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子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成と実践分析 (VII) : 小学校4年「低地の人々のくらし-海津町-」を事例として

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Academic year: 2021

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(1)学校教育学研究, 1999,第11巻, pp.39-51. 39. 子どもの関心・意欲を育てる 社会科授業構成と実践分析(Ⅶ) -小学校4年「低地の人々のくらし一海津町、」を事例として原田智仁岩田一彦草原和博 (兵庫教育大学). 鹿瀬憲雅進藤憲司松本浩 (兵庫教育大学附属小学校). 大西誠一大橋尚人望本大明 (中番小学校) (三樹小学校) (社中学校) 本研究は,子どもの関心・意欲を育てる社会科の授業設計・実践・授業分析・評価方法の開発を目的としている。この目的 を達成するために,関心・意欲はどのような授業設計および実践のなかで育てることができるのか,また関心・意欲の視点 から,授業を分析したり評価することはどのようにして可能か,を解明してきた。本研究では,単元の学習内容に対する閲 JL、・意欲を把握するため,毎時間ごとの「学習カード」,各次終了時ごとの「知りたいこと調査」,単元終結部で子どもが措 いた「家の設計図」を検討の材料とした。これらの材料を使って,関心・意欲の成長過程と,その育ちを促している諸条件 を分析した.その結果, (D子どもの関心が地域の特色を捉える概念に焦点化されている場合には,もっと深く「知りたい」 という意欲を生み出し,関心が地域の事実に関するデータに向かっている場合には,さらに「調べたい」という意欲につな がること, (多子どもの「知りたい」 「調べたい」という知的向上心を持続させることが,知的好奇心を質・量ともに成長さ せ,新たな関心の芽生えがさらなる意欲を喚起すること,これらの関係が明らかとなった。このように,関心と意欲の育ち の相互作用をより綿密に捉えることができたのが,本研究の成果である。 キーワード:関心,意欲,社会認識,社会科授業,評価,指導要録,低地. 原田智仁:兵庫教育大学・社会系教育講座・助教授, 〒673-1494兵庫県加東郡社町下久米942-1 岩田一彦:兵庫教育大学・社会系教育講座・教授, 〒673-1494兵庫県加東郡社町下久米942-1 草原和博:兵庫教育大学・社会系教育講座・助手, 〒673-1494兵庫県加東郡社町下久米942-1 鹿瀬憲雅・進藤憲司・松本浩:兵庫教育大学・附属小学校・教諭, 〒673-1421兵庫県加東郡社町山国2013-4 大西誠一:小野市立中番小学校・教諭, 〒675-1308兵庫県小野市中番18 大橋尚人:三木市立三樹小学校・教諭, 〒673-0403兵庫県三木市末広1-10-8 堂本大明:社町立社中学校・教諭, 〒673-1400兵庫県加東郡社町木梨1134-62.

(2) 学校教育学研究, 1999,第11巻. 40. Development and Analysis of Social Studies I」esson for Promoting Children's Interest and Volition(YD) : In the Case of 'Way of Life in Kaizu Lowland" in the 4th Grade Tomohito Harada, Kazuhiko Iwata, Kazuhiro Kusahara (Hyogo University of Teacher Education) Norimasa Hirose, Kenji Shindo, Hiroshi Matsumoto (Attached Elementary School, Hyogo University of Teacher Education) Seiich Onishi, Naoto Ohashi, and Daimei Doumoto (Nakaban Elementary School) (Sanju Elementary School) ( Yashiro Junior High School) This study is a continuation of "Development and Analysis Of Social Studies Lesson for Promoting Children's Interest and Volition( I )-(VI)" , which have made it clear that children's interest and volition can be promoted through enriching children's social cognition, and that promoted children's interest and volition can enrich children's social cognition. The purposes of this article are to develop Social Studies lesson plan for promoting children's interest and volition, and to propound a theory and methods for analyzing the practices and children's affective development. The hypotheses in this study are followings: (l)the children who have much interest in the social matters in terms of quality and quantity can promote a long-term social volition, and the children who firmed volition on a social research can promote own social interest in many areas, (2)the learning process of (a)investigation, (b)sympathy, and (c)expectation enables children to promote their interest and olition. Based on these hypotheses, we developed a lesson plan of "Way of Life in Kaizu Lowland" in the 4th grade, and then analyzed this practices, and evaluated children's interst and volition as well as their understandings. As a result of this study, our hypotheses are supported.. Key Words: interst and volition, social cognition, Social Studies, evaluation, the SHIDOUYOUROKUlthe courese of evaluation) in 1991, lowland. Tomohito Harada is an Assistant Professor of Department of Social Science, Hyogo University of Teacher Education, 942-1, Shimokume, Yashiro-cho, Kat0-gun, Hyogo, 673-1494, Japan Kazuhiko Iwata is a Professor of Department of Social Science, Hyogo University of Teacher Education, 942-1, Shimokume, Yashiro-cho, Kato-gun, Hyogo, 673-1494, Japan Kazuhiro Kusahara is a Research Associate of Department of Social Science, Hyogo University of Teacher Education, 942-1, Shimokume, Yashiro-cho, Kat0-gun, Hyogo, 673-1494, Japan Norimasa Hirose, Kenji Shindo, and Hiroshi Matsumoto are Teachers of Attached Elementary School, Hyogo University of Teacher Education, 2013-4, Yamakuni, Yashiro-cho, Kat0-gun, Hyogo, 673-1421, Japan Seiich Onishi is a Teacher of Nakaban Elementary School, 18, Nakaban, Ono-shi, Hyogo, 675-1308, Japan Naoto Ohashi is a Teacher of Sanju Elementary School, 1-10-8, Suehiro, Miki-shi, Hyogo, 673-0403, Japan Daimei Doumoto is a Teacher of Yashiro Junior-High School, 1134-62, Kinashi, Yashiro-cho, Kat0-gun, Hyogo, 673-1400, Japan.

