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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2022

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(1)氏. 名. 洲﨑. 雄. 授与した学位. 博. 士. 専攻分野の名称. 環境学. 学位授与番号. 博甲第4990号. 学位授与の日付. 平成26年. 学位授与の要件. 環境学研究科. 3月25日 生命環境学専攻 (学位規則第5条第1項該当). 学位論文の題目. Sexual selection and mating behavior in two heteropteran species (カメムシ類 2 種における性選択と交尾行動). 論文審査委員. 教授. 宮竹 貴久. 教授. 坂本. 圭児. 准教授. 高橋. 一男. 学位論文内容の要旨 性選択は,オスの様々な形態や生理,行動的な形質の進化を促進する。性選択のメカニズムは,オス間競争とメスの配 偶者選択の2つに大別することができる。オス間競争は,メスとの接触機会を巡るオス同士の争いで,オスの闘争能力す なわち体サイズや角や大顎等の武器形質に選択がかかる。一方,メスの配偶者選択は,メスが交尾によって得られる直接 的・間接的利益に基づいて配偶者を選択する過程で,求愛ディスプレイや装飾形質等,オスの質の指標となる形質に選択 がかかる。また,性選択は,交尾前の過程だけでなく,交尾後も続くことが知られている。例えば,メスが複数のオスと 交尾したとき,メスの生殖管内では,複数のオス由来の精子の間に卵の受精を巡る競争が発生する。さらに,メスが卵の 受精に使う精子を,特定のオス由来のものに偏らせたり,魅力的でないオスの精子を体外に排出したりすることが知られ ている。また,これらの過程は,互いに排他的な関係ではないため,性選択を包括的に理解するためには,複数の性選択 圧の関係を調べる事が重要である。そこで,本研究では,カメムシ目に属するホソヘリカメムシ Riptortus pedestris とメ ダカナガカメムシ Chauliops fallax の2種を用いて,性形質と配偶行動の適応的意義について研究を行った。 ホソヘリカメムシは,オスが誇張された後脚を持ち,交尾前に後脚を用いたオス間競争と,前脚でメスをタッピングす る求愛行動を行う。本研究では,1)オス間闘争に誇張形質が与える影響と,2)求愛行動と誇張形質がメスの配偶者選択に 与える影響,3)魅力的なオスとの交尾によって,メスが直接的・間接的利益を得ているかどうかを調べた。結果,オス間 闘争では,より後脚の大きいオスが勝ちやすかった。メスは,魅力的なオスとの交尾からは直接的利益を得ていなかった。 しかし,オスの魅力と求愛率,武器サイズは有意に遺伝しており,オスの魅力は求愛率,武器サイズと正の遺伝相関を持 つことから,魅力的なオスから間接的利益を得ていることがわかった。 メダカナガカメムシは,交尾の際,オスがメスの背面にマウントし,交尾器の挿入を断続的に繰り返すという特徴的な 交尾行動をとる。この交尾器挿入には,6分以内で終わる短いタイプと約30分続く長いタイプの2種類があり,交尾の 最初に1~3回短い交尾器挿入を行い,その後,長い交尾器挿入を繰り返し行う。この 2 つのタイプの交尾器挿入の適応 的意義を調べた結果,長いタイプの交尾器挿入は精子の移送と再交尾受容性の抑制という機能を持っていたが,短い交尾 器挿入がオスの繁殖成功にどのように寄与しているのかを明らかにすることはできなかった。 以上の結果から,オスの多様な性形質や配偶行動は,性選択の過程を通じて,それぞれの種の配偶様式に適応するよう 進化したと考えられる。.

(2) 論文審査結果の要旨. メダカナガカメムシとホソヘリカメムシの2種類のカメムシを材料として,性選択について研究した。メ ダカナガカメムシは交尾の際に,オスがメスの背面にマウントして,交尾器の挿入を断続的に繰り返す。こ の行動は特徴的であり,これまでに報告されていない。そして交尾器挿入には,6分以内で終わる短いタイ プと約 30 分続く長いタイプの 2 種類があり,交尾の最初に1~3回短い交尾器挿入を行い,その後,長い交 尾器挿入を繰り返す。この繰り返し交尾器挿入行動の適応的な意義について,行動動学的及び適応度の比較 など詳細に調べたが,短い期間の交尾器挿入行動の適応的意義をあきらかにすることはできなかった。 ホソヘリカメムシは,オスが誇張された後脚を持ち,交尾前に後脚を用いたオス間競争と,前脚でメスを タッピングする求愛行動を行う。本研究では,1)オス間闘争に誇張形質が与える影響と,2)求愛行動と誇張 形質がメスの配偶者選択に与える影響,3)魅力的なオスとの交尾によって,メスが直接的・間接的利益を得 ているかどうかを調べた。結果,オス間闘争では,より後脚の大きいオスが勝ちやすかった。メスは,魅力 的なオスとの交尾からは直接的利益を得ていなかった。しかし,オスの魅力と求愛率,武器サイズは有意に 遺伝しており,オスの魅力は求愛率,武器サイズと正の遺伝相関を持つことから,魅力的なオスから間接的 利益を得ていることがわかった。 本研究では,以上の結果から,オスの多様な性形質や配偶行動は,性選択の過程を通じて,それぞれの種 の配偶様式に適用するよう進化したことが明らかとされ,これらの結果は環境学研究科・環境生態学・進化 生態学の博士後期課程の学位論文として十分に優れたものであると判断できる。.

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