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電気油圧サーボ系における自己調整ファジィコントローラのルール数低減化法

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Academic year: 2021

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(1)

研 究論文

電 気 油 圧 サ ー ボ 系 に お け る 自 己 調 整 フ ァ ジ ィ コ ン ト ロ ー ラ の ル ー ル 数 低 減 化 法*

児**,

也**,

也***

行***,

卓***

Reduction

method of control rules in self-tuning

fuzzy controller

for

positioning

system of electro-hydraulic

servo system

Shinji NOGUCHT, Kazuya TANIZUMI,

Takuya KAMANO

Takayuki

SUZUKI, Takashi YASUNO

In this paper,

the application

of a self-tuning

fuzzy control method for electro-hydraulic

servo systems

is described.

As is well known, fuzzy controllers have the ability to control a system in uncertain

or

un-known environments.

However,

the control performance

depends on the fuzzy rules. Therefore,

suitable

control rules are required.

A self-tuning fuzzy controller

(STFC) , in which the fuzzy rules for the

combi-nation of all input signals are automatically

adjusted by the tracking error, has been proposed . Although

the STFC is effective for improving the tracking performance,

it requires many control rules. To reduce

the number of fuzzy rules, the ring- and separate-type

STFCs are proposed.

In the ring-type

STFC, the

fuzzy rules are described as a combination

of two input signals.

The fuzzy rules in the separate-type

STFC are used to adjust the gain of each input signal. The effectiveness of the proposed fuzzy controllers

for improving the tracking performance

is demonstrated

by an experiment of boom telescoping axis of an

aerial working platform.

Key words: Construction

machinery,

Fuzzy control,

Self-tuning

method, Learning control,

Fluid power

system, Mechatronics

1. ま え が き 土 木 ・建 設工 事 な どに欠 か せ な い建 設 機 械 は一 般 に 大 型 で 重 負荷 に使 用 され るた め,ア ク チ ュエ ー タ に は 小 型 高 出 力 が 可能 な油 圧 ア クチ ュエ ー タが 用 い られ て い る.し か しな が ら,そ の 特性 は制 御 弁 の不 感帯 や片 ロ ッ ドシ リ ンダ の非 対 称 性 お よび摩 擦 な ど に よ り強 い 非 線 形 性 を有 して い る.ま た,建 設 機 械 は通 常風 雨 を 伴 う厳 しい作 業 環 境 下 で 用 い られ る た め,複 雑 な操 作 は オペ レー タ に よ り強 い負 担 を 強 い る こ と とな る.更 に,熟 練 オペ レ ー タ不 足 に よる若 年 オ ペ レー タ の増 加 や 女性 オペ レ ー タの 進 出 が社 会 情 勢 として 定 着 して い る現 在,建 設 機 械 の 性 能 お よび安 全 性 の向 上 に加 え て 自動 化,高 機 能 化,操 作 の 簡 略 化 が必 要不 可 欠 とな っ て い る.特 に,オ ペ レー タが 車輌 上 の キ ャ ブ内 また は 車輌 外 か ら操 作 す る ク レー ンや パ ワ ー シ ョベ ル な どの 他 の建 設 機 械 とは異 な り,高 所 作業 車 で は それ 自体 が 作 業 台 の オペ レ ー タ に とって 作 業環 境 の一 部 とな るた め,操 作 性 の 向上 が 作 業 環 境 の 改善 に直 結 す る.こ れ らの 要 求 を実 現 す るた め に は,油 圧 ア ク チ ュエ ー タ の 非 線形 性 を十 分 抑 圧 し,オ ペ レー タ の指 令 に遅 れ な く 追 従 す るサ ー ボ シ ス テム を構 成 しな け れ ば な ら ない. この よ うな観 点 か ら油 圧 サ ー ボ シス テ ム の性 能 向 上 を 目的 と して,建 設機 械 に適 応 制 御1)2),外乱 オ ブザ ー バ3)∼5),ファ ジ ィ制 御6)7)などの 制 御 手 法 を適 用 した例 が 報 告 され て い る.適 応 制 御 は制御 対 象 の線 形 性 を前 提 と して い る た め,制 御 性 能 や ロバ ス ト性 にお い て 良 好 な結 果 が必 ず し も得 られ て い な い.外 乱 オ ブザ ーバ は運 動 方程 式 か ら摩 擦 を含 む 外 乱入 力 を推 定 す る こ と に よ り応 答特 性 の改 善 を図 って い る.し か し,推 定 に は近似 微 分 を 川 い るた め外 乱抑 圧 特 性 に は限 界 が あ り, 使 用 す る フ ィル タ時 定 数 は実機 の動 特 性 お よび検 出器 * 平成9年4月21日 原稿 受 付 ** (株)タダ ノ技 術 研 究 所 (所在地 〒761-03香 川 県高 松 市 林 町2217-13) *** 徳 島大 学 (所在 地 〒770徳 島 市南 堂 三 島 町2-1)

