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クロハナムグリの生活史および訪花植物

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クロハナムグリの生活史および訪花植物

飯嶋一浩*

ῌ竹内将俊*

῏平成 +2 年 +, 月 + 日受付ῌ平成 +3 年 + 月 +2 日受理ῐ 要約 : クロハナムグリの生活史を屋外飼育実験により推定したῌ その結果῍ 本種は年 + 化性であり῍ 成虫の 活動期間は . 月下旬から 2 月下旬であったῌ 幼虫は - 齢が終齢であったῌ 産卵は初夏に行われ῍ 2 月中旬には 新成虫となり地上に出現したῌ しかしながら῍ 野外において晩夏から秋季にかけて成虫を発見できないこと から῍ 自然状態では新成虫は羽化後も朽木内に留まり῍ そのまま越冬すると考えられるῌ 初年度の越冬態は 成虫であり῍ 翌春に休眠から覚めた成虫は地上に出現し῍ 摂食活動と生殖活動を行ったῌ なお῍ 成虫の一部 は , 年間生存し῍ , 回の繁殖期があったῌ 野外においても体表が磨耗し , 年間生存していると推測される個 体が時折確認されることから῍ 一部の個体は自然条件下においても多回繁殖を行っていると考えられるῌ 成 虫の寿命は + 年から , 年であったῌ これらの結果から本種の生活史型は῍ 年 + 化ῌ成虫越冬ῌ多回繁殖型と 言えるῌ このように῍ クロハナムグリは一部の成虫による多回繁殖という戦略を持つことによって῍ 朽木と いう数少ない餌資源を長期に探索し῍ 次世代を残すことが可能な能力を備えていたῌ なお῍ 成虫の訪花植物 について調査した結果῍ + 綱 1 目 2 科 ,- 種が確認されたῌ キ῍ワ῍ド : ハナムグリ亜科῍ 生活史῍ 生活史型῍ 訪花植物῍ ポリネ῎タ῎ ῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍

クロハナムグリ Glycyphana fulvistemma Motschulsky はコウチュウ目 Coleoptera コガネムシ科 Scarabaeidae ハナムグリ亜科 Cetoniinae に属し῍ 国内では῍ 北海道῍ 本 州῍ 佐渡島῍ 隠岐諸島῍ 四国῍ 九州῍ 五島列島῍ 対馬῍ 屋 久島῍ 石垣島῍ 西表島῍ 国外では台湾῍ 蘭嶼島῍ 朝鮮半島῍ 中国῍ インドシナ ῏北部ῐ῍ モンゴル῍ シベリアに分布す +ῐ ῌ 体長 ++ῌ+. mm の成虫は . 月から 2 月に見られ,ῐ ῍ 各 種の花の花粉や花蜜を摂食するῌ 本種は農業上῍ カンキツ 類 Citrus L. やバラ類 Rosa L. の害虫とされる-ῐ ῌ すなわ ち῍ これらの作物に訪花し῍ 摂食に伴う行動が問題となるῌ カンキツ類においては῍ 将来果実になる子房の表面に頭楯 や脛節棘῍ 爪で傷を付け῍ 商品価値を低下させることῌ バ ラ類においても花弁に傷をつけ῍ 商品価値を著しく低下さ せることが害虫とされる理由であるῌ 同亜科でカンキツ類 や バ ラ 類 の 害 虫 と さ れ る コ ア オ ハ ナ ム グ リ Gametis jucunda ῏Faldermannῐ-ῐ に比べ῍ 圃場で発見される個体 数が少ないことから῍ 生態に関する知見の集積が積極的に は行われていないのが現状であるῌ しかしながら῍ 害虫と されるクロハナムグリの生態的知見は解明しておく必要が あるそこで今回は῍ 屋外飼育によってクロハナムグリの生活 史を推定することを試みたῌ また῍ 成虫の餌資源となって いる訪花植物について野外観察や文献記録から目録を作成 し῍ 本種の生態的知見の充実を図ったῌ

材料および方法

+ῌ 生活史 供試したクロハナムグリの成虫は῍ 東京都町田市能ヶ谷 町 に お い て῍ +33- 年 / 月 ,- 日 に ハ ル ジ オ ン Erigeron philadelphicus L. を訪花していた 0 頭 ῏雌雄混在ῐ と῍ 同

