諸島で広く植栽されている. 本植物は漆器木地や器具材としての用 途があり, またその抽出成分の利用としては葉および気根がそれぞれ発汗・解 熱薬および鎮痛薬として沖縄諸島で用いられている 1, 2)
また, ガジュマルの果実は熟して木から落ちてもそのままでは発芽しないこ とが知られており, 何らかの発芽阻害物質が果肉に含まれていると考えられる が, 本植物の葉や果実の成分についてはこれまで報告がない.
本植物は容易に繁殖することから植物資源としての有効利用が期待できる.
そこで, 著者は本植物の化学成分を利用する目的で本植物の葉および果実の抽 出成分の分離を行い, 分離した化合物について生物活性試験を行った.
第2節予備的な生物活性試験
葉, 樹皮, 木部および、果実について予備的な抗菌, 魚毒および発芽抑制試験 を行った結果をTable 3-1�3-3に示す.
魚毒試験(Table 3-1)では果実と木部には活性が見られなかったが, 葉と 樹皮のメタノール抽出物に弱い活性が観察された(YLC:葉400 pprn., 樹皮
600 ppm). メタノール抽出物を酢酸エチルと水に分配すると, 樹皮の活性は水 溶部に移るが, 葉の場合は弱いながら活性は酢酸エチル可溶部に移る(YLC:
200 ppm)ことから, 樹皮の魚毒成分は水溶性の極性物質であり, 葉の魚毒成 分は脂溶性の物質である.
発芽抑制試験(Table 3-2)では各部位のメタノール抽出物は1000 pprn.で
11ム可46
ほとんど活性を示さなかった. しかし, メタノール抽出物を酢酸エチルと水に 分配すると, 果実と 葉の酢酸エチル可溶部にわずかながら活性(発芽率:果実 76弘 葉70出)が観察された.
抗菌試験(Table 3-3)では各部位のメタノール抽出物はともに活性を示さ なかった. また, メタノール抽出物の酢酸エチル可溶部および水溶部もともに
活性を示さなかった.
Table 3-1. Piscicidal Activities of the Crude Extracts of Ficus mlcrocarpa.
Minimum Lethal Concentration (ppm)
MeOH extract EtOAc layer HzO layer
Wood
> 1000
400
600
> 1000
> 1000
200
800
> 1000
> 1000
600
600
> 1000
Fruit Leaves Bark
Fish: guppy (eoecilia (包bites) Ieticulata Peters)
Q/臼ワl q、Uヮ,t
Table 3-2. Germination Inhibitory Activities of the Crude
Extracts of巳盟主mlcrocarpa.
Table 3-3. Antifungal Activities of the Crude Extracts of
Ficus mlcrocarpa.
Activity (Germination percentage)
Activity
M.eOH extract EtOAc layer HzO layer
M.eOH extract EtOAc layer HzO layer
Fruit (::t) (88) ( +) (76) ( -) (96)
Fruit (一) (-) (-)
Leaves (::t) (86) ( +) (70) (一) (96)
Leaves (一) (-) (-)
Bark (一) (96) ( -) (98) ( -) (98)
Bark (一) (-) (一)
Wood ( -) (92) (一) (96) ( -) (98)
Wood (一) (-) (-)
Seed: lettuce (Lactuca笠且主主L., cv. Great Lakes 366)
Fungus: Penicillium citrinUI日 Concentration: 1000 ppm
Concentration: 250μg/disc
4川崎A円fi 「hdワl
第3節 ガジュマルの成分の抽出および分離方法
ガジュマルの新鮮葉(6. 0 kg)を温エタノール(60 oC)で抽出した. 抽出 液を減圧下で濃縮したのち酢酸エチルと水に分配し, 酢酸エチル可溶部 と水溶
部に分画した. 酢酸エチル可溶部についてシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーを行い, 化合物�-Qおよび8-12を分離した(Chart 3-1).
新鮮果実(5. 9 kg)についても葉の場合と同様の操作を行い, 化合物1, Z, 4, 7, 11および13を分離した(Chart 3-2).
-76-
H�O layer
extracted with EtOH (60 oC, 40 1) concentrated (EtOH ext. 150 g)
shaken with EtOAc and H20
EtOAc 1ayer
concentrated
Si02 column chromato.
e1uted with C6H6, CHC13,
EtOAc, and MeOH
8, 9 3, 4, 6, 10 -12 5
a1iphatic hydrocarbons alipbatic alcohols fatty acids
Chart 3-1. Extraction and Isolation of the Leaves of Ficus mlcrocarpa.
-77-
HO
RO
HO
AcO
Yields
Yields
3 R=CH3 10 mg
12 555 mg
9 R=O
10 R=H, OH
80 mg 650 mg R
4 R=H
5 R=glucosyl
500 mg 30 mg
COOH 11 10 mg
HO
6 200 mg
HO
8 285 rng
nkU 可fi 円ud円I'
Yie1ds Ficus rnlcrocarpa
Fruit 5.9 kg
Rl =OAc Rz =CH3 25 rng extracted with EtOH (60 oC, 29 1)
R\ 乙りふJ
Rz Rl =OH R2 =CH3 215 mg
concentrated (EtOH ext. 202 g) 11 Rl =OH R2=C∞H 55 mg
shaken with EtOAc and H20
concentrated
4 330 mg
HzO 1ayer EtOAc 1ayer
ハUπ且
54. 3 g (0. 92児)
SiOz column chrornato.
e1uted with C6H6, CHC13,
CHC13-EtOAc (7:3), EtOAc,
and MeOH
CHC13-EtOAc (7:3) 4. 4 g
Rl
7 (7a+7b) 85 mg
HO... /'--.._υ\レ久ノ COOH 7a Rl =CH3 Rz=H
HO 7b Rl =H Rz =CH3
1 2, 4, 11 7, 13
aliphatic alcohols glyceryl tripalrnitate
fatty acids
U14
13 25 mgChart 3-2. Extraction and Isolation of the Fruit of Fi盟主Elcrocarpa.
ハHUnHU 4i nxu
第4節 ガジュマルの成 分の構造決定
ガジュマルの葉および果実から得られた化合物1-13 の構造は以下に述べ る ように呈色反応 , スペクトルデータ(IR, UV, MS, 1 H-NMR)の解析, 誘導体 の合成, 標準サンプルとの比較等により同定した.
m/z 218 m/z 189
AcO
8
化合物1-6はそれぞれß -amyrin acetate, ß -amyrin, glutinol, β-
si tosi terol, ß -si tosterol-ß -D-glucosideおよびtaraxerolと同定した 化合物9, 無色針状晶, m p 256 - 261 oC, はLiebermann-Burchard反応に 陰性で, IRスペクトノレは1715 cm - 1 にカルボニル基による吸収を示し 水酸 基による吸収は観察されない. 1 H-NMRスペクトルは0. 75 -1.19 ppmに7個
の三級メチル基と1個の二級メチル基のシグナルを示す.MSスペクトルは [日/z 4 26に分子イオンピーク, m/ z 302 , 273および205 に強いフラグメント
イオンピークを示す. これらのことは, 9が環内に二重結合を持たない íriedelan系のトリテルぺンケトンであることを示唆している 9のMSスペ クトルおよびlH-NMRデータをíriedelin Cfriedelan-3 -one)のおスペク トノレ1, 5) およびlH-NMRデータ6) と比較したところ一致したので2を
íriedelin 7) と同定した.
(第2章第4節参照).
化合物ZはMSおよびIRスペクトルの検討から maslinic acidと 2α
hydroxyurslic acidの混合物と推定される(第6章第4節参照)•
化合物 8, 無色針状晶, mp 208- 210 oC, はLiebermann-Burchard反応に 陽性で, 赤紫色を呈することからトリテルペノイドと推定される . IRスペク トルは 3070,1640および880 cm-1 に末端メチレン基 ,17 25および1250
cm- 1 にアセトキシル基による吸収を示す.MSスペクトルは m/z 468に分子 イオンピーク, m/z 408に分子イオンからの脱酢酸イオンピークを示す. また m/z 218と189にlupane系トリテルぺノイドに特有のフラグメントイオン ピークを示す. 1 H-NMRスペクトルは1.68 ppmにSp2炭素上のメチル基,
2.
