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糸 の ヤ ング率 が つ ば付 ボ ビ ンの変 形 に及 ぼす影 響

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Academic year: 2022

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(1)47. 論. 文. 糸 の ヤ ング率 が つ ば付 ボ ビ ンの変 形 に及 ぼす影 響. Effect. of Yarn. Modulus. 金沢大学工学部. 新. 宅. 救. 徳(会 員). 金沢大学工学部. 喜. 成. 年. 泰(会 員). 金沢大学工学部. 堀. 純. 也(会 員). on Deformation. of Flanged. Bobbini. Sukenori Shintaku, Toshiyasu Kinari and Junnya Hori Faculty of Technology, Kanazawa. University, Kodatsuno, Kanazawa. Abstract. Stress distribution in the yarn package wound on the flanged bobbin is made clear by using the data of model experiment on which yarn packages are formed by several kinds of yarn that has different Young's modulus . They are also useful for obtaining the deformation of the flanged bobbin using the finite element analysis . The following results are obtained. (1) The smaller Young's modulus of the yarn, the larger the radial load compressing the barrel of the flanged bobbin. Increasing rate of the radial compressive stress decreases with accumulated yarn layer. (2) The smaller Young's modulus of the yarn, the larger the axial load expanding the flanges of the bobbin. Increasing rate of the axial expanding load increases with cumulated yarn layer. (3) The radial load compressing the barrel of bobbin is larger than the axial load expanding its flanges . (4) The smaller Young's modulus of the yarn, the larger the flanged bobbin deforms by internal stess in yarn package.The maximum deformation is generated near the root of its flanges. (Received October 1, 1993) (Accepted for Publication January 10, 1994). 摘. 要. 目的 ヤ ング率 の異 な る糸 を用 いて っ ば付 ボビ ン上 に巻 糸体 を形 成 した 際の巻 糸体 内 部 の応 力分 布状 態 を モデ ル実験 を通 し て求 め る.ま た,巻 糸体 内部 の応 力 に よるっば 付 ボ ビンの変 形 につ いて有限要 素法 によ り解 析 す る. 成 果(1)糸 層 が つば付 ボ ビ ンの芯 筒 を圧 縮 す る荷 重 は糸 の ヤ ング率 が小 さい ほ ど大 き く,そ の荷 重増 加 の割 合 は糸層 の増 加 に伴 い小 さ くな る. (2)糸層 が ボ ビンのつ ばを圧 縮 す る荷重 は糸 の ヤ ング率 が小 さい ほ ど大 き く,そ の荷 重増 加 の割 合 は糸 層 の増加 に伴 い大 き く な る. (3)巻糸 体 は ボ ビンのつば よ り も芯筒 を強 く圧 縮 す る. (4)巻糸 体内 部応 力 によ るつば付 ボ ビンの変形 は,糸 のヤ ング率 が小 さい ほど大 き く,つ ば のつ け根付 近 での変 位 が最 も大 き く な る. (平成5年10月1日 受理) (平成6年1月10日 審査 終了). 1.緒. 弾 性 糸 な ど を 用 い て の 糸 の パ ッ ケ ー ジ形 成 時 や た て. 言. 巻 取 工 程 に お い て 糸1本. 糸 ビー ムへ の 巻 き取 り時 に ボ ビ ンや ビー ム が 変 形 ・ に加 わ る力 は小 さ い も の. 破 損 す る こ と が あ る.こ. れ らの 現 象 は巻 張 力 や 巻 量. の,糸 層 を 幾 層 に も累 積 して い く こ と に よ っ て 巻 糸. を 小 さ くす る こ と に よ っ て 問 題 発 生 を減 らす こ とが. 体 内 部 で 重 畳 され て い く力 は非 常 に 大 き く な る、 そ. で き る が,ボ. の た め,伸 度 の 大 き い糸,特. ら考 え る と根 本 的 な 解 決 に は 至 っ て い な い.㌧. に ナ イ ロ ン加 工 糸 や 高. T89. ビ ンや ビ ー ム の設 計 強 度 と い う観 点 か.

