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反転排水性舗装の検討と施工に関する報告

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Academic year: 2022

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反転排水性舗装の検討と施工に関する報告

首都高速道路㈱  東東京管理局    正会員  ○東和田  真之 首都高速道路㈱  東東京管理局    正会員    北島  基彦  首都高メンテナンス東東京㈱      正会員    鶴見  信義 

1.はじめに 

  首都高速道路高速湾岸線大井地区は,轍掘れやポットホール等の舗装の損傷が多く報告されている.路面か

250mm

を数年おきに打ち換えてきたが繰り返し損傷が発生している.大井地区は東京港を埋め立てた土工

部で,過去に行った調査で路面から

250mm

の深さで水位が確認されており,地下水が原因での損傷と考えら れた.そのため,水位調査および舗装構成の検討を行ったので報告する.

2.損傷状況 

図1に示すように,湾岸線大井地区は地盤高さが隣 接している国道

357

号と同じか低く,また縦断的に低 くなる方向のため水位が高くなりやすいことが考えら れる.それゆえ地下水によって舗装に損傷が発生しや すく,過去に地下水を排水する舗装補修が一部で行わ れてきた.既設の舗装構成を図2に示す.軟弱地盤上 の舗装のため,コンクリート層を設けた構成になって いる.今回損傷が見つかった範囲で舗装から水がしみ 出している箇所があったため地下水による影響がかん がえられた.そこで,水位調査を行うとともに舗装各 層の健全性を調査した. 

3.水位調査および舗装材料の健全性確認  

(1)調査方法 

水位調査のためφ200 のコアをコンクリート層まで 抜いた(表層から 400mm まで掘削).水位調査は

5

箇所 で行った.コア抜き箇所は図1の通り.  

(2)調査結果  1)水位 

  コア削孔後のコア内の水位変化を図3に示す.また コア削孔後の様子を写真 1に示す.

20

分で

5mm

20mm

まで水位が上昇していた.6日後には

130mm 〜190mm

まで水位が上がっていた.今回は

10

月の調査であった が,出水期にはもっと高い位置まで水位が上昇してい ると考えられる. 

2)各舗装材料の健全度調査 

  採取したコアを用いて,各材料の健全性を確認した.

(写真2) 表層およびアスファルト混合物層の厚さは 

キーワード  アスファルト舗装  反転排水性舗装  中温化アスファルト  湧水   連絡先      〒103-0015  東京都中央区日本橋箱崎町 43-5 

図1  高速湾岸線大井地区の  平面図および断面図 

図2  既設の舗装構成 

③ ④

① ② ⑤

凡例  :コア抜き箇所

国道357号

国道357号 高速湾岸線

砂層  t=400mm クラッシャーラン  t=200mm

コンクリート層  t=200mm セメント安定処理層  t=150mm アスファルト混合物層  t=150mm

表層  t=100mm

東京方面 横浜方面

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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Ⅴ‑383

(2)

やや薄くなっているが,ほぼ設計厚と同じであった.セ メント安定処理層は劣化が進行して,脆く崩れやすかっ た.そのため,層厚が計測できなかったが,轍掘れの原 因はセメント安定処理層の劣化と考えられる.劣化原因 として,常に水に満たされた状態にあったことが考えら れる. 

4.舗装構成の検討 

3.水位調査および舗装材料の健全性をふまえて,舗 装構成の検討を行った.今回施工した舗装構成を図4に 示す.セメント安定処理層が劣化していたことから,劣 化したセメント安定処理層を除去した.また高水位の地 下水が確認されたことから,表層の下に通水層を設ける,

反転排水性舗装を採用した.排水を流す円形側溝から水 の逆流を防ぐため,コンクリート層から

200mm

の位置 に通水層を設けた.また通水量の確保,目詰まり対策の ため通水断面を

100mm

と極力厚くした.全舗装厚が

400mm

と厚いため,打設温度の低い中温化材をアスフ ァルト材料として採用し,温度低減性と締固め率の確保 を図った.また,表層は高い水密性と剥離抵抗性を持つ アスファルト混合物を採用した.  

5.反転排水性舗装の施工 

施工日は水の影響が比較的少ない時期に施工すること とした.施工箇所の水位を事前に確認した上で施工を行 った.反転排水性舗装の施工時の状況を写真2に示す.

コンクリート層や路肩からの出水はなかった.走行車線 側のセメント処理層とアスファルト混合物の界面から水 の浸み出しがあったが,施工に影響のない量であった.

また,コンクリート層にクラック等の損傷はなかった. 

6.まとめ  

  地下水により劣化した舗装の損傷の補修として反転排 水性舗装への打ち換えを行った.その際表層および通水 層には,高い剥離抵抗性を持つアスファルト混合物を使 用することで,舗装の損傷の減少が期待できる.供用中 の道路において,1日で施工可能な湧水対策として反転 排水性舗装は有効な手段だと考えられる.今後も引き続 き,反転排水性舗装の状況を確認していく. 

図4  反転排水性舗装の構成 

写真3  施工時の状況  水の浸み出し

写真1  舗装の      写真2  劣化した  コア抜きの様子      セメント安定処理層 

凡例:

舗 装 打 換 範囲 図3  コンクリート層からの水位 

砂層  t=400mm クラッシャーラン  t=200mm

コンクリート層  t=200mm 大粒径アスファルト  t=200mm ポーラスアスファルト  t=100mm

表層  t=100mm

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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