02 ppmにアセトキシル基, 4 .62 ppmに末端メチレン基によるシグナルを示 す. 以上の 結果からSをlupenyl acetateと推定し, IR, MSおよびlH-NMR
。
データを文献値3) と比較した結果一致した.
m/z 205
1十
。
9 。
m/z 302 m/z 273
つυnHU
の/UO八U
十 CH2
化合物10. 無色針状晶, mp 267 -269 oC. はLiebermann-Burchard反応に 陰性で. IRスペクトノレは3480 cm- 1 に水酸基による吸収を示す.MSスペク トルはm/z 428に分子イオンピークを示す. 化合物10のYSスペクトルは
friede1in Cfr)のMSスペクトルとよく似ており, 主なフラグメントイオンは 2質量単位(amu)だけ10が大きくなっている. このことは10が
friede1inの還元体であることを示唆している. 化合物10を三酸化クロムー
ピリジンで酸化して friede1inを得ることによって盟が friede1inの還元 体であることを確認した・ friede1inの還元体には. 3位の水酸基が α構造の
friede1ino1 (friede1an-3α一01)と3構造の epifriede1ino1(fride1an一
3 ß -01)があり. 1立はそのうちのいずれかである・ friede1inをナトリウム イソアミラートで還元すると friede1ino1が,7) 水素化ホウ素ナトリウムあ るいは 水素化リチウムアルミニウムで還元すると epifriede1ino1が生成する ことが報告され ている 8, 9) friede1 in (fr)をナトリウムイソアミラートあ
るいは水素化ホウ素ナトリウムで還元して それぞれ friede1ino1およびepl
friedelinolを合成し10と比較した結果. 10と epifriedelinolの各種ス ペクトルが一致した. 以上の結果から盟をepifriedelinol と同定した 7)
化合物11. 無色針状晶, mp 291- 292 oC. はLiebermann-Burchard反応に 陽性で, 赤紫色を呈することからトリテルペノイドと推定される. IRスペク トルは3380 cm-I に水酸基. 3600 - 2400と 1680 cm-I にカルボキシル基に
よる吸収を示す.MSスペクトルはm/z 456に 分子イオンピーク, 田/z 248と 203に12位に二重結合をもっ五環性トリテルぺノイド特有のRDA開裂によ る強いフラグメントイオンビークを示す. 以上の結果から . 11はoleanene お よびursene系のトリテルペン酸である oleanolic acidおよびursolic
acidのうちのいずれかであると推定される. 化合物11のIRスペクトルを 文献記載の oleanolic acidおよびursolic acidのスペクトルと比較した結
果 oleanolic acidと一致した I0 -I L) 以上の結果から11をoleanolic acidと同定した.
COOH
14
R,、 +:
; : -
「ζ i
\/
R
グ
,
R1
HO
m/z 248 m/z 203
11
urso l ic acid uu 「、d
口μ 戸し
一一一一
司JL
「L Pu pu
qJ H
FL 口μ
一一一一
ーム 司14 DU
RU H0
33
CHHO・ m/z 207
friedelinol
10
化合物 12. 無色針状品. rn p 225 -227 oC. はLiebermann-Burchard反応に 陽性で, 赤紫色を呈することからトリテルぺノイドと推定される. IRスペク トルは3370 cm-I に水酸基. 3070. 1640および890 cm-I に末端メチレン基 による吸収を示す• MSスペクトルはm/z 426に分子イオンピーク, m/z 207 と189に強いフラグメントイオンピークを示す. I H-NMRスペクトルは1. 68
9 NaBHバ
-ー~ー- 4 .
c二7-
HO
-84- -85-
ppmにSp2炭素上のメチル基によるシグナルを示し IRの結果と併せて12 がイソプロぺニル基を持つことを示唆する. 以上の結果は12がlupane系ト リテルぺノイドのlupeolであることを予想させるが, 12はlupeolとは異 なる化合物である. 化合物12のIRおよび lH-NYRスペクトルを区盟主
macro phyllaから単離されている ho pane系トリテルぺノイドの moretenol13 - 1 5) と比較した結果一致した. また, 12を三酸化クロムで酸化して得たケト
第5節 ガジュマルの生物活性成分
ン体の lH-NMRスペクトルは 皿oretenolのケトン体である moreteno ne11\) と
ガジュマルから分離した化合物について魚毒, 発芽抑制および抗菌試験を行っ た結果をそれぞれ Table3-4, 3-5および3-6に示す.
魚毒試験(Table3-4 ) では oleanolic acid (旦) がかなり強い活性(YLC:
2 7 ppm) を示した. 予備的な生物活性試験では葉の酢酸エチル可溶部に弱い. 魚毒作用が観察されたが(Table3-1 ), その原因物質が oleanolic acidであ るかどうかは今のところ不明である.
予備的な生物活性試験では, 果実と葉に弱い発芽抑制作用が観察されたが (Table 3-2), ガジュマルから分離した化合物には発芽抑制試験(Table3-5)
に活性を示す化合物はなかった. また, 抗菌試験(Table3-6) に活性を示す 化合物もなかった.
一致した . 以上の結果から 12を moretenolと同定した.
HO
ガジュマルの果実は熟して落果してもそのままでは発芽しないことが知られ ており, なんらかの発芽抑制物質が果実中に存在すると推定される. そこで,
レタス種子に対する発芽抑制作用を指標に果実に含まれる発芽抑制物質の分離 を試みた(Chart3-3 ). 果実の酢酸エチル可溶部をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに より分離を進めたところCHC13-EtOAc(85:15)および(8 0:20) 溶出部に活性が集中した. この溶出部を濃縮して得た残澄をメタノールで洗浄 すると活性は洗液に移るので, メタノール洗液を HPLC( ODS; YeOH- H20)によ り分離を試みたが発芽抑制成分を分離することはできなかった. このように,
ガジュマルの果実には強い発芽抑制作用を持つ成分が含まれていると考えられ るが, 微量なため多成分の混合物から分離することはできなかった.
葉に含まれる発芽抑制成分は脂溶性物質ではあるが微量成分と考えられるた め分離は試みなかった.
12
化合物13, 無色針状晶, mp 195-196 oC, のIRスペクトルは 3200およ び1670 cm- 1 に カルポキシル基, 1600および 1460cm-1 にベンゼン環によ る吸収を示す• MSスペクトルは m/z 154に分子イオンピーク, m/z 137に分 子イオンからの脱水酸イオンピークを示し 脱水イオンピークは観察されない.
lH-NMRスペクトルは 6.83 ppm (1H, d, J = 8. 5 Hz)と7.4-7.6 ppm (2H, m) にABX型の吸収を示す. 以上の結果から13 を rop to catechuic acidと推定 し, IRスペクトルを市販の標品と比較した結果一致した.
HO -< \ ,}-- COOH
13
nhu nxu -87-
Table 3-4. Piscicidal Acti vi ties oí the Compounds Isolated írom Fic堅mlcrocarpa.
Table 3-5. Germination Inhibitory Activities oí the Compounds Isolated írom Ficus microcarpa.
Compounds MLC (ppm) Compounds Conc. (ppm) Germinatioo児
ß -amyrin acetate (1) >20 β-amyrin acetate (1) 100 96
ß -amyrin (Z) > 50 β-amyrin (2)
100 92
glutiool (�) >50 glutiool (3) 100 100
。-sitosterol (生) >50 β-sitosterol (4) 100 98
。-sitosterol一β-D-glucoside (�) >50 β-sitosterol-β-D-glucoside (5) 100 100
taraxerol (6) >20 taraxerol (6) 100 96
Mix. oí maslinic acid and Mix. oí maslinic acid aod
2α-hydroxyursolic acid (7) NT 2α-hydroxyursolic acid (7) NT
lupenyl acetate (R) >20 lupenyl acetate (8) 100 96
íriedelin (9) >20 íriedelin (9) 100 98
epifriedelinol (10) >50 epiíriedelinol (10) 100 96
oleaoolic acid (11) 2.7 oleanolic acid (11) 100 96
moretenol (12) >20 moreteool (12) 100 98
protocatechuic acid (13) >20 protocatechuic acid (13) 100 94
glyceryl tripalmitate > 20 glyceryl tripalmitate 100 98
MLC: mlOlffium lethal cooceotratioo NT: oot tested
NT: oot tested
nHU nHU ハudnxu
...--
Table 3-6. Antifungal Activities of the Compounds Isolated Ficus mlcrocarpa
Fruit from Ficus mlcrocarpa.