(2) 繊 維 機 械 学 会 誌. 48. これ まで に も巻糸体 の 内部状 態 につ いて の理論 解 析 や実 験'〜12)は 数 多 く報 告 され,巻 糸 体 芯 筒あ る い は ビーム フ ラ ンジ等 の強度 設計 に役 立 って い る.こ れ らの中 で巻糸 体 の芯 筒 や フ ラ ンジの受 け る力 を測 定 した報 告3〜8)はあ るが,ボ ビンや バ レルの変 形 につ いて実 際面 か ら検討 した もの は見 当 た らない. このた め我 々 は,巻 糸体 の内部 ひず み につ いて モ デル実験 に よ りそ の挙動 を明 らか に し'3),巻糸 体 内 部 の 円周方 向応 力 が全域 に わた って均一 とな る よ う な巻 糸体 を形成 してそ の張力制 御 に よ る効 果 を検討 した14).さ らに,巻 糸体 の 円周方 向 ヤ ング率 か ら半. Fig.1. Relation. between. the. 径 方 向 ヤ ング率 を推 定 す る方 法 につ いて検 討 し15),. Eo and. the. cumulated. 巻 糸体 の半 径方 向 ヤ ング率分 布 を任意 に設 定 で き る. e and. f,Eo. measured. circumferential yarn by. strain. layer •¢r the. a,b,c,d,. gauge. placed. r=Omm,2mm,4mm,6mm,8mm. 理 論式 を導 き,実 際 の巻 糸体 を用 い た実験 によ り測. at. and. 10 •¢. mm,respectively. 定 された半 径方 向 ヤ ング率分 布 を適 用 す る こ とによ って よ り正 確 な ひずみ解 析 を行 って きた16).. ため,小. 型 の パ ッ ケ ー ジ に巻 き返 す こ と が 必 要 であ. 本報 で はフ ィラメ ン ト糸 の撚糸 製造 工程 で使 用 さ れ るつば付 ボ ビ ン(以 後 本報 で は ボ ビン と記 す)の. る.織 物 表 面 の 光 沢 を 重 視 す る フ ィ ラ メ ン ト織 物 な. 変 形 に着 目 し,ヤ ング率 の異 な る糸 を用 いて巻 糸体. るRTワ. を形成 した際 の ボ ビ ンの変形 につ いてモ デ ル実 験 を. る ワ イ ンダ(後. 通 して明 らか にす る.ま ず初 め に,種 々 の ヤ ング率 の糸 をつ ば付 ボ ビンに張 力 を一定 と して巻 き取 り,. ン(後 述 の 図8参. 糸 層累 積 に伴 う巻糸 体 内部応 力 に よる ボ ビ ンの芯筒. 別 駆 動 の トラバ ー ス ガ イ ドに よ っ て トラバ ー ス を 与. 圧 縮荷 重 お よびつ ば圧縮 荷重 の変 化 を測定 し,糸 の. え られ な が ら ボ ビ ン上 に巻 き 取 られ る.. ど に お い て は,こ. の パ ッケ ー ジ は糸 の接 圧 を 利 用 す. イ ン ダ に よ らず,ボ 述 の 図2参 照)上. ビ ン ワ イ ン ダ と称 さ れ. 照)に. よ り,つ ば 付 ボ ビ. に 形 成 さ れ る.ボ. ビ ンワイ. ン ダ で は テ ン サ に よ り一 定 張 力 に制 御 され た 糸 が,. こ の よ うに 巻 糸 体 を 形 成 した 場 合,巻. ヤ ング率 の違 い(す なわ ち巻 糸体 の 円周方 向 ヤ ング. 