(3) 子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成と実践分析(Ⅶ). 41. 1.序 本研究は,子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構 成と実践分析-3年「社町の桃づくり」を事例として-1) 同(刀)一小学校4年「山地の人々のくらし-安曇野(穂 高町,豊科町)に湧く良質で豊富な水を生かしたくらし-」 を事例として2)同(M)一小学校3年「ひとびとのく らしと商店-買物を10倍楽しむ方法-」 3)同(IV)一 小学校4年「菊づくりに生きる沖縄の人々」を事例とし て4)同(V)一小学校5年「ビデオ『杉原紙』を作ろ う」を事例として-5),同(Ⅵ)-小学校4年「嬉野台地 の開発」を事例として、6)の継続研究である。これら の研究では,認識内容を深めてゆくことが,関心・意欲 を育てるものである,との研究仮説のもとで研究を進め てきた。 これまでの研究成果から,認識内容の狭まりが関心の 育ちや意欲的な追究活動を保証することが確認された。 また,関心・意欲を育てる社会科授業設計の理論と,千 どもの評価と授業分析のフレームワークを構築すること ができた。 本研究では,これまでの研究成果をさらに発展させる べく,関心を「知的好奇心」,意欲を「知的向上心」と 捉え直すことにした。そして,関心・意欲を育てる授業 実践の結果,子どもにはどのような育ちがみられるか, 社会認識の成長過程と関心・意欲の成長過程,関心と意 欲の相互作用を中心に分析を試みた。 <問題意識> 関心・意欲を育てようとした授業実践において, ①学級全体および個々の子どもは,実際にどのよう に関心・意欲を伸ばしたか。 ②広く社会的事象に関心をもち,学習課題を意欲的 に追究できた子どもにはどのような特徴がみられる か。 余り社会的事象に関心を示さず,学習課題を意欲 的に追究できなかった子どもにはどのような特徴が みられるか。 ③なぜその子どもは,関JL、・意欲を伸ばすことがで きたのか。またはできなかったのか。 ④関心・意欲を伸ばす社会科授業の条件とは何か。 これら4つの問題を,学級全体の成長と抽出児の育 ちに注目しながら,解明したい。 <研究仮説> ①関心を示す内容の量的豊かさと質的な高さは,意 欲の持続的な成長と密接に関係している。 ②単元構成に,調べ学習や人物への共感,未来予測 の過程を適切に組み込めば,子どもの関心・意欲を 効果的に伸ばすことができる。. <研究方法> ①終結部で子どもが描いた「家の設計図」を分析し, 本単元の学習成果,とくに低地の人々の暮らしに関 わる社会認識を明らかにする。 ②毎時間ごと記録された「学習カード」を分析して, 意欲の成長過程を明らかにする。 ③各次終了時に行われた「知りたいこと」調査を分 析して,関心の成長過程を明らかにする。 ④特徴的な育ちをみせた子どもに注目し,学習過程 に即した関心および意欲の成長過程と,関心と意欲 の相互作用を明らかにする。 本研究では,以上の手続きをもって,関心・意欲の育 ちをいっそう緻密に追いかけるとともに,関心・意欲を 育てる社会科授業を開発・実践し,分析した。 単元の開発に際しては,低地の暮らしぶりが我が国に おいて最も典型的に現われる岐阜県海津町の輪中地域を 学習対象に取り上げた。そして,子どもたちが普段生活 している台地とは異なる低地の特色に,また水との闘い に象徴される低地の歴史に関心をもたせ,輪中地域に住 む人々の努力や工夫を追究しようとする意欲を育てよう とした。単元の終結部には,これまでの研究成果を踏ま えて,海津町の未来予測と子どもの意思決定場面を設定 した。 なお今回開発した授業では,国内にこだわらず,世界 の諸地域を積極的に取り上げた。とくに低地の人々の暮 らしを追究させる単元ということもあって,導入部では オランダの地形や生活を提示し,イメージ豊かに低地の 様子を捉えさせようとした。これは,子どもの意識を国 外に広げ,世界的な視野から低地の特色を把捜させるだ けでなく,子どもの社会的関心や学習意欲を高める効果 もねらっている。 授業分析と子どもの評価においても,これまでに開発 してきた研究手法を,さらに洗練させた。例えば,今回 新たに,子どもの個性的な社会認識を把握する学習プリ ント「家の設計図」,意欲の深まりを把握する「学習カー ド」,関心の広がりを把握する「知りたいこと調査表」 を開発した。これらの分析道具を活用することで,容易 には読み取ることのできない子どもの情意的側面の育ち を,認知的側面との関わりで明らかにしようとしたのが, 本研究Ⅶの方法論上の改善である。 (草原和博). 2.授業構成の実際 2.1教材解釈 子どもたちはこれまでの社会科学習において,地域の 人々の生きる姿を共感的に理解し,社会への関わり方に ついて自分なりに考え,判断する学習を積み重ねてきた。.

(4) 42. 学校教育学研究, 1999,第11巻. とくに未来を予測する学習を通して,自分の生活や社会 のよりよい在り方を求める子どもの姿がみられるように なったことに注目したい。例えば,ごみと住みよいくら しの単元では,子どもたちから「未来のごみはどうなる のか」といった問題が出され, 「未来のごみ問題はブー メランと同じだ。今僕たちがすることが,未来の僕たち に返ってくる」 「私たち一人ひとりごみを少なくしてい かないといけない」といった意見が出された。これらの 意見は,自分が生きる未来の社会の変化を予測し,自分 なりに社会的判断を下した結果であるといえる。 本単元「低地の人々のくらし」では,岐阜県安八町と 海津町を取り上げる。安八町は,昭和51年9月集中豪雨 によって長良川の堤防が決壊し, 1人が亡くなり,町の 大部分が泥の海に浸かった。また海津町は,海抜0メー トル地帯の「輪中」と呼ばれる地域で,苦から何度とな く水害に見舞われた地域である。水害を減らすために大 規模な治水工事も行われたが,政治的な思惑や技術力の 不足もあって根本的な解決には至らなかった。 明治11年,オランダ人技師のデレ-ケや明治政府が, 三川の流れを分ける工事や水源となる山林を保護する事 業を行った。この結果,長良川・揖斐川・木曽川の水は, 速やかに海に流されるようになり,さらには堤防も強化 されたこともあって,水害は激減した。その後も大型排 水機を設置したり,堤防をさらに強固にする,あるいは 水防訓練を定期的に実施することによって,海津町は人々 が安心して生活できる地域に生まれ変わってきた。しか し,昭和51年の水害からも言えるように,水害は2度と 起きないと断定することはできない。輪中地域は,現在 だけではなく未来にわたって,大雨や台風がくるたびに 水害の危険に曝されているのである。 ところが輪中地区の人々の水害に対する危機意識は, 近年大きく変化してきている。 「今後も水害の危険性が あると思うか」の問いに,安八町の水害が起きた翌年の 昭和52年には, 87.2%の住民が「ある」と答えているの に対して,現在では大多数の住民が「ない」と答えてい る。新築の家のほとんどが,石垣を積む特別な建て方で はなく,低地にそのまま建てている現状をみても,住民 の危機意識の変化がうかがえる。しかし,石垣や水屋を 建てる者も少なからず存在する。なかでも安八町の水害 で被害に通った海老氏は,これまでと同じように石垣を 積み,その上に家を建てた。長年にわたって厳しい自然 条件のもとで生活した結果, 「水に対する嘩えは国にも 世話になるが,自分の命は自分で守る」と,あくまで自 分の責任で生きてゆこうと意思決定した人間の姿がここ にある。本単元では,このような低地に生きる人々の生 き様にも触れさせながら,低地の暮らしを切実感をもっ て考えさせたい。 本単元は,人々が厳しい自然と闘う姿や水害を克服し. てきた人々の智恵や努力を理解し,輪中地域だけではな く,自分たちの地域の発展を願う態度を育成することを 目標にしている。これまで行われてきた実践の多くは, 輪中に住む人々の生活を知り,先人の智恵と努力を理解 することだけを目標にしてきたのではなかろうか。本実 践では,自分との関わりにおいて輪中の未来を予測し, より広い視野から地域の発展を願う態度を育てることを 意図するものである。 授業づくりの実際は,子どもたちがもっている低地に ついての既有の知識を出させ,どの様なことに興味をもっ ているかを探ることから出発したい。本校が台地に位置 することもあってか,子どもたちにとって,川の水面が 家の位置よりも高いことを実感をもって認識することは 難しいようである。そこで,まずは低地の様子を具体的 に捉えさせることにしたい。そして次に,子どもたちが 抱いた疑問に基づいて低地の生活を調べさせ,水と関わっ てきた人々の営みを主体的につかませたい。最後に,こ れまでに調べてきたことを根拠にして海津町の未来を予 測させ,どの様な家を建てるべきかを意思決定させる。 課題は次のような問いとして提示した。 「海津町に転校 して5000万円で家を建てようとしている友だちのお父さ んに,どの様な家を建てるかアドバイスしよう」。 5000 万円という条件を限定したのは,空想の未来予測ではな く,現実感をもって未来の海津町の家を予測させるため である。そして自分の決定を他者と突き合わせ,吟味さ せることによって,より合理的な判断へと高めさせたい。 以上のようなねらいを具体化するべく,本校社会科の 基本プロセス, ①問題に触れる-②問題を調べる-③問 題への関わり方を考える,に沿って学習過程を組織した。 各段階の学習課題は, ① 「低地の様子を知ろう」, ② 「低地の人々のくらしを調べよう」, ③ 「海津町の人々は どの様な家を建てるのだろう」と設定した。 2.2単元の指導 2.2.1単元の目標 ・低地の人々のくらしに関心を持ち,意欲的に低地の 人々が水とどの様にかかわってきたかを調べること ができる。 ・低地の人々は智恵や努力によって,厳しい自然や地 形に適応しながら生活していることを共感的に理解 し,地域の発展を願う態度を育てることができる。 ・安八町の水害の歴史,または排水機の能力や堤防の 安全性の視点から,低地に住む人々の家の将来像を 予測することができる。.