Compounds Conc. (μg/disc) Activity
ß -amyrin acetate (1)
。-amyrin (Z) glutinol (�)
63 (
-
)250 (-)
250 (
-
)ト
山colurnn chromatoeluted with C6H6, CHC13,
250 (
-
) CHC13-EtOAc (7:3), EtOAc,and MeOH
250 (-)
63 (
-
)ß-sitosterol (生)
ß -si tosterol-βD-glucoside (�) taraxerol (6)
Mix. of rnaslinic acid and
2α-hydroxyursolic acid (1) NT
250 (
一
)250 (
一
)63 (
-
)250 (
-
)63 (
-
)250 (-)
250 (-)
Si02 colurnn Chrornato.
eluted with CHC13-EtOAc lupenyl acetate (�)
CHC13-EtOAc
I I
90:10 85:15 80:20 70:30 60:40 50:50 30:70 (士) (+) (+) (士) (-) (-) (
-
)、、,,,U一 〆,,‘、、 可Ei
1ノ O
QU一n〆tt、、
・1i
11ム nu
ρu
i d 1i e e - d r
凸」 よ・ム
・ 1 ・ 1
r p 工i
e
戸BUfi-、 配一
-1ム、)ノ qd QUf\IlL一 Fhd、lJ nHU/l、 的一 PU AA1j
oleanolic acid (11)
moretenol (12) washed with MeOH washed with MeOH
protocatechuic acid (13)
MeOH insolub.
(-)
7
円\U 貯 ハtu--u
Lu hu u o
可Eム ω刊||「
πH/I\
ハUρ‘V M盟 'hU HU 1i nv S1ノ
叩一ーーロ fl\ nn ハUρ」um
円しTL
E
P\U
LU
nυ U
ハU
切り||「
ロuft、
ハUe um
glyceryl tripal皿itate
NT: not tested
Chart 3-3. Extraction and Isolation of the Gerrnination Inhibitory Active Constituents Present in the Fruit of Ficus mlcrocarpa.
-90- -91-
...--
第6節 ま とめ 第7節 実験の部
ガジュマルの葉から7種のトリテルペノイドglutinol (i1), taraxerol (6), 1 upenyl acetate (ß), friedel in (�), epi friedel inol (盟),
oleanolic acid (11)およびmoretenol (12) と, 2種の ステロイドß- sitosterol (生)および。-sitosterol-ß -D-glucoside (むを 分離した. ま た, 果実から5種のトリテルペノイドß-amyrin aceta te (1), ß -amyrin
(2), maslinic acid (並), 2α-hydroxyursolic acid (7b)およびoleanolic acid (11), 1種のステロイドß-sitosterol (生)および1種のピロカテコ ール誘導体protocatechuic acid (13)を 分離した. ガジュマルから分離した
化合物はすべて既知化合物であり, 特に多量に含まれ ている化合物もなかった. ガジュマルから分離した化合物は, 発芽抑制および抗菌試験に活性を示さな かったが, oleanolic acid (11) がかなり強い魚毒作用 (.M.LC: 2. 7 ppm)を示 した. また, 予備試験では果実の酢酸エチル可溶部に弱�\発芽抑制作用が観察
されたが, この成分は微量のために分離できなかった.
1. 測定
第2章第7節参照
2. ガジュマルの 葉の 抽出および分離 (Chart 3-1)
1983年4月に沖縄県那覇市で採集したガジュマルの新鮮葉 6.0 kgをエタ ノールで抽出した. 抽出液を減圧下で濃縮したのち酢酸エチルと水 に分配し 酢酸エチル可溶部と水溶部に分画した. 酢酸エチル可溶部についてシリカゲル カラムクロマトグラフィー(C6H6, CHC13, EtOAc, .M.eOH)を行い,溶出順に
C6H6溶出部からaliphatic hydrocarbons (270 mg), � (285 mg)および2 (80 mg)を, CHC13溶出部からa (10 mg), 10 (650 mg), aliphatic
alcohols (30 mg), 生 (500 mg), Q (200 mg), 12 (555 mg)および旦(10 mg) を, EtOAc溶出部からfatty acids (40 mg)および5 (30 mg)を得た.
Lupenyl acetate (8)
無色針状晶(MeOH), mp 208 -210 oC (li t. ,3) 218 -220 OC). Liehermann-
Burchard反応(赤紫色). IR νmax(KBr)cm-1: 3070, 1640, 880(>C=CH2),
1730, 1240 (OCOCH3). MS皿/z(児): 468 (.M.+, 78), 45301+-CH3, 12), 40801+
-AcOH, 10), 249(C14H230Ac, 20), 218(C16H26, 49), 189(CJ4H2J, 76). IH
NYR(100 MHz, CDC13): 0.78(3H, s, CH3), 0.82(6H, S, CH3 x2), 0.91(3H, s,
CH3), 1. 01(3H, s, CH3), 1. 25(3H, s, CH3), 1. 68(3H, S, =C(CH3)-), 2.02 (3H, s, OCOCH3), 4.48(1H, dd, J=6, 9 Hz, H-3), 4.62(2H, m, >C=CH2).
Friedelin (9)
無色針状品(n-hexane), mp 256-261 oC (lit.,7) 255-260 OC).
Liebermann-Burchard反応陰性 IR νma x (KBr) cm -1: 1 715 (C=O) . MS m/ z
(出): 426(Y+, 56), 411(M+-CH3, 11), 341(6), 302(27), 273(38), 205(39).
'H-NYR(CDC13): 0.75(3H, s, CH3), 0.89(3H, d, J=6.5 Hz, C4-CH3), 0.90
円/臼ハuu q、Uハ叫υ
...--
、、『ノqo
nn ρし nn Qu
円ペUft・・、円hunHU
、ljnノ臼 4ti のふ × πn nしFO
, nn nhu /tk ηJU ハUU4li
--ノ町、υ
nu nしphu uu
qべU〆Ft‘、円iE
ハ同.u
・
・、Ij n川U
nn qd
'pu 、、,ノ
『u ' nn cu 'nn ρBU
円、u /‘\ 円、U 'nud ロU 1i
円〈U〆tt、4Bよ
9のfriedelinolへの還元7)
3. 76 (1H. m. H-3).
10のアセチル化
無水酢酸 -ピリジンを用いて,油浴上で穏やかに沸騰させることによってア セチル化した.
9 (50 mg)を ナトリウムイソアミラート 溶液 (金属ナトリウム350 mg, イ ソアミル アルコール 5 ml)に加え,油浴で2時間穏やかに沸騰させた. つぎ
に水蒸気蒸留によって イソアミルアルコールを留去し 残澄をPLC (SiOz;
CHC13-C6H6(1:1))で精製した. 収量30 mg.
friedelinol:無色針状晶(C6H6/EtOAc). mp 287 -292 oC (li t. ,7) 297
。C). Liebermann-Burchard反応(赤紫色). IRν皿ax(KBr) cm-1: 3500(OH).