円 周 方 向 ひ ず み(詳. 率 の 違 い)が ボ ビンの圧 縮 力 に及 ぼ す影響 につ いて. 糸体 内部 の. し い 実 験 方 法 は文 献13)参. 照). 考 察 す る.そ して,こ の測定 値 と異方 性 を考慮 した. は巻 糸 体 径 増 加 に 伴 い,図1に. 巻 糸体 内部応 力理論 よ り算 出 した値 とを比 較 す る こ. い く.図1は. とに よ り,巻 糸体 の半径 方 向 ヤ ング率 を推 定 し,実. (実 測 に よ る と7.60Tex(68.4D))を17gf(0.167. 際 に近 い巻糸 体 内部 の応 力分 布状 態 を求 め る.さ ら. N)の. に,得 られ た ボ ビンの圧 縮応 力 を用 いて有 限 要素 法. 場 合 の 一 例 であ る.糸 層 増 加 に伴 う ひ ず み は,初あ. に よ りボ ビンの変形 につ いて解析 す る.. に巻 か れ た 張 力 を 保 持 しな が らそ の 上 に糸 層 が 累 積. なお,本 報 は巻糸 体 の形 成が終 了 した時点 で の ボ ビ ンの状 態 につ いて静 力学 的 に解 析 を行 うこ とを 目. が,実. 的 と し,巻 糸 体 の形 成過 程 で の ボ ビンの 変形 や経 時. に鈍 く な って い る.こ れ は 内 層 側 の糸 層 の ひ ず み が. 変化 によ る糸 の応 力緩和 現 象 につ いて は無視 す る.. そ れ よ り も外 側 の 糸 層 の 締 め 付 け 力 に よ って 減 少 し. 2.巻. 一 定 張 力 で 糸 層 厚 さ13.5mmま. して い くの で. れ ば,直. で 巻 き取 っ た. 線 的 に増 加 す る は ず であ る. な わ ち,糸. 々. 層 の半径 方 向 にお. け る ひ ず み 分 布 は 複 雑 に 変 化 して い る こ と が 分 か る.こ. のよ うな複雑 な張 力状 態 を種 々の糸 種 に対 し. て 検 討 す るた め,本. 2.1つ. 撚糸. 験 結 果 に よ れ ば 初 め は 傾 きが 大 き い が,徐. て い る た め であ る.す. 糸 層 が ボ ビン に及 ぼ す 圧 縮 力 に つ いての モデ ル実験. 示 す よ う に 増 加 して. ナ イ ロ ン フ ィ ラ メ ン ト糸70D無. ば付 ボ ビ ン上 で の糸 層 の形 成. 報 で は以 下 に 示 す よ うな 単 位 面. 積 当 た りの 糸 張 力 T を 用 い て 整 理 す る.. (1). 合 繊 フ ィ ラ メ ン ト糸 に 撚 り を か け る工 程 で は イ タ こ こでFは. リー 式 撚 糸 機 ま た は ダ ブ ル ツ イ ス タ が 用 い られ る.. 糸 を ボ ビ ン に 巻 き付 け る と き の 張 力,t. イ タ リー 式 撚 糸 機 は供 給 原 糸 の パ ッケ ー ジ を 回 転 さ. は糸 層 厚 さ が13.5mmに. せ て 糸 に 撚 りを 加 え る ア ッ プ ツ イ ス タ の 形 式 であ る. 時 間,Nは. T90. な る ま で に 要 す る 巻 き取. ボ ビ ン の 回 転 数(2,000rpmで. 一 定),S.

