カテゴリーⅡ[木材学会誌 Vol. 67, No. 2, p. 93−99(2021)]
応力波伝搬法から求めたヤング率補正式の提案
*1野田 龍
*2,末永祐樹
*3,後藤文彦
*4Elastic Modulus Correction Formula Obtained Using
a Stress Wave Propagation Method
*1Ryu N
oda*2, Yuki S
ueNaga*3and Humihiko g
otou*4 To evaluate the strength of structural members using a stress wave propagation method, it is necessary to determine a constant elastic modulus value, regardless of the sensor insertion position and distance between the sensors. Therefore, the elastic modulus values of sugi (Cryptomeria japonica), hinoki (Chamaecyparis obtusa), akamatsu (Pinus densiflora), and karamatsu (Larix kaempferi), which have been used for wooden civil engineering structures, were evaluated while varying the sensor insertion position and the distance between sensors. The elastic modulus was found to be larger when the sensor was inserted between the structural member cross sections, rather than between the surfaces. Moreover, a positive correlation between elastic modulus and distance between sensors was discovered. Subsequently, a correction formula was devised that ensures that the elastic modulus is constant, regardless of sensor insertion position and distance between sensors, with the correction formula calculated for each of the examined wood species. Keywords : stress-wave propagation method, longitudinal vibration method, modulus of elasticity, non-destructive test, wooden civil structures. 応力波伝播法を用いて既設構造部材の強度を評価するためには,センサの差し込み位置やセン サ間距離に関わらず,一定のヤング率が得られなければならない。そこで,木製土木構造物とし て用いられるスギ (Cryptomeria japonica),ヒノキ (Chamaecyparis obtusa),アカマツ (Pinus densiflora),カラマツ (Larix kaempferi) を対象にセンサの差し込み位置やセンサ間距離を変化 させたときのヤング率を評価した。その結果,センサを表面間よりも木口間に差した方がヤング 率は大きくなること,センサ間距離とヤング率には正の相関があることが分かった。そこで,セ ンサの差し込み位置やセンサ間距離に関わらず,ヤング率が一定となる補正式を検討し,樹種別 に補正式を求めた。 *1 Received July 30, 2020 ; accepted October 23, 2020. *2 秋田県立大学木材高度加工研究所 Institute of Wood Technology, Akita Prefectural University, Noshiro 016−0876, Japan*3 元 秋 田 大 学 理 工 学 部 Formerly, Faculty of