(2)

786 油 圧 と 空 気 圧 の高 周 波 雑 音 を考慮 して適 切 に設 定 しな けれ ば な らな い.特 に,経 済 性 の 面 か らサ ン プ リン グ周期 を短 くで きな い場 合 に問題 とな る. 一 方,フ ァ ジ ィ制御 は制 御 対 象 の厳 密 な 数学 モ デ ル を必 要 とせ ず,熟 練 オペ レ ー タの 知 識 や 経験 に基 づ き 作 成 され た 「if∼then∼」形 式 の言 語 的 ル ー ル に よ り操 作 量 を決 定 す るた め,モ デ ル の導 出 が 困 難 な 油圧 サ ー ボ シ ス テム に と って は大 き な魅 力 が あ る.し か し,制 御 結 果 は作 成 した ル ー ル に依 存 す るた め,実 機 毎 の動 特 性 を考 慮 した適 切 な制 御 ル ー ル の 設 定 が必 要 で あ る. そ こで,制 御 ル ー ル を 自動 的 に調 整 す る手 法 が提 案 さ れ て い る.こ の うち,自 己 調 整 フ ァ ジ ィ コ ン トロー ラ (STFC)8)は フ ィー ドフ ォワ ー ド コン トロ ー ラ と して 使 用 され,そ の制 御 ル ール の後 件 部 は シ ング ル トン変 数 と して 追従 誤 差 信 号 を零 収 束 させ る よ う自動 的 に調 整 され る.し か しな が ら,制 御 ル ー ル 数 は入 力 信 号 の 全 ての 組 み合 わ せ を考 えて い るた め(以 下,こ れ を ク ロス 方 式 と記 述 す る),詳 細 な ル ー ル を記 述 す れ ば す る ほ ど調 整 す べ き後 件部 変 数 は飛 躍 的 に増加 す る.こ の こ とは,無 用 な制 御 ル ー ルが 存 在 す るば か りで な く大 容 量 の メ モ リを必 要 とし,演 算 時 間 の制 約 か ら も実 機 へ の 適 用 に は問 題 が あ る.こ れ を 解 決 す る た め に, STFCの 制 御 ル ー ル 数 低 減 化 法 と して 予 め 入 力 信 号 を 2組 の ペ ア と し て制 御 ル ー ル を構 成 す る リ ン グ方 式9) が検 討 され て は い る もの の,実 用化 に お い て は未 だ十 分 とは 言 え な い. そ こで,本 論 文 で は,実 用化 を前 提 とし,さ らな る STFCの 制 御 ル ー ル 数低 減 化 法 につ い て検 討 して い る. 制 御 ル ール の低 減 化 法 と して,入 力 信 号 毎 にそ れ ぞ れ 独立 した制 御 ル ー ル を設定 す る セパ レー ト方 式 を提 案 し,従 来 の ク ロス 方 式,リ ン グ方 式 と比 較 検 討 して い る.以 下 で は,提 案 した 油圧 サ ー ボ シ ステ ム の 構成 お よび制 御 アル ゴ リズ ム に つ い て詳 述 し,高 所 作 業車 に 適 用 した場 合 の 実 測 結 果 か ら提 案 した 低 減 化 法 の有 用 性 を確 認 し て い る. 2. 高 所 作 業 車 提 案 す る低 減 化 法 の有 効 性 を確 認 す るた め,高 所 作 業 車(タ ダ ノAC-125S;作 業 床 の 最 大 地 上 高12.5 [m])の ブー ム 伸 縮 に つ い て実 測 を行 った.ブ ー ム伸 縮軸 の油 圧 回路 をFig.1に 示 す.ま ず,油 圧 はエ ンジ ン に よ り駆 動 す る ポ ンプ に よ り発 生 させ,そ の 供 給圧 を リ リー フ弁 に よ り設 定値 に調 整 した 後,電 磁比 例 流量 制御 弁 を介 し て シ リ ンダ を駆 動 す る.こ の シ リ ンダ と ブ ー ム との間 に設 け られ た ワ イ ヤー に よ りブ ー ム伸 縮 動作 を行 う と とも に,シ リ ンダ に は カ ウ ン タバ ラ ンス 弁 が つ け られ て お り,配 管 お よび ホー ス等 の破 損 に よ るブ ー ム の重 力 方 向 へ の 急激 な降 下 を防止 して い る. また,ブ ー ム長 さの検 出 の た め に ポテ ン シ ョメー タ が 付 け られ て お り,検出 され た ブ ー ム長 は12ビ ッ トA/D 変 換 器 を 介 し,補 償 器 を 構 築 し た パ ー ソナ ル コ ン ピ ュー タ(CPU80486+NDP80487)に 取 り込 んで い る. な お,サ ン プ リ ング 周期 は実 装 を考慮 して25[msec] と した. 3. 制 御 ア ル ゴ リ ズ ム 提 案 す る油 圧 サ ー ボ シ ス テム の制 御 目的 は,伸 縮軸 の位 置yの み を観 測 し,制 御 弁 ス プ ー ル位 置 を操 作 す る こ とに よ り,任 意 の 姿勢 にお い て規 範 位 置yrに 遅 れ な く出力 位 置 を追従 させ る こ とで あ る.従 来 の 制御 シ ス テ ム は固 定 ゲ イ ンフ ィー ドバ ッ ク コン トロー ラで構 成 さ れ て お り,最 適 なパ ラ メー タの 調整 に は試 行 錯誤 が必 要 で あ る う え十 分 な追 従 特 性 も得 られ て いな い。 提 案 す る シ ス テ ム は,Fig.2に 示 す よ う にPIコ ン ト ロー ラを用 い た フ ィー ドバ ック制 御 シス テ ム に フ ィー ドフ ォ ワー ドコ ン トロ ー ラ と してSTFCを 付 加 して い