(3) (論 文 集)Vo1.47,No.4(1994). 49. Table1. Table2. Properties. Winding. of the yarn. condition. to form. used. yarn. F:Winding. tension. t:Required T:Tension. time to form yarn package per unit cross sectional area. in experiments. package. on flanged. bobbin. of a yarn of yarn. package. は ボ ビ ンを 回 転 軸 方 向 に 中 央 で 切 断 した と き の 糸 層 の 断 面 積(120×13.5mm2)で す4種. 類 の ヤ ン グ率E,の. あ る.こ れ を 表1に. 示. 異 な る 糸 に 対 してTが. 一. 定 値2kgf/mm2(19.6MPa)と に 応 じてFを 示 す.な. 調 節 し た.こ の と き のFとtを. お 表1中. 糸 が 表2に. な る よ う に,各 糸 種. の 各 糸 に 対 す るEは. 示 さ れ たFの. それ ぞ れ の. 値 に な っ た と き(す な わ ち. Tが2kgf/mm2(19.6MPa)と み に対 す る応 力(糸. 表2に. な っ た と き)の ひ ず. の 単 位 断 面 積 当 た り の)の 割 合. で あ る. 2.2実. 験方法 Fig.2. 巻 糸 体 形 成 時 の ボ ビ ン に か か る荷 重 を 測 定 す る た め の 実 験 装 置 の 概 略 を 図2に ビ ンの 代 わ りに,糸 重(以. 示 す.装. 広 げ よ う とす る荷 重(以. そ の後,糸. た はボ ビンのっ ばを押 し. 後 つ ば 圧 縮 荷 重)を. る た め の モ デ ル ボ ビ ンを 取 り付 け,ボ. illustration. of the experimental. 置 はつ ば 付 ボ. 層 が ボ ビ ンの 芯 筒 を圧 縮 す る荷. 後 芯 筒 圧 縮 荷 重)ま. Schematic apparatus. は トラバ ー ス 装 置(10)によ り綾 振 り を受 け. な が ら,モ デ ル ボ ビ ン(4)上へ 巻 か れ て い く.ボ. 測定 す. の 回 転 数 は2,000rpmと. ビ ン状 の 巻 糸. す る.芯. モ デ ル ボ ビ ン の概 略 を 図3に. 示 す .ア ル ミ合 金 製 の. 体 形 成 を し な が ら上 記 荷 重 の 測 定 が で き る モ デ ル ワ. 芯 筒 は 上 下 二 つ の 部 分 に 分 割 さ れ て お り,そ. イ ン ダで あ る.給 糸 パ ー ン(1)か ら解 じ ょさ れ た 糸 は. の 部 分 は軟 鋼 製 の 薄 板(以. テ ン サ(2)に 入 る.テ. れ て い る た め,芯. (19.6MPa)と. ン サ に よ りTが2kgf/mm2. な る よ う に テ ンサ 重 りを 調 節 す る.. 後 ス テ イ)に. れぞ れ. よ り結 合 さ. 筒圧 縮 荷重 によ って ステイ部 だ け. が 変 形 しや す くな っ て い る.ス. T91. ビン. 筒圧 縮荷 重測 定用. テ イ に は図 中 に ハ ッ.

(4) 繊 維 機 械 学 会 誌. 50. 糸 体 直 径 と の 関 係 を あ らか じめ 求 め て お き,あ. る時. 間 に お け る デ ジ タ ル 電 圧 計(8)の 出 力 を 読 み 取 れ ば, そ れ に 対 応 す る糸 層 厚 さ △γに お け る芯 筒 圧 縮 荷 重 ま た は っ ば 圧 縮 荷 重 を 求 め る こ とが で き る.測 定 は △γが15mmに. 2.3測. な る まで 行 っ た.. 定 結 果 と考 察. 芯筒圧 縮荷 重 をモ デル ボ ビ ンの 円筒部 分 の表面 積 で 除す こ とに よ って 半 径 方 向圧 縮 応 力 が算 出 で き Fig.3. Bobbin. to. pressing. measure. the. radial. load. る.