Engineering Science, Akita University, Akita 010− 8502, Japan *4 秋 田 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 Department of Systems Design Engineering, Graduate School of Engineering Science, Akita University, Akita 010− 8502, Japan Corresponding author : R. Noda ([email protected]. ac.jp) 1. 緒 言 既設構造物の構造安定性や耐用年数等を評価する ためには,構造部材の材料強度やヤング率を把握す ることが必要であるが,これらは樹種や構造物の種 類,部位,建設後の経過年数等によって大きく異な る。部材強度を正確に把握するためには部材を回収 して含水率の測定や強度試験を実施しなければなら ないが,供用中の構造物を解体することはできない ため,現実的には現地にて収集可能な測定を行うし かない。特に木橋等の木製土木構造物では,屋外使 用が可能で持ち運びしやすく,かつ簡便な測定機器
を用いるのが一般的である。使用される機器として, ピロディンやレジストグラフ,応力波伝播法,超音 波伝播法等がある。ピロディンは天候に左右されず 使用できることや取り扱いが容易なため,さまざま な現地調査で用いられている1−5)。また,レジスト グラフは内部腐朽の把握や比較的大断面まで測定 し,定性的な劣化状況を把握することができる。し かし,いずれも点での劣化度評価となるため,部材 全体の強度は評価しにくい。超音波伝播法はセンサ 間のヤング率を算出することができ,材長方向のヤ ング率推定が可能である。しかし,音波は材内のも っとも通りやすい部分を伝搬する6)ため,局所的な ヤング率を測定・評価することになる。また,距離 による減衰が大きいため,長尺材では強度を評価し にくい。応力波伝播法は超音波伝播法と同様の考え 方で,センサ間の局所的なヤング率を求めることに なるが,距離による減衰を考慮する必要はない。ま た,立木や丸太での材質評価の検討が進められ7−14), 応力波伝播法により求めたヤング率は伐採後の丸太 や製材品の縦振動法によるヤング率と高い相関を持 つことが明らかとなっている7, 8, 11−13)。これらの特 徴を活かして,近年では木製土木構造物の部材強度 の評価にも適用される事例15−17)が増えており,構 造物の点検手法の一つとして紹介されている18, 19)。 しかし,応力波伝播法ではセンサ間距離を短くする と計測誤差が大きくなるといった問題点が指摘され ている13)。また,木製土木構造物で応力波伝播法を 用いる場合,センサの差し込み位置やセンサ間距離 が部位によって異なることがあるため,これらの影 響に左右されないヤング率評価が必要となる。 そこで本研究では,木製土木構造物の強度評価と して応力波伝播法に着目し,センサの差し込み位置 とセンサ間距離を変化させたときのヤング率を明ら かにし,差し込み位置およびセンサ間距離に応じた 補正式の算出を試みた。 2. 実 験 方法 2.1 試験体 試験体には,木製土木構造物として用いられるス ギ (Cryptomeria japonica),ヒノキ (Chamaecyparis obtusa),アカマツ (Pinus densiflora),カラマツ (Larix kaempferi) の4樹種を用意し,各樹種とも に同一樹木より芯去り材で四方柾もしくは二方柾と なるよう,8本切り出した。断面サイズは40 mm× 40 mm,長さは2000 mm とした。室内にて十分に 乾燥させた後,後述する試験を行った。 2.2 試験手順 試験は長さ2000 mm のときの寸法および質量を 測定した後,次節に示す縦振動法による固有振動 数,応力波伝播法による伝播時間の測定を行った。 その後,試験体の両端から50 mm ずつ切り落とし ていき,全長が500 mm になるまで100 mm 刻みに 上述の測定を行った。 2.3 試験方法 2.3.1 縦振動法 縦振動の測定は,クッション材で支持した試験体 の一端をハンマで打撃し,他端にマイクロフォンを 設置して行った (Fig.1(a))。マイクロフォンで記 録 し た 打 撃 音 を FFT ア ナ ラ イ ザ (WaveSpectra Ver.1.51)20)によって解析し,一次の固有振動数を 求め,式 (1) からヤング率を算出した。 Efr=4f2ℓ2ρ (1) ここで,Efr:縦振動法によるヤング率 (Pa),f: 固有振動数 (Hz),ℓ:試験体の長さ (m),ρ:試 験時の試験体密度 (kg/m3) である。試験体の密度 は試験体の長さと質量および両端の断面積の平均値 から求めた。各長さのヤング率は8体の平均値とし た。試験体のヤング率を測定した後,応力波伝播時 間の測定を行った。 2.3.2 応力波伝播法 応力波の測定には市販されているハンディータイ プの応力波測定器 (FAKOPP,FAKOPP Enterprise) を用いて行った。FAKOPP は入出力2種のセンサ を木材表面に差し込んで使用するもので,入力側の センサ頭部をハンマで叩いて応力波を発生させ,そ の応力波が出力側のセンサに到達するまでの時間を 測定できる装置である。