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反射高速電子回折法を用いたSi(001)表面構造解析

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大同大学紀要 第48 巻(2012)

反射高速電子回折法を用いた

Si(001)表面構造解析

Surface Structure Analysis of Si(001) by

Reflection High-Energy Electron Diffraction

堀尾 吉已

*

Yoshimi Horio

Summary

Atomic structure of Silicon (001) crystal surface at room temperature (RT) has been analyzed by reflection high-energy electron diffraction (RHEED). The clean surface reveals 2x1 super structure which is composed of asymmetric dimers of Si. The asymmetric dimers flip and flop in very high frequency and are arranged in disorder at RT, however, the dimers order as c(4x2) structure at low temperature below 200K. The dynamic surface structure of Si(001) at RT is difficult to be resolved because of their flip-flop motions and there is few reports on this structure at RT. Here, analysis of RHEED rocking curves of diffracted beams on the 0-th Laue zone is effective for such dynamic surface structure. Because, RHEED intensities on the 0-th Laue zone are determined by the projected potential of the Si atomic rows along to the incident electron beam azimuth and then the flip-flop motions are neglected. Dynamical calculations of the rocking curves show that the asymmetric dimmer structure at RT is conserved and is consistent with that of c(4x2) structure observed at low temperature.

キーワード:シリコン(001)単結晶表面、反射高速電子回折、ロッキング曲線、動力学的理論、 非対称二量体

Keywords:Si(001) single crystal surface, reflection high-energy electron diffraction (RHEED), rocking curve,

dynamical theory, asymmetric dimer

1.はじめに シリコン(001)単結晶表面は電子デバイスの基板とし て広く用いられているばかりでなく、学術的にも興味 深い結晶材料のため、表面の原子構造に関してこれま で数多くの研究が行われて来た。今日のようなナノテ クを駆使した新機能デバイスを開発するためには原子 レベルで構造制御をする必要があり、また、基板表面 原子の僅かな位置の変化はその上に成長する薄膜の成 長様式や物性にも大きな影響をもたらすため、構造の 把握は一義的に重要である。特に Si(001)表面は半導体 デバイスの主たる基板材料であるため、これまで電子 回折、X 線回折、走査トンネル顕微鏡、光電子分光な どの手法を駆使し、今日ではかなり明らかにされてい る。そこで得られた知見の概要は以下のようである。 200K 以下の低温では c(4x2)表面超構造をとり、表面に はSi の非対称ダイマーが交互に配列する。この構造は、 エネルギー的にも安定であることが Ramstad らにより 報告されている1)。ところが200K を越えると、凍結さ れていた非対称ダイマーは熱エネルギーを得ることに より、フリップフロップ運動を始める。そのとき、非 対称ダイマーのアップ原子とダウン原子の対は c(4x2) * 電気電子工学科