糸 層厚 さ △γの増 加 に伴 う半径 方 向 圧縮 応 力 σr,. com-. の変化 を図5に 示 す.こ の測定 値 は各試 料糸 にお い. its barrel. て3〜5回 測 定 した と きの平 均 値 で あ る.糸 の ヤ ン チ ング で示 す よ うにひ ず み ゲ ー ジが 貼 り付 け て あ. グ率 が小 さい ほ ど半径 方 向圧縮 応 力が 大 き く,そ の. り,4枚. の ゲ ー ジ に よ って ブ リ ッ ジ を形 成 し て い る.. 増加割 合 も大 き くな って い る.こ の こ とは以下 の原. こ れ よ り 出 力 され る ひ ず み か ら芯 筒 圧 縮 荷 重 を 算 出. 因 によ る と考 え られ る.す なわ ち,本 研究 で は巻 糸. す る.つ. 体 の単 位面 積 当た りの張 力 を一定 と して巻 き取 りを. ば 圧 縮 荷 重 測 定 用 モ デ ル ボ ビ ンの 概 略 を 図. 4に 示 す.こ. 行 って い るため,ヤ ング率が 小 さ い糸 ほど糸 に大 き. の ボ ビ ンの 片 側 の つ ば は ボ ビ ンの バ レ. ル と は 分 離 さ れ て お り,外. な ひずみ を与 えな が ら糸 層 を形成 して いる こ とに な. 側 か ら固 定 さ れ て い る2. 本 の ス テ イ に よ って 支 え られ て い る た め,つ. る.ま た図1で 示 した よ うな外側 へ の糸 の累積 に伴. ば圧 縮. 荷 重 に よ っ て ス テ イ部 だ け が 変 形 しや す く な って い. う内側 の糸 層 の ひず み の減少 が各 糸 に対 して 同程度. る.ス. 生 じて い るとす る と,こ の ひず み の減 少 に よ る応力 の減 少 はヤ ング率 の小 さな糸 の方 が小 さ くな る(す. テ イ に 貼 られ た ひ ず み ゲ ー ジ か ら出 力 され る. ひ ず み よ り,2ゲ 出 す る.モ. ー ジ法 に よ って つ ば 圧 縮 荷 重 を 算. なわ ち大 きな応 力 とな る).. デ ル ボ ビ ンの ひ ず み ゲ ー ジ か ら検 出 さ れ. つば圧縮 荷重 をその ときのっ ば に接 して い る糸層. た 荷 重 の 信 号 は ス リ ッ プ リ ン グ(5),ブ リ ッ ジ ボ ッ ク ス(6)(図3の4ゲ. の面 積 で除す ことに よ って平 均 つ ば圧 縮 応力 が算 出. ー ジ法 の 場 合 で も(7)への 接 続 の た. め に(6)を 用 い る),動. で きる.糸 層厚 さ △γの増 加 に伴 う平均 つ ば圧 縮 応. ひ ず み 計(7)を 介 して デ ジ タ ル. 力 σ,AV,の 変 化 を図6に 示 す.糸 の ヤ ン グ率 が 小 さ いほ ど平 均 つば圧縮 応 力 は大 き くな ってい る.こ れ. 電 圧 計(8)に 出 力 され る. ボ ビ ン上 に 巻 き付 け る糸 は,表1に. 示 した ポ リエ. ス テ ル フ ィ ラ メ ン ト糸 お よ び ナ イ ロ ン フ ィ ラ メ ン ト. は図5の 場 合 と同 じ理 由 に よ る と考 え られ る.ま. 糸 の そ れ ぞ れ 原 糸 と撚 糸,計4種. 類 の ヤ ン グ率 の 異. た,つ ば に接 して いる糸層 の面 積 は糸層 厚 さ に対 し. れ ら の 糸 を モ デ ル ボ ビ ン上 に 巻 き. て2次 曲線 的 に増 加 して い くので,実 際の つば圧 縮. 取 っ て い っ た場 合,ボ ビ ン回 転 数 と巻 き取 り張 力 は 一 定 で あ るので ,巻 き取 り 開 始 か らの 経 過 時 間 と巻. 荷重 も糸層 厚 さに対 して2次 曲線 的 に増加 して い く. な る糸 で あ る.こ. Fig.4. Bobbin to measure ing its flanges. the axial. load. Fig.5. expand-. T92. Relation between the radial compressive stress ar and the cumulated yarn layer Ai-.