年 0 月 +* 日にクリ Castanea crenata Sieb. et Zucc. を訪花 していた 1 頭 ῏雌雄混在ῐῌ さらに同地にて῍ +331 年 / 月

+2日にハナウド Heracleum nipponicum Kitag. を訪花し

ていた +/ 頭を採集し῍ 用いたῌ これらの個体は腐葉土を約 0*mmの厚さに敷いたプラスチック容器 ῏+,*ΐ+3/ΐ+-* mmῐ に入れ῍ 屋外飼育を行ったῌ なお῍ 容器内の腐葉土は 成虫の休息の場や産卵床であるとともに῍ 幼虫の餌にもな るῌ 腐葉土を幼虫の餌とした理由は῍ 林.ῐ のῑ幼虫はもろく なった朽木や腐葉土中で῍ それらの腐植物を食べて育つῒ という一文によるῌ 成虫にはハルジオンやクリなど῍ なる べく季節の訪花植物を与えたが῍ 訪花植物が不足する時期 などには糖蜜 ῏黒糖の水溶液ῐ やバナナ Musa sapientum L.の果実を餌として与えたῌ 飼育容器内の腐葉土は霧吹き などで῍ 適度な湿り気を保ったῌ 飼育場所は神奈川県横浜 市青葉区῏標高 0- mῐ とし῍ 飼育容器は直射日光と雨が当 たらない屋外に置いたῌ このようにして屋外飼育を続け῍ 毎月 / 日῍ +/ 日῍ ,/ 日に容器内に存在する発育ステ῎ジを 記録したῌ なお῍ 飼育中に新たな世代が生じた場合は῍ 各 世代を同型の別の容器に移して同様に飼育を行ったῌ 飼育 は +332 年まで継続したῌ *東京農業大学短期大学部環境緑地学科 東京農大農学集報῍ /, ῏+ῐ῍ +0ῌ,, ῏,**1ῐ

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,ῌ 訪花植物 野外観察記録と文献記録より῍ クロハナムグリの訪花植 物目録を作成したῌ 野外観察記録は +33/ 年から ,**0 年の 間に筆者らが各地で確認した記録を採用したῌ なお観察記 録については῍ 同一植物の訪花記録が複数ある場合には最 新の記録を採用し῍ その記録を明記したῌ 文献記録に関し ては論文のみならず῍ 図鑑類からも訪花植物を同定し῍ 記 録として採用したῌ なお῍ 確認された訪花植物各種の花色 と開花期を明記するために῍ 次の文献類を参照したῌ 花色 に関しては῍ 牧野/ῑ を主としたが῍ 林0, 1ῑ も併用したῌ 開花 期に関しては῍ 佐竹ら2, 3ῑ と佐竹ら+*, ++ῑ を主とし他の文 0, 1, +,, +-ῑ も併用した

結果および考察

+ῌ 生活史 実験結果より得られたクロハナムグリの生活史を図 + に 示したῌ なお῍ 飼育期間中の各月平均気温を῍ 実験地に近 い横浜地方気象台ῐ標高 -3 mῑ の +33- 年から +332 年の記 +.ῑ より算出し῍ これも図 + に示したῌ 図 + に示すとお り῍ クロハナムグリは年 + 化性であったῌ 産卵時期は / 月 下旬から 1 月上旬までの + カ月半ほどであったῌ 幼虫の存 在する時期は 0 月上旬から 3 月上旬までで῍ - 齢が終齢で あったῌ 各齢期の幼虫が見られる時期は῍ + 齢幼虫が 0 月 上旬から下旬῍ , 齢幼虫が 0 月中旬から 2 月中旬῍ - 齢幼虫 が 1 月中旬から 3 月上旬であったῌ - 齢幼虫は発育が進み 成熟すると体色が黄白色を呈したῌ この頃になると - 齢幼 虫は῍ 地中にて自らの周囲に間隙を設けるとともに῍ 周囲 の土壌を自らの糞で固めて楕円形の蛹室を形成したῌ 蛹室 の内部は確認できないため蛹の期間は不明であるが῍ 蛹室 の存在する時期は 1 月下旬から +* 月中旬までであったῌ + 個体が蛹室を形成し῍ 成虫となって羽化脱出してくるまで の期間は + カ月程度であったῌ 羽化した成虫は῍ 3 月中旬 頃から地上に出て摂食活動を開始したῌ しかしながら生殖 活動はせず῍ 遅くとも ++ 月下旬には地中に潜り越冬したῌ ところで既存の知見によれば῍ 成虫の活動時期は . 月から 2月とされ,ῑ ῍ 筆者らも秋季の野外において本種の活動は 未だ確認していないῌ 従って῍ 親世代῍ 子世代ともに῍ ++ 月中旬まで活動している状態は῍ 飼育下においてのみ見ら れる現象と解釈したῌ 自然個体群において秋季に成虫が見 られない理由としては῍ 夏季に餌資源である花の開花量の 不足に伴い越冬成虫 ῐ越冬を経験している成虫ῑ が死亡す ると考えられることが一点ῌ さらに῍ 楠井+/ῑ は雌成虫 , 頭 をアベマキ Quercus variabilis Blume の朽木内から発見