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構造の位相を保てなくなり、乱れた位相の非対称ダイ マーが表面を覆うことになる。これが広く知られてい る2x1 周期構造であり、LEED を用いた研究から詳しく 調べられている2)。さらに約900K 以上になると非対称 ダイマーは対称ダイマーに変化することが RHEED の one beam 解析から指摘されており3)、理論計算からも 支持されている。 このように Si(001)表面は単純な正方格子ではなく、 動的変化を伴うダイマー原子から構成される。200K 以 下のダイマーの固定された c(4x2)超構造表面は構造解 析が精力的に行われ、今や収束した結果が得られてい る。しかしながら、室温での 2x1 構造について厳密な 多波の動力学的計算による RHEED ロッキング曲線の 解析は未だ行われていないように思われる。そこで本 研究では低温での非対称ダイマー構造が室温において はフリップフロップ運動するものの、低温時の非対称 性が保持されているか否かを RHEED ロッキング曲線 から明らかにすることを研究目的とする。 2.Si(001)表面構造 ダイヤモンド構造を有するSi 単結晶の(001)表面は表 面に出ているSi 原子の 4 本の結合手の内、2 本は内部 Si 原子と共有結合するが、真空側は相手となる Si 原子 が不在のため、真空側には未結合のダングリングボン ドが表面のSi 原子 1 個あたり 2 本存在し、不安定な表 面となる。そこで、表面エネルギーを下げるため、隣 接するSi のダングリングボンド同士が結合し、2 量体 (ダイマー)構造を形成する。それにより、1 原子あた り 1 本のダングリングボンドを残すのみとなり、表面 エネルギーを下げて安定化する。さらに表面のSi 原子 はエネルギー的安定化に向けて、ダイマーの片方の Si 原子は少し上がり、他方は少し下がった非対称ダイマ ーを形成する。この非対称ダイマーはダイマー列方向 にはこの上下関係が交互に配列し、また、ダイマー列 間においても上下関係は反位相で配列する。これが図 1(a)に示す最もエネルギー的に安定な c(4x2)構造と呼ば れる表面超構造であり、低温(200K 以下)で現れる特 徴的な Si(001)表面構造である。この 4x2 なる表記は [110]方向に基本格子の 4 倍、[-110]方向に 2 倍の周期性 が存在することを意味し、c なる表記は centered の頭文 字であり、4x2 のユニットセルの中央部にもコーナーと 等価な格子点が存在することを意味する。この c(4x2) 構造より僅かにエネルギー的に高いp(2x2)構造もある。 これは図1(b)に示すように、ダイマー列内の非対称ダイ マー配列は c(4x2)と同様に交互に上下関係が入れ代わ るが、ダイマー列間の非対称ダイマーは同位相で配列 するため、[110]方向の周期性が基本格子の 2 倍となっ ている。この構造も時々低温で観察されることがある。 低温で観察される c(4x2)表面超構造は温度の上昇に 伴い、非対称ダイマーが熱エネルギーを得てフリップ フロップ運動を始め、非対称ダイマーの上下関係の配 列周期は乱れ、[110]方向の 4 倍周期性は消失し、2 倍の 周期となり、[-110]方向の 2 倍周期性は 1 倍周期となる。 このような状態が室温で見られる 2x1 構造である。本 研究ではこの室温における Si(001)2x1 表面を構造解析 した。この時、低温で見られる非対称ダイマーの構造 が室温ではフリップフロップ運動により上下関係は高 速で変化するものの、非対称性の形態そのものは保持 されているかを本研究で明らかにした。また、Si(001) 2b 2a b a (Top View) (Side View) (Side View) [110] [-110]

p(2x2)

(Top View) (Side View)

c(4x2)

b a 2b 4a [110] [-110] (Side View) (a) (b) 図 1 Si(001)表面に現れる(a) c(4x2)超構造と (b) p(2x2)超構造の原子モデル(濃淡表示は異 なるものの全て Si 原子で構成されている)

