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体圧分布のパターン変動と座り心地 Sitting Comfort and the Change of Body Pressure Distribution

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Academic year: 2022

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(1)博士(人間科学)学位論文. 概要書. 体圧分布のパターン変動と座り心地 Sitting Comfort and the Change of Body Pressure Distribution. 2005年1月 早稲田大学大学院. 人間科学研究科. 藤巻 吾朗 Fujimaki, Goroh 研究指導教員:. 野呂. 影勇. 教授.

(2) 1.はじめに 近年,人々の快適性に対する関心が高まっており,様々な産業分野において,快適性を 開発における重要な課題として取り扱っている.椅子についても同様に座り心地に対する 関心は高まっており,特にオフィスチェアにおいては座り心地を前面に押し出した椅子が 多く販売されている.人間の腰椎は臥位や立位の状態が最も負担の少ない姿勢であり,座 位は背骨に負担のかかる姿勢である.以前はこのような観点から,オフィスチェアについ ても,腰や骨盤を臥位や立位に近い状態で保持する椅子が主流であった.しかし,背骨を 動かすことが腰部の負担を軽減させるうえで重要であることが知られており,近年では, 背骨や骨盤のサポートだけではなく,身体の動きや姿勢の変化を妨げないように考えられ た椅子が主流となってきている.着座時における身体の動きが注目されているが,それに 伴う着座状態の変化が座り心地に与える影響については,ほとんど知見が得られていない.. 2.研究目的 本研究では,着座状態の変化する顕著な事例として座り込み動作を取り上げ,体圧分布 のパターン変動と座り心地との対応関係を明らかにすることを目的とした.. 3.座り心地における「快」「不快」の定義 座り心地における「快」 「不快」の定義は, 「快」 「不快」を同一次元の対極の感覚である か,「快」「不快」を2次元の別の感覚であるかは様々な議論が行われており,明確な定義 はされていない.近年では, 「快」 「不快」を個別に扱う考え方が広く認められてきており, その発生要因についてもモデル化が行われている.本研究では,「快」「不快」を別の発生 要因を持つそれぞれ別の感覚であると定義した.. 4.体圧分布の測定結果の取り扱い 着座状態が変化する状況での体圧分布測定にヒステリシス特性を考慮する必要がある. 本研究で使用した体圧分布測定装置のヒステリシス特性を検証した結果,実際の圧力値と の相関は高かったが(r=0.993,p<0.01),最大で 23mmHg の誤差が確認された.しかし,圧 力センサ間の標準偏差は小さかったため,本研究では体圧分布の測定結果は圧力の最大値 が1となるように比率に換算し,相対値として扱うこととした. 相対値に変換された体圧分布のデータは自己組織化マップを用いて分類を行った.学習.

(3) 後のニューロンの重みベクトルは分類された体圧分布の分布形状を示しており,ニューロ ンの遷移を分析することで,体圧分布のパターン変動を調査した.自己組織化マップを用 いた新たな分析手法により,従来の手法では困難であった分布情報を維持した状態での体 圧分布のパターン変動を分析することが可能となった.. 5.座り込み動作時の体圧分布のパターン変動と座り心地 210名の被験者を対象に硬さの違う6種類のクッションに着座してもらい,その中で最も 座り心地が良いと感じたものについて,座り心地に関するアンケート調査および体圧分布 測定を行った.その結果,座り込み動作時の体圧分布のパターン変動について,特徴的な 変動を抽出することができた.また,このような変動は「快」に関係しており, 「不快」に はあまり関係がなく,着座安定時における体圧分布は「不快」に関係し, 「快」にはあまり 関係がないことが考察された. 「快」は座り込み動作時の体圧分布のパターン変動で決まり, 体圧分布の重心がスムーズに後方へ移行し,着座安定時直前に,体圧分布の重心が後方へ 移行した後に少しだけ前方に重心が戻るような変化が心地よい感じを与えることがわかっ た.また, 「不快」は着座安定時の体圧分布により決まり,不快な感じを与える体圧分布の 分布形状を抽出することができた. 従来の体圧分布に関する研究は小規模なものが多かったが,本研究では,210 名の幅広 い層の被験者を対象とした大規模な調査であり,得られた知見についても一般解として扱 うことが可能であると考えられる.また,本研究では,体圧分布のパターン変動を分析す ることで, 「快」と関わりのある変動を知ることができた.不快の発生要因について検討す ることは最低限の座り心地を保証する上で重要であり,快の発生要因の解明は,より上位 の快適性を実現するためには不可欠であると考えられる.本研究では,この両者について 体圧分布との対応関係を明らかにすることができた.特に体圧分布のパターン変動が快に 与える影響については,従来の研究では得られなかった知見であり,将来において,より 快適な椅子やシートを開発するための有用な知見を得ることができた..

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参照

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