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‑最 大 運動 負荷 時の心室壁運動の検討‑

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Academic year: 2022

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(1)20: 166. 日本 心 臓 血 管 外 科 学 会 雑 誌. 48. 20巻1号. (1990). 内胸 動 脈 の血 流 供 給 能. ‑最 大 運動 負荷 時の心室壁運動の検討‑. 川 内胸 動 脈(ITA)は. 筋. 道. 雄. 金沢大学 第1外 科 竹 村 博 文. 長期開存性が優れて いるため多 用. され るよ う にな った.し か し,ITAが. 体外循環 離 脱 の. 岩. 喬. 荷 時 全 経 過 の 連 続 的 心 機 能 モ ニ タ ー を 行 っ た. 結 果 は 平 均 値 ± 標 準 偏 差 で 示 し,Fisher直. 際 の 最 大 心 筋 酸 素 需 要 時 に十 分 な血 流 を供 給 しえ な い症. Duncans. 例 が 臨 床 上 経 験 さ れ る1).冠 動 脈 バ イパ ス 術 の 目 的 は狭. 有 意 と し た.. multiple. range. testを. 接 確 率 法,. 用 い,p<0.05以. 下を. 心 症 の 改 善 の み な らず,心 筋 虚 血 の改 善 で あ る.従 来 よ 結. り グ ラ フ ト血 流 量2〜4),負 荷 心 電 図5),心 筋 血 流 量6,7)な ど によ って グ ラ フ ト機 能 が 検 討 され て き た.心 室 壁 運 動. 果. コ ン ト ロ ー ル 群 で は 運 動 負 荷 に よ っ て 前 壁 中 隔EFは. 異 常 の 出 現 は 心 筋 虚 血 の鋭 敏 な 指 標 で あ る と い う事 実8). 35±7%か. に 基 づ き,最 大 運 動 負 荷 時 の 心 室 壁 運 動 の観 点 か らITA. %か. の 血 流 供 給 能 を 検 討 した.. II群 と も 運 動 負 荷 で 局 所EFは 所EF低. ら41±9%に. ら93±6%に. 上 昇 し,心. 尖 部EFは84±10. 上 昇 し た(図1).一. 下 の 程 度 に はI,. 方,術. 低 下 し た が,負. II群 間 に 差 は な か っ た.. 対 象 お よび 方 法 冠 動 脈 バ イ パ ス 症 例 の う ち左 前 下 行 枝(LAD)にITA を 吻合 した58例 した32例. をI群,LADに. をII群,正. 静 脈 グ ラ フ トを 吻 合. 常 冠 動 脈 を 有 し心 疾 患 の な い14例. を コ ン トロー ル のIII群と した.I,. II群 と も右 冠 動 脈 と. 左 回旋 枝 系 に は 静 脈 グ ラ フ トを 使 用 した.グ. ラ フ トが 閉. 塞 した症 例 と術 中梗 塞 症 例 は対 象 か ら除 外 した.年 齢, 性 別,体 表 面 積,左 室 機 能,LAD径,狭 I,. II群 間 に差 は な か った.前. 28%,. II群24%で. 窄 度 に おい て. 壁 梗 塞 の 既 往 は,I群. 図1. 差 はな か った.. 心電 図 同期 マ ル チ ゲ ー ト法 心 プ ール シ ンチ グ ラ フ ィを 用 い左 前斜 位 で 左 室 を 前 壁 中 隔,心 尖 部,下 側 壁 に3分 割 して局 所駆 出率(EF)を. 算 出 し,左 室 壁 運 動 を 検 討 し. た.術 前 と術 後1か 月 に,安 静 時 と 自転 車 エル ゴ メー タ ー を用 い た25Wご との多 段 階暫 増 法 に よ る最 大 運 動 負 荷 時 に検 査 した.運 動 負 荷 量 に はI,. II群 間 で 術 前,術. 後 と も差 は な か った.ま たI群 の 後 半 の15例 帯 用RIシ. ンチ グ ラ フ ィ(VEST)で. で は,携. 安 静 時 か ら運動 負. 図2. 前 はI, 荷時の局. Anteroseptal. EF.