FAKOPP は木材内部の空 洞や腐朽,密度等の推測が可能で,バッテリーの持 ちが良く,かつ計測が簡便であるといった特徴から 現地調査で重宝されている。 実構造物を対象に応力波伝播法を用いる場合,構 造形式や部材の連結方法によってセンサの差し込み 可能な位置が異なる。そこで,本研究では Fig.1(b) に示すように両側木口面に試験体と平行になるよう 差し込む場合 (木口間) と試験体表面に45°の角度 で差し込んだ場合 (表面間) の2通りで行った。表 面への差し込みは柾目面を対象に行った。センサを 差し込む深さは人力で表面に押し込んで挿入できる 深さとし,その深さは概ね5mm 程度であった。表 面間の測定では,センサ先端間距離が所定の距離と なるようセンサを差し込んだ。測定は1箇所につき 3回以上行い,得られた値の平均値をその試験体の
応力波伝播時間とした。応力波伝播時間をセンサ間 の距離で除すことで応力波伝播速度を求め,ヤング 率は式 (2) を用いて算出した。 Ews=v2ρ (2) ここで,Ews:応力波伝播法によるヤング率 (Pa), v:応力波伝播速度 (m/s),ρ:試験時の試験体密 度 (kg/m3) である。各長さのヤング率は8体の平 均値とした。また,実構造物で応力波伝播法を用い る場合,測定対象の部材と接触する材料はさまざま である。そこで,接触する部材の違いによる応力波 伝播時間への影響を把握するため,試験体の支持条 件を木材,鋼材,クッション材の3条件として測定 を行った。 3. 結果と考察 3.1 ヤング率 縦振動法より求めたヤング率と試験体長さの関係 を Fig.2に,試験体密度と試験体長さの関係を Fig. 3に示す。縦振動法では4樹種ともに試験体長さが 長くなるにつれヤング率は若干の低下傾向を示し た。試験体長さ500 mm のヤング率に対する2000 mm のヤング率の低下率はスギおよびヒノキで約 1.8%,カラマツで約3.7%,アカマツで約8.7%とな り,アカマツでやや大きな低下率となった。一方, 試験体密度は試験体長さが長くなるにつれ若干の増 加傾向がみられ,試験体長さ500 mm に対する2000 mm 時の増加率はスギで4.2%, ヒノキで2.8%, カラ マツで3.4%,アカマツで2.7%であった。式 (1) に 示すように,密度とヤング率の間には比例関係が成 り立つにも関わらず反比例の結果が得られたことか ら,縦振動法では部材長さによってヤング率が変化 することが示唆された。 応力波伝播法より求めたヤング率とセンサ間距離 の関係を Fig.4に示す。応力波伝播法では4樹種と もにヤング率とセンサ間距離には正の相関があり, センサ間距離500 mm のヤング率に対する2000 mm のヤング率の増加率は表面間の場合,スギ15.7%, ヒノキ17.9%,アカマツ18.4%,カラマツ21.0%, 木口間の場合,スギ12.1%,ヒノキ15.9%,アカマ ツ14.7%,カラマツ17.7%となり,いずれも10%以 上の増加率を示した。試験体密度の増加率 (2.7~4.2 %) よりも大きいことから,ヤング率増加の主な要 因は伝搬速度の増加であると考えられる。表面間と 木口間で比較すると,増加率はいずれの樹種でも表 面間の方が約2~3%大きくなった。次に,表面間 Specimen Hammer Microphone FFT analyzer Support material
(a) Longitudinal vibration method
Cross Section Specimen Hammer Surface : sensor 45° Support material
(b) Stress wave propagation method Fig. 1. Measuring method. 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 500 1000 1500 2000 Densi ty of test spe cim en (g /cm 3)
Length of test specimen (mm) sugi hinoki akamatsu karamatsu
Fig. 3. Relationship between density and length of the test specimen. 0 2 4 6 8 10 12 14 16 500 1000 1500 2000 El astic m od ul us (G Pa)
Length of test specimen (mm) sugi hinoki akamatsu karamatsu
Fig. 2. Relationship between length of test specimen and elastic modulus obtained using the longitudinal vibration method.