Fig. 1 Hydraulic schema of boom telescoping

(3)

る.図 中,yr:規 範 位 置 入力,vr:規 範 速 度入 力,αr: 規 範 加 速 度 入 力,y:出 力 位 置,ef:追 従 誤 差 信 号, kp:比 例 ゲ イ ン,ki:積 分 ゲ イ ン,ec:PIコ ン トロ ー ラ 出 力,ea:フ ァ ジ ィ コ ン トロー ラ出 力,μijk:前 件 部 グ レー ド,Wijk:後 件 部 変 数 で あ る. STFCの 目的 は,油 圧 ア ク チ ュ エ ー タ固 有 の不 感 帯 な どの 非 線形 性 を補 償 し,規 範 位 置 と出 力位 置 を一 致 させ るた め に必 要 な 操作 量 を フ ァ ジ ィ推 論 に よ り求 め る こ とで あ る.STFCは ル ー ル調 整 部 とフ ァジ ィ推 論 部 に機 能上 分 け られ る.ル ール 調 整 部 で は,追 従 誤 差 信 号 を零収 束 させ る よ う後 件 部 変 数 を 自動 的 に調整 す る.こ の こ とに よ り実機 毎 の制 御 ル ー ル の チ ュー ニ ン グが 著 し く簡 略 化 で き調 整工 数 が 削減 で き る.ま た, フ ァ ジ ィ推 論 部 で は調 整 され た制 御 ル ール を用 い て簡 略 法 に よ り操 作 量 を推 論 す る.フ ァジ ィ コ ン トロー ラ の入 力 信 号 は,規 範 速 度vr,規 範加 速 度 αrおよ び追 従誤 差 信 号efで あ る. 作 成 す るル ー ル は,各 入 力信 号 を組 み合 わ せ て 制御 ル ー ル を記述 す る方 法 として,既 報 の ク ロ ス方 式8),リ ン グ 方式9)に加 えて 実 用 化 を前 提 と して ル ー ル 数 を低 減 した セ パ レー ト方 式 につ い て検 討 す る。 3.1 ク ロス方 式STFC Fig.3に 示 す ク ロ ス方 式 の フ ァジ ィ制 御 ル ー ル は以 下 の よ うに表 さ れ る. (1) こ こ でvr:規 範 速 度,αr:規 範 加 速 度,ef:追 従 誤 差 で, ea:フ ァ ジ ィ 推 論 器 の 出 力,Ai,Bj,Ck:Fig.4に 示 すNB(Negative Big)∼PB(Positive Big)ま で の フ ァ ジ ィ 変 数,Wijk:シ ン グ ル ト ン の 後 件 部 変 数 で あ る.こ こ で 規 範 速 度,規 範 加 速 度 は機 械 の 最 大 能 力 を 考 慮 し て 正 規 化 し,追 従 誤 差 信 号 に つ い て は 試 行 錯 誤 に よ り正 規 化 ゲ イ ン を 求 め る.ク ロ ス 方 式 のSTFCの 出 力eaは,荷 重 平 均 に よ りnサ ン プ リ ン グ に お い て 次 式 で 与 え ら れ る. (2) こ こ で,ui,uj,ukは 各 入 力 信 号 の グ レ ー ドで あ る.ま た,選 択 さ れ た ル ー ル の 後 件 部 変 数Wijkは,勾 配 法 に よ り次 式 に よ り求 め ら れ る. (3) こ こで γ>0は 調 整 ゲ イ ン で あ る.(1)式 か ら明 らか な よ うに,ク ロス 方 式 で は入 力 信 号 全 て の組 み合 わせ と して制 御 ルー ル が構 築 され るた め 設 定 が容 易 で あ る も の の,実 用 化 に際 して は以 下 の 問 題 点 が あ る.ま ず, 入 力 信 号 の フ ァジ ィ分 割 数 を」(=7),入 力 信 号 の 数 を m(=3)と す る と,設 定 さ れ る ル ール 数 はlm(=73= 343)個 とな る.こ れ は入 力 信 号 数 の増 加 に伴 いル ー ル 数 が 指 数 的 に増 大 す る こ とを意 味 して い る.ま た,そ れ らの ル ー ル の 中 に は最 大 規 範 速 度 で最 大 規 範 加 速 度 を とる よ うな 物 理 的意 味 の ない ル ー ル も存 在 す る.さ らに,(3)式 で 各 サ ンプ リン グ毎 に調整 され る後 件 部 変 数 は,Fig.4に 示 す メ ンバ シ ップ 関数 を用 い る場 合,各 入 力 信 号 に対 して そ れ ぞれ2つ の フ ァジ ィ変 数 が選 択 さ れ るた め,そ の組 み合 わ せ と して合 計 蟹(=8)個 とな る.こ れ は大 容量 の メ モ リと高 速 な 演 算時 間 を必 要 とす る. 3.2 ル ー ル 数 低 減 化 ク ロ ス方 式 の 問題 点 を解 決 す るた め にル ー ル数 の低 減 を 目的 として,次 の2つ の方 式 を検 討 す る. 1) リン グ方 式 リ ング方 式 は,入 力 信号 を予 め2つ の 入 力 信号 のペ ア に分 割 し,そ れ ぞ れ の2入 力 信 号 問 で 制御 ル ー ル を 構 成 す る.リ ング 方式 のル ール テ ー ブ ル をFig.5に 示 す.リ ン グ方 式 の フ ァ ジ ィ制 御 ル ール は以 下 の よ うに 記 述 さ れ る. (4) Fig. 3 Cross type STFC

(4)

788 油 圧 と 空 気 圧 こ の 結 果,リ ン グ 方 式 の ル ー ル 数 はmC2×l2(=3×72 =147)個 と な り,ク ロ ス 方 式 に 比 較 し て ル ー ル 数 は 低 減 さ れ る.出 力eaは 次 式 に よ り求 め ら れ る.