(5) 子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成と実践分析(Ⅶ). 43. 2.2.2単元計画(全11時間) 第1次-2時間 第2次-5時間 第3次-4時間 響. 習. 活. 教. 動. 師. の. 働. き か. け. 低地の様子を知 ろ う. 問題に触れる. 問題について訪ペる. 低地の人々の-らしを調べよう. ○低地について知っていることを出し合い,低 地の特徴をつかむ ・日本各地の低地 ・外国の低地 ・低地のくらし ○低地の様子を調べる ・水害が起こりやすい ・堤防で國まれた地域-輪中 ・低地の人々のくらしについて,さらに詳し く調べたい. ・低地についての既有の知識を出させ,ど の様なことに興味を持っているか探る. ○水害が起こりやすい地形と自然/社会条件 ・木曽三川と三角州 ・東高西低の地形 ・江戸時代の政治の問題 ○輪中のモデルを作る ・天井川や家 ・水屋,田畑の位置を実感する. ・昔の木曽三川の様子や地形などから, 輪中ができる原因を考えさせる. ○洪水を防ぐための努力 ・卸國堤 ・宝暦治水--薩摩藩 ・三川分流工事--デレ-ケ ・強固な堤防と排水機の設備 ・昭和51年の安八町の水害. ・各自の興味あることがらについて調べに いかせる ・関心のある社会的事象について意見を整 理し,グループや個人でさらに調べさせ る. ・住居や田畑よりも川の水面の方が高い 天井川の様子を模型を使ってつかませる ・電話で問い合わせたり,パソコンを使っ て,人々と水との関わりを調べさせる ・三川分流前後の水害の様子を比較させ, 工事の重要性をつかませる ・堤防や排水機の安全性について,建設省 の資料を提示する ・水害にあわれた安八町の海老さんの話を MjGBU閉. ○輪中の家の工夫 ・石垣・水屋・上げ仏壇・上げ船 ○輪中の農業 ・堀田・堀っぶれ・田舟 ○現在の輪中 ・堀田の整備,耕地整理 ・ -ウス栽培の野菜 ・石垣のある家と石垣のない家. 海津町の人はどの様な家を建てるのだろう. 問題への関わり方を考える. ○海津町の人は5千万円でどのような家を建て るか予想する ○限定条件を知る ・土地代も含め5千万円の家 ・基本的な石垣の値段など ○海津町の人が建てる家を設計する ・絵と文章で具体的に海津町に住む人が建て る家を設計する。 ○海津町の人が建てた家をお互いに吟味する. ア堤防/排水機信頼派 ・水害は起きるはずがない ・家や庭にお金をかける イ水害に備える派 ・石垣を作る ・ 3階建ての家を建てる. ○意見交換に基づき,再度,家の設計をする. ・水害から家を守るために,様々な工夫が されていることをつかませ,家の予測に 意識づけさせる ・低地という悪条件を克服し,堀田や田舟 を開発するなど,低地に通した農業を工 夫してきたした人々の姿に迫らせる ・排水機や揚水機によって,水の管理が適 切に行われるようになり,また気候や立 地条件をいかして,野菜の栽培が盛んに なっていることを調べさせる. ・自由に家を建てさせるのではなく,一定 の条件の下で家を設計させる ・ビデオを見せ,水害に対して特に備えを していない家もあるし,もしもの時のた めに石垣などの備えをしてる家もあるこ とをつかませる ・今まで学習したきたことをもとに,どれ だけ根拠を持って家が設計されているか を吟味してゆく ・未来設計した家を互いに吟味させること によって,お互いの設計を練り合わせ, 社会的判断力を高める。 ・阪神大震災や台風などの災害にあった時 のことを思い起こさせ,人々はそれぞれ の土地にあった未来予測をして,生きて いることををつかませる。.

(6) 学校教育学研究, 1999,第11巻. SE!. 2.2.3本時の学習(第3次3時) (1)目標 ・海津町に水害の起こる危険性と排水機・堤防の安全性を考慮して,海津町に住む人はどの様な家を 建てるのか,意欲的に考えることができる。 ・海津町に住む人はどのような家を建てるのか,考えを練り上げ,互いに評価し合うことができる。 (2)展開 学. 習. 活. 動. 1 . 本時の学習課題を確認. 教 師 の 働 き か け. 予想 される子 どもの反応. .前時にどの様な家を建てたかを, 確認させ る0. する。. 学習課題. 2 . 海津町にどのような家. 海津町 に住 む人 はどの様 な家 を建てるのだろ う ?. . 大まかな価格を確認 しておく0. を建てるのか意見を出し. 土地…約1000万- 1500万. .水防訓練をして日頃か ら水害に備 えているから大丈夫だ0. 合う0. 家. . 海津町では, 平地 に家を建ている. …約2500万 -3500万. 石垣…約1000万 -1500万 水屋…約1000万 -1500万 庭. …約 500万 -1000万. 人の方が多い。 .性能の良い排水機や丈夫な堤防が あるのだか ら, どんなに雨が降つ ても水害が起こるはずがない0. 3 . 互いに建てた家を評価 し合う0. ア 堤防/ 排水機信頼派. .最初は多様な家の設計を出させ, 論点を整理する0. .現在の海津町には, 石垣を積み上 げている家もあれば, 平地に家を. .瀬音 さんの話にもあるように, 港 津町の人たちのほとんどが, 水害. て, 水害が起きたこと. 建てている家も数多くあることを. はないと安心 して生活 している0. がない. 知 らせる0. . 海津町では昭和になつ. .排水機の性能 .堤防の丈夫さ. .水害になる可能性があるのなら, 石垣でも造 っておこうという安易. .海津町の人々の意識. な意見には, はっきりした根拠を. .建設省の人の話. 持たせるようにする0. イ 水害に備える派 . 昭和51年に安八町で大 水害があった . 海老さん も石垣を造 つ. .子どもたちの根拠を基にした自由. .堤防を造 った建設省の人 も, 水害 が起 こる可能性はないと話してい る0. な家づ くりを基本とするが, 意見. . どんなに丈夫な堤防でも堤防が切 れるかもしれない0. が偏った場合には, 教師がそれぞ. .大雨が降って水害が起 こるかもし. れの派の資料を提示する0. ている. れないから, 石垣 を造ろう0 .水害に備えて3 階建ての家を建る. . 備えをすることに, 也. . 安八町の海老 さんは, 自分で身を. したことはない. 守るしかないと言って, 水害に遭っ た後, 石垣の上に家を建てた0. 4 . 今日の学習を振 り返 り. 次時の学習を知る0. . お互いの評価をもとに, もう】度 どの様な家を建てるかを予測させ. . みんなで話 し合ったことを参考に して, もつとよい家を建てるぞ0. ることを知 らせる0. (虞瀬翻.