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表面上には原子ステップが必ず存在するため、1 原子ス テップを隔てたテラス表面は90°回転した結晶格子 となる。したがって、実験で観察するRHEED 図形はこ のような2 重分域(double domain)表面の重ね合わせ として取り扱う必要があり、計算においても 2 重分域 を考慮して解析を行った。 3.実験方法 実験は図2 に示す超高真空 RHEED 装置を用いて行っ た。本装置の基本真空度は 2x10-7 Pa である。用いた Si(001)単結晶試料は 1~10Ωcm の n 型(P-dope)であ り、サイズは 3×15×0.5mm3である。試料表面の清浄 化は超高真空内で約 1200℃までの通電アニールを行う ことにより達成した。RHEED 図形には SiC 微結晶の存 在しないコントラストの高い2×1 超構造が現れること により清浄化の確認を行った。 RHEED の入射電子の加速電圧は 10 kV および 5 kV を用い、ロッキング曲線(回折電子強度の視射角依存 性)の測定には入射電子銃を約0.05°刻みで約 6°まで ステッピングモータを用いて機械的に変化させながら 回折斑点強度をCCD カメラを用いてパソコンにデータ 入力した。 4.動力学的回折理論による計算方法 結晶表面近傍の電子の多重散乱効果を考慮した厳密 な動力学的電子回折理論は式(1)に示す Schroedinger の 波動方程式を解くことから始まる。 詳細は割愛するが、表面近傍の反射回折を扱う場合 には表面垂直方向の周期性が破れるため、結晶を表面 平行方向に薄くスライスし(本研究では0.1Åのスライ ス厚)、各スライス内部の静電ポテンシャルを厚さ方向 には一定で表面に平行方向には 2 次元周期の静電ポテ ンシャル分布が広がっていると考える。すなわち、各 スライス内ではポテンシャルを 2 次元フーリエ級数に 展開し、入射電子の波動関数も 2 次元フーリエ級数に 展開し、各スライス内で発生する複数の回折波(波動 関数)をスライス間で連続的に接続すべく、境界条件 を入れて解く。波動関数の発散問題を回避するため、 結晶の内部(ここでは約100Åの深さ)からリカージョ ン法により表面まで波動関数を連続的に繋げて、表面 での境界条件から真空中の波動関数を求める。反射回 折電子強度は、最終的に各波動関数の絶対値の 2 乗で 求めるが、その際、電子流の連続性から、入射波に対 する反射波の波数ベクトルの表面垂直成分の比を考慮 に入れ、また、電子の入射密度の視射角依存性も考慮 している。Si の平均内部ポテンシャルは 12eV とし、デ バイ温度は 580K(平均振動振幅 0.071Å)としてデバ イワーラ因子に取り込んだ。ここで一番大きな問題は フリップフロップ運動する非対称ダイマーを有する表 面構造を如何に取り扱ったらよいかということである。 RHEED の低い視射角の入射電子から眺めた表面は 図 1 の真上から眺めたものではなく、入射方位に沿っ て側面から眺めた構造であり、この断面構造によって 反射回折強度が決まる。換言すれば入射方位に平行に 並ぶ原子列を串刺ししたいわゆる投影ポテンシャルが RHEED 強度を近似的に決定する。但し、このような考 え方はRHEED の 0 次ラウエ帯上の回折斑点に限った場 合に成立する。というのも 0 次ラウエ帯上の逆格子ロ ッドは、入射方位に沿って結晶ポテンシャルを平均化 したものであり、それは入射方位に垂直な方向の周期 的分布を反映するからである。 したがって、室温における非対称ダイマーのフリッ プフロップ運動がたとえ存在しても、断面(正面)か ら見れば図 1(a)あるいは図 1(b)のダイマーさらには室 温のフリップフロップ運動を有するダイマーの投影ポ テンシャルは全て等しいため、入射方位断面の構造解 析は可能となる。実際にc(4x2)構造と p(2x2)構造に対し て0 次ラウエ帯上の回折電子線強度を計算したところ、 同じ結果が得られた。このことからも、上記のことが 確認された。 計算に取り入れた逆格子ロッドは0 0, ±1/2 0, ±1 0, ±3/2 0, ±2 0, ±5/2 0, ±3 0 の13本である。また、 試料表面は2 重分域を有するため[-110]方位と[110]方位 の 2 方位の計算を行い、それぞれの分域の面積比は同 等であることがRHEED 図形から読み取れるため、同じ 重みで加え合わせて最終的な回折強度とした。 波動場、即ち入射電子密度分布は、上記計算で求め た各回折波の波動関数の重ね合わせで求め、8×9Å2 入射断面積内をグレースケールの濃度変化で描画した。 図 2 RHEED 実験装置の概念図

⋅ + = ⋅ = = − ∇ − m m m m i z C i z V V E eV m ) ) ( 2 exp( ) ( ) ( ) 2 exp( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( 2 2 2 t m t 0 t m r B K r r B r r r r r π ϕ π ϕ ϕ ϕ h …(1)