および木口間のヤング率の関係を Fig.5および Table1に示す。すべての樹種において,表面間よ りも木口間の方がヤング率は大きくなった。また, ヤング率のばらつきはいずれの樹種でも表面間より 木口間の方が小さかった。この要因として,応力波 が材中を伝播する際の伝播経路が影響していると考 えられる。センサを木口間に差した場合は応力波が 木口間を直線的に伝播するのに対し,表面間の場合 は Fig.6に示すように,応力波が弧を描くように伝 播しているものと考えられる21)。弧を描く分,応力 0 2 4 6 8 10 12 14 16 500 1000 1500 2000 El astic m od ul us (G Pa)
Distance between sensors (mm) sugi hinoki akamatsu karamatsu
(a) Surface 0 2 4 6 8 10 12 14 16 500 1000 1500 2000 El astic m od ul us (G Pa)
Distance between sensors (mm) sugi hinoki akamatsu karamatsu
(b) Cross section
Fig. 4. Relationship between elastic modulus and distance between sensors obtained using the stress wave propagation method. 4 8 12 16 4 8 12 16 El astic m od ul us (C ros s se ctio n, GPa )
Elastic modulus (Surface, GPa) sugi hinoki akamatsu karamatsu Fig. 5. Relationship of the elastic modulus comparing insertion at the cross section and at the surface. Table 1. Elastic modulus with the surface and cross section before correction, and the correction term (unit : GPa). Distanse between sensors (mm)
sugi hinoki akamatsu karamatsu Surface Cross Section Correction term Surface Cross Section Correction term Surface Cross Section Correction term Surface Cross Section Correction term 2000 6.81 6.96 6.65 11.88 12.16 11.44 8.91 9.09 8.57 14.09 14.58 13.60 1900 6.54 7.03 6.75 11.76 12.68 11.99 8.64 9.48 8.98 13.45 14.43 13.53 1800 6.68 6.95 6.70 11.87 12.37 11.78 8.97 9.16 8.74 13.42 14.10 13.30 1700 6.74 6.88 6.66 11.73 12.12 11.62 8.80 9.06 8.69 13.47 13.92 13.22 1600 6.70 6.84 6.66 11.47 12.14 11.72 8.80 9.02 8.71 13.26 14.16 13.54 1500 6.59 6.88 6.74 11.63 12.23 11.89 8.69 9.05 8.79 13.29 14.04 13.52 1400 6.58 6.85 6.74 11.59 12.11 11.87 8.72 8.99 8.80 13.05 14.01 13.59 1300 6.58 6.82 6.76 11.53 12.02 11.89 8.66 9.01 8.90 12.97 14.02 13.71 1200 6.46 6.71 6.69 11.16 11.94 11.91 8.49 8.99 8.95 12.59 13.73 13.55 1100 6.23 6.78 6.81 11.11 12.02 12.11 8.30 8.95 8.98 12.35 13.65 13.59 1000 6.43 6.72 6.80 11.20 11.83 12.04 8.40 8.82 8.94 12.61 13.54 13.62 900 6.30 6.65 6.79 10.74 11.51 11.85 8.31 8.64 8.85 12.49 13.38 13.60 800 6.23 6.54 6.73 10.67 11.27 11.75 8.20 8.48 8.80 12.36 13.13 13.51 700 6.10 6.41 6.67 10.31 11.16 11.80 8.02 8.39 8.81 12.26 13.03 13.60 600 6.12 6.35 6.69 10.24 10.89 11.70 7.84 8.15 8.69 11.94 12.62 13.37 500 5.89 6.20 6.62 10.08 10.49 11.49 7.53 7.93 8.61 11.65 12.39 13.37 Ave. 6.44 6.72 6.72 11.19 11.81 11.80 8.45 8.83 8.80 12.83 13.67 13.52 S.D. 0.27 0.24 0.06 0.60 0.59 0.18 0.41 0.41 0.13 0.65 0.62 0.13 C.V. 4.12 3.52 0.84 5.40 4.96 1.55 4.79 4.60 1.45 5.08 4.55 0.97 Note : Ave. : Average value, S.D. : Standard deviation, C.V. : Coefficient of variation.