(5) (論 文 集)Vol.47,No.4(1994). 51. し,軸 対 称 な 変 形 しか 生 じな い の で 変 位 の θ方 向 成 分 は0と. な る.考 慮 す べ き ひ ず み と変 位 の 関 係 は次. の(4)式 と な る、. (2) (3) (4) (5) Fig.6. Relation pressive. between. the. stress ƒÐzAVE. and. average the. axial cumulated. com-. 応 力 と ひ ず み の 関 係 は,次. yarn. の よ う に な る.. layer •¢r. (6). こ と に注 意 を 要 す る. しか し図5と. 図6の. 縦 軸 を 比 べ る と,ど. の糸種 に. お い て も σzAVEよ り は σ,の 方 が は る か に 大 き い の で,(図3お. よ び 図4の. は後 述 の 図8と. な お,dl,d2,Gは. モ デル ボ ビ ンの概 略 の寸 法. (7). ほ ぼ 同 じ)巻 糸 体 は ボ ビ ンの つ ば よ. り は芯 筒 を 強 く圧 縮 す る こ と が 分 か る.. 3.ボ. (8). ビ ン変 形 の 有 限 要 素 法 に よ る解 (9). 析 で あ る.こ 3.1基. 礎 方 程 式17). こで E は ヤ ン グ 率,ン は ポ ア ソ ン比 で あ. る.力 の つ り 合 い方 程 式 は 次 の よ うに な る.. 本 解 析 で は,対 象 が 回 転 体 で あ る た め ボ ビ ン の 自 軸 を 中 心 軸 に と った 円筒 座 標 系 を 用 い,ボ し荷 重 が 軸 対 称 に か か って い る た め2次. (10). ビ ン に対. (11). 元的 な形 で. 解 析 を 行 う.. ただ しfr,fzは そ れぞ れの方 向 の荷重 密度(体 積 力). 座 標 系 は図7の. よ う な 円筒 座 標 系(γ 一θ一z)を 用. で あ る.境 界 条 件 は 以 下 の よ う に な る.. い る.各 方 向 の 直 ひ ず み,直 応 力 を そ れ ぞ れ,εr,εθ ,. 対称 軸上 に お いて. (12). εz〓 σr〓 σθ〓σz,γ 一 θ,θ一z,γ 一z面 内 の せ ん 断 ひ ず み,. 固定 端 にお いて. (13). 自由 にお いて. (14). せ ん 断 応 力 を そ れ ぞ れ γ",γ2,,為,砧,ち 、,命 と定 義 す る.γ 方 向 の 変 位 を u,z方 向 の 変 位 を ω で 表 す と. た だ し,nr,nzは. 法 線 の 方 向 余 弦 で あ る. これ らの 基 礎 方 程 式 を も と に有 限 要 素 に よ る解 析. を行 う. 3.2解. 析 モ デ ル と メ ッ シュ デ ー タ. 本 解 析 に用 い た ボ ビ ンの 寸 法 を 図8に モ デ ル と した ボ ビ ンは,上. 示 す.今. 回. 下左 右対 称 で あ るため全. 体 の1/4に つ い て 解 析 を 行 う.材 料 に は フ ェ ノ ー ル パ ル プ チ ップ を 想 定 して ,ヤ. ン グ率 は6.9GPa,ポ. ア ソ ン比0.33と. メ ッシ ュ デ ー タ を示. す.ボ Fig.. 7. Coordinate. system. for the bobbin. す る.図9に. ビ ン に △r=13.5mmと. な る まで 糸 を巻 き付. け た 状 態 を 巻 糸 体 形 成 終 了 時 と し,こ の と き の変 形. T93.

(6) 繊 維 機 械 学 会 誌. 52. Fig.8. Dimensions. of the analyzed. bobbin Fig.10. The compressive stress in radial when yarn package completed. direction. (15) (16) (17) (18) Fig.9. Mesh. data. of the. analyzed. model. (19) 状 態 に つ い て 解 析 す る.メ. ッ シ ュ は 接 点 数 が126接. た だ しTは. 単 位 断 面 積 当 た り の巻 張 力,ω は 半 径 方. 点,要 素 数 が204要 素 か らな り,っ ば の つ け根 付 近 に. 