(2) 一般 演 題. 冠. 動. 脈. (4). 20: 167. 遠 隔成 績 を 向 上 させ る ことが 知 られて い る.わ れ われ も 75%の. 症 例 にITAを. 脱時 にITAの ITAが. 使 用 して い る.し か し体 外 循 環 離. 血 流 不 足 を示 す症 例 が経 験 さ れ るた め1),. 最 大 心 筋 酸 素 需 要 時 に も広 範 な 領 域 の心 筋 に十. 分 な血 流 を 供 給 しう るか 否 か につ いて,関 心 が も たれ て き た.電 磁 血 流 量 計 に よ る術 中 グ ラ フ ト血 流 の 検 討 で, Barnerら2),. Flemmaら3)は. 静 脈 グ ラ フ ト血 流 がITA. よ り有 意 に多 い と報 告 した.Dye‑densitometryに. よる. 術 後 グ ラ フ ト血 流 の 検 討 で も静 脈 グ ラ フ トがITAよ 多 い と報 告 され た4).一 方,Myojinら6),. 図3. り. Johnsonら7). に よ る心 筋 血 流 の 検 討 で は 両 グ ラ フ トに差 はな い と報 告 術後 は 運動 負 荷 に よ って 前 壁 中隔EFはI群 8%か. ら32±10%へ,II群. へ 上 昇 した(図2).心 82±13%へ,II群. で28±6%か. 尖 部EFはI群. で74±12%か. た.負 荷時 の局 所EFはI, った が,I,. 心 筋 虚 血 によ る左 室 壁 運 動 異 常 は しば しば 心 電 図 変 化. ら33±7%. で75±15%か ら84±11%へ. ら. に先 立 ち 出現 す る.心 プ ー ル シ ンチ グ ラ フ ィ ー は運 動 負. 上昇 し. 荷 時 の 虚 血 性 左 室 壁 運 動 異 常 を 鋭 敏 に検 出 す る8).本 研. II群 と もIII群よ り低 値 で あ. II群 間 に有 意 差 はな か った.術 前 に前 壁 中. 隔,心 尖 部EFが. 低 下 した 症 例 のI群 の75%,. 全 例 で術 後 に 同部EFが 術 後 に前 壁 中 隔EFの (31%),. され た.. で28±. II群 の. 究 にお いて,運 動 負 荷 時 に もITAは. 全 体 的 に は静 脈 グ. ラ フ トと同 等 の 血 流 供 給 能 を 有 した.し の14%の. か し,ITA群. 症 例 で最 大 運 動 負 荷 時 にLAD領. 域で壁運動. 改 善 した.. 異 常 を 認 め た こ とはITAの. 低 下 を 示 し た の はI群18例. グ ラ フ トに よ る多 枝 バ イパ ス を 推 進 して き たJonesら. II群3例(9%)あ. た の はI群12例(21%),. り,心 尖 部EFの. 低下 を示 し. II群2例(6%)あ. った.I. は,最 近ITAの. 血 流 不 足 を示 唆 す る.ITA. 血 流 不足 を 指 摘 し,そ の使 用 に注 意 を. 促 して い る1).左 主 幹 部 狭 窄 やLAD中. 枢部狭窄 のよ う. 群 の8例 で 前 壁 中 隔 ま た は 心 尖 部 に,運 動負 荷 時 に5%. に,広 範 囲 心 筋 の 血行 再 建 の 際 はITAの. 以 上 の局 所EF低. 域 との バ ラ ンス に十 分 注 意 を払 う必 要 が あ る と考 え る.. 下 を示 す 壁 運動 異 常 を 認 め た が,II群. で は認 め なか った(p<0.05). LAD領. (6)の90%以. が 広 く,ITA径. 上 の狭 窄 か左 主 幹 狭 窄 で灌 流 域. は3例 でLAD径. う ち1例 の 携 帯 用RIシ で は50Wの. よ り細 か っ た.こ の. ンチ に よ る連 続 心 機 能 モ ニ タ ー. 中 等 度負 荷 ま で はEFは. か ら最 大 負 荷 ま で はEFは 考 ITAは. I群 の この壁 運 動 異 常 は. 域 の虚 血 を 示 唆 す る.こ の8例 中 ほ と ん ど の症. 例 がLAD. サ イ ズ と灌 流. 上 昇 した が,75W. かえ っ て 下 降 した(図3). 察. 長 期 開 存性 が 優 れ て お り冠 動 脈 バ イパ ス術 の. 文. 献. 1). Jones,. E.L.. et. al.:. J.. Thorac.. Cardiovasc.. Surg. 98: 902, 1989. 2) Barner, H.B.: Am. Heart J. 86: 570, 1973. 3) Flemma, R.J. et al.: Ann. Thorac. Surg. 20: 619, 1975. 4) Hamby, R.I. et al.: Am. Heart J. 93: 306, 1977. 5) Siegel, W. et al.: Circulation 54 (Suppl. III): III -1 , 1976. 6) Myojin, K. et al.: J. Thorac. Cardiovasc. Surg. 79: 713, 1980. 7) Johnson, A.M. et al.: J. Thorac. Cardiovasc. Surg. 92: 822, 1986. 8) Berger, H.J. et al.: Am. J. Med. 66: 13, 1979..

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