波が伝搬する距離はセンサ間距離よりも長くなる。 伝播速度とヤング率は比例関係にあるため,伝搬に 要する時間が長くなれば伝搬速度が遅くなり,結果 的にヤング率が低くなる。この傾向はセンサ間距離 が短く,弧半径が小さくなるほど顕著になる。 つまり,構造物を対象として応力波を強度の指標 の一つとして評価する場合,センサの差し込み位置 やセンサ間距離によってヤング率が変化することに 留意する必要がある。そこで,センサの差し込み位 置やセンサ間距離によるヤング率の変化を抑えるた め,ヤング率の補正式について検討を行った。なお, 応力波伝播法で支持条件を変えてヤング率を求めた ところ,支持条件の違いによる差異は認められなか った。この結果は,丸太材を対象に支持条件を変化 させたときの結果と同様であった7)。 3.2 ヤング率の補正 ヤング率を補正するには,センサの差し込み位置 とセンサ間距離について検討する必要がある。表面 間,木口間いずれもセンサ間距離とヤング率の間に は類似した傾向が認められた (Fig.4) ため,ヤン グ率の変動はセンサの差し込み位置よりもセンサ間 距離の方が大きいと考えられる。そこで,まずセン サの差し込み位置について補正を行った後,センサ 間距離による補正を行った。 3.2.1 センサの差し込み位置による補正 木口間と表面間では,応力波がより直線的に伝播 する木口間の方が表面間よりも正確なヤング率を表 していると考えられる (Fig.6)。また,ヤング率の ばらつきはいずれの樹種でも表面間より木口間の方 が小さい (Table1)。そこで,木口間で求めたヤン グ率を基準とし,式 (3), (4) より表面間ヤング率 を補正した。 Ews'=Ews−s×(1+α) (3)
α=(Ews−c−Ews−s)/Ews−s) (4)
ここで,Ews':補正後の表面間ヤング率 (=木口 間ヤング率,Pa),Ews−s:補正前の表面間ヤング率 (Pa),α:表面間ヤング率に対する木口間ヤング率 の増加率 (%),Ews−c:木口間ヤング率 (Pa) であ る。なお,本項の補正式は木口間を計測しているた め求めることが可能である。実構造物を対象にした 場合,木口間での計測が可能であれば補正を行う必 要はないが,そうでない場合,式 (4) のαを事前 に求めておく必要がある。あるいは,表面間のヤン グ率が低めに出ることを安全しろ,つまり安全側の 設計と捉え,表面間で計測したヤング率をそのまま 用いることも考えられる。 3.2.2 センサ間の距離による補正 センサ間距離を補正するためにはまず,正確なヤ ング率を示すセンサ間距離を明らかにする必要があ る。そのためには縦振動法より求めたヤング率を参 考にするか,弾性範囲内での曲げ試験を実施して求 めればよい。しかし,本試験では縦振動法において も試験体長さに応じてヤング率の変動が認められ た。また,すでに試験体を切断していたため,曲げ 試験からヤング率を求めることはできなかった。そ こで,本試験では応力波伝播法および縦振動法より 求めたヤング率が概ね一致するセンサ間距離を基準 とすることとした。正確なヤング率が得られるセン サ間距離の特定は今後の課題である。 応力波伝播法および縦振動法より求めたセンサ間 距離とヤング率の関係を Fig.7に示す。ヤング率が ほぼ同値となるセンサ間距離はスギでは1000~1200 mm,ヒノキとアカマツでは1000 mm,カラマツで は700 mm であった。そこで,センサ間距離1000 mm のときのヤング率を基準にして,センサ間距離によ るヤング率の補正を行った。 センサ間距離1000 mm のヤング率を1としたと きの応力波伝播法によるヤング率について,各セン
Specimen
Stress wave
propagation route
Fig. 6. Stress wave propagation route according to distance between sensors. 4 6 8 10 12 14 16 500 1000 1500 2000 )a P G( sul ud o m ci ts al E
Distance between sensors (mm) Stress Wave Longitudinal Vibration
hinoki akamatsu
karamatsu
sugi
Fig. 7. Relationship between elastic modulus and distance between sensors.