2940, 2870. 1455. 1385, 1035. 1000. MS m/ z (出): 428 (M+, 15). 413 (M+ー CH3. 7), 410(M+-HzO. 11), 341(5), 304(4), 275(15). lH-NMR(CDC13):
0.77(3H, s, CH3), 0.80(3H, s, CH3), 0.93(3H, s, CH3), 0.97(6H, S, CH3 x 2), 0.99 (6H, S, CH3 X 2), 1.15 (3H, s, CH3).
epifriedelinyl acetate:無色板状品(C6H6),rnp 287-289 oC (lit., 7)
289 OC). IRνmax(KBr) crn-1: 1735, 1240(OCOCH3). MS m/z(施): 470(M+.
16), 455 (M+ーCH3,8). 410 (M+ -AcOH. 40), 395 (M+ -AcOH -CHg, 17), 342 (10), 317(16), 205(43). lH-NMR(CDC13): 0.84(6H, S. CH3 X 2). 0.92(6H,
s, CH3x2), 0.98(9H, s, CH3x3), 1. 15(3H, s, CH3), 2.03(3H, s, OCOCH3).
4. 90 (1H, m, H-3).
10のfridelinへの酸化7)
9のepifriedelinolへの還元8)
10 (50 mg)を三酸化クロムーピリジン錯体(50 rng/5 ml)に加え,室温で 3時間撹祥した.水を加えたのち クロロ ホ ルムで抽出し 溶媒を留去して得た 残澄をPLC (SiOz; CHC13-C6H6(1:1))で精製した. 収量25 rng.
9 (70 mg)を ピリジンに溶かし 別に1N水 酸化ナトリウム溶液 (1 ml)を メタノール (150 ml)に加えた 溶液 から1.5 rnlをとり,水素化ホウ素 ナトリ ウム(20 rng)に加えた. 両溶液を室温で混合し,1時間撹持したのち 2日間
放置した.反応液を 酸性にしたのち酢酸エチルで抽出した. 溶媒を留去して得 た残澄をシリ カゲルのカラム(C6H6-CHC13 混合溶媒のグラジエント)で精製
friedelin:無色針状晶(n-hexane),mp 254 -256 oC (l i t. ,7) 255 -260
、1jpu
。
本品のIRスペクトルは9 (friedelin)と一致した.
Oleanolic Acid (11)
した. 収量10 mg.
無色針状晶(EtOH),mp 291 -292 oC (l i t. . 10) 299 -302 OC).
Liebermann-Burchard反応(赤紫色). IRν皿ax (KBr) cm -1: 3400 (OH), 3500
無色針状品(C6H6),rnp 276-277 oC (lit., 7) 2740C). Lieberrnann-
-2500, 1690 (COOH), 1384, 1363, 1344, 1321. 1302, 1268. MS rn/z (出) : 456 (M+, 4), 441 (M+ーCH3,1), 438(M+-HzO, 2), 423(M+-HzO-Me, 1), 410 (2), 248(100), 207(19), 203(27).
11のアセチル化
無水酢酸希塩酸でアセチル化した.
epifriedelinol:無色針状晶(C6H6),rnp 275-277 oC (lit., 7) 2740C).
本品のIRスペクトルは10 (epifriedelinol)と一致した.
Epifriedelinol (10)
Burchard反応(赤紫色). IRνmax(KBr) crn-I: 3480(OH). MS m/z(出): 428 Of+, 14), 413(M+-CH3, 12), 410(M+-HzO, 2), 304(2), 275(13). lH-NMR (CDC13): 0.87(3H, s, CH3). 1. 01 (18H, s, CH3x6), 1. 19(3H, s, CH3),
oleano1ic acid acetate:無色針状品(EtOH),mp 263 -265 oC (li t. . 10) 261 OC). IRνm a x (KBr) cm -1: 3420 (OH), 3500 -2500, 1690 (COOH). 1730,
-94 にdn川υ
1240(OCOCH3). MS rn/z(出): 498(1r, 3), 483(M+-CH3, 1), 452(2), 438(M+
AcOII, 7), 423(3), 395(2), 300(4), 249(30), 248(100), 203(69), 190(32).
lH-NMR(CDC13): 0.76(3H, s, CH3), 0.86(9H, S, CH3 X 3), 0.97(9H, S, CH3 x 3), 1. 09(3H, s, CH3), 2.05(3H, s, OCOCH3), 4.53(1H, dd, J=6, 9 Hz,
H-3). 5. 25 (1H. rn, H-12).
Moreteno1 (12)
無色針状晶(n-hexane), rnp 228 -229 oc (l i t. , 1 5) 225 -226 OC).
Lieberrnann-Burchard 反応 (赤紫色). IR νmax(KBr) crn-1: 3370(OH), 3070,
1640. 890 (>C=CHz). MS rn/ z (施): 426(M+, 51), 411(M+-CH3. 21). 3930r- CH3-HzO. 6), 302(3), 218(6). 207(42), 203(14), 189(100). lH-NMR (CDC13): 0.70(3H, s, CH3), 0.78(3H. s, CH3), 0.84(3H, S, CH3), 0.96(3H,
s, C83), 1.00(6H, S, CH3x2), 1. 68(3H, s. ニC(CH3)-), 3.20(1H, rn,
>C80H). 4. 69 (2H, rn, )C=CH z).
12のアセチル化
無水 酢酸-ピリジンでアセチル化した .
moretenyl acetate:無色針状晶(n-hexane), rnp 269 - 270 oC (li t. , 15)
266 -268 OC). I R νm a x (KBr) crn -1: 3080, 1640, 890 (>C=CHz), 1725, 1250 (OCOCH3). MS rn/z(出): 468(M+, 30), 4350t+-CH3, 7), 408(M+-AcOH, 10),
249(6), 205(7), 203(13), 189(100). lH-NMR(CDC13): 0.71(3H, s, CH3),
0.88(9H, S, CH3 x 3), 0.97(38, s, CH3), 1. 00(3H, s, CH3), 1. 67(3H, s,
=C(CH3)-). 2.03(3H, s, OCOCH3), 4.05(1H, rn, >CHOH), 4.70(2H, rn,
>C=CH2) . 12の酸化 3)
12 (50 rng)を アセトン (15 ml) に溶 かし, これに8N Cr03-H2SO!J溶液
(0. 1 rnl)を加え室温で5分間撹梓したのち反応液を水で希釈し 酢酸エチル で抽出した . 抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥したのち, 溶媒を留去し, 残溢を
再結晶により精製した . 収量20 rng.
-96-
園田--・
皿oretenone:無色板状品(MezCO), mp 187-191 Oc (lit.. l!Jl 202-204
。C). IR νm a x (KBr) crn -1: 1 705 ( C二0), 3080, 1640, 890 (>C=CHz), 1445,
1390, 1375, 990. MS rn/z(児): 424(M+, 59), 409(M+-CH31 29), 368(9),
313(4), 256(6), 218(7), 205(36), 189(100). lH-NMR(CDC13): 0.70(3H, s,
CH3), 0.94(6H, s, CH3x2), 1.01(6H, s, CH3x2), 1.06(3H, s, CH3). 1.65 (3H. S. =C(CH3)-), 4.66(2H, rn, >C=CHz).
A1iphatic hydrocarbons
無色粉末. MS rn/z: 464. 436, 408, 380.
tritriacontane, hentriacontane, nonacosaneおよびheptacosaneの混合 物.
Aliphatic alcoho1s
無色粉末. MS rn/ z: 476, 448, 420, 392.
tetra triacontanol, laccerol, rnel issyl alcoholおよびoctacosanolの 混合物.
Fatty acids
無色粉末 MS rn/z(出): 508, 480, 452, 424, 396, 368.
gheddic acid, lacceric acid, melissic acid, rnontanic acid, cerotic acidおよびlignoceric acidの混合物.
3.ガジュマルの果実の抽出および分離(Chart 3-2)
1987年5月に沖縄県西原町で採集したガジュマルの新鮮果実 5.9 kgをエ タノール に1カ月間浸漬した . 抽出液を減圧下で濃縮したのち酢酸エチル と水
に分配し 酢酸エチル可溶部と水溶部に分画した . 酢酸エチル可溶部について シリカゲルカラムクロマトグラフィー(C6H6, CHC13, CHC13-EtOAc (7:3),
EtOAc, MeOH)を行い, 溶出順にC6H6溶出部から1 (25皿g)を, CHC13溶出
部からglycery1 tripalrni tate (5. 1 g), al ipha tic alcohols (90 rng), 2 (215 rng), 生(330 rn!i)およびII (55 mg)を, CHC13-EtOAc (7:3)溶出部か
-97-
�
ら fatty acids (190 mg), 1 (85 mg)および13 (25 mg)を得た.