していることから῍ 本種の本来の発生場所は朽木であり῍ 新成虫は羽化後も朽木内に留まったまま越冬すると推測さ れ῍ これら二点のことから自然個体群においては秋季に成 虫の活動が見られないものと思われる越冬した成虫は翌年の . 月下旬から再び摂食活動を開始 し῍ 今度は生殖活動も行ったῌ なお῍ +33- 年に野外から採 集し῍ 実験に供試した +- 頭の成虫は῍ 当年に生殖活動を 行った後῍ 地中に潜り越冬したῌ そして῍ 翌年の初夏に , 度目の生殖活動を行ったῌ これらの個体はその年の 2 月上 旬までにほとんどの個体が死亡したῌ 最初の供試虫であ る῍ これら +- 頭は採集した時点で体表面に磨耗はなく῍ 脚 の欠損もない新鮮な個体であったことから῍ いずれも +33, 年の秋季に羽化した個体であると考えられるῌ すなわち῍ これらの成虫は羽化後 , 年ほど生存し῍ 生殖活動を , 回 行ったわけであるῌ なお῍ 今回の飼育実験中に生まれたす 図 + クロハナムグリの生活史 E :卵῍ L : 幼虫῍ P : 蛹῍ A : 成虫῎ 各ステ῏ジの存在期間 成虫の非活動期間 成虫寿命の長い個体

