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実験ケース

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Academic year: 2022

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(1)I‑100. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 実規模鋼製仮設落石防護柵の重錘衝突実験 (株)構研エンジニアリング 正 員 ○嶋倉 一路. 正. 員. 川瀬. 良司. (独)北海道開発土木研究所 正 員. 正. 員. 岡田. 慎哉. 室. 蘭. 工. 業. 大. 学. 正. 員. 今野. 久志. 岸. 徳光. 1.はじめに .はじめに 山岳道路沿いの防災対策工事を行う場合には,現道の安全対策とし て組立てが簡易な鋼製仮設落石防護柵 (以下,仮設柵) を設置するこ とが多い.しかしながら,この種の構造物の設計は落石対策便覧1)に 基づいて衝撃力を算定し安定計算と各部材の応力照査を行って実施し ているが,落石を受ける場合の耐衝撃性は明らかとなっていない.本 研究では,実規模の仮設柵の重錘衝突実験を行い,その耐衝撃性を明. 写真−1. らかとすると供に現設計手法の妥当性を検討することとした.本研究. 表−1. では小規模落石に対応でき最も汎用的で道路防災工調査設計要領 (案)2)に示. 実験ケース. されている 2 つのタイプについて検討を行うこととした.また,ここでは衝突. A‑S‑V8.3 A‑S‑V10.4. ても検証している.. A‑C‑V10.4. 2.実験概要 .実験概要. B‑S‑V8.9. 2.1 実験方法 仮設柵は①一般的に良質な地盤上に設置されること,②設計は. B‑S‑V9.9. B‑S‑V9.6. 実験ケース一覧 構造 型式. 土のう 積み. 直積み. タイプA. こでは仮設柵をコンクリート基礎上に設置しアングル材で滑動を制御. 千鳥積み. 10.4 8.9. 直積み. タイプB. 9.6 9.9. 千鳥積み. 鋼矢板 支柱. 9.4 10.4. B‑C‑V9.9. 落石衝突時の部材の応力状態および転倒に着目して実施していることから,こ. 衝突 速度 (m/s) 8.3. A‑S‑V9.4. 面の緩衝材として設置されている大型土のうの積み方による緩衝効果につい. 実験風景. 9.9. SP 3型. H300×300. することで,最も厳しい条件で評価することとした.H鋼は SS400, 火打受. 矢板は SY295 である.衝撃力は,2,000 kg で載荷部が球状の鋼製重 火打. 6000. 錘を用い振り子運動によって作用させることとした.緩衝工に直径. 大型土のう(1tタイプ). H300×300. 隅部ピース 土のう敷桁 H125X125. を積み替えることとした.また,衝突速度は主要鋼材が計算上の弾性. 敷桁. 300 300. 衝撃荷重載荷時には袋が破損することから,各実験時には大型土のう. 重錘 衝突点. H300×300. 状態であるように設定した.写真−1には実験風景を示している.. 4500. (a) タイプ A 仮設落石防護柵形状. 表−1に実験ケースを示す.重錘衝突位置は,落石. の跳躍量を考慮し地面より 2.0 m の点とした.仮設柵の設定延長は. 支柱 H300×300. 鋼矢板 SP 3型. 6.0 m とした.実験は単一載荷により実施した.図−1には本研究で. 大型土のう(1tタイプ). 検討した仮設柵形状のタイプを示している.図中に応力の検討位置も 場合に採用することが多く,タイプ B はタイプ A に比べ道路からのク リアランスが小さい場合に採用されているが,安定計算上は不利な構. 火打受. H300×300. 重 錘衝 突点 隅部ピース 土のう敷桁 H125X125 敷桁. H300×300. 敷砂. 造と考えられている.. 枕桁. H300×300. 4500. 3.実験結果 .実験結果 3.1 重錘衝撃力波形. 火打. 2000. 示している.なお,タイプ A は比較的道路からクリアランスが大きい. H300×300. 6000. 2.2 実験ケース. 枕桁. 2350. 2150. 図−2には重錘衝撃力波形を示している.波形. の分布形状は,重錘が土のうに衝突直後に急激に立ち上がり,その後. (b) タイプ B 仮設落石防護柵形状 図−1. 鋼製仮設落石防護柵形状. (図中〇印は部材応力検討箇所). キーワード:鋼製仮設落石防護柵.重錘衝突実験.耐衝撃性 連絡先:〒065-8510 北海道札幌市東区北 18 条東 17 丁目 1-1 Tel:011-780-2813,Fax:011-785-1501 ‑199‑. 2000. 1.1 m,高さ 1.0 m の大型土のう (袋に土を入れた材料) を用いている..