(5)

な お,サ ンプ リン グ毎 の 調 整 ル ー ル数 は22×m(=12) 個 とな り,ク ロ ス 方式 よ りも増 加 す る. 2) セ パ レー ト方式 ク ロ ス方 式 に比 較 して リン グ方 式 はル ー ル総 数 を低 減 で き る もの の,サ ン プ リン グ毎 の 調整 ル ー ル数 は増 加 し,実 用 的 観 点 か ら更 な る低 減 化 が 必 要 で あ る.そ こで,Fig.6に 示 す よ うに入 力 信 号 をそ れ ぞ れ独 立 に し,各 信 号 の大 きさ に応 じて ゲ イ ン を調 整 す る た めの 制 御 ル ー ル を設 定 した セパ レー ト方式 を提 案 す る.セ パ レー ト方 式 の制 御 ルー ル は以 下 の よ う に表 され る. (6) セ パ レ ー ト方 式 で の ル ー ル 数 は l×m (7×3=21) 個 と な り,著 し い 低 減 化 が 実 現 さ れ る.ま た,サ ン プ リ ン グ 毎 の 調 整 ル ー ル 数 は2×m(=6)個 で あ り,(7) 式 に 示 す コ ン トロ ー ラ の 出 力 算 出 式 か ら も 演 算 量 は 大 幅 に 削 減 さ れ,ソ フ ト ウ エ ア サ ー ボ を 構 成 す る場 合 に CPUへ の 負 担 が 減 少 す る こ とが わ か る. (7) しか しな が ら,(6)式 か ら明 らか な よ うにセ パ レー ト 方式 の制 御 ル ー ル は,各 入 力 信 号 の大 き さ に応 じて ゲ イ ン を調 整 す る可 変 ゲ イ ン コ ン トロ ー ラ とみ なす こ と が で き るた め,各 入 力信 号 の 組 み合 わせ に応 じて適 切 に ゲ イ ン を調 整 す る フ ァジ ィ推 論 の特 徴 が 薄 れ,非 線 形 性 補 償 能 力 や 汎化 能 力 の低 下 が 懸念 され る.以 下 で は各 方式 のSTFCを 実機 に適 用 し,実 用 的 な 制 御 ル ー ル の構 成 法 につ い て検 討 す る. 4. 実 測 結 果 提 案 す るル ー ル 数低 減 化 の有 効性 を確 認 す るた め に, 2章 の油 圧 サ ー ボ系 を用 い,各 方 式 のSTFCに よる 追 従 特 性 を実 測 した.規 範 位 置 信 号 と して6.35[m]を 中 心 と して振 幅0.85[m],周 期40[sec]の 正 弦 波 を用 い た と きの各 方 式 の チ ュ ー ニ ン グ初 期段 階 お よ びチ ュー ニ ング後 の応 答 特性 をFig .7か らFig.12に 示 す.い ず れ の 方式 も固 定 ゲ イ ンフ ィー ドバ ッ ク コン トロー ラ は 設 計 者 が試 行 錯 誤 で調 整 した従 来 の ゲ イ ン(kp=0.01, ki=0.0005)を 用 い,制 御 ル ー ルの 調 整 パ ラ メー タの初 期 値 は すべ て零 に設 定 して い る.チ ュー ニ ン グ初 期段 階 で は油 圧 ア クチ ュエ ー タ の非 線 形 性 に よる追 従 誤 差 が 現 れ て い る もの の,チ ュ ー ニ ン グ の 進 行 と と も に フ ァ ジ ィ コ ン トロ ー ラ の 出 力eaが 徐 々 に 増 加 し, チ ュ ー ニ ン グ後 にお い て 出力 位 置 は規 範位 置 に遅 れ な く追従 して い る こ とが わ か る.こ れ らの 結果 は,制 御 の 主 体 が チ ュ ー ニ ン グ の進 行 に伴 いPIコ ン トロ ー ラ か らSTFCに 移 行 して い る こ とを 示 して い る.ま た, チ ュ ー ニ ン グ後 のSTFCの 出 力eaは,油 圧 ア ク チ ュ エ ー タ や油 圧 制 御 弁 の加 工 精 度 に起 因 す る非 対 称 性 を 補 償 す る よ う正 負 で 異 な る大 き さ とな って お り,操 作 方 向 が切 り替 わ る時 点 で は不 感 帯 を補 償 す る よ う出 力 Fig . 5 Ring type STFC