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べての個体は繁殖せずに῍ + 年ほどで死亡したが῍ 原因は 不明であったῌ ところで῍ 最初の供試虫が長生きした原因 として῍ 飼育下における餌の豊富さが影響したことが考え られ῍ 自然条件下ではこのような成虫期の長い個体は出現 しないという見方も可能であるῌ しかしながら筆者らは῍ 野外において , 年間生存していると思われる個体を確認し ているῌ すなわち῍ 成虫期の長い個体は度重なる野外活動 の結果῍ 体表面が磨耗し光沢が生じる他῍ 脚部に欠損が生 じることも多いと考えられるが῍ 実際にそのような個体を 度῎確認しているῌ その + 例を示せば次のとおりであるῌ 筆者のひとり飯嶋は῍ ,**- 年 / 月 ,+ 日に神奈川県川崎市 麻生区早野にて῍ +- 時 ,* 分に路上を飛翔中の + 個体を採 集したが῍ この個体は上翅表面が著しく磨耗して光沢を生 じており῍ 成虫期の長い個体であるとみなされたῌ しかし ながら῍ このような成虫期の長い個体は῍ 同時期に発生し ているクロハナムグリ個体群の中では少数であるため῍ す べての個体が成虫で , 回越冬することはないと思われるすなわち῍ 野外において花の減少する盛夏期に῍ 餌不足に よって多くの個体が死亡するものと考えられる筆者のひとり飯嶋は῍ ハナムグリ類の生活史をまとめる にあたり῍ 化性ῌ初年度の越冬態ῌ繁殖回数を列記したも のを生活史型と呼ぶことを提唱しているが+0ῐ ῍ これに従え ばクロハナムグリは῍ 年 + 化ῌ成虫越冬ῌ多回繁殖型とな るῌ ちなみに῍ 飯嶋+0ῐ では本種の生活史型を῍ 年 + 化ῌ成 虫越冬ῌ+ 回繁殖型としたが῍ これは発表当時に成虫期が 長いと考えられる個体が῍ 野外において未確認であったた めである本種の生活史型の特徴を῍ 同じハナムグリ亜科に属し῍ 国内では北海道から屋久島まで同所的に見られ+ῐ ῍ 体長も 同様のコアオハナムグリと比較してみるῌ コアオハナムグ リの生活史型を῍ 飯嶋ῌ田村+1ῐ より導き出せば῍ 年 + 化ῌ 成虫越冬ῌ+ 回繁殖型となるῌ クロハナムグリはコアオハ ナムグリと比べて῍ 成虫の寿命が長く῍ 一部の個体が多回 繁殖をする点が異なるῌ これはコアオハナムグリの幼虫が 地中の有機物+2ῐ ῍ すなわち腐葉土という豊富な餌資源に依 存するのに対し῍ 屋外飼育実験の結果と楠井+/ῐ を考慮すれ ば῍ クロハナムグリの幼虫は朽木食であり῍ 朽木という限 られた餌資源に依存しているためと考えられる ῏ひとくち に朽木と言っても῍ 腐朽菌の種類によって腐朽状態に差異 があり+3ῐ ῍ 例えばクワガタムシ科 Lucanidae では腐朽状 態の違いにより生息種が異なることが知られる,*ῐ ῐῌ すな わち῍ 成虫期の長期化と多回繁殖という生存戦略が῍ 少な い餌資源を利用するために必要であったものと推測され るῌ また῍ 利用する餌資源の違いが῍ 野外においてクロハ ナムグリの個体数が少なく῍ コアオハナムグリの個体数が 多い,+ῐ ことの一因となっている可能性もある今回は林.ῐ に従い῍ 幼虫の餌資源として腐葉土を与えたῌ しかしながら῍ 飼育実験より得られた生活史の結果は野外 の発生状況と若干異なる部分が見られ῍ 一部に修正を余儀 なくされたῌ 本研究の結果や楠井+/ῐ の報告から῍ クロハナ ムグリの本来の発生場所は朽木と推察されるῌ なお῍ 本研 究後の ,**, 年から ,**- 年にかけて῍ 市販のクヌギマット

῏クヌギ Quercus acutissima Carruthers の朽木を粉砕し

たものῐ を幼虫の餌として飼育実験を行ったが῍ 結果は同 様であった῏未発表ῐῌ 野外での生活史を正確に再現するた めには῍ 幼虫の餌資源として朽木を原形のまま使用する必 要があると思われるῌ ,ῌ 訪花植物 はじめに῍ クロハナムグリの成虫の口器に関して説明を 加えておくῌ クロハナムグリが属するハナムグリ亜科では῍ 古くは KUGLER,,ῐが Cetonia 属の一種の口器を図示してお り῍ 近年では BARTH,-ῐ の中にキンイロハナムグリ Cetonia aurata῏Linnaeusῐ の小腮の図が見られるῌ 国内の種に関 しては῍ 田中,.ῐ がコアオハナムグリの口器の簡略な図を示 すとともに解説を加え῍ その後῍ 飯嶋ῌ田村+1ῐ によって同 種の詳細な口器分解図とともに解説がなさているῌ これら の報告を見ると῍ ハナムグリ亜科各種の口器のおおまかな 特徴は共通しているῌ すなわち῍ 成虫の口器῍ とくに小腮 には長毛が密生するが῍ これは花粉や花蜜῍ あるいは樹液 を摂食することに適応しており῍ 口器の外まで伸びる長毛 はブラシあるいはモップの役目を果たし῍ 花粉採取や῍ 樹 液吸汁に適した形態をしているῌ そしてこの短い小腮のみ が῍ 採餌のために体内から外部に露出させることができる 唯一の器官となっているῌ ちなみに῍ 大腮は花粉を磨り潰 すために臼歯部が発達するが῍ 切歯部は剣状に縮小化す るῌ そしてこの大腮の姿を外部から確認することはできな いῌ つまり῍ 食葉性のコフキコガネ亜科 Melolonthinae や スジコガネ亜科 Rutelinae のように῍ 大腮で植物体を齧っ て傷つけることは物理的に不可能であるῌ これらの特徴は ハナムグリ亜科の多くに共通の形態であり῍ クロハナムグ リの口器も同様であるクロハナムグリの訪花植物を表 + に示したῌ 観察記録お よび文献記録より確認された訪花植物は + 綱 1 目 2 科 ,-種であったῌ このうち῍ 草本が -/῍῍ 木本が 0/῍ で῍ 0 割 以上を木本が占めていたῌ また訪花植物のうち野生種は /1῍῍ 栽培種は -*῍῍ 帰化種は +-῍ であり῍ 野生種のみな らず῍ 栽培種や帰化種も積極的に利用していることがわ かったῌ ちなみに῍ 日本産ハナムグリ亜科のなかで訪花植 物目録がまとまっている唯一の種としてコアオハナムグリ が知られるが-0ῐ ῍ 報告されている , 綱 ,. 目 -2 科 ++. 種 ῏ベンケイソウ科 Crassulaceae のヤナギバキリンソウ Sedum middendor$anum Max. とされたものは῍ キク科 Compositaeのオオアワダチソウ Solidago gigantea Ait.