(2) I‑100. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). タイプ A の A-S-V10.4 と A-C-V10.4 を比較するといずれの場合も 400 kN. 500. 衝撃力 (kN). 緩やかに減少している.最大衝撃力は,. 300. 200. 200. 100. 100. 0. B-S-V9.9 と B-C-V9.9 を比較すると,. 500. kN 程度大きい値を示している. 3.2 最大重錘衝撃力と衝突速度の関係. 衝撃力 (kN). 程度の値を示している.タイプ B の. 0. 0. 20. 40. 60. -100. 80 100 120 140 160 180 200. 0. 20. 40. 60. 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300. 500. A-C-V10.4. 400. B-C-V9.9. 400. 300. 300. 200. 200. 100. 100. 0 -100. B-S-V9.9. 400. 300. -100. B-C-V9.9 は B-S-V9.9 の場合より 100. 500. A-S-V10.4. 400. 0. 0. 20. 40. 60. -100. 80 100 120 140 160 180 200. 0. 20. 40. 60. 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300. 時間 (msec). 図−3に最大衝撃力と衝突速度の関. 時間 (msec). 図−2. 係を示している.なお,図中には設計 計算結果も示している.タイプ A の場合には実験値が計. 重錘衝撃力波形. 800 700. の場合には実験値が計算値の 1/2 〜 1/6 程度である.. 600. タイプ A とタイプ B を比較するとタイプ B が 4 % 〜. 500. 衝撃力 (kN). 算値の 1/2 程度であることがわかる.また,タイプ B. 50 % 程度小さな値を示している.以上のことから,1) 土のうは大きな緩衝性能を有していること,2) 現行の. 300 200. る安全余裕度を有していることが明らかとなった.. 100 0. 0. 8. 9. 10. 11. の一覧をタイプ別に整理し示している.表中には,比較. 衝突速度 (m/s). のために実験値,設計計算結果および許容応力度を示. 図−3. 最大衝撃力と衝突速度の関係. 表−2. 各部材の応力状態. している.タイプAとタイプBを比較すると,実験結 果は全ての部材でタイプBが大きな値を示している. 計算値. B-S-V8.9 B-S-V9.6 B-S-V9.9 B-C-V9.9. 400. 仮設柵は設計計算結果よりも 2 倍程度衝撃力に関係す 3.3 各部材の応力状態 表−2には各部材の最大応力値. 実験値. A-S-V8.3 A-S-V9.4 A-S-V10.4 A-C-V10.4. (N/mm2) A-S-V10.4 A-S-V9.4 A-C-V10.4 実験ケース A-S-V8.3 許容値 測定部材 応力種類 測定値 計算値 測定値 計算値 測定値 計算値 測定値 計算値. ことが分かる.また,各部材で比較すると,許容応力. 支 柱. 曲げ応力. 22. 167. 19. 195. 28. 220. 27. 220. 210. 度に対して,実験結果の火打ちの軸応力が小さな値を. 火打ち. 軸応力. 4. -19. 4. -22. 6. -25. 5. -25. -165. 矢 板. 曲げ応力. 52. 433. 53. 504. 72. 568. 52. 379. 265. 示しているのに対し,矢板の曲げ応力は他の部材より 大きな値を示していることが分かる.特にタイプA, タイプBの矢板部は,設計計算上の応力が許容応力度. (N/mm2) B-S-V9.6 B-S-V9.9 B-C-V9.9 実験ケース B-S-V8.9 許容値 測定部材 応力種類 測定値 計算値 測定値 計算値 測定値 計算値 測定値 計算値. のそれぞれ約 1.5 倍 〜 2 倍であるが,実験結果の応 力は,それぞれ許容応力度の 1/5 〜 1/3 と極めて小. 支 柱. 曲げ応力. 24. 182. 37. 202. 42. 208. 34. 208. 210. 火打ち. 軸応力. 8. 21. 13. 23. 15. 24. 15. 24. 210. 矢 板. 曲げ応力. 60. 469. 89. 520. 99. 536. 66. 358. 265. さいことが分かる.全体的に見ると,実験値が許容応 力度に対して最大 1/3 程度の値であることから,応力に関して 3 倍程度の安全余裕度があるものと考えられる. 4.まとめ .まとめ 本研究では,仮設柵の耐衝撃性を検討するために,重錘衝突実験を行い耐衝撃性を明らかとすると供に,現行設 計法との比較検討を行った.本研究で得られた結果を要約すると, (1) 大型土のうの積み方により,重錘衝撃力は変化しない. (2) 大型土のうは緩衝性能が高く,現行設計結果に対して 2 倍程度の安全余裕度を有している. (3) 部材応力には,許容応力度に対して衝撃力に換算すると約 3 倍の安全余裕度を有している. 参考文献. 1). 落石対策便覧: (社)日本道路協会,平成 12 年 6 月. 2). 道路防災工設計要領(案)落石対策編:北海道開発局建設部道路建設課監修,(社)北海道開発技術センター 発行,平成 13 年 3 月 ‑200‑.

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