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豊下楢彦教授退任記念論集によせて

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豊下楢彦教授退任記念論集によせて

著者 冨田 宏治

雑誌名 法と政治

巻 65

号 1

ページ 1(1)‑2(2)

発行年 2014‑05‑30

URL http://hdl.handle.net/10236/12085

(2)

2013年 3 月末日をもって, 私たちの敬愛する豊下彦先生が本学を定 年でご退職になられました。私たちは, 先生のご在任中のご活躍と, 法学 部に対する多大なご貢献に感謝し, ここに『法と政治』の本号をご退任の 記念論集として編集し, 先生に献呈させていただくことといたしました。

豊下彦先生は, 京都大学法学部助教授, 立命館大学法学部教授を経て, 2000年 4 月に本学の国際政治論担当の教授に就任され, 以来13年にわたっ て, 本学の研究と教育に貴重なご貢献をいただきました。

先生のご専門は, 国際関係論と外交史であり,「イタリア方式」という 占領管理体制の成立の意義を解明した『イタリア占領史序説―戦後外交の 起点』(有斐閣, 1984年)を起点に, 京都大学から法学博士を授与された

『日本占領管理体制の成立―比較占領史序説』(岩波書店, 1992年)にお ける占領管理規定なき日本占領の問題性の解明へと帰結することとなった 第二次世界大戦敗戦国の比較占領史に関するご研究が, その根幹をなすも のでありました。

その後, こうしたご研究の蓄積の上に,『安保条約の成立―吉田外交と 天皇外交』(岩波新書, 1996年),『昭和天皇・マッカーサー会見』(岩波 現代文庫, 2008年)など, 手堅い実証に拠りながらも, 戦後史の通説的 理解に対して大胆な見直しをせまる著作を次々と公刊され, ひろく世の注 目を集められました。

豊下 彦教授退任記念論集によせて

法政学会会長・法学部長

冨 田 宏 治

法と政治 65巻1号 (2014年5月) 1(1)

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同時に『集団的自衛権とは何か』(岩波新書, 2007年),『「尖閣問題」

とは何か』(岩波代文庫, 2012年)といった著作を通じて, 今日的な諸問 題にも精力的な発言をくり広げられ, 日本を代表する国際政治学者のお一 人として活躍されています。

また, 国際政治学会, 日本政治学会, 平和学会, 公共政策学会, 比較政 治学会, 歴史学研究会, イタリア近現代史研究会など, 数多くの学会にお いてもご活躍され, 多大な学術的貢献をしてこられました。

先生は, このような研究と学会活動におけるご活躍のみならず, 本学に おける講義・演習を通じて大いに教育にも尽力されました。とりわけ, そ のご名声を慕って集まった多くの大学院生が先生の熱心なご指導のもと, 優れた研究者として巣立っていったことは, 特筆にあたいすることである と存じます。

ご退職後は, 教育の第一線からは退かれたものの, ひきつづき旺盛な研 究活動を続けられておられますが, 先生には, 今後ともご健康にご留意さ れ, 手堅い実証と大胆な問題提起により, ひろく世の注目を集められるよ うなご活躍をさらにくり広げられますよう, 心よりお祈り申し上げる次第 です。

2(2) 法と政治 65巻1号 (2014年5月)

参照

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