石田 真弓 内容の要旨
論文内容の要旨
【目的】 がん患者遺族に対する声掛けなどコミュニケーションの重要性はこれまでにも強調されてきた。 しかし、実際にはそのコミュニケーション自体が遺族を苦しめている現状があることも報告され ている。これまで、遺族が経験する「役に立たないコミュニケーション」のような遺族ケアの問 題となる側面の研究は広く行われておらず、その実態も明らかにされてこなかった。そこで、本 研究では遺族の経験する周囲とのコミュニケーションについて、「役に立たないコミュニケーショ ン」を中心に全国調査を行い、がん患者遺族にさらなる負荷をもたらす可能性のあるコミュニケ ーションの特定と、その特徴や背景について明らかにすることを目的とした。 【方法】 がん患者遺族の経験した“役に立たないコミュニケーション”に対する調査に基づくアンケート を作成し、全国103 のホスピス施設/緩和ケア施設で亡くなった遺族を対象に横断的調査を実施し た。 【結果】 アンケートは630 名の遺族(回答率 63%)から回答を得た。回答者の 60%以上の遺族が「役 に立たない”コミュニケーション」を経験しており、最も「役に立たない」と評価されていたコミ ュニケーションは「死別後の良い側面を強調された」であった。また、13 項目のコミュニケーシ ョンは因子分析の結果2 つの因子(「回復へのアドバイス」「がんの詮索」)に分けられた。それぞ れの特徴として、「がんの詮索」に関するコミュニケ―ションは、「回復へのアドバイス」に比べ、 より役に立っていない(より遺族をつらくしている)が、より多く提供されており、経験してい る遺族の割合も高いことが明らかになった。また、このようなコミュニケーションをつらく感じ やすい背景についてロジスティック回帰分析を行ったところ、配偶者を亡くした遺族は、親を亡 氏 名 石田 真弓 学位の種類 博士(医学) 学位記番号 乙第1387 号 学位授与の日付 平成30 年 4 月 27 日 学位授与の要件 学位規則第3 条第 1 項第 4 号に該当 学位申請論文タイトル及び掲載誌Communication Disparity between Bereaved and Others: What Hurts Them and What is Unhelpful? – A Nationwide Study of the Cancer Bereaved
遺族と周囲におけるコミュニケーションの不一致:
何が彼らを傷つけ、何が役に立たないのか?-がん患者遺族の全国調査から Journal of Pain and Symptom Management 2018 年 1 月 9 日電子版掲載 学位審査委員(主査)教授 佐伯 俊昭
くした遺族に比べ、「回復へのアドバイス」をよりつらく感じやすいことが明らかになった(odds ratio [OR], 5.34; 95%CI, 1.63 to 17.57)。