Aliphatic alcohols
4. 果実の発芽抑制成分の分離 (Chart 3-3)
ガジュマルの果実 (4.0 kg)をメタノールで抽出した. メタノール抽出物は 1000 ppmで発芽抑制作用を示さなかった. メタノール 抽出物を酢酸エチルと
水に分配し 酢酸エチル可溶部と水溶部に分画した. 71<溶部は1000 pprnで発 芽抑制作用を示さなかったが, 酢酸エチル可溶部 は1000 pprnで弱い発芽抑制 作用を示した. 酢酸エチル可溶部をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CsHs. CHC13, CHC13-EtOAc(7:3). EtOAc. MeOH)で分離したところ CHC13-
EtOAc (7:3)溶出部 が500 ppmで 活性を示した. この溶出部を再度シリカゲ ルカラムクロマトグラフィー(CHC13-EtOAc)で分離したところ. CHC13 -EtOAc (85: 15)溶出部とCHC13-EtOAc (80:20)溶出部 が500 ppmで活性を示した.
CHC13-EtOAc (85:15)溶出部を濃縮して得た残溢をメタノールで洗浄して,
無色粉末とメタノール洗液に分けた.無色粉末はmaslinic acidと2α- hydroxyursolic acidの混合物であり, これは100 ppmで発芽抑制作用を 示 さなかった. しかし, メタノール洗液を濃縮して得た油状物 (28 mg)は500 pprnで強い活性(発芽率 o先)を示した.
CHC13-EtOAc (80:20) 溶出部も同様に処理すると, 100 ppmで発芽抑制作用 を示さないprotocatechuic acidと500 pprnで強い活性(発芽率: 0引を示 す油状物 (56 mg)を与えた.
2種の油状物はそれぞれ多種の化合物の混合物であり, これらをHPLC (ODS; MeO-HzO)で分離を試みたが活性成分を分離する ことはできなかった Mix. of Maslinic Acid and 2α-hydroxyursolic acid (7)
円ベυ円ベU1i nuu nku 寸』iqtu nuu 円ノμqtu n/U つLO八UAq ワLηJU 門isλ位ヲUJfJ m σ0 Mm
末粉色無
Protocatechuic Acid (13)
無色針状晶(sublirned at 182 OC). mp 195-196 oc (封管中). IR νmax (KBr) cm -1: 3200 (OH), 1670 (C=O), 1600. 1530. 1460, 1420, 1300. 1125,
1095, 935. 760. MS m/z(出): 154(M+, 100), 137(M+ーOH, 88). 109 (25), 81 (9). 63(13). IH-NMR (CD30D): 6.83(1H, d. J=8.5 Hz. H-5). 7.4-7. 6(2H.
m, H-2, 6).
Glyceryl tripalmitate
無色針状晶(n-hexane), mp 61-63 oC. IR ν田ax(KBr) cm-I: 1735(C=0),
1175(C-C(=0)-0). MS m/z: 551, 367. 313, 239.
Glyceryl tripalmitateの加水 分解1 s)
Glyceryl tripalmitate (50 rng), エタノール (20 ml)およびKOH (200 mg)
の混合物を湯浴上で 1.5時間加熱した. 減圧下で約2/3を留去して残分を 5 倍容量の 水で希釈し, 2.5 M硫酸で、 2H 4に調整した CsHsで抽出したのち
水で洗浄し, NaZS04 で乾燥した. CsHs 抽出液を漉過したのち濃縮して palrnitic acidを得た.
palmitic acid:無色粉末. IR νrn a x (KBr) cm - 1: 3500 -2500, 1700 (COOH).
MS rn/z: 256(M+).
無色粉末. MS rn/z: 448, 420, 392, 364. 336, 308.
laccerol, melissyl alcohol, octacosanol, ceryl alcohol, tetracosanol およびdocosanolの混合物.
Fatty acids
無色粉末. MS rn/ z: 284, 256, 228.
stearic acid, palmitic acidおよびrnyristic acidの混合物.
。八un川υ nud n同υ
- �
第4章 アワダンの抽出成分 文献
1) 吉川敏男, “沖縄大百科事典ゾ沖縄タイムス社, 1983, .p 92.
2) 多和田真淳, 大田文子, “沖縄の薬草百科〆新星図書出版, 1985, p 705.
3) 伊藤一男, 頼貞秀, 薬学雑誌, 98, 249 (1978).
第1節 はじめに
11) G. Snatzke, F. Lampert, R. Tschesche, Tetrahedron, 18, 1417
沖縄諸島の各地でよくみられるアゲハチョウ科のシロオビアゲ、ハ (Papilio 巴並tes 2olycles Fruhstorfer)はサルカケミカン (Toddalia asiatica LaIllk. ), ゲッキツ (Murraya paniculata J ack. ). ヒラミレモン (Citrus depressa Hayata)等のミカン科の植物に産卵し, 幼虫はそれらの植物の葉を
食草としている. 我が国に唯一自生するミカン科アワダン属のアワダン
(Melicope triphylla .Merr. )の葉をシロオビ アゲハの幼虫に与えると摂食誘 引はするが毒性を示すとの報告 がある 1) 本植物は先に述べたトキワギョリュ ウやガジュマルとは異なり, 沖縄諸島の山地に僅かながら自生している常緑の 小喬木であるが, 昆虫の食性を左右する物質がこの植物 より分離できれば, こ れらの成分の農薬等への利用も期待でき る.
台湾産のアワダンの葉については最近T. T. Jong ら がステロイド, セスキ テルペノイド, フラボノイド, フロキノリン型アルカロイドおよびクマリン誘
導体を報告している 2 - 4) ま た, これまでアワダン属の植物の抽出成分 とし 4) P. Sengupta, A. K. Cbakraborty, 1etrabedron, 24, 1205 (1068).
5) H. Budzikiewicz, J. M. Wilson, C. Djerassi, 1. Am. Cbem. Soc. , 85.
3688 (1963).
6) A. M. Ahad, Y. Goto, F. Kiuchi, Y. Tsuda, K. Kondo, T. Sato,
CheIll. Pharm. Bul1. , 39, 1043 (1991).
7) 野々村進, 薬学雑誌. 75. 80 (1955).
8) J. L. Courtney. R. M. Gascoigne, A. Z. Szumer, 1. Chem. Soc. . 1956, 2119.
9) 高橋幸太郎, 田辺良久, 細田宣代, 薬学雑誌. 85, 854 (1965).
10) 村上誠懇, 薬学雑誌. 77, 437 (1957).
(1962) .
12) 嶋野武, 水野瑞夫, 岡本浩子, 足立郁夫, 薬学雑誌, 76, 974 (1956). ては , M. melanopbloia White5) 等からクマリン誘導体が, .M. sarcococca
16) 日本化学会編, “新実験化学講座14. 有機化合物の合成と反応II,
p. 935.
Laut. .6,7) .M. mantellii Buch, 8) M. broadbentiana Bail, 9) M. ternata.
10) M. octandra Druce 1 1) 等からフラボノイドが, M. confusa Liu, 12, 13)
M. fareana MuellI 4) 等からフロキノリン型 アルカロイドが, M. leratii,lU M. leptococca 16) 等から アタリジン型アルカ口イドが報告されている.
著者は本植物の化学成分を利用するこ とを目的として , 本植物の葉の抽出成 分の単離・構造決定を行い, 単離した化合物について生 物活性試験を行った 13) M. N. Galbraith, C. J. Miller, J. W. L. Rawson, E. Ritchie,
J. S. Shannon, W. C. Tayloy, Aust. J. Chem. , 18, 226 (1965).
14) D. Lavie, M. K. Jain. Phytochemistry. 1, 657 (1968).