(5)

(a) Reference and actual positions

(b) Control and error signals

(a) Reference and actual positions

(b) Control and error signals

(a) Reference and actual positions

(b) Control and error signals

(a) Reference and actual positions

(b) Control and error signals

Fig. 7 Responses under cross type STFC in

ear-ly stage of tuning

Fig. 8 Responses under cross type STFC after

tuning

Fig. 9 Responses under ring type STFC in early stage of tuning

Fig. 10 Responses under ring type STFC after tuning

(6)

790 油 圧 と 空 気 圧

(a) Reference and actual positions

(b) Control and error signals

(a) Reference and actual positions

(b) Control and error signals

され て い る.Fig.13は チ ュー ニ ン グ過 程 にお け る各 方 式 の二 乗 平均 誤 差 で あ る.こ れ か ら もチ ュー ニ ング後 に お いて 各 方 式 と も同程 度 の 追 従精 度 を示 して い る こ とが わ か る.各 方式 の違 い はチ ュー ニ ン グ初 期 に お い て顕 著 で あ り,調 整 則 として 各 方 式 と も同 じ最 急 降下 法 お よ び調 整 ゲ イ ンを用 いた 結 果,ル ール 数 を低 減 し た セパ レー ト方 式 あ る い は リング 方式 の方 が ク ロス 方 式 よ りも誤 差 収束 が圧 倒 的 に早 い.こ れ は時 間 的 に変 化 す る規 範 信 号 に対 して,ク ロス 方式,リ ン グ方 式,

Fig. 11 Responses under separate type STFC in

early stage of tuning

Fig. 12 Responses under separate type STFC

after tuning

Fig. 13 Mean square errors of each type STFC

Fig. 14 Responses of each type STFC for

dif-ferent desired position (sinusoidal wave)

Fig. 15 Responses of each type STFC for

dif-ferent desired position (trapezoidal

(7)