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グレースケールの幅と刻みは統一しており、電子密度 の高い場所は白色で表示した。 5.計算結果 用いた試料は 2 重分域表面であるため、計算では p(2x2)表面超構造を用い[1-10]方位と[110]方位の 2 方位 の計算結果を最終的に加え合わせた。非対称ダイマー の構造としては、表Ⅰおよび図3 に示す低温時の c(4x2) 構造の値を用いた。この表に見られるように、F. Felici らのSXRD(表面 X 線回折法)の結果を除き、非対称 ダイマーの構造パラメータは、ほぼ収束した値(影で 示す数値)が報告されている。そこで、本研究では A. Ramstad らの理論的エネルギー計算から導かれたダイ マー構造のパラメータを採用して計算を行った。 5.1 [1-10]入射方位のロッキング曲線 図1(b)に見られるように[1-10]入射方位では、その断 面構造は2 倍周期を有するため 0 次ラウエ帯には 1/2 次 の超格子斑点が現れる。これらの計算ロッキング曲線 を図4 に示す。0 0 から 3 0 までの7本の回折電子強度 のロッキング曲線である。0 0 回折電子強度(鏡面反射 強度)において約3.1°付近に強いピークがみられるが、 これは0 0 6 ブラッグ反射条件に対応する。4.9°付近の ピークは0 0 8 ブラッグ反射条件に対応する。このよう な基本反射ピーク意外にも多くの複雑なピークが 0 0 回折電子のみならず、それ以外の回折電子にも見られ る。これらの複雑なピークは電子の多重散乱による効 果であり、動力学的回折理論を用いることにより初め て再現される。 5.2 [110]入射方位のロッキング曲線 図 1(b)に見られるように[110]入射方位では、その断 面構造は1 倍周期を有するため、0 次ラウエ帯には整数 次の回折斑点のみが現れる。これらの計算ロッキング 曲線を図5 に示す。0 0 から 0 3 までの 4 本が示されて いる。この0 0 回折電子強度は入射方位の異なる図 4 の それとは異なるプロファイルを示す。しかしながら、 3.1°付近の 0 0 6 ブラッグ反射による肩や 4.9°付近の 0 0 8 ブラッグピークは存在することがわかる。 5.3 2 重分域表面からのロッキング曲線 2 重分域表面は上で述べた[1-10]と[110]の 2 方向の入 射が重なった回折図形が得られる。したがって、ロッ キング曲線もこれらの 2 方向のロッキング曲線を重ね 合わせた結果となり、それを図 6 に示す。これが実験 結果と比較すべき計算ロッキングカーブとなる。詳細 は、1/2 次の分数次の回折斑点は[1-10]方位のみで現れ るが、整数次の基本反射は両入射方位で現れるため、 両者の加算で求めた。 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 0 1/2 0 3/2 0 5/2 0 2 0 1 0 3 0

Glancing Angle (deg)

Intensity 図 4 [1-10]入射方位で計算された 各回折波のロッキング曲線 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 0 0 2 0 1 0 3

Glancing Angle (deg)

Intensi ty 図 5 [110]入射方位で計算された各回折波の ロッキング曲線 表Ⅰ 種々の研究から提案された非対称ダイマー 図 3 非対称ダイマー構造のパラメータ 1) 4) 5) 6)

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5.4 入射電子波動場 電子波が結晶内に入射すると、結晶の周期性を反映 して、多くの電子波を励起し、結晶表面から真空に向 かって出射する。その際、これらの回折波は重なり合 い、ある種の定在波を形成する。この定在波を入射電 子波動場あるいは入射電子密度分布と呼ぶが、その様 子は結晶内の電子の振舞いを知る上で有効である。そ こで本研究では、入射視射角に対する波動場を[1-10] および[110]入射方位で計算を行った。具体的には動力 学的計算から求められた回折電子波の重ね合わせから 求めた。 その一例として図7 に 10keV 入射電子を用いた場合 の視射角3.1°と 3.4°の[1-10]方位と[110]方位の結果を グレースケールで示す。視射角3.1°は 006 ブラッグ反 射条件が成立するためか、結晶内部には a/6=0.9Å(a は格子定数)の周期間隔で深さ方向に定在波が存在す ることが見て取れる。また、視射角3.4°では結晶表面 近傍に強く局在した波動場が形成されることがわかる。 これは[1-10]方位では±2 0 ロッド、[110]方位では 0±2 ロッドに関する表面波共鳴条件が成立したことによる ものと考えられる。全体的に結晶格子のチャネリング サイトに波動場が形成される傾向にあることが伺える。 6.計算と実験ロッキング曲線の比較 図8 は 10keV 電子を用いて実験測定した 5 本のロッ キング曲線と図6 に示した計算結果を重ねて表示した。 注目した回折電子強度は、RHEED 図形に矢印で示す 0 0, 1/2 0, 1 0, 3/2 0, そして 2 0 の5つである。実験から得ら れたロッキング曲線は太線で、計算は細線で示されて いる。5つの回折電子強度のロッキング曲線はいずれ も実験結果と計算結果がよく対応している。ピーク強 度の違いは多少あるものの、微小なピーク位置までも かなりよく再現されていることがわかる。また、全体 的な傾向であるが、各回折電子が顔を出す出射角付近 の実験強度は計算結果より小さい。これは一般に試料 表面からの“陰り効果”によるものと考えられる。す なわち、結晶表面すれすれに出射する回折電子線は試 料表面の原子ステップに散乱され、強度が減少する。 そのため、一般にシャドーエッジが明瞭でなく、その 境界線付近は陰っている。 これらの 5 つの回折電子強度のロッキング曲線につ いて5 keV の入射電子を用いた実験も行ったので、その 計算結果と共に図9 に示す。10keV と同様、5keV の場 合も実験と計算はよく対応していることが言える。詳 細に見れば、実験結果は計算結果より強度の変化が少 し緩慢である。これは入射電子線に極僅かな開き角が あるため、入射視射角にも僅かではあるが分布が存在 することに起因するものと考えられる。 このような、実験と計算結果との対応のよさから、 低温の c(4x2)構造に存在する非対称ダイマー構造が室 温においても保持されていることがわかった。本研究 では、非対称ダイマーの構造の最適化までは行ってい 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 0 1/2 0 3/2 0 5/2 0 2 0+0 2 1 0+0 1 3 0+0 3