15) L. H. Santa-Cruz, c. E. Turner, J. E. Knapp, P. L. Schiff. Jr. ,
D. J. Slatkin, Phytochemistry. 14. 2532 (1975).
41'ムハ川U寸E'A
円HunHU --A
.固---
Piscicidal Activities of the Crude Extracts of Table 4-1.
予備的な生物活性試験 第2節
Melicope triphylla . 発芽抑制および抗菌試験を行つ
葉, 樹皮および木部について予備的な魚毒,
4-2 および4-3 に示す.
た結果をそれぞれTable 4-1.
では各部位のメタノール抽出物に強い活性(MLC:葉 メタノール抽出物を酢酸 魚毒試験(Table 4-1)
木部50ppm)が観察された.
樹皮20ppm,
60 ppm,
Minimm日Lethal Concentration (ppm) 各部位とも活性は酢酸エチル可溶部で観察され, し1
エチルと水に分配すると,
ずれの魚毒成分も脂溶性の物質であることを示している.
では各部位のメタノール抽出物はともに1000 発芽抑制試験(Table 4-2)
HzO layer EtOAc layer
MeOH extract メタノール抽出物を酢酸エチルと水に分
ppm で活性を示さなかった. しかし
葉の酢酸エチル可溶部に弱い活性(発芽率76児)が観察された.
配すると,
では各部位のメタノール抽出物はともに活性を示さ 抗菌試験(Table 4-3)
> 1000
> 1000
> 1000
20
50 60
20 50 Leaves
Bark Wood メタノール抽出物の酢酸エチル可溶部および:7.K溶部もともに
活性を示さなかった.
なかっfこ. また,
Fish: guppy (Poecilia (包註主主) reticulata Peters)
つυハHU414
η/nHV 寸?よ
.---
Table 4-2. Germination Inhibitory Activities of Table 4-3. Antifungal Activities of the Crude Extracts of
the Crude Extracts of Melicope triphylla. Melicope triphylla.
Activity (Gerrnination percentage)
Activity
MeOH extract EtOAc layer H20 layer MeOH extract EtOAc layer H20 layer
Leaves ( -) (92) ( +) (76) (一) (90) Leaves
Bark (一) (96) ( -) (96) ( -) (94) Bark 、、sノ
Wood ( -) (94) ( -) (96) ( -) (96) Wood (-)
Seed: lettuce (包旦盟主笠旦主主L., cv. Great Lakes 366) Fungus: Penicilliurn citrinurn
Concentration: 1000 pprn Concentration: 250μg/disc
A川守nHU -- Fhd ハHU--ム
...-
第3節 アワダンの成分の抽出および分離方法
アワダンの新鮮葉(7.3 kg)を温メタノール(60 oC )で抽出した. 抽出液 を減圧下で濃縮したのち, 酢酸エチルと水に分配し 酢酸エチル可溶部と水溶
部に分画した. 酢酸エチル可溶部は溶媒を留去したのち, シリカゲルカラムク ロマトグラフィーを行い, 化合物1- 25を分離した (Chart 4-1).
Leaves 7. 3 kg
extracted with MeOH (60 oC, 30 1) concentrated (MeOH ext. 277 g) shaken with EtOAc and H20
HzO layer EtOAc 1ayer
concentrated
176 g (2.4見)
Si02 column chromato.
e1uted with C6H6, CHC13,
CHC13-EtOAc(7:3), EtOAc and MeOH
26. 2 g
3 a1iphatic alcohols aliphatic hydrocarbons
一 nud一 L一ロ一 A斗ニ 同一
13-15 fatty acids
Chart 4-1. Extraction and Isolation of the Leaves of Me1icope triphylla.
pnu nHU 4li 円tinHU 寸11ム
2
...--
Yie1ds Yie1ds
R=H 2. 23 g CH30 R=OH 15 mg
R=glucosy1 4. 08 g E
R= OCH3 15 mg
2 RO 。
口 H r.一"""' CHl CH)
叩一」 l 一?件 斗イ下…
H 、こ=エノ H .H C討3
Rl 8 Rl =OCH3 Rz=OH 335 mg
470 rng
叩�、/0" n
Rz Rl =OCH3 Rz =OCH3 505 rng10 R 1, R 2 = -OCH 20- 400 mg
可/可f、OCH3 CH30
。OCI-l3
CH3O
J \/ \「「
。35 mg
4. 23 g
11 11 \_/ v
114 CH30' \乙/
、Nグ�o/
。CH30
。「hυ 175 mg
CH30
12 15 mg
OCH3
CH30
OCH3
。nxu nuu 吋ti ハ同υハHU4lム
Yields
Yields
日0
Rl
R2 13 Rl =OCH3 R2 =OCH3
20
mg CH3020 40
mg14
Rl' R2 = -OCH20- 15 mgCH30 0
OH 0Rl
R2=OH
220
mg〉へOýYO� ,OCH3
15 Rl =OCH3 CH30,
�
/0,,-メタ
、0-
R216
RlニOCH3 R2 =OCH3 15 mgγOH21 210
mg17
R 1, 1, R1\2 ? = -OCH20- 395 mg"
CH30
。CH30
。CH30
OCH3 0
18 65
mg22 20
mgCH30
OH
0
OH
0
ハU
(べv O
uu ハ〉
ハ〉
ptu
/ど\ 19 760
mg�ー nku
R2
幻一M一お
R1 =OCH3 R2 =OH
R I =OCH3 R2 =OCH3 R 1, R2 = -OCH20-
30
mg1. 24
g325 mg
CH30
。ハHU4li 41ム 噌li吋li 1i
...--
第4節 アワダンの成分の構造決定
アワダンの葉から得られた 化合物1-25 の構造 は以下に述べるように呈色 反応,スペクトルデータ(IR, UV, MS, H-1 , 13C-NMR)の解析, 化学変換等に より同定あるい は決定した.
叩 -h=!イーし一
ノ7ーで:\川=:1cH2一町一c=cf
l;- H 3 "CH3H '-=ニノ H H 、CH3
3
化合物1および2は それぞれβ-sitosterol(第2章第3節)およびß
si tosterol-ß -D-glucoside (第3章第3節)と同定した.
singletは3個のSp2炭素上のメチル基に, 2.10 ppmを中心に した 4Hに 相当する multipletは Sp2炭素に隣接した 4個のメチレンプロトンに,
4. 56 ppmの2Hに相当する doublet(J = 6. 5 Hz)はエーテル酸素に隣接した 2個のメチレンプロトンに, 5.09 ppmの1Hに相当する multipletと5.48
ppmの1Hに相当する triplet(J = 6. 5 Hz)はいずれも1個のオレフィンプ ロトンに帰属される. これらはgeranyl基の存在を示唆する 9 ) 以上の結果
化合物生, 樫色板状品, m p 176 -177 oC, C , � H , 3 0 � N, のMSスペクトルは m/z 259 に分子イオンピークを示し 窒素原子を奇数個含むことを示す 'H
NMRスペクトルは3.39, 4. 10および4.31 ppmに3個のメトキシル基によ る singletを示す. また 6.93 と7.51 ppmに 2個の芳香族プロトンによる 1組のABquartet (J 3. 0 Hz)を示し, 7. 15 と7.91= ppmに 2個の芳香族
プロトンによる別のl組のABquartet (J = 9. 0 Hz)を示す. IRスペクトル は3125 cm-1 に νC-11による吸収を示し, 立が芳香族化合物であることを支 持する. また, 水酸基とカルボニル基による吸収が観察されないことは残りの
1個の酸素原子がエーテル酸素として存在することを示唆し, νN -11 .が観察さ れないことは窒素原子が第三級アミンとして存在することを示唆する. 以上の 結果から生 をskimmianineと推定し, 'H-NMRスペクトルを文献値1 2) と比 較した結果一致した.