var. leiophylla Fern.の誤入力につき῍ ここに訂正ῐ の訪花 植 物 に῍ 新たに報告されているスダジイ Castanopsis

seiboldii (Makino) Hatusima ex Yamazaki et Mashiba-*ῐ

とマテバシイ Lithocarpus edulis (Makino) Nakai-*ῐ

を加 えた合計 ++0 種と῍ クロハナムグリの訪花植物 ,- 種から῍ 両 種 の 訪 花 植 物 に 基 づ く 餌 資 源 ニ ッ チ の 重 複 度 を JACCARD-1ῐの群集係数 CC により算出すれば῍ CCΐ*.+0 と なるῌ ちなみに῍ CC は対象となる両群が完全に重複する 場合はῑ+ῒ῍ まったく重複しない場合は ῑ*ῒ を示すῌ ハナ ムグリ亜科の他種において῍ CC が算出されていないので῍

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この値を直ちに評価することはできないが῍ 今後の参考に なると思われるῌ なお῍ クロハナムグリとコアオハナムグ リの両種は国内において広く分布が重なることは先に述べ たが῍ 口器形態も同様であることから῍ 訪花植物に関する 餌資源ニッチもかなり重なると考えられるῌ より正確な餌 資源ニッチの重複度を算出するためには῍ クロハナムグリ の訪花植物に関する῍ さらなるデ῎タの蓄積が望まれるῌ 次に訪花植物の花型について述べるῌ ポリネ῎タ῎を考

慮した植物の花型の分類は῍ FAEGRIand Van der PIJL-2ῐ

どによってなされてきが῍ 単一花と集合花や花序型を混同 したまま分類されており῍ 実際にポリネ῎タ῎との関係を 論じる際には不都合であるῌ しかし῍ 新たな分類を構築す るに至っていないので῍ ここでは蜜腺が花被 ῏花冠と萼ῐ に覆われずに露出している花をῑ露出型ῒ῍ 花被で隠れてい るものを ῑ隠蔽型ῒ として῍ 表 + よりクロハナムグリの訪 花植物種を類別したῌ その結果῍ 露出型が 1.ῌ῍ 隠蔽型が ,0ῌ であったῌ クロハナムグリが摂食の際に外部に露出さ せて使用できる口器の器官は῍ 短い小腮のみであることは 先に述べたῌ つまりそのような口器では露出型の花でなけ れば῍ 花粉や花蜜を摂食することは物理的に不可能であ るῌ しかし逆に考えれば῍ 本種の口器は露出型の花からの 採餌に適応しているとも言えるῌ なお῍ 隠蔽型の花からは 花粉のみを摂食していた次に訪花植物の花色であるが῍ 調査の結果から῍ 白色῍ 黄白色῍ 黄色῍ 淡紅色῍ 紅色の / 色が確認された ῏表 +ῐῌ これらの色を白色῍ 黄色῍ 紅色の - つにまとめ῍ 各色に該 表 + クロハナムグリの訪花植物目録