セパ レー ト方 式 の 順 に,1ル ー ル の 調 整 回 数 が多 くな るた め 二乗 平 均 誤 差 の収 束 速 度 も速 く,適 切 なル ール が 簡 潔 に記 述 され て い る と思 わ れ る. 次 に,各 方 式 の 汎 化能 力 を確 か め るた め に,前 述 の 正 弦 波信 号 で チ ュー ニ ング後,後 件 部 変数 を固 定 し, 周 期20[sec],振 幅0.21[m]の 正 弦 波規 範 信 号 お よび 周 期26[sec],振 幅0.21[m]の 台 形 波規 範 信 号 に対 す る応 答 特性 を実 測 した.Fig.14お よびFig.15に 各 規 範 入 力 に対 す る応 答 特性 を示 す.こ の 結 果 よ り,提 案 したセ パ レー ト方 式 は制 御 ル ー ル数 が 他 の 方式 比 較 し て少 な い もの の適 切 な ゲ イ ン調 整 が 図 られ て い る た め, 他 の方 式 と同等 以 上 の 汎 化能 力 を有 し てい る こ とが 確 か め られ た. 5. ま と め 本 論 文 で は,実 用 化 を前提 と して,非 線 形性 の強 い 油 圧 サ ー ボ 系 に 自 己 調 整 フ ァ ジ ィ コ ン ト ロ ー ラ (STFC)を 適 用 す る場 合 の制 御 ル ー ル低 減 化 法 に つ い て検 討 した.制 御 ル ー ル の低 減 化 法 として,入 力 信 号 を予 め2つ の 入力 信 号 の ペ ア に分 割 しそれ ぞ れ の2入 力 信 号 間 で制 御 ル ー ル を構 成 す る リン グ方 式 と,入 力 信 号 を それ ぞ れ独 立 に し各信 号 の大 き さ に応 じて ゲ イ ンを調 整 す る た めの ル ー ル を構 成 す る セパ レー ト方式 を比 較 して い る.提 案 した 各 方式 を高 所 作 業車 の ブ ー ム伸 縮 軸 の 油圧 ア クチ ュエ ー タ に適 用 し,追 従特 性 を 実測 した.そ の結 果,以 下 の点 が明 らか とな った. (1) 従 来 の クロ ス方 式,リ ング 方式 に加 えて,提 案 し た セパ レー ト方 式 を 用 い たSTFCは と もに 油圧 ア ク チ ュエ ー タの非 対 称 性 や 非線 形 性 を補 償 し,追 従 特 性 の著 しい 改善 に有 効 で あ る. (2) フ ァジ ィ分割 数 を1,入 力 信 号 数 をmと す る と き, ク ロ ス方 式,リ ング方 式,セ パ レー ト方 式 で 設 定 さ れ るル ー ル 数 は そ れ ぞれJm,mC2×l2,1mと な り, 特 に,セ パ レー ト方式 はル ー ル 数 の低 減 に最 も有効 で あ り,ま た,サ ンプ リン グ毎 に 出 力算 定 に要 す る 演算 量 も少 な くCPUへ の 負担 も軽 減 され る. (3) さ らに,セ パ レー ト方 式 は他 の 方 式 よ り冗 長 度 の 低 い ルー ル 構成 か ら調 整 が 高 速 に行 わ れ る と と もに, 汎化 能 力 に優 れ る. 以 上 よ り,油 圧 サ ー ボ 系 の 実 用 的 観 点 か ら,追 従 特 性 の 改 善 と調 整 工 程 の 簡 略 化 に 対 し,セ パ レ ー ト方 式 を 用 い たSTFCが 最 も有 効 で あ る と 思 わ れ る. 