向 ヤ ン グ率E,の. つ い て は 細 か い 分 割 を 行 っ た.図. ν1,ν,はそ れ ぞ れ γま た はz方. 件 を 与 え る 接 点 で あ り,こ. 中の ●印 は荷重 条. の●印 を結 んだ ライ ンよ. 円 周 方 向 ヤ ン グ率Eθ に対 す る比, 向 の ひず み に対 す る. θ方 向 の ポ ア ソ ン比 お よ び γま た はz方. 向の ひず み. り左 上 部 が 糸 層 の 部 分 で あ り右 上 部 ま た は下 部 が ボ. に 対 す るzま た は γ方 向 の ポ ア ソ ン比 を 示 す.式(15). ビ ンで あ る.. に お い て,Eθ. 3.3荷. と して は 前 報16)の結 果 よ り,ボ. に 巻 か れ た糸 の ヤ ン グ 率(表1に. 重条件. ビ ン上. 示 した 各 糸 の ヤ ン. グ率)を 用 い る.次 に ω を パ ラ メ ー タ と して 変 化 さ 本 解 析 に お い て,境 よ びz方. 界 条 件 と して 与 え る γ方 向 お. 向 の 応 力 は,よ. せ,得 ら れ た σzから算 出 した 巻 糸 体 形 成 終 了 時 の っ. り実 際 的 な 結 果 を 得 る た め. ば 圧 縮 荷 重 が 測 定 結 果 と一 致 した と き のErを. 芯筒 圧 縮荷 重 お よびつ ば圧縮 荷重 の測 定結 果 を も と. 体 の半 径 方 向 ヤ ン グ率 と して 用 い た.こ. に算 出 す る.. ソ ン比 は ν1=ν3=0.4と. こ こ で,巻 は,芯. 糸 体 が ボ ビ ンの 芯 筒 を 圧 縮 す る応 力. こ で,ポ. たEr=Ezと. 界 条 件 と して 与 え る γ方 向 の応 力 は. お け る △γ=13.5mmの. る.図10に. と き の σrの値 を 用 い. 糸 の ヤ ン グ率 の 違 い に よ る 巻 糸 体 形 成. 終 了 時 の半 径 方 向 圧 縮 応 力 の 変 化 を示 す. 一 方 ,σzと して は 図6に 示 した 単 純 な 平 均 値 で は な く,γ 方 向 で の 分 布 を 考 慮 して 以 下 の よ う に 求 め た.半. 径 γか ら最 外 層 半 径R0ま. で の糸層 が ボ ビ ン. の つ ば を圧 縮 す る 応 力 σz*(γ,R0)は,先. に報 告 した. Fig.11. 巻 糸 体 内 部 応 力 理 論13)より,次 の よ う に な る. T94. ア して. 各 試料 糸 で の実 験 結 果 を も とに した. 筒 表 面 上 の 各 位 置 に お い て 一 定 で あ る と考 え. られ る ため,境 図5に. い る.図11に. 一 定 に,ま. 巻糸. Distribution stress when. of the flange's compressive yarn package completed.

(7) (論 文 集)Vol.47,No.4(1994). 53. み の違 い に よ って ボ ビ ン に加 わ る力 が か な り変 わ っ て くる こ と が 分 か っ た.ま. た,巻. 糸体 内部 応力 に よ. るつ ば 付 ボ ビ ンの 変 形 に つ い て モ デ ル 実 験 を 通 し て 明 らか に した. そ の結 果,以. 下 の 結 論 を 得 た.. (1)糸層 が つ ば付 ボ ビ ンの 芯 筒 を圧 縮 す る荷 重 は 糸 の ヤ ン グ 率 が 小 さ い ほ ど大 き く,そ の 荷 重 増 加 の 割 合 は 糸 層 の 増 加 に 伴 い 小 さ く な る.. Fig.12. (2) 糸 層 が ボ ビ ンの っ ば を 圧 縮 す る 荷 重 は糸 の ヤ ン. Chart of the bobbin deformed (Polyester). グ率 が 小 さ い ほ ど 大 き く,そ. の荷 重 増 加 の 割 合. は 糸 層 の 増 加 に 伴 い 大 き くな る. (3)巻糸 体 は ボ ビ ン の っ ば よ り も芯 筒 を 強 く圧 縮 す る. (4)巻糸 体 内 部 応 力 に よ る つ ば 付 ボ ビ ン の変 形 は, 糸 の ヤ ン グ 率 が 小 さ い ほ ど大 き く,つ ば の つ け 根 付 近 で の変 位 が 最 も大 き くな る.. な お,こ の研究 成果 の一 部 は平成3年 日本 繊維 機 械学 会北 陸支 部研 究発 表会 お よ び平 成4年 日本繊維 機械 学会北 陸 支部 研究 発表 会 にお いて発 表 した.