サ間距離の増減率を求めた結果の一例を Fig.8に示 す。センサ間距離とヤング率増減率は対数近似式で 表すことができ,いずれの樹種も強い相関であるこ とが分かった (Table2)。そこで,各樹種で得られ た対数近似式から式 (5) を用いてヤング率を求め た。
Ews''=Ews'×(1−y) (5)
ここで,Ews'':センサ間距離補正後のヤング率 (Pa),Ews':センサ差し込み方補正後のヤング率 (Pa),y:対数近似式である。 センサ間距離と補正後のヤング率の関係を Fig.9 および Table1に示す。長さによっては値がやや増 減するものの,各樹種ともにセンサ間距離に関わら ず概ね一定のヤング率を示した。また,補正するこ とで,全樹種ともに変動係数は小さく,ばらつきを 抑えられる結果となった。つまり,本研究で提案し た補正方法を用いれば,センサの差し込み位置やセ ンサ間距離に関わらず,概ね一定のヤング率を求め ることができる。 4. 結 論 本研究では,木製土木構造物の強度評価の一つと して,応力波伝播法に着目し,センサの差し込み位 置とセンサ間距離に応じたヤング率の評価を行っ た。その結果,以下の知見が得られた。 1 . 縦振動法では部材長さが長くなるにつれヤン グ率が若干低下する。 2 . 応力波伝播法では,センサ間距離とヤング率 に正の相関が認められ,センサを木口に差したと きのヤング率は表面に差す場合よりも大きい。こ の要因として,材中を伝播する際の伝播経路が影 響していると考えられる。 3 . 応力波伝播法について,ヤング率の補正式を 用いれば,センサ間距離に関わらずヤング率を概 ね一定にすることが可能である。 本試験で得られたヤング率の補正式は,今後デー タを蓄積することでより確度の高いヤング率を算出 することが可能になると考えられる。ただし,本研 究では正確なヤング率が得られるセンサ間距離を特 定できていないため,今後,曲げ試験等から得られ るヤング率と比較検証する必要がある。 文 献 1) 飯島泰男:土木用木質構造物の耐用年数評価 について. 木材保存 25(5), 209−218 (1999). 2) 大橋一雄, 多田野 修:ピロディンおよび目視 被害度を用いたカラマツ杭材の耐用年数評価. 岩手県林業技術センター研究報告 13, 35−40 (2005). 3) 村上英人, 占部達也, 吉次昌則, 片桐幸彦, 廣田 篤彦:福岡県産スギ・ヒノキ材の耐久性に関 する研究. 福岡県森林林業技術センター研究 報告 11, 1−5 (2010). y = 0.081ln(x) - 0.38 R² = 0.95 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 0 500 1000 1500 2000 cit sal e et hf o es aer cni fo et a R ) %( m m0 00 1 a no sul ud o m
Distance between sensors (mm)
Fig. 8. Relationship between the rate of increase of the elastic modulus and distance between sensors on a 1000 mm test, for sugi.
Table 2. Approximate correction formula calculated using distance between sensors and rate of change of the elastic modulus.
Species Approximate correction formula Correlation coefficient sugi y=0.081 ln(x)−0.384 0.977 hinoki y=0.111 ln(x)−0.531 0.958 akamatsu y=0.103 ln(x)−0.490 0.956 karamatsu y=0.106 ln(x)−0.493 0.980 Note: x : the length of test specimen, y : the elastic
modulus. 4 6 8 10 12 14 16 500 1000 1500 2000 El astic m od ul us w ith the corr ectio n term (G Pa)
Distance between sensors (mm) sugi hinoki akamatsu karamatsu
Fig. 9. Relationship between elastic modulus with the correction term and distance between sensors.
4) 明石浩和, 山内仁人, 神原広平, 松永浩史, 大村 和香子, 桃原郁夫, 玉井幸治, 藤田智郁, 野田 龍:青森県坪毛沢にある約60年から100年経過 した木堰堤の部材劣化調査. 木材利用研究論 文報告集 17, 39−48 (2018). 5) Noda R., Huzita T., Gotou H. : Development of deterioration diagnosis method combining load measuring device and driver pin. World Conference on Timber Engineering 2018, Seoul, Republic of Korea, 2018, STR−P−20. 6) Burmester, A. : Zusammenhang zwischen
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