参 考 文 献 1) 中 尾,浦 田:電 気 油 圧 サ ー ボ シ ス テ ム の 適 応 フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド制 御,日 本 機 械 学 会 論 文 集 (C編), Vol.60, No.569, pp 190∼pp 197 (1994) 2) 阿 部,小 波:電 気 油 圧 サ ー ボ シ ス テ ム の 動 特 性 改 善,油 圧 と空 気 圧, Vol.24, No.1, pp 130∼pp 137 (1993) 3) 山 本,横 田,三 橋:配 電 作 業 用 電 気 油 圧 マ ニ ピ ュ レ ー タ の 高 精 度 制 御,油 圧 と 空 気 圧, Vol.26, No 7, pp 896∼pp 902 (1995) 4) 小 菅:外 乱 推 定 オ ブ ザ ー バ を 用 い た 油 圧 駆 動 式 マ ニ ピ ュ レ ー タ の 制 御,機 械 学 会 論 文 集(C編), Vol.59, No.563, pp 2152∼2156 (1993) 5) 鮫 島,藤 井:フ ァ ジ ィ理 論 に よ る 油 圧 シ ョ ベ ル 向 け 自 動 掘 削 制 御 装 置 の 開 発,機 械 学 会 ロ ボ テ ィ ク ス メ カ トロ ニ ク ス 講 演 会 論 文 集, Vol.A, pp 509 ∼512 (1995) 6) 横 田,笹 尾,一 柳:油 圧 シ ョベ ル の ブ ー ム,ア ー ム 系 の 高 精 度 軌 跡 制 御,日 本 機 械 学 会 論 文 集(C 編), Vol.62, No.593, pp 161∼pp 167 (1996) 7) 宮 嶋,佐 藤,水 谷:建 設 機 械 へ の フ ァ ジ ィ 制 御 の 適 用, 7th Fuzzy Symposium, pp 255—•`pp 258 (1991)

8) J. Fukumi, T. Kamano,

T. Suzuki and Y.

Kataoka:

Positioning

System with

Progres-sive Wave-Type

Ultrasonic Motor under Self

-Tuning

Fuzzy Control

, Journal

of Robotics

and Mechatronics,

Vol. 7, No. 1, pp 63—pp 68

(1995)

9) 鎌 野,鈴 木,安 野,漆 原,片 岡:自 己 調 整 フ ァ

ジ ィ コ ン トロ ー ラ に お け るル ー ル 数低 減 化 法 の検 討,平 成6年 度 電 気 関 係 学 会 四 国 支部 連 合 大 会,

Fig.  1  Hydraulic  schema  of  boom  telescoping
Fig.  4  Membership  functions
Fig  .  6  Separate  type  STFC
Fig.  8  Responses  under  cross  type  STFC  after  tuning
+2

参照

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