化合物3, 無色針状晶, m p 64 oC, C 2 H 0 2 603 , の IRスペクトルは 1720 と 1170 cm-1 にエステルの特性吸収を示す• 1 H-NMRスペクトルは3.79 ppmに
methoxycarbonyl基による singletを示す. 6.29および7.68 ppmの2つ
のdoublet(J = 16. 0 Hz)はベンゼン環に隣接した 2個のオレフィンプロト ンに帰属され, その大きな 結合定数 から立盟主型と推定される. 6.80-7.55
ppmの4本のシグナルは 4個の芳香族プロトンに帰属され, 6.29 ppmを照 射する とA2' B2' 型のquartetになることからベンゼン環の 置換様式は2.-置 換と推定される. 1. 62, 1. 70および1.75 ppmのそれぞれ3Hに相当する
\)CH3
CH30 から2をmethyl2.-geranyloxy-立主堅一cinnamateと推定し, H-NMRスペクI
OCH3 トルを文献値17) と比較した 結果一致した.
4
円ノL4,tム4,,ょ 円ベU1ょ
-
�
化合物5, 淡黄色針状晶, mp 169-170 oC, のIRおよびMSスペクトルは skimmianine (4)とよく似ている. 1 R-NMRスペクトルは3.97, 4.01および
4. 30 ppm に 3個のメトキシル基 によるsing1etを示す. また, 6.89と 7.45 ppm に 2個の芳香族プロトンによるABqu artet (J = 2. 5 Hz) を示し
7.25と 7.31 pprnに 2個の孤立した芳香族プロトンによるsing1etを示す.
以上の結果から 5 をkokusaginineと推定し, 1 H-NMRスペクトルを文献値 と比較した結果一致した 12)
置換様式はuvスペクトルにおいてシフト試薬(N aOMe)添加時,band 1 に 4' 位の水酸基による深色移動(6À m a x = 55 nm)が認められることから 4' -
hydroxy-3/-methoxyと判明した 18) これは更に 6' 位のプロトンの化学シ フトが2' 位のプロトンよりわずかに高磁場側に観察されることからも支持さ れる 18) 以上の結果から5を文献記載の 4' ,5-di hydroxy-3, 3' ,7-tri-
methoxyf1avone19) と同定した.
9CH3
+0三c
d
OHCH30 CH30
m/z 151 OH
CH30
OH 。
。
5 6
化合物6, 黄色針状晶, rn p 179 - 180 oC, はMg-HCl反応陽性で, IRスペ クトルは共役カルボニル基 による吸収を示す. 1 H-NMRスペクトルは,3.86 ppm (6R, s)および3.96 pprn (3H, s)に 3個のメトキシル基, 6.28 ppm
(1H, d, J = 2. 0 Hz)および6.37 pprn (1H, d, J = 2. 0 Hz) に 6および8位 にそれぞれ帰属される 2個のA環プロトン, 7.01 pprn (1H, d, J=9.0 Hz),
7.61 pprn (1H, d, J = 2.0, 9.0 Hz)および7.69 pprn (1H, d, J = 2. 0 IIz)に 5', 6'および2'位にそれぞれ帰属される3個のB環プロトン, 12. 58 ppm (1H, s) に 5位の水酸基によるシ グナルを示す. 5位の水酸基の存在は, uv スペクトルにおいて シフト試薬(^1 C 1:1 + H C 1 )添加H寺band1 に深色移動((j
À = 61 nm)が認められることからも支持される I R) MSスペクトルは rn/z 1
51 に B環に由来するフラグメント((OH)(OCH3)C6H3-C三0つ を示す. B環の
化合物7, 淡黄色針状晶, 皿p 161 - 162 oC, はMg-HCl反応陽性で, IRス ペクトルは共役カルボ、ニル基による吸収を示す. 1 H-NMRスペクトルは,3.85 ppm (6H, s)および3. 95 ppm (6H, s)に 4個のメトキシル基, 6.30 ppm (1H, d, J = 2. 0 Hz)および6.39 pprn (1H, d, J = 2. 0 Rz)に 6および8位 にそれぞれ帰属される 2個のA環プロトン, 6.97 pprn (1H, d, J=9.0 Hz),
7.61 pprn (1H, d, J=2.0 Hz)および7.69 pprn (1H, dd, J = 2. 0, 9. 0 Hz) に5', 2'および町位にそれぞれ帰属される3個のB環プロトン, 12.61
pprn (1H, s)に5位の水酸基によるシグナルを示す.uvスペクトルではシフ ト試薬(AIC13+ HCl)添加時band1 に5位の水酸基による深色移動((jÀニ 50 nm)が認められる 18) MSスペクトルは rn/z 165にB環に由来するフラ
グメント((OCH3)2C6H3-C=Oつが認められ,B環の置換様式は3',4'一di一
A4A 1,ょ1i 「「υ4lA 1i
...
..
methoxyと判明した. 以上の結果から1を文献記載の5-bydroxy-3, 3' , 4' , 7- tetrametboxyflavone 19, Z 0) と同定した.
CH30
RH nu
CH30 O CH3 +o=c
-O二
CH3 ru nn つd ハU 。nU Hn nu
8 m/z 165
化合物�, 淡黄色板状晶, mp 15 0 -151 oC, はMg-IICl反応陽性で, IRス ペクトルは共役カルポニル基による吸収を示す_ 'II-NMRスペクトルは, 1 R7 ppm (6H, s)および3. 93 ppm (9H, s)に5個のメトキシル基 , 6.17 ppm (1H, d, J = 2. 0 Hz)および6.35 ppm (1H, d, J = 2. 0 Hz)に6および8位 にそれぞれ帰属される2個のA環プロトン , 6. 85 ppm (1H, d, J = 9. 0 Hz) に5'位 , 7.5-7.8 ppm (2H, 皿)に7 および6'位のB環プロトンによる
シグナルを示す. M.Sスペクトルは m/z 353に or-OH3)によるピークを示 し, 3,5-dimethoxy置換であることを示しているZ , ) また m/z 165にB環 に由来するフラグメン卜((OCH3)zC6H3-C=Oつが認められ, B環の置換様式は
3',4'-dimethoxyと判明した. 以上の結果から9を文献記載の3,3' , 4' , 5, 7- 化合物8, 無色針状晶, mp 201- 202 oC, はMg-HCl反応陽性で, IRスペ
クトルは水酸基および共役カルポニル基による吸収を示す. 1 H-NMRスペクト ルは3. 84 ppm (3R. s). 3. 88 ppm (3H, s)および3. 94 ppm C6H, s)に4 個のメトキシル基 , 6. 32 ppm (1H. d, J = 2. 5 Hz)および6. 48 ppm (1H, d,
J = 2. 5Hz)に6および8位にそれぞれ帰属される2個のA環プロトン , 7.02 ppm (1H, d, J=9.0 Rz), 7.59 ppm (1H, dd, J=2.0, 9.0 Hz)および 7.67 ppm (1H, d, J
=
2.0 Hz)に5', 6'および2'位にそれぞれ帰属される 3個のB環プロトンによるシグナルを示す. MSスペクトルではm/z 339に (M+ - OH3)によるピークが認められ, 3, 5-dimethoxy置換であることを示している 21 ) また m/z 151にB環に由来するフラグメント ((OCH3)(OH)C6H3-
C功。)が認められる ß F�の置険機式は, uvスペクトルにおいてNaOMc 添JJII 時, band 1 に4' 位の水酸基による深色移動(6 À m a x = 56 nm)が認められる
ことから4'-hydroxy-3'-methoxyと判明した 18) こ れは更に6'位のプロ トンの化学シ フトが2'位のプロトン よりわずかに高磁場側に観察されること からも支持される 18) 以上の結果から2を文献記載の4'-hydroxy-
3, 3' , 5, 7-tetramethoxyflavoneと同定した 22, 23)
pentamethoxyflavone21\, 25) と同定した.
CH30
OCH3 CH30 。
円hU寸1よ4iよ 勺11i 41ム
...-
化合物10. 無色針状品, mp 192 -194 oC, はMg-HCl反応陽性で, IRスペ クト ルは共役カルボニル基による吸収を示す. 1 H-NMRスペクト ルは. 3.85 ppm (6H, s)および3.94 pprn (3H, s) に3個のメト キシル
基 .