Glancing Angle (deg)

Intensi ty 図 6 [1-10]および[110]方位の 2 重分域表面 から計算されたロッキング曲線 図 7 E=10keV の入射電子を用いた時の(a)入 射視射角θ=3.1°と(b)θ=3.4°の波動場の 様子。それぞれ左は[1-10]入射方位、右は [110]入射方位である。参考までに表面近傍の 結晶格子が挿入されている。 0 2 4 6 8 0 2 4 6 8 θ=3.1°(NB=7) 0 2 4 6 8 0 2 4 6 8 θ=3.4°(NB=9) 0 2 4 6 8 0 2 4 6 8 θ=3.1°(NB=7) 0 2 4 6 8 0 2 4 6 8 θ=3.4°(NB=9) [1-10] [1-10] [110] [110] (a) (b)

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ないが、複数の回折電子強度の実験と計算のロッキン グ曲線のよい一致が得られたことは、信頼性の高い構 造モデルと計算手法であることを裏付けている。 5.まとめ 室温におけるダイナミックな Si(001)表面構造に対し、 RHEED 法による解析に成功した。高速フリップフロッ プ運動する非対称ダイマーが存在する室温或は高温で の Si(001)表面構造の研究報告は 200K 以下の低温に比 べて極めて少ない。また、その報告例も表面垂直方向 の原子座標のみに限った鏡面反射強度に関するもので ある3)。本研究のように厳密な多波の動力学的解析例は 著者の知る限りないものと思われる。 今回の Si(001)単結晶表面からのロッキング曲線の解 析から、室温においても低温での非対称ダイマーが存 在することが判明した。また、今回の研究により 2 重 分域表面に対しても構造解析が可能であることが確認 された。 今後、単分域の Si(001)表面に対しても同様の解析結 果が得られるかを調べる。また、900K 程度の高温では 非対称ダイマーから対称ダイマーに変化することが報 告されているため3)、この点についても同様の手法で解 析したいと考えている。 参考文献

1)A. Ramstad, G. Brocks, and P. J. Kelly: Phys. Rev. B 51 (1995) 14504.

2)Tabata, T. Aruga, and Y. Murata: Surf. Sci. 179 (1987) L163.

3)Fukaya and Y. Shigeta: Phys. Rev. Lett. 91 (2003) 126103.

4)T. Abukawa, C. M. Wei, K. Yoshimura and S. Kono: Pyhs. Rev. B 62 (2000) 16069.

5)R. Gunnella E. L. Bullock, L. Patthey, C. R. Natoli, T. Abukawa, S. Kono, and L. S. O. Johansson, Phys. Rev. B 57, (1998) 14739.

4)F. Felici, I. K. Robinson, C.Ottaviani, P. Imperatori, P. Eng, and P. Perfetti: Surf. Sci. 375 (1997) 55.

0 1 2 3 4 5 6

0 1 2 3 4 5 6

Glancing Angle (deg)

In tensit y 1/2 0 1 0 3/2 0 2 0 0 0

thick line: Exp. thin line: Calc.

1/2 0 0 0 1 0 3/2 0 2 0 図 8 10keV 入射電子を用いた計算と実 験ロッキング曲線 SWR 1/2 0 0 0 1 0 3/2 0 2 0

Glancing Angle (deg)

Intensit y 1/2 0 1 0 3/2 0 2 0 0 0

thick line: Exp. thin line: Calc.

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図 9 5keV 入射電子を用いた計算と実 験ロッキング曲線

図 9  5keV 入射電子を用いた計算と実 験ロッキング曲線

参照

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