最 Fig.13. Chart of the bobbin deformed. (Nylon). 後 に本研究 を遂 行 す る に当た り,太 平株式 会社 岡本. つば圧縮 応 力分布(巻 糸体 内部 の応 力 σzの分 布)の. 正氏 に多大 な る協 力 を頂 いた.ま た本 研 究室 の卒業. 計 算結 果 を示 す.こ れ よ り境 界条 件 と して与 え るz. 生 であ る近 藤寿 彦氏,伴 場 秀樹氏,谷 義則 氏 に は実. 方 向 の応 力 を求 め る。. 験や プロ グラム作成 にお いて ご協 力 を頂 い た.こ こ. 3.4解. に記 して感 謝 の意 を表 す る.. 析 結 果 お よ び考 察. 文. 図12お よ び図13に ヤ ング率 の異 な る糸 を用 いて巻. 献. 1)西 原 利 夫,藤 野 清 久,平 井 恒 夫,津 久 間新;機. 糸体 を形成 した際 の ボ ビ ンの変形 の様 子 を有 限要素. (1960) 2)中 島 達 夫;繊. 法 によ り解 析 した結 果 を示 す.糸 の ヤ ング率 が小 さ. 機 誌,20,T194(1967). 3)中 島 達 夫,太 田 計正,高 木 久 弥;繊. い ほ どボ ビ ンの変形 は大 き くな る.こ の図 よ り,つ ば のつ け根 の外 側 の位置 で の変 位 が最 も大 き くな っ. 4)大. 沢 源 一 郎,小. 山 敏 夫;繊. 機 誌,20,T226(1967). 学誌,33. ,T423(1977) 5)新 宅 救 徳,山 本 孝,土 定 育 英,喜 成 年 泰;繊 学 誌,44 ,353 (1988). て いる.こ れ はz方 向 の荷 重 がっ ば のつ け根 の位 置 で最 も大 き いため と考 え られ る.ま た,つ ば は相 対. 6)B.G.Neal;J.Strain 7)B.Beddoe;J.Strain. 的 に内側 に傾 くよ うな形 で変形 して い るこ とが分 か. Analy.,2,213(1967) Analy .,2,207(1967). 8)V.Vicentini; J.Strain Analy.,4,48(1969) 9)P.Ursiny;Textiletechnik;36,535(1986). る.こ れ はボ ビンの芯 筒 を圧 縮 す る γ軸 方 向 の荷 重 がつ ばを圧縮 す るz軸 方向 の荷 重 に比 べか な り大 き. 10)M.G.Catlow,G.W.Walls;Shirley. い ことに よ る もの と思 わ れ る.こ の現象 は糸 の ヤ ン グ率 が小 さ くボ ビ ンに加 わ る荷 重 が大 き くな るほ ど. (1962) 11)S.K.Batra,D.S.Lee,S.Backer;Text.Res.J.. 顕著 にな る.. (1976) 12)S.K.Batra,D.S.Les,S.Backer;Trans.ASME,SeriesB. これ らの結 果,ボ ビンの設 計 を行 う とき,芯 筒 と. Inst.Mem.,35,T410 ,46,453 ,. 100,FEB,8(1978). つ ばの接点 付近 に応 力 が集 中 しな いよ う考 慮 しなけ. 13)新 宅 救 徳. 尾 田十 八,奥 野 登 起 男;繊. 14)新 宅 救徳,尾. れ ばな らな い ことが分 か る. 4.結. 論,26,588. 15)新 宅 救徳. 学 誌,45,278(1989). 田十 八,奥 野 登 起 男;繊 尾 田十 八,谷. 学 誌 ,46,115(1990) 義 則,奥 野 登 起 男;繊 機 誌,43 ,. T86(1990). 言. 16)新 宅救 徳,尾. 田十 八,谷. 義 則,奥 野 登 起 男;繊. 機 誌 ,43,. T105(1990). 本研 究 で は,ヤ ング率 の異 な る糸 を用 いて つば付 ボ ビン上 に巻糸 体 を形 成 す る ことに よ り,糸 の ひず. 17)戸 川 隼 人;"有. T951. 限 要 素 法 概 論",R.219,培. 風 館(1981).

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