(7) 子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成と実践分析(Ⅶ). 3.育成された認識内容 ここでは,本単元における子どもの認識内容を,第3 次に子どもが描いた「低地の家の設計図」とその説明文 (図1)を基に明らかにしたい。. まず,未来予測に用いたプリントについて説明する。 「正君一家(仮定の家族)が海津町に5000万円で家を建て る」という課題のもと,土地代1000万円4500万円,家 代2500万円-3500万円,石垣代1000万円-1500万円,水 屋代1000万円-1500万円,その他の組み合わせのもとで 家の設計(記述並びに図示)を行うものである。第3次で は上の学習プリントを計3回提示し,その都度意見交流 を行い,再設計を求めた。 以下では,子どもの記述を基に,設計の根拠となって いる社会的事実の量的・質的な変化を検討する。 3.1 「設計図」にみられる認識内容の量的変化 子どもの記述を集計したものが,表1と表2である。 記述から読み取れる認識内容を整理すると, 「石垣の安 全性」 「堤防の安全性」 「洪水(自然災害)の起こるおそれ」 「歴史的事実」 「家・設備に関わる工夫」 「生命の尊重」 「人の努力・営み」の各項目に分類できた。 まず全体的な量の変化をみると, 19名の記述の合計が 1回目の学習プリントでは27項目であったのが, 2回目 には43項目に増加し, 3回目には31個に減少している。 このことから, 1回目の意見交換の結果, 2回日には記 述が増加し, 2度にわたる意見交換の結果, 3回目には 表1項目別の出現数とその変化 E]. I回ロ. 2回日. 3回目. 合計. 石 垣 の安 全 性. 7. 13. 10. 30. 堤 防 の安 全 性. 3. 10. 6. 19. 洪水 のおそれ. 9. ll. 10. 30. 歴 史 的 な事 実. 0. 1. 0. 1. 家 . 設 備 の工 夫. 4. 4. 4. 12. 生 命 の尊 重. 3. 1. 1. 5. 人 々 の努 力. 1. 1. 0. そ の他. 0. 2. 0. 27. 43. 31. 合計. 2 .. 意見がある程度集約され,記述が減少していった過程が うかがえる。すなわち,予測と意見交換の繰り返しで, 判断の観点が増えたり絞られたりし,それが子どもの記 述数に現われたと判断できるわけである。 次に,各項目における量の変化を, 「石垣の安全性」 「堤防の安全性」 「洪水のおそれ」の3項目を中心にみて ゆく。 「石垣の安全性」を指摘した記述は, 7-13-10, 「堤防の安全性」を指摘したそれは, 3-10-6, 「洪水 のおそれ」は, 9-ll-10と変化している。このことか ら,各項目の数は,全体の観点の増減に連動して推移し ていることが分かる。 個人を単位にみてみると,根拠の数は1個から4個の 範囲で変化している。表2から変化の型を抽出すると, K・H児のように1-4-4と増加しているケース, N・. 図1未来予測のために用いた学習プリント. 項. 45. 2 101. (抽出児19名より集計). S児のように4-3-3と減少しているケース, T・Y 児のように2-3-2と増滅してるケースに分類できた. いずれの場合も, 3回目になると記述数は横ばいに,あ るいは減少していることが読み取れる。 以上の考察により,子どもが記した「家の設計」の根 拠(認識内容)は,まず最初に量的に拡散し,その後集約 される傾向にあることが明らかとなった。 3.2 「設計図」に見られる認識内容の質的変化 まず全体的な傾向を見ると, 1回目には6項目にわたっ て記述されていたが, 2回目以降は, 7項目-5項目と 推移している。これは,前節でも考察したように, 1回 目から2回目にかけては子どもの観点が広がり, 2回目 から3回目にかけては,逆に観点の精選と収敵が進んだ ためと推察される。 次に「家の設計」の根拠として記述されたに内容を検 討したい。多くの子どもが設計の根拠に挙げたのは, ①洪水の可能性(低地の自然条件)と, ②石垣または堤防 の必要性に関わるものだった。 ①の洪水の可能性については,低地の特色をしっかり 掴んでいる子どもが記述している。洪水が起こりやすい 低地では生活基盤をどのように整備すべきか,という新 たな問いに到達した子どもは, ①だけでなく, ②の石垣 の必要性についても指摘している。 ②の石垣または堤防については,はばすべての子ども (19名中18名)が,そのいずれかに言及している。両方と も記述した子どもは4名いた。このケースは,石垣と堤 防はいずれも信頼できると考えて両方を記述した子ども と,堤防は不安だけど石垣は信頼できると考えて両方に 言及した子どもに分けられる。いずれにしても,設計の 拠り所として,土地の安全性に目が向いていることには 変わりない。子どもは,第2次までに学習した低地につ いての知識を踏まえて,このような土地には堤防の決壊 に備えて是非とも石垣が必要であるとか,強固な堤防は.

(8) 学校教育学研究, 1999,第11巻. 46. 必ずやこの土地を守ってくれるはずだと考え,家を設計 していったものと推測される。 ただし,学習プリントから読み取るかぎり,子どもの 判断根拠(認識内容)となっているのは,そのほとんどが 「家の設計」に直接関わる上述の①や②であって,地域. たことは評価されてよい。しかし, 「家の設計」という それ自体の面白さ・楽しさに引きずられて,第2次まで の学習内容を未来予測に応用,発展させることができな かった子どもも相当数いたのではないか。授業設計にあ たっては,未来予測の課題が学習の連続性を保証するも のになっているかどうか,学習過程に断絶が生じていな いかを,よく吟味しておく必要がある。. の歴史や人々の努力,社会条件の変化などを指摘するも のは少なかった。 ①や②に学級全体の意識が焦点化され. 表2 「低地のくらし」の認識内容 児 童. 1. 回. 目. 2. 回. E]. 3. 回. 目. Y .K. 水位の上昇 . 天井川 大雨の対策. 家 が持 た な い (耐 久 性 ) 堤 防 の安 全性 大 水 . 洪 水 の発 生 数 の 減 少. T .N. 洪水対策 安 全設計. 堤 防の強化. F . S. 命の大切 さ. 災 害 の さ い の人 命 救 済 洪水対策. 石垣 に よ る対 応. F ・T. 洪水の可能性. 自然 災 害 の起 こ る予 測. 災 害 が 起 こ る可 能 性 災 害 に あ っ た と き の対 応. S .Y. 洪水の可能性 水屋の安全性. 堤 防 の強 化 水 屋 の土 台 を石 垣 に して 強化. 堤 防 が 切 れ て も安 全 な水 屋 の 設 計. K .H. 90年 に 1 度 の 確 率 な ので 今 の堤 防 で 大丈 夫. 洪 水 の起 こる確 立 が低 い 堤 防 の大 ささか らく る信 頼 性 人 口 に応 じて 丈 夫 に した堤 防 デレ一ケさん の お か げで 洪 水 が 減 少. 90年 に 1 度 の洪 水 堤 防が切れ ることはない 堤 防 が 鉄 筋 コ ンク リー トで頑 丈 デレ- ケさん の工 事 で洪 水 が 減 少. T .Y. 洪 水 の可 能性 (伊 勢 湾 . 安 八 町 の 被 害 ). 伊 勢 湾 の被 害 安 八 町 の洪 水 石 垣 が 堤 防 よ り家 を守 る. 洪 水 実 験 で 石 垣 の 丈 夫 さ を検 証 洪 水 が 起 こ る可 能 性. S .M. 石垣. 石 垣 の安 全性. 洪 水 が 90年 に 1 度 起 こ る可 能 性 火事 の可能性. M . S. 命 の大 切 さ 石垣 . ポー ト. 高 い と ころ に家 を 作 る 石 垣 を高 く丈 夫 にす る. 大 きな 石 垣. 水 害 が 絶 対 に な い と言 え な い 堤 防 が 壊 れ た ら困 るの で 石垣. 堤 防 が 壊 れ た ら困 る の で石 垣. M .N. 家 の 耐 久 年 数 を考 え た洪 水 発 生 の 可能 性. M .M. 石 垣 を 大 き くす る. 大 き く丈 夫 な石 垣. 高 い と こ ろ に建 て る 石 垣 を 1  ̄ 2 m にす る. H . F. 丈 夫な石垣. 排 水 機 は洪 水 が 起 きた とき の た め 堤 防 は い つ壊 れ るか わ か らな い 水防訓練 人 口が 増 え たの は耕地 整 理 の た め 丈 夫 な石 垣. 石垣 で安全. 堤防が安心 90年 に 1 度 の洪 水 で も大 丈 夫. 海 津 町 の 堤 防 は幅 50m 高 さ 8 m 90年 に 1 度 の 大 雨 で も大 丈 夫. K . ∫ M .A. 堤 防 は し っか り して いて 大 丈夫. 石 垣 をつ けて 守 る い つ洪 水 が くるか わ か らな い. い つ堤 防 が 壊 れ るか わ か らな い 何 年 か に 1 度 は大 雨 が 来 る可 能 性 命 を守 る. S .T. い つ洪 水 が起 こ るか わ か ら ない. 石 垣 が あ ると沈 み に くい 堤 防 は少 しの亀 裂 で決 壊 す る. 90年 に 1 度 の 大 雨 で 堤 防 は決 壊 石垣 で安心. 堤 防 が 壊 れ るか も知 れ な い 石 垣 な ら少 し沈 ん で も大 丈夫. 高 い家 石 垣 の あ る家. 石垣 命 安 全 な家. 大 雨 が 降 る確 率 は少 しは あ る ダム は いつ 崩 れ る か分 か らな い 石垣 の 家. 自然 に は 思 い も よ らな い こ とが 起 こる 石 垣 を積 ん で高 くす る コンクリl トで も堤防 にたよ りた くない. 自然 災 害 で は何 が起 き るか分 か ら ない 実 験 に よ る と石 垣 は丈 夫. U .M N . S. 水 害 に備 え る 命 の大 切 さ 移 動 用 の上 げ船 ,ポl ト,石 垣. Y .Y. 石 垣 の家 が安 心 小 さ な 家 で も人 は 暮 らせ る. T .A. (あまり??がないので)大 き い 家 も し もの 時 の た め に石 垣 大 雨 や 台 風 の た め に安 全 対 莱 , ポ一ト. ( 「設計図」より設計の根拠を取り出したもの). (大西誠-・進藤憲司).