6.01 ppm(2H, s) に1個のメチレ ンジオキシ基, 6. 29 ppm (1H, d, J = 2. 5 Hz) およ び6. 45 ppm (1H, d, J = 2. 5 Hz) に6 および8位にそれぞれ帰属される2 個のA環プロトン . 6.90 pprn (1H, d, J= 9.0 Hz), 7. 58 ppm (1H. d, Jニ
2. 0 Hz) および7. 66 ppm (1H. dd, J = 2. 0, 9. 0 Hz)に5' , 2' および6' 位にそれぞれ帰属される3個のB環プロトンによるシグナルを示す.MSス
ペクト ルで は rn/z 337 に(M+-mI:,)による ピークが認められ. 3, 5-dimeth
oxy 置換であることを示している 21 ) また rn/z 149 にB環 に由来するフラ グメ ント ((OCHZO)C6H3-C三0つが認められる. 以上の結果から 日を文献記載 の3.5. 7-trirnethoxy-3' , 4' -methylenedioxyflavone (i sokanugin)と同定し
れ帰属される 3個のB環プロトンによるシグナルを示す. MSスペクトルで
はm/z 351 に(M+ - OH3) によるピークが認められ, 3. 5-dirnethoxy置換であ ることを示している 21 ) またm/z 14 9 に B 環に由来 するフラ グ メ ント
((OCH20)C6H3-C=Oつが認められるこ とから . 2個のメチレ ン ジオキシ基のう ち1個は B環の3' , 4' 位に結合し, 他の1個はA環の6. 7位あるいは 7,8位に結合していると考えられる. 孤立したA環プロトン は その化学シフ トが比較的低磁場側であるこ とから 8位と推定される 18) また 5位のメト
キシル基の化学シ フトは, ベン ゼン 中では重クロロホルム中よりも低磁場側に シ フトし (-0.28豆δC l) C 1 :�一δC6 1I 6豆- 0.03). 6位に0- 置換基が存在する ことを示している 27) こ れらのことはA環の置換様式が5-methoxy-6. 7- rnethylenedioxy であることを示している. 以上の結果から11 を文献記載の 3, 5-dimethoxy-3' . 4' :6, 7-bismethylenedioxyflavone (rneliternatin)と同定 fこ Z 3, 2 6)
した 9
.
23.
28)CH30'yグ",-,0,-
17一、 n|
+0三c
o 'J
CH30 。 CH30 。
m/z 149
11 10
化合物11. 無色針状品. m p 195 - 196 oC, はMg-HCl反応陽性で. IRスペ クト ルは共役カjレボニル基による吸収を示す. 1 H-NMRスペクト ルは, 3.84 ppm (3H. s) および4.09 ppm (3H. s)に2個のメト キシル基. 6. 02 pprn (4H. s) に2個のメチレ ンジオキ シ基 . 6. 59 ppm (11I, s) に孤立した A環
プロトン . 6. 88 ppm (1H. d. J = 9. 0 Hz), 7. 50 ppm (1H. d, J = 2. 0 Hz)お よび7.58 ppm (1H. dd, J=2. O. 9.0 Hz)に5' . 2' および町位にそれぞ
化合物12. 黄色針状晶. mp 211 - 213 oC. はMg-HCl反応陽性で. IRスペ クトルは共役カルポニル基による吸収を示す. 1 H-NMRスペクトルは 3. 86 ppm (3H. s). 3. 89 ppm (3H, s)および3. 92 ppm (3H. s)に3個のメトキシル 基, 6. 01 pprn (2H, s) にl個のメチレ ンジオキシ基, 6. 36 ppm (1H, s)に 孤立したA環プロトン . 6.93 ppm (1H. d, J = 9.0 Hz), 7.64 ppm (1H, d.
J = 2.0 Hz)および7.75 pp皿(1H, dd, J = 2. O. 9. 0 Hz)に5', 2' お よび
nHU 41i 4Bよ ハud1i 1i
ÞZ ..
6'位にそれぞれ帰属される3個のB環プロトン, 12.46 pprnに5位の水酸 基によるシグナルを示す. uvスペクトルではシフト試薬(AIC13+ RCl)添加 時band 1 に5位の水酸基による傑色移動(6À = 61 nrn)
が
認められ, その大きなシフト値は 6位に 0-置換基が存在しないことを示している Z9) この ことは孤立した A環プロトンが比較的高磁場側で観測されることから6位 と 推定されることとも一致する 18) MSスペクトルではm/z 149にB環に由 来するフラグメント((OCRZO)C6R3-C三0つが認められ, B環の置換様式は 3',4'-methylenedioxyと判明した. 以上の結果から, 12を文献記載の 5-hydroxy-3, 7. 8-trimethoxy-3' ,4' -methylenedioxyflavone30) と同定した.
2 1 ) また m/z 165にB環に由来するフラグメント((OCH3)2C6H3-C三0つ が
認められ, B環の置換様式は3',4'-dimethoxyと判明した. 孤立したA環プ ロトンはその化学シフトが比較的高磁場側であることから6位と推定される.
18) 以上の結果から13を文献記載の7-hydroxy-3,3' ,4' ,5, 8-pentameth- oxyflavone3 1, 32) と同定した.
ndd nn n'しハU
ハUn口
OCH3
CH30 0
OCH3 ,0,
I
13CH 30
12
化合物14. 淡黄色針状品, 皿p266 oC, はMg-HCl反応陽性で, IRスペク
トルは水酸基および共役カルボニル基による吸収を示す. 1 H-NMRスペクトル (DMSO-d6) は3.73 ppm (3H, s), 3. 78 ppm (3Il, s)及び3.80 pprn (3Il, s) に3個のメトキシル基 , 6. 12 pprn (2H, s)にl個のメチレンジオキシ基 ,
6. 44 ppm ( 1 H, S)に孤立した6位のA環プロトン, 7.14 ppm (13, d, J=
9.0 3z), 7.55 pprn (1H, d, J = 2.0 Hz)および7. 68 pprn (1H, dd, J = 2. 0,
9. 0 3z)に5', 2'および町位にそれぞれ帰属される3個のB環プロトン によるシグナルを示す. uvスペクトルではシフト試薬(NaOAc)添加時, band
E に7位の水酸基による深色移動(6えma x = 26 nrn)が認められる 18) MS スペクトルは皿/z 353に(M+-OH3)によるピークを示し, 3, 5-dimethoxy置
換であるこ とを示している 21) また m/z 149にB環に由来するフラグメン
ト((OCII20) C6 H:�-C三0つが認められ, B環の置換様式は3',4'-rnethylenedi
oxyと判明した. 孤立したA環プロトンはその化学シフトが比較的高磁場側 であることから6位と推定される 18) 以上の結果から 14を文献記載の
nu
Hn nU
化合物13, 淡黄色板状晶, rn p 256 -258 oC, はMg-I-ICl反応陽性で, IRス ペクトルは水酸基および共役カルポニル基による吸収を示す. 1 H-NMRスペク トルは3.95 pprn (3H, s), 3. 97 ppm (3H, s), 4. 00 ppm ( 63, s)および 4. 06 ppm (3R, S)に5個のメトキシル基 , 6. 49 ppm (1H, s)に孤立した 6 位のA環プロトン, 7.00 ppm (1H, d, ]=9.0 Rz), 7.70 ppm (1H, d, ]=
2. 0 Hz)および7.80 ppm (1H, dd, ] = 2.0, 9.0 Hz)に5', 2'および 6〆 位にそれぞれ帰属される3個のB環プロトンによるシグナルを示す. uvス
ペクトルではシフト試薬(NaOAc)添加時, band II に7位の水酸基による深 色移動(6À max=28 nm)が認められる 18) MSスペクトルは m/z 369に (M+-OIls)によるピークを示し, 3, 5-dirnethoxy置換であることを示している.
ハHuqノU4li 41よ円ノlM1i