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当する訪花植物種の百分率を算出したῌ なお῍ ひとつの種 に複数の色変わりがあるものやῐ稀なものは含めずῑ῍ キク 科 Compositae のように筒状花と舌状花で色彩が異なる 場合῍ さらに , 色の中間色については῍ +ῌ, 種῍ あるいは +ῌ- 種として῍ ひとつの種を花色の数で割った値を種数と して扱ったῌ その結果῍ 白色が最も多く 02῍ を占め῍ 次に 黄色が ,1῍ であり῍ この , 色で全体の 3 割以上を占めた ῐ図 ,ῑῌ クロハナムグリは῍ 白色や黄色といった明るい色 の花を好むと言えるῌ 白色花が最優占する例は῍ 同じハナ ムグリ亜科のコアオハナムグリでも確認されている+1ῑ ῌ ちなみに῍ 訪花植物の文献記録を収集する過程で῍ 本種 の樹液利用植物に関する報告も見出されたのでここにまと めておくῌ 樹液植物としては + 綱 + 目 + 科 , 種が確認さ れ῍ そのひとつはクヌギ-3ῑ ῍ もうひとつはコナラ Quercus serrata Thunb. ex Murray,1ῑ

であったῌ なお῍ コナラの記 録は筆者のひとり飯嶋が記録したものであるが῍ この例で は伐採されたコナラの切口から出る樹液を吸汁していたクロハナムグリは῍ 生息地内において豊富に樹液を出す木 が存在していても῍ ほとんどの個体が花を訪れることか ら῍ 本種にとって樹液は餌資源植物として必須のものでは ないと考えているῌ -ῌ まとめ クロハナムグリは同亜科で同じく農業害虫のコアオハナ ムグリ-ῑ に比べ個体数が少ない,+ῑ ῌ その一因としては῍ 幼 虫の食性が両種で異なり῍ クロハナムグリは朽木という比 較的限られた資源を利用していることを先述したῌ 一方῍ クロハナムグリは一部の成虫による多回繁殖という戦略に よって῍ 朽木という少ない餌資源を長期に探索し῍ 次世代 を残しうる能力を備えていたこのような生活史特性を持つクロハナムグリは農業上は 害虫-ῑ とされるが῍ 本結果を耕種的防除に利用することが 可能であろうῌ すなわち῍ 日常の管理作業の中で圃場周辺 に発生源となる伐採木を放置しないことや῍ 成虫の餌資源 である訪花植物のうちいくつかを圃場周辺から排除し῍ 開 花フェノロジ῏を分断することにより῍ クロハナムグリの 生存を難しくすることが可能であるῌ ただし῍ 朽木は害虫 ではない他の多くの昆虫の発生源であることῌ 訪花植物に