(9) 子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成と実践分析(Ⅶ). 4.意欲の成長過程 4.1意欲の定義と評価法 本継続研究では,研究Ⅴ以来,意欲を「子どもが社会 事象についての研究活動を積極的・継続的に行っている 状態及び行おうとしている状態」と定義し,量と質の両 面からその育ちを評価する方法を開発してきた。研究Ⅶ では,この方法を踏襲しながらも,より明確に関心と意 欲の関係を捉えるとともに意欲の成長過程を段階的に把 握するために,関心を「知的好奇心」,意欲を「知的向 上心」と規定し直し,知的向上心については以下の3段 階で捉えることにした。 I.知的な困難状況,問題の自覚---向上の動機づけ (わからない!) Ⅱ.困難状況を打開するための仮説の提案 --追究内容の向上 (こう考えたらいいんじゃないの!) Ⅱ.仮説を検証する資料・学習活動の提案 -・-追究方法の向上 (こう調べたらいいんじゃないの!). 学習カードにこの3段階に対応する問いを設定し,授 業時間ごとに各自の回答を記入させておけば,単元展開 の各時点における子どもの意欲の状態を知ることができ るはずである。その問いを示すと,次のようになる。 問1.これまでの学習で,不思議に思ったこと,疑問 に感じたことがありますか。それはどんなこと. SKB 問2.不思議に思ったこと,疑問に感じたことを,と りあえずは自分の力だけで答えを出してみなさ い。これまでに学習したこと,または,あなた が知っている知識を使って, 「はてな?」をどこ まで解決できるかな。 問3.不思議に思ったこと,疑問に感じたことを,もっ と深く勉強するために,次の授業ではさらにど んなことを調べてみたいですか。どんな資料を さがしてみるつもりですか。. 意欲の量的側面は,問1に複数の疑問を記述している かどうかにより,また質的側面は,問2・問3に問1と 論理的に整合する内容・方法を記述しているかどうかに より評価する。また,単元を通じた意欲の育ちは,授業 展開の段階ごとの意欲を量的に比較することにより,さ らにまた意欲の成長過程の評価は,抽出児を設定して意 欲の質的側面の変化を把握することにより行う。ただし, 今回は事前の説明不足と解答欄の狭さなどから,意欲の 量を正確に測ることはできなかった。そこで意欲の質的 側面に着目し,まず学級全体の意欲の評価を行い,次に 抽出児を取り上げ,意欲の成長過程を分析してゆく。. 47. 4.2学級全体の意欲の育ち 学級全体の意欲の育ちを探るために,各小単元の最初 の授業が終了した後の回答内容を分析してみたい。 まず,第1次・第1時の回答内容を分析した結果,最 も多いのは次のような回答であった(延べ20人)0 「どう して低地(洪水の起こる危ない場所)に住むのか一人口が 増えてきて,住む所がなくなったから一本で調べたり, 低地の人に電話をして確かめる」。これに次ぐ回答は, 「どうして川より低い土地ができたのか-自然に低くなっ た-川で土地が削られたから一本で調べる,低地の人に 電話で聞く」 (延べ4人), 「洪水を防ぐための工夫はど うしたか-高い堤防を造った一本や資料で調べる」 (延 べ3人),であった。洪水の危険と隣り合わせの人々の 暮らしは子どもの知的好奇心を呼び起こし,それが低地 の学習への意欲を生み出したのだといえよう。 次に,第2次・第1時の回答内容を分析すると,子ど もの疑問は, (彰水害の起こる理由,回数など(延べ10人), (参石垣のある家や堤防の意味など(延べ9人), ③輪中の 川や加古川に関すること(延べ7人), ④海津町の人の気 持ち(延べ4人), ⑤デレーケのこと(延べ3人)と,第1 次に比べて拡散していることが明らかになった。低地の 暮らしに関して子どもが抱く好奇心は多様であり,それ に応じて意欲の方向も多様に現われたということであろ う。ただし,仮説の内容は第1次と同じく恩いっき的な ものが多く,検証の方法についても特に目新しいものは みられない。その中で注目されるのは, 「堤防を乗り越 えて入ってきた水はどうやって抜くのか-たぶんポンプ で汲み上げると思う-海津町の模型を作ってみたい」と, 低地の工夫に関して具体的な疑問と解決策を提示する者, また「なぜ不安の気持ちはあっても,悲しいという気持 ちはないのか-やはり家が心配だから-→今度もまた電話 をしたい」と,低地に住む人々の気持ちを追究しようと する者が現われたことである。 最後に,第3次・第1時の回答を分析すると,海津町 の人たちはどんな家を建てるのだろうという学習課題に 対応して,ほとんどの者が低地に相応しい家屋について 回答しており(延べ16人),洪水の程度(延べ7人)や堤防 の強度(延べ4人)について記した者も,低地でどのよう な家を建てるべきか思索する中での回答となっている。 最も多い回答パターンは, 「なぜ海津町の人々は今は普 通の家に住んでいるのか-堤防が頑丈で水害の心配がな いから-資料で調べる」と, 「石垣の家に住んでいる人 はどんなことを考えているか-損していると思う。でも, ちょっと安心-今どれだけ堤防が発達しているか調べる」 の2つである。ややもすると拡散しがちな子どもの好奇 心を,家を造るとしたらどんな家にするかと焦点化した ことで,学級全体の意欲を育てることに成功したといえ る。. (原田智仁).

