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小型飛翔体向けパラシュート自動開傘システムの基礎開発

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Academic year: 2021

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小型飛翔体向けパラシュート自動開傘システムの基礎開発

山本研究室 平林大和

1. 背景と目的

近年、中学・高校などの理科教育の一環としてモデルロケ ットなどの小型ロケットが利用されるようになっており、普 及が進みつつある。しかし、モデルロケットの全国大会や大 学オープンキャンパスのイベントでモデルロケットを打ち上 げる際、丁寧にロケットを設計してもパラシュートが開放・

展開されないことが散見され、ロケット機体の着地・破損状 況によっては再利用不可になり、搭載するセンサの破損だけ でなく、基準に沿った十分な保安対策を講じている中であっ ても、急激な落下による事故の可能性は否定できない。本研 究では、モデルロケット理科教室などで使用率の高いA型、

B型、C型エンジンの中で、最も搭載可能ペイロード質量が 大きいC型エンジンを使用し、モデルロケットに搭載するパ ラシュート自動開傘システムを開発して、モデルロケットが 確実かつ安全にパラシュートによって着陸・回収可能となる システムの基礎開発を目的とする。

2. 実験装置および方法

本研究で開発したパラシュート自動開傘システムは、分離 機構部と制御機器部の2つから成るものであり、機構が分離 する原理としてはモデルロケット発射後、あらかじめシミュ レーションで得られるロケット最高高度における気圧を算出 しておき、搭載する気圧センサが設定した気圧以下に達する と分離機構が動作する仕様である。マイコンにおける制御処 理フローを図2-1に示す。

2-1 制御処理のフロー

分離機構部は、図2-2に示すように固定したナイロン糸を ニクロム線で焼き切り、3本のバネの反発力によって両者が 分離され、つながっている紐に引っ張られてパラシュートが 開くという機構である。実験では開発したモデルロケットに 分離機構と制御機器を搭載し、打ち上げ試験を行う。図2-3 に開発した分離機構部と制御機器部を示す。

2-2 分離機構の原理

2-3 開発した分離機構と制御機器

3. 実験結果および考察

実験には加速度センサと気圧センサを使用し、地上試験で は連動させて分離機構を動作させることに成功した。本来で あればモデルロケットの打ち上げによってこの性能を評価し なければならないが手作業でのロケット製作精度などから後 述する問題が生じたため、本研究では打ち上げ試験を3回行 ったものの、すべて想定高度まで上昇せず、搭載機器の正常 な動作試験を行うことができなかった。

想定高度まで上昇せず墜落した原因として、第1回の実験 では重心の位置が計算より上部にあった可能性がある。機体 製作時の検討が不十分なため飛翔姿勢が崩れ、その影響で機 軸が安定せず墜落に至ったものと考える。2回の試験では、

比較的順調に上昇したものの目標高度(30 m)には至らず、

展開条件を満たせなかった。

得られた問題点としてまず、ロケットの重心位置を正確に 3次元的に配置することである。具体的には制御機器部の機 軸対称な質量配分ができるよう、設置・固定方法を改善する 必要がある。また、将来的には今回の第3回の実験のように ロケットが予期せぬ軌道を進んだ場合に備え、加速度センサ およびジャイロセンサなどでロケットの姿勢や進行方向を瞬 時に把握し、墜落危険性がある場合に分離機構が動作するシ ステムを取り入れられれば、更なる安全性の向上につながる。

4. 結論

本研究により、小型飛翔体向けパラシュート自動開傘シス テムの基礎部分を開発し、知見を得ることができた。幾つか の問題点を把握するとともに本システムの可能性を示すこと ができた。

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