関してはニホンミツバチ Apis cerana japonica Rad..*ῑ

はじめ多くの有用なポリネ῏タ῏も利用していることを考 慮する必要があると考えられる謝辞 : 本研究を進めるにあたり῍ 供試虫をご提供いただい た東京都の鈴木孝弘氏に感謝の意を表するῌ 文献 +ῑ 藤岡昌介῍ ,**+῎ 日本産コガネムシ上科総目録῎ KOGANE Supplement +῎ ,3-pp. ,ῑ 黒澤良彦῍ +32/῎ クロハナムグリ῎ 原色日本甲虫図鑑 ῐῌῑ ῐ上野俊一ῌ黒澤良彦ῌ佐藤正孝 編ῑ p. .+2῎ 保育社῍ 大 ῎ -ῑ 日本応用動物昆虫学会 編῍ ,**0῎ 農林有害動物ῌ昆虫名 鑑 増補改訂版῎ 日本応用動物昆虫学会῍ 東京῎ -21pp. .ῑ 林 長閑῍ +32-῎ クロハナムグリ῎ 学研生物図鑑 昆虫ῌ 甲虫ῐ中根猛彦ῌ林 長閑ῌ竹中英雄ῑ p. ,//῎ 学習研究社῍ 東京῎ /ῑ 牧野富太郎῍ +301῎ 学生版 牧野日本植物図鑑῎ 北隆館῍ 東 ῎ ..0pp. 0ῑ 林 弥栄 編῍ +32-῎ 山渓カラ῏名鑑 日本の野草῎ 山と渓 谷社῍ 東京῎ 1+3pp. 1ῑ 林 弥栄 編῍ +32/῎ 山渓カラ῏名鑑 日本の樹木῎ 山と渓 谷社῍ 東京῎ 1/+pp. 2ῑ 佐竹義輔ῌ大井次三郎ῌ北村四郎ῌ亘理俊次ῌ冨成忠夫 編῍ +32+῎ 日本の野生植物 草本῍ 合弁花類῎ 平凡社῍ 東 ῎ ,/3pp. 3ῑ 佐竹義輔ῌ大井次三郎ῌ北村四郎ῌ亘理俊次ῌ冨成忠夫 編῍ +32,῎ 日本の野生植物 草本ῌ 離弁花類῎ 平凡社῍ 東 ῎ -+2pp. +*ῑ 佐竹義輔ῌ原 寛ῌ亘理俊次ῌ冨成忠夫 編῍ +323῎ 日 本の野生植物 木本 I῎ 平凡社῍ 東京῎ -,+pp. ++ῑ 佐竹義輔ῌ原 寛ῌ亘理俊次ῌ冨成忠夫 編῍ +323῎ 日 本の野生植物 木本 II῎ 平凡社῍ 東京῎ -*/pp. +,ῑ 清水健美 編῍ ,**-῎ 日本の帰化植物῎ 平凡社῍ 東京῎ --1 pp῎ +-ῑ 那須 浩 編῍ +33*῎ 主婦と生活 生活シリ῏ズ +.* 家庭 の園芸百科῎ 主婦と生活社῍ 東京῎ /+-pp. +.ῑ 気象庁ホ῏ムペ῏ジ῍ ,**0 年 ++ 月現在῎ ῒhttp://www.jma.go.jp/jma/index.htmlΐ +/ῑ 楠井善久῍ +33,῎ アベマキの朽木より羽化したクロハナム グリ῎ LAMELLICORNIA ῐ2ῑ : -2. +0ῑ 飯嶋一浩῍ ,**,῎ 日本産ハナムグリ類 1 種の生活史および 生活史型῎ 第 .0 回日本応用動物昆虫学会大会講演要旨῎ p. +,-. +1ῑ 飯嶋一浩ῌ田村正人῍ ,***῎ コアオハナムグリ Gametis jucunda ῐFaldermannῑ の季節的発生消長と訪花植物との 関係῎ 東京農業大学農学集報 ./ ῐ,ῑ : +.2῎+/3. +2ῑ 大串龍一῍ +303῎ コアオハナムグリ῎ 柑橘害虫の生態学 ῐ大 串龍一ῑ pp. +2-῎+21῎ 農山漁村文化協会῍ 東京῎ +3ῑ 高橋旨象῍ +323῎ きのこと木材῎ 築地書館῍ 東京῎ +.+pp. ,*ῑ ARAYA, K., +33-. Relationship between the Decay Types

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Partnership. Princeton University Press, New Jersey. ,.ῑ 田中忠次῍ +3/+῎ コアオハナムグリと花῎ 採集と飼育 ῐ+-ῑ +*: -,*῎-,,. ,/ῑ 春沢圭太郎῍ +32/῎ 大阪周辺でのコガネムシ科の訪花植物῎ LAMELLICORNIA ῐ+ῑ : -+῎-/. ,0ῑ 藤丸篤夫῍ +330῎ 昆虫図鑑 花の虫さがし῎ 福音館書店῍ 東 ῎ 22pp. 図 , クロハナムグリの訪花植物種の花色による百分率

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,1ῒ 飯嶋一浩ῌ +331῍ コナラの樹液に訪れたクロハナムグリ῍ イ ンセクタリゥム -. : +,-. ,2ῒ 今坂正一ῌ楠井善久ῌ野田正美ῌ青木良夫ῌ峰 正隆ῌ阿 比留巨人ῌ松田 亨ῌ +333῍ 長崎県産コガネムシ主科目録῍ こがねむし ῑ0,ῒ : +ῌ-2῍ ,3ῒ 川村 満ῌ +310῍ トサブンタンの訪花昆虫による傷害果と その対策῍ 植物防疫 -* : ./-ῌ./1. -*ῒ かわさき自然調査団 昆虫班甲虫グル῏プ 編ῌ ,**.῍ 自 然ガイドブック +/ 生田緑地のクワガタムシῌコガネム シ῍ 川崎市青少年科学館ῌ 神奈川῍ .3pp. -+ῒ 小林裕和ῌ +33.῍ コガネムシ῍ カラ῏ハンドブック地球博物 館 No. , 甲虫 ῑ小林裕和ῌ野中俊文ῌ長谷川道明ῒ pp. 0+ῌ +*.῍ PHP 研究所ῌ 東京῍ -,ῒ 松浦 誠ῌ八田茂嘉ῌ +31-῍ 柑橘類の訪花昆虫相ῐ傷害果 との関係について῍ 関西病虫害研究会報 ῑ+/ῒ : //ῌ0,. --ῒ 三宅義一ῌ +322῍ ガマズミの花に来たこがねむし類῍ SAIKAKU ῑ0ῒ : +0. -.ῒ 中山周平ῌ +310῍ 自然観察と生態シリ῏ズ + 庭ῌ畑の昆 虫῍ 小学館ῌ 東京῍ +3*pp. -/ῒ 中山周平ῌ +312῍ 自然観察と生態シリ῏ズ , 野山の昆虫῍ 小学館ῌ 東京῍ +3*pp. -0ῒ 飯嶋一浩ῌ田村正人ῌ ,**+῍ 送粉共生系におけるコアオハ ナムグリの生態的地位῍ 東京農業大学農学集報 .0 ῑ+ῒ : +2ῌ ,1.

-1ῒ JACCARD, P., +3*+. Distribution de la flore alpine dans le Bassin des Dranses et dans quelques régions voisines. Bull. Soc. vaud. Sci. nat. -1 : ,.+ῌ,1,.

-2ῒ FAEGRI, K. and L. Van der PIJL, +300. The Principles of Pollination Ecology. Pergamon Press, Oxford.

-3ῒ 和田 薫ῌ +322῍ 樹液で採集したハナムグリ類 - 種の記録῍ SAIKAKU ῑ/ῒ : 1.

(7)

Life History and Visiting Flowers of Glycyphana

fulvistemma (Coleoptera : Scarabaeidae)

By

Kazuhiro IIJIMA* and Masatoshi TAKEUCHI*

(Received December +, ,**0/Accepted January +2, ,**1)

Summary : The life history of Glycyphana fulvistemma (Coleoptera : Scarabaeidae) was studied by an outdoor breeding experiment. The chafer was found to be univoltine, and the adult active period was from the last +* days in April to the last +* days in August. The larvae pass through a total of three instars. Oviposition was observed in early summer, and the hatched larva grew until it became adult and emerged in mid-August. However, because the adult was not discovered outdoors from late summer to the fall, it was thought to inhabit rotten wood after adult eclosion and hibernate over winter. Hibernation form in the first year was adult, the adult that awoke from dormancy the next spring appeared on the ground, and feeding and reproductive activity took place. Some of the adults in the breeding experiment lived for , years and had two breeding periods. In the field, adults were occasionally discovered with rubbing surfaces on their bodies. Such adults were thought to continue to live for , years. The possibility of having breeding periods at numerous times was thought to be high for these adults under natural conditions. The adult lifetime was + year or , years. Therefore, the chafer has [one-year life history]-[adult hibernation]-[numerous time breeding period]-life history type. In this way, the adult of the part of this chafer lived for two years and had two breeding period. Such reproduction strategy was supposed to be a result of being adaptable to limited food resources, e.g., rotten wood. After investigating the flowers that adult chafers visited for feeding, ,- species in 2families of 1 orders of + class were confirmed.

Key words : Cetoniinae, life history, life history type, visiting flower, pollinator

参照

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