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新型動的注入システムの開発(その2)

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Academic year: 2022

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(1)

図-1 パッカーセット位置図

新型動的注入システムの開発(その2)

-高水圧下の岩盤における動的注入原位置実証試験-

㈱大林組 正会員 ○鵜山雅夫,野田正利,

納多 勝,長谷川宏 (独)日本原子力研究開発機構 正会員 松井裕哉 (独)産業技術総合研究所 鈴木庸平

日特建設㈱ 正会員 浜子 正,田中裕治 1.はじめに

動的注入工法とは,注入圧力に強制的に波状の脈動を加えることにより注入の抵抗となるグラウトの見か けの粘性を低下させて,流動性の向上と目詰まりの抑制を図り,細かい割れ目へのグラウト注入効果を高め るものである.本報では,瑞浪超深地層研究所地下坑道におけるボーリング掘削で必要な止水対策として,

前報(その1)1)の動的注入システムによるグラウチングを試行し,高水圧下での実用性と有用性を確認し た結果について述べる.なお,本実証試験は産業技術総合研究所が日本原子力研究開発機構との共同研究に おいて,原子力安全・保安院からの委託業務である「平成 20 年度地層処分に係る地質情報データの整備」

の委託費により掘削したボーリング孔を対象に行った.

2.ボーリング掘削概要

本施工で対象としたボーリング孔は,岐阜県瑞浪市で建設中の瑞浪超深地層研究所の深度300m研究アク セス坑道内から掘削した,長さ約100mの水平ボーリング孔である.ボーリング孔掘削は,50.5mabh(meters along borehole)まではPQワイヤーラインで行い,以降103mabhまではHQワイヤーラインで実施した.

地下深部からのボーリング孔掘削では,掘削中の多量・高圧湧水の発生が最大の懸念事項であり,本孔に おいても掘削長10m付近で210ℓ /minの湧水が発生し,掘削長50.5mのPQ掘削終了時での湧水量は270 ℓ /minであった(湧水圧は約2.2MPa).PQ掘削後,4インチケーシング鋼管を挿入し,セメンチングを行 う予定であったが,孔内からの大量湧水と高湧水圧のため,ポンプを利用した通常のセメンチングが困難と 判断し,パッカーを利用したセメントミルク注入を採用した.さらにケーシング周辺のセメンチングに関す る品質向上のため,静的注入に引き続き動的注入も実施した.

3.原位置におけるセメンチングの概要

PQ掘削後,4インチケーシング鋼管(SGP鋼管)を挿入し,図-1のように49mabh地点にパッカーを セットしセメントミルクの注入を行った.注入材料は普通ポルトランドセメントを使用した.注入圧力は2.2

+0.3MPaを基本とし,昇圧速度は0.1MPa/min を超えないようにし,注入速度は20ℓ /minを最大とした.

5mabh 49mabh

50.5mabh 1.5m

パッカー 注入ロッド

6Bケーシング

4Bケーシング

口元処理材

注入範囲

キーワード 調査ボーリング,グラウト注入,動的グラウト注入,止水工法

連絡先 〒108-8502 東京都港区港南 2-15-2 (株)大林組東京本社原子力本部原子力環境技術部 TEL.03-5769-1309 〒509-6132 岐阜県瑞浪市明世町山野内 1-64 (独)日本原子力研究開発機構 TEL.0572-66-2244

〒305-8567 茨城県つくば市東 1-1-1 つくば中央第 7 (独)産業技術総合研究所 TEL.029-8761-3978 〒104-0044 東京都中央区明石町 13-18 日特建設㈱技術本部 TEL.03-3542-9192

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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図-4 静的注入と動的注入結果(赤線:注入量,緑線:注入圧力)

注入開始時の配合(初期配合)は,水押し試験(簡易ルジオンテスト)の結果より,1:2で開始し,規定 量注入後1:1に切り替えた.注入量が10ℓ /min以下に低下した時点で動的注入を開始し(図-2),注入量 が 1.0ℓ /min以下に達した後,さらに30分間の注入(ダメ押し)を行い,この間に注入量の増加が認められ ない場合をもって注入完了とした(図-3).なお,亀裂以外の注入すべき空隙の体積は約180ℓ であった.

4.実施結果

静的注入と動的注入に関して流量と圧力およびイベントの経時的な記録を図-4 に示す.静的注入におい て 注入量が20ℓ/min から 10ℓ/min に減少するのに 26分間であった(0.38ℓ/min/min).一方,動的注入を 開始し,10ℓ/min からダメ押し開始までの 0.2ℓ/min に減少するのに140分を要した(0.07ℓ/min/min).ま た,動的注入開始後に,注入圧力が低下するとともに注入速度の回復が確認された(図-4 中の黄色丸囲み 部).さらに,動的注入開始後,注入速度の減少勾配が緩やかになっていることがわかる.これらの現象は,

動的注入により静的注入時の目詰まり効果が解消され,セメントミルクがより広範囲の亀裂へ浸透した結果 であると考えられる.

5.おわりに

今回の原位置における動的注入試験では,地下深部の高水圧環境下での動的注入を行い,ケーシング部分 のセメントミルク充填のみならず周辺の亀裂部分までの充填により完全に止水を実施することができ,ボー リング孔掘削時の有効な止水方法となることを示すことができた.最後に,このシステムの導入にご協力い ただいた,日本原子力研究開発機構,産業技術総合研究所の皆様に感謝を申し上げます.

参考文献

1) 長谷川ら:新型動的注入システムの開発(その 1),土木学会第 65 回年次学術講演会

2) 大竹ら:長大立坑下における高被圧多量湧水岩盤のグラウト,土木学会第 65 回年次学術講演会

図-2 動的グラウト注入状況 図-3 動的グラウト注入量

0 500 1000 1500 2000 2500

15:10 15:40 16:10 16:40 17:10 17:40 18:10 18:40 19:10 19:40 時間

入量(L)

1:1変更 動的注入開始

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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参照

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