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低透水性岩盤における動的注入工法の適用

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Academic year: 2022

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(1)VI-321. 低透水性岩盤における動的注入工法の適用 鹿島技術研究所. 正会員. ○山本拓治. ケミカルグラウト. 正会員. 白井俊輔. 日比谷啓介. 伊達健介. 大場康信. 1.はじめに 石油や LPG の地下石油備蓄基地および放射性廃棄物の処分施設の建設においては、従来の注入工法では注入が 困難な低透水性の岩盤部へも、経済的かつ確実な注入が要望されている。そのため、筆者らは、高濃度のグラウ ト材料を効果的に注入するために、動的注入工法を開発した。この工法は、一定の注入圧力に高周波の動的な圧 力を付加することにより、微細な割れ目にも高濃度、高粘性のグラウトを注入する新しい止水工法である。 本論文は、動的グラウチングシステムの概要を紹介するとともに、透水性の異なる複数の岩盤状況において、 従来の注入工法(以下、静的注入工法と称す)と動的注入工法の注入効率の違いを原位置注入試験により確認し た結果を報告するものである。. 高速ミキサー. パソコン. 2.動的グラウチングシステムの概要. 流量・圧力管理装置. 本システムは、脈動の少ない定圧グラウトポンプ. 水. により一定圧力でグラウトを供給する注入孔内まで. データロガー NR‑2000 コントローラー ・脈動発生スイッチ ・周波数調整ダイアル. 水タンク. グラウト. のライン上に、脈動発生装置を付加する方式である。 グラウトの流れ. 定圧グラウトポンプは、インバーター制御モータ. インバーター. 鋼管. ーで駆動する3連式単動ピストン型であり一定圧力、. 逆止弁. 流量の供給が可能となっている。. 脈動発生装置 (SPG‑15). 流量・圧力検出器. 圧力センサー. グラウトポンプ (TOS‑G‑10). 脈動発生装置はプランジャー型ポンプによりオイ. フレキシブル ステンレス管. エアパッカー. グラウトの流れ. ルをアクチュエータに送り込み脈動を発生させる機 構である。発生装置は振動数を 3〜20Hz まで可変で き、振幅は内蔵したアキュムレータにより 4.5MPa. 図−1. 動的グラウチングシステム概要図. を上限として抑えることが可能である。 脈動発生の状況は、発生装置に内蔵した圧力センサーからの信号をデータロガーによりデジタルデータに変換し、 リアルタイムにコンピューターの LCD 表示にて波形を確認し、フィードバックするシステムとした。グラウトの 製造は、微粒子系セメントの高濃度、高粘性のグラウトの混練りが可能な高速ミキサー(最大回転数 3,500rpm) を使用した。図−1に本システムの概要図を示す。 3.原位置注入試験. 表−1 ケース名. (1)注入試験の概要 注入試験は花崗岩体に掘削したトンネルの中か. 材料. 原位置注入試験仕様. 工法. 圧力(MPa) 周波数(Hz) W/C(%). 静的. USグラウト 静的注入工法. 0.5. -. 400. 動的. USグラウト 動的注入工法. 0.1~1.1. 6. 400. ら水平方向に長さ約 75mのボーリング(φ46)を 5 mのフォアステップで掘削し、注入を行った。1次孔は 10m間隔、2次孔はその中央に削孔しており、総注入ス テップは約 250 である。注入域には、3本の破砕帯が存在し、アプライトが貫入している。このアプライトと断 層の周囲は破砕され高透水域(10〜20 ルジオン)となっているが、その他は概ね5ルジオン以下の低透水域となっ ている。注入試験は静的・動的注入工法をパラメータとして実施した。注入材料については、米国国立研究所で 開発された超微粒子グラウト材(以下 US グラウト)を使用し、W/C は 400%とした。なお、注入途中での配合切り 替えは実施していない。表−1に静的と動的を比較した2ケースの注入試験仕様を示す。 キーワード:亀裂,動的注入,脈動,周波数 連絡先:〒182‑0036. 東京都調布市飛田給 2‑19‑1 TEL 0424‑89‑7081. -642-. FAX 0424‑89‑7083. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) VI-321. 160.0. (2)注入試験の結果. 140.0. 静的. 合計2ケースの原位置注入結果をまとめたものである。. 120.0. 動的. 横軸はルジオン値,縦軸は注入流量ではなく単位長さ あたりに注入されたセメント量(以下、単位セメント 量とする)を示している。同図から、動的注入工法は. 単位セメント量(kg/m). 図−2は、表−1に示す材料と工法を組み合わせた. 動的. 100.0 80.0 60.0. 静的. 静的注入工法に比べて、同程度のルジオン値でも非常. 40.0. に単位セメント量が多く、高濃度のグラウト材が効果. 20.0. 的に注入されていたことがわかる。たとえば、5 ルジ. 0.0 0.0. オン程度の岩盤では、約2倍のセメントを注入するこ とが可能であった。また、今回の注入では岩盤強度の. 5.0. 図−2. 10.0 ルジオン値. 15.0. 20.0. ルジオン値と単位セメント量の関係. わりに比較的低圧力の注入しか行っていないが、より 大深度で高強度の岩盤部で高圧力の注入が可能な場. 動的. 30.0. W/C=4/1,Lu=5.63,単位注入流量28.9kg/m,注入 ミルク635㍑,注入時間190分. 図−3は、5 ルジオン程度の岩盤で実施したチャ ートの一例である。動的注入時は静的注入の場合に 比較して、若干ルジオン値が低い岩盤を対象として いたにもかかわらず、総注入量が大きく、また注入 時間は短くなっている。これはすなわち、動的注入. 注入流量(㍑/min). 合は、その効果がさらに増大するものと考えられる。. 25.0 20.0. 静的. 15.0. W/C=4/1,Lu=7.76,単位注入流量 21.7kg/m,注入ミルク478㍑,注入時間270分. 10.0 5.0. は静的注入に比べて、同程度の亀裂であれば、より 多いグラウト量をより早く注入できることを示して. 0.0. いる。. 0. 100 200 経過時間(min). 図−4は、4 ルジオン程度の岩盤において、当初 静的工法で注入を実施し、注入量が落ちてきた段階. 図−3. 300. 注入流量の経時変化. で、動的注入に切り替えた例である。これは、目詰 まりなどで閉塞した亀裂中のセメント粒子が脈動効. 10.0. われる。 4.まとめ 高濃度のグラウト材料を効果的に注入するために、 動的注入工法を開発し、透水性の異なる複数の岩盤. 注入流量(㍑/min). 果により再び移動し、注入が促進された結果だと思. 静的. 動的. 8.0 6.0 4.0 2.0. 状況において、静的注入工法と動的注入工法の注入 0.0. 効率の違い等を実現場での注入試験により確認した。. 0. 50. その結果、動的注入工法は、静的注入工法と比較. 100 経過時間(min). 150. して同ルジオン値の岩盤でも単位セメント量を多く 注入できること、また 5 ルジオン程度の岩盤におけ. 図−4. 動的注入による再注入効果. る比較ではより多いグラウト量をより短時間で注入 できること、さらに静的注入で注入不可能となった岩盤に対しての再注入効果があること、などがわかった。今 後、注入対象岩盤に応じた最適な注入仕様(注入材料,注入圧,周波数)などについて検討していく予定である。. 参考文献 山本,日比谷,伊達,大場:低透水性岩盤における効果的注入工法の開発,第 31 回岩盤力学に関するシンポジウム,平成 13 年 1 月. -643-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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