(10) 学校教育学研究, 1999,第11巻. 48. 4.3抽出児にみられる意欲の育ち. ていると窺える。しかし,後半になると,意欲の継続性. 子どもがこの授業過程で,どのように意欲を成長させ ているのかについて,前記「問い3」の記述内容の分析. が確保できなくて,内容の発展性が止まってしまったと. を通してみていく。 4.3.1 S-W児. 判断できる。 4.3.3 Y-T児 ①1次1時低地の人がすんでいる家とか,低地の大の. ①1次1時とち。. はなしとかがのっている本があればみてみたいです。. ②1次2時どうやってしょくぶっをてにいれるかしら. 今日,工夫とかきいたけど,はかに工夫していないか. べる。 ③2次1時デレーケのしごと.. とかをしらべてみたいです。 ②1次2時その低地の大のはなしがききたいし,でん. ④2次2時もぞうLにかく。. わできたらしてみたい。私たちのぎもんがのっている. ⑤2次3時どうぐの本。. 本があればみてみたい。. ⑥2次4時(もうない。) ⑦2次5時低地で1番とれているやさいをしらべる。. ③2次1時今日恩ったぎもんを,こんどは安八町のや くぼの人にでんわしておしえてもらいまとめていく。. ⑧3次1時今どんだけていばうがはったっしているか。. ④2次2時今日,家にかえったらえびさんにでんわす. ⑨3次2時∼はかる。 (意味不明) ⑲3次3時?いえ。 ⑪3次4時つぎのこと。 <内容の変化> 土地-食べ物-デレーケ-道具-野菜-堤防一家 <調べ活動の変化> 模造紙一本 <コメント>. 内容への関心が動いている。しかし,調べ活動の多様 性に欠け,意欲の成長は乏しい。 4.3.2 T-F児 ①1次1時なぜそんなところにつくったのかを,本と かでもっとくわしくしりたいからしらべる。 ②1次2時もっと低地のことをしっていきたい。. る。それでまとめてもぞうLにかきたい。 ⑤2次3時図書館にいっていろいろなしりょうをさが してまとめる。 ⑥2次4時未来の家を考えたい。昔の家はどうだった かとかんがえてかいてみたい。 ⑦2次5時昔の人はどうやって水屋を考えだしたのか などをしらべたい。 ⑧3次1時こうずいのときにどのくらいの強さの家だっ たらだいじょうぶなのかとかがのっている本とか人に きいてみたい。 ⑨3次2時石がきはどのくらいでつぶれるのかをしら べたい。 ⑲3次3時大きい家のほうがこまるようなしりょうや しょうこをみつけたい。. ③2次1時もしここがひくいとちだったらどんないえ になっているのか?. ⑪3次4時かいづ町の古くからすんでいる人に色々き. ④2次2時もっと昔のこうずいのこともしりたいし,. <内容の変化>. 家のくふうももっともっとしりたい。. きたい。 家,工夫-低地の人の話-安八町-未来の家,昔の家. ⑤2次3時もっともっといえのこととかをしらべたい。. -水屋-洪水と家の関係-石垣の強さ-大きい家が困る. ⑥2次4時よそうでみらいの海す町の家をよそうして. 資料・証拠-古くからすんでいる人. 1SHR ⑦2次5時ていぼうのしくみがしりたい。. <調べ活動の変化> 本-聞き取り,電話,本-電話,模造紙-図書館一本,. ⑧3次1時もっと家のことをしりたい。. 聞き取り-資料・証拠探索-古老-の聞き取り. ⑨3次2時もっともっと家をしりたい。. <コメント>. ⑲3次3時もっといえのことをしりたい。. 内容および調べ活動共に多彩でありかっ継続性がある. ⑪3次4時つぎのしかいをがんばる。 (意味不明). ところから,意欲が順調に継続し,育っていると判断で. <内容の変化>. きる。. 何故そこに-低地-低い土地の家一昔の洪水,家の工 夫一家-海津町の未来の家-堤防の仕組み一家一家一 家-? <調べ活動の変化> 本-未来の予想 <コメント>. 単元の初期の段階では,順調に内容に関する関心が育っ. 4.3.4小結 以上の抽出児の分析結果から,次のことが言える。 ①T・F児に見られるように調べ活動の多様性に欠ける 場合には,意欲の成長に停滞が見られる。 ②Y・T児にみられる関心を抱く対象の独創性は,意欲 の継続的な育ちを可能にする。 (岩田+彦).

(11) 子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成と実践分析(Ⅶ). 5.関心の成長過程 5.1関心の定義と評価法 本継続研究では,一貫して関心を「問題関心」と定義 し,子どもの内面世界に成立する「問い」とその育ちを 評価する方法の開発に努めてきた。研究Ⅶでは,この方 法を踏襲しながらも,より明確に関心と意欲の関係を捉 えるとともに,子どもの問題意識の知的性格を把握する ために,関心を「知的好奇心」と規定し直した。そして 子どもが好奇心を示す対象を, 3つの側面から捉えるこ とにした。. I.地域-低地の事実を構成する要素 (例:木曽川,濃尾平野,平田執負など) Ⅱ.地域-低地の事実を記述するデータ (例:木曽川では, ○○時代の頃, 〇〇回の洪水 があった) Ⅲ.地域-低地の特色を説明する概念・行為 (例:水屋,天井川,堀田,分流,ダム建設など) 上の3領域に対応する言葉・データを選定し,各項目 についての好奇心を各次終了時(プリテストを含む)ご とに自己評価させれば,単元展開の各時点における子ど もの関心の状態を知ることができるはずである。調査表 のスタイルを示すと,下のようになる。. とても知りたいですすこし知りたいです余り知りたくないですどうでもいいです. 平田靭負. このような形式で, 34の固有名詞(I)と31の地域デー タ(n), 34の概念・行為(Ⅱ)を提示し,それぞれの項目 について好奇心の強さを問うた。各領域の約半分の項目 は今回の単元計画とは直接関係のないダミー項目とし, 教師の意図的な形成過程と子どもの内発的な関心の育ち が,どのくらい連動しているかを読み取れるように工夫 した。 関心は,基本的には次の2つの視点から分析すること ができる。第1に,好奇心の量と質。量は, 「とても知 りたいです」に幾っマークしているかを基準にして評価 する。質はi nnのどの領域に好奇心を示しているか, ダミー項目と授業関連項目のいずれに好奇心が向けられ ているかによって評価する。第2に,関心の成長過程。 これは抽出児を設定して,好奇心の量的・質的側面の変 化を把握することにより行う。ただし,本研究Ⅶでは, 関心と意欲の関係を探ることが課題とされているので, 本章でも引き続き,意欲の評価で取り上げた3人とプラ ス1人の抽出児に注目し,それぞれの児童に特徴的な関 心の育ちを捉えてゆく。以下,抽出児の「とても知りた. 49. い」項目の変化を整理した次頁の表3に基づき,関心の 分析を試みる。 5.2抽出児にみられる関心の育ち 5.2.1関心の対象 追究方法への意欲が高いK ・ K児は,第1回調査時か ら長良川への好奇心が芽生えているが,継続性は乏しい。 関心の対象は,当初低地の地理(河川の名称など)へ向 けられていたが,次第に低地の歴史(御囲堤やデレーケ) に移っている。地域の特色を示す施設・行為への好奇心 は,極めて個性的である。消防団や果物作りなど,必ず しも授業とは関係しない概念に,強い好奇心を示してい る。なお表3には現われていないが,地域の事実を記述 するデータのほぼ全て(29項目)に「少し知りたいです」 と答えており(第3回調査),数値などの地域の詳細な実 態に強い好奇心を抱いていることが分かる。 一方,追究内容への意欲が高いS ・W児は,第3回の 調査時になって初めて木曽三川に対する関心が芽生える。 S ・W児に特徴的な関心は,授業とは直接関係のない生 野銀山や佐渡金山への執着であろう。地域の特色を捉え ようとする知的好奇心は,量こそ少ないものの,低地の 暮らしに特徴的な施設・行為(堀田や水屋,米づくりな ど)に焦点化されている。なお表3には現われていない が,地域の詳細を記述するデータのほぼ7割(22項目) に「余り知りたくないです」と答えており(第3回調査), K ・ K児との違いが際立っ結果となっている。 抽出児の分析から推測されるのは,関心の対象と意欲 との関係である。子どもの好奇心が地域の特色を捉える 概念に焦点化されていれば,その時その時の学習内容に ついて深く「知りたい」という意欲も喚起される。また, 地域データに対する好奇心を高めることが,対象地域に ついてさらに「調べたい」という学習意欲を向上させる ことにつながるO教師は,子どもの好奇心、の特徴や偏り を把握し,個の必要に応じた支援-好奇心の対象を 広げる学習指導-に努めなくてはならない。 5.2.2関心の継続性 学習意欲が,学習過程の後半で低下するT ・ F児は, 第3回調査時までは,全ての領域で関心の対象を増殖さ せている。ただし第4回調査時には,関心の対象が僅か ながら減少している。 T・ F児に特徴的な現象は,好奇 心のターゲットが学習の流れと連動している点である。 例えば,授業開始後,低地の暮らしに突如として好奇心 が芽生え,低地の特色をっかむ諸概念(水屋や天井川, 上げ船など)にも強い好奇心を示している。その後,撹 業で三川分流や洪水の歴史を扱うと,子どもの好奇L、は, 次第に木曽川や海津町についての諸データ(木曽川の長 さや水温,海津町の人口や石垣など)へ,あるいは濃尾 平野の治水工事に関わる諸要素(薩摩藩,平田靭負,デ.

(12) 50. 学校教育学研究, 1999,第11巻. レーケなど)へと移っている。 一方,学習意欲を連続的に成長させていたY ・ T児は, 全ての領域に強い関心を示しており,しかもその量は, 第4回調査時まで一貫している。またその旺盛な好奇心 は,低地の事実や特色を理解するのに欠かせないデータ や概念(洪水の回数,家の形や位置,排水ポンプなど) を着実に捉えており,好奇心の質の高さがうかがえる。 Y ・ T児に特徴的な現象は,既習事項や個人的興味に由 来する関心が,学習過程で決して揺らぐことのない点で ある。例えば,嬉野台地,播磨平野,井戸掘り,花っく り,果物っくりなどは,本単元とは直接関係しないけれ ども,最初から最後まで旺盛な好奇心を示している。 Y ・ T児は,個性的な好奇心と知的な好奇心を相殺すること. 抽出児の分析から推測されるのは,意欲の継続性と関 心との関係である。子どもの「知りたい」 「調べたい」 という知的向上心を持続させることが,好奇心の対象を 量的に増殖させるし,質的な焦点化も促す。また,新た な好奇心の芽生えが,さらなる意欲を喚起する。注目す べきは,この一連のフィードバック作用において,単元 計画を無視した子どもの好奇心とそれへの執着心は,必 ずしもマイナスに作用せず,逆に積極的な学習態度の育 成につながるケースもあるということである。教師は, 子どもの好奇心の変化(活性・衰退)と個性を見定め,逮 中で息切れすることのない,少しでも長いスパンで学習 課題を追究できる手立て-好奇心を持続させる学習 過程-を講じなければならない。 (草原和博). なく, 2つを同時並行で成長させていった例である。 表3抽出児の関心の変化:「とても知りたい」項目 領 域 I. K. Ⅱ. K 児. Ⅲ. S W 児. I. 第 1 匝】 調 査 ( プ リテ ス ト). 第 2 回調 査 (第 1 次 2 時終 了 時 ). 沖縄 島 , 嬉 野台 地 , 長 良 川▼ 加Il古川 ▼ 慶 安時 代 , 尾 張 藩. 徳川 慶 喜. j虫細虐L 新 潟 平野 . 塵巨星畠』虹. 姐 上. 力臣去上土 ⊥ 」 筑 後 川 , 鴨川 ダム. 木 曽川 の 深 さ, 木 曽 川 に 流 れ こ む土 砂 の景 海 津 町 の お祭 り, 学校 の行 革▼ 」 ..ttfiL1l 社 町 の人 目変 イヒ. お祭 り, 土 地 のイ 直段, 工場 の 数 助 命 捜, 消 防E乱 天 井 川, 井 戸 掘 り, 封F水 ポ ンプ. 飛 行 場 . 野 莱 .づ くり, 花 .づ くり, 果 物 つ く り 寒 い, 暑 い , 雨が 少 な い, 雨が 多 い と ころ の人 々 の暮 ら し 生 野 銀 LLl. 雑 田T の お祭 り. 学 校 の 行書 , ii jn 9 2& 水足, 岨 L 主監艮左E乱. 上 げ船 盟 .」 , 年 の飼 育 塾 上. 塾 上. 土 地か 高 い. 土 地 カて4丘い▼ 雨 が 多 い と こ ろの 人々 t1、番 目 生血 邑止1L 佐 渡金 山. 止し 旺【 ヨ 盟 B l=≧<J Q. 叡 L 虹 L l 』三 重赴 土. 土 塊 岨 」 雨か 少 な い, 岨 と ころの 人 々の;巨 ら し 木 曽川 , 長良 川 , 撮 斐 川 ▼生B j邑上 上し 必二 組 』L テ レl ケ. i毎津 町の 填 防 の仕 組 み. 木 曽川 に 遣 られ たダ ム の数. fl. 埋 め立 て. 堀田 米 づ くり. 野菜 づ く リ▼ 沖 縄 島, 新 潟平 野 . 筑 紫平 野 , 嫌 野台 地 l 鴨 川 夕.ム , 生野 金 艮山 徳 川慶 喜. 過. 倍 濃川 ▼ 長 良川 l 利 根 川, 筑 後 川 . 加古 川 の洪 水 の 回 数 T Ⅱ 海津 町 の 堤防 の 仕組 み. Ⅲ. I. Y. ( 第 4 回 調 査 時 は資 料 な し). 加古川のさ 共水 の ー 亘一 致, 木曽川に 造 られ た ダ ムの 数. 播 磨 平野 , 佐 渡 金 山. Ⅱ. T 児. Ⅲ. 嬉 野 台地 , 播 磨平 野 . 加 古 川, q鳩川 ダ ム. 社 町の 人 口変 化 , 石垣 をも つ家 の割 合 . 土 足防の 仕 組 み 馳 L B阻 . 迦血 .Ll. 嬉野 台 地 ▼ 播 磨平 野 , 加 古川 ▼ 閥川 ダ ム. 幽. 虹. 岨. 更男L. 血血 ⊥1. 信 濃 川 . 長 良川 , 利 根 川. 加 古 川 の洪 水 の回 数 木 曽川 の 長 さ, ダ ムの数 , 流 れ こむ 土砂 のI 梅 津 町 の 家 の形 . 位 置ー 堤 防 の 仕組み 社 町 の人 口変 化 , 堤 防 の仕 組 み. 励 止し 血 豆止」 壬風 上. 迦1=左 川 の 放7k のrP l教 太 白 … にi告られ た ダ ムの拳を. ヱ亙 れ こむ .←紗 の 丑 港 ;車町 の人 口変 化 屈し 石 垣 を もつ 家 の割 合 , 凪 近 jZ2上出且を iaE K tB E i lsm 'M S E ISSI*. 渡 し船 , 天 井 川, 井 戸 掘 り, ダム建 設 , 排水 ポ ンプ. 花 つ く りー 果 物 つ く り 寒 い, 暑 い. 土地 が高 い, 土地 が低 い, 雨 が少 な い. 雨 が多 い とこ ろの 暮 ら し. 水 屋 , サ イ ロ- 上 げ舶 ▼ 紬 林 , 』三 池 ⊥ サ 7k -昭 三五=三上. J2+ 見地に三上...玖 土』岨 L 十 地 が低 い. 班 出 ⊥」 繭 が盲 I ' U -j o lt ん ⊥. 第 4 回 調 査 ( ポ ス トテ ス ト). 幽 畠L 血 畠∃当星L 掬一 皿蝿, チ′レ- ケ ▼. Ⅱ. I. F 児. 第 3 回 調 査 (第 2 次 5 時 終 了 時 ). 生乳. L 塵三 虚血. . 堀田. 盛l地 虹. 木 曽 川, 長 良 川, 書 耳斐川 I 加古 川▼ 鴨 川 夕′ ム▼ 御 園堤 . ヨ遡 邑上 山L 蘭 m r芋, 平 田放 免l テ レ- ケ , クラ ー ク ペ リー 4孟j監止し 姐 上. 圭リ 腰弘上 上. 遡遜 1'l a 日.い lld l付火 の 回 木 曽川 の長 さ, 水 温 , 深 さ, 流 れ こむ土 砂 のI , 橋 の数 ▼ 海津 町 の人 口 変化 石垣 を もつ 家 の割 合▼ 朴 EHT.蝣 .'人 u 甘イ「l ←ーh 1 与- I. 蝣 1守 一 喜 s m -m T a tm t 盛地 盤L 月日監≡ 巨要し 木 曽川 , 長 良 川 , 操 斐 川▼ 皿 上. 御 匪一 旗. 薩 摩 ∃ 看. ラ′レ- ケ. 戯 邑畠』L 姐 ⊥」 長 屋班.LL 岨 上 組 主 星L 嵐 壁B L 里 丑 也でL it 'll* 由L. B B 虹LL 長 良川. 和一 栂 III. 男ニ 後 止」 血 宝川の 放ノk の E l書を 太 曽 …の 長 さ 7k M . i歪.さ上. ダ ム の数 , 流 れ こむ + 石心のー ■. M L 海 洩町 の 人口変 什 家 の形 . L立 Zl , 石垣i を もつ豪 の 轟‖ ノ 会. ± 是防 の仕 組 み 盛畳 畠』虹. 岨 巨塁L 泉 邑止し L 鎚 旺」 凄ビ監止し 血血 上. 鴨 川 ダ ム, 馳 l 三u クラー l・ ク, !くリl. 幽 虹. B 組 . 木 曽川 , 長 良 川▼ 撫 斐 川, 血血 ⊥L 御 哩 珠, 権 J寧澤. テ レ- ケ. 盛 塁臼皇逃し 岨 L 岨 上. 長且 上 上. 出 藍は」 皿 ⊥l 鴨川 ダ ム. 遡周 遊L j 1 二 とL ク ラI ク, !くリl. 血 農止」 血 豆止」 壬止確山上. 力且二 左 )一 一 の 批7k の ia 数 大 曽 川 に流 れ こむ 十一 恥の-. Iコ・ M ILJL 阻 」 川 の洪 7k の 「 司教 太 首川 に流 れ こt !+ 軸 の -. 沌i迫 田T の 人[] 変 イL, 夏 の 汗壬. 柿 m ^ . 石 垣 を もつ豪 の嚢r一 会. 凪 近 J聖上ヒ 姐 . ネ アm の 人 ロ密イh . 坦 β 蝣 方の什 糸目み. 浪 速En の 入日好 イL . 豪 の V . - 付 腰」 <=;.tiiを t、つ や Lr、サJ 」. 也 旦止し姐旦⊥ 未+ 田llの 人 u 密イF,A. j盤屋」 土 .4 ..望⊥. 助 命 稚 , 堀 田, 天 井 川, 岨 l緻 1一旦巨 水 且 と-Zl - 丑と1エl皇⊥ .里彪山 . 寒 い▼ 暑 いl + 地 が 古 いL 土且』 立虹 i_ a が !L>ない. 岨 と ころ の蓋 ら tJ. 過 . 土 .土..E ⊥. 戯戯 h L 盤 匡L 云丘はLL 過払 』地 上 匙盤 壁..と.Z ニ ll 丑L⊇lL ヱ」. 見 地L⊇'< q. (太字は,各調査時に初めて現れた好奇心の対象を,下線は,前回の調査時から持続している好奇心の対象を示す。).

(13) 子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成と実践分析(Ⅶ). 6.結 本研究の成果を, ①認識内容, ②意欲の成長過程と関 心, ③関心の成長過程と意欲,の3点から概括すると, 以下のようになる。 ①低地の暮らしに関わる認識内容 低地が人間生活に与える影響(水害の危険)と人々の 対応(三川分流,堤防,石垣のある家など),及び低地 の現状(水害の危険性は低くなった)をほぼすべての子 どもに認識させることができた。 ただし,認識内容の変化を,第3次に書かせた家の設 計理由だけを手がかりに捉えようとしたのには無理があっ た。むしろ,各時間ごとの「学習カード」や小単元ごと の「知りたいこと」調査を,積極的に利用すべきだった と言えよう。 ②意欲の成長過程と関心 まず,学級全体の意欲の育ちに関しては,小単元ごと に次のような特質が明らかとなった。第1次では,川よ り低い土地に暮らすことの危険性の認識が子どもの知的 関心を喚起し,追究への意欲を育てた。第2次では,低 地の暮らしに関する多面的な調べ活動が個々の子どもの 関心を刺激し,そのいわば個性的関心が意欲を育てた。 第3次では, 「海津町に家を建てるとしたら,どんな家 にするか」と追究課題を絞り込み,子どもに意思決定を 迫ったことが,学級全体の意欲を育てた。 しかし,抽出児に着目すると,必ずしも意欲の育ちが 順調とは言えない面も見られた。その理由を分析した結 果,調べ活動の方法に多様性が欠ける場合,関心の対象 に独創性が見られない場合に,意欲の育ちが阻害される ことが判明した。それゆえ,意欲を育てようとするなら ば,子どもの個性的な関心を喚起するとともに,関心の 深まりや広がりに応じて,多様に調べたり考えたりする ことのできる認識内容を設定することが必要だと言えよ. 51. 個々の関心の特徴や偏りを把握した上で,関心の対象を 広げてゆくことが必要であろう。 次に,意欲の継続性と関心との関係では,子どもの 「知りたい」 「調べたい」という知的向上心が持続すれば, 関心は質・量ともに成長し,また新たな関心の芽生えが さらなる意欲を育てることが明らかとなった。それゆえ, 子どもの意欲を育てようとするならば,関心の変化と個 性を見定めた上で,関心を持続させる学習過程を工夫す ることが必要であろう。 また,今回新たに関心を「知的好奇心」と規定して, 子どもが好奇心を示す対象を3つの側面から捉える評価 法を開発した。評価問題の作成にはかなりの労力を要し たが,その分より綿密に関心の量的・質的変化を把握す ることができた。 以上の概括からも明らかなように,本研究を通して, 序で示した2つの研究仮説は検証された。今回の研究で 明らかとなった成果を他の実践で検証してゆくことが, 今後の課題である。 (原田智仁) く注) 1)岩田一彦他,子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成 と実践分析-3年「社町の桃つくり」を事例として-」学 校教育学研究(兵庫教育大学学校教育研究センタ-)第5 巻1993, pp.143-161. 2)岩田一彦他,子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成 と実践分析cm一小学校4年「山地の人々のくらし-安雲 野(穂高町・豊科町)に湧く良質で豊富な水を生かしたく らし-」を事例として,学校教育学研究(兵庫教育大学学 校教育研究センタ-)第6巻1994, pp.67-82. 3)岩田一彦他,子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成 と実践分析(Ⅲ)-小学校3年「ひとびとのくらしと商店一. う。. 買い物を10倍楽しむ方法-」を事例として,学校教育学研. また,今回新たに意欲を3段階からなる「知的向上心」 と捉え,学習カードを利用して量と質の双方から意欲の. pp.81-94.. 究(兵庫教育大学学校教育研究センター)第7巻, 1995,. 育ちを把握する方法を採用したが,その実施に当たって は,子どもに趣旨を徹底するなどの工夫が必要なことが. 4)原田智仁他,子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成. 課題として残された。 ③関心の成長過程と意欲 意欲の成長過程と同じく,抽出児に着目して関心の育 ちを分析した結果,関心の対象と継続性という2つの面 で,新たな知見が得られた。まず,関心の対象と意欲の 関係では,子どもの関心が地域の特色を捉える概念(水 鼠天井川,堀田など)に焦点化されている場合に,もっ と深く「知りたい」という意欲を生み出し,また子ども の関心が地域の事実に関するデータに向かっている場合 に,さらに「調べたい」という意欲につながることであ. を事例として,学校教育学研究(兵庫教育大学学校教育研. る。それゆえ,子どもの意欲を育てようとするならば,. と実践分析(Ⅳ)一小学校4年「菊づくりに生きる沖縄の人々」 究センター)第8巻1996, pp.63-74. 5)原田智仁他,子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成 と実践分析(V)一小学校5年「ビデオ『杉原紙』を作ろう」 を事例として,学校教育学研究(兵庫教育大学学校教育研 究センター)第9巻1997, pp.61-72. 6)原田智仁他,子どもの関心・意欲を育てる社会科授業構成 と実践分析(vI)一小学校4年「嬉野台地の開発」を事例と して,学校教育学研究(兵庫教育大学学校教育研究センター) 第